暴虐「グギャーーーーー!!!」
黒竜は咆哮をあげる。これは正直な話で危険と感じた。
理 「神綺!念のために魔界人達を避難させろ!
亜狛、耶狛、行くぞ!」
理久兎に指示をされた亜狛と耶狛は頷きそれぞれの武器を構え、
亜狛「了解ですマスター!」
耶狛「イエッサー!!」
そう言い理久兎は……
バリン!!
またガラスを突き破って外へと飛び出し、
理 「エアビデ!!」
そう叫ぶと理久兎の体は浮遊しその状態で影の暴虐へと向かって行った。そして亜狛と耶狛はやれやれとした表情をすると、裂け目へと入っていきその場には神綺と夢子そしてアリスだけが残った。
アリ「また窓を割ってった……」
神綺「夢子すぐに避難誘導をしてちょうだい!」
夢子「かしこまりました!」
そうして避難誘導を開始する準備へととりかかった。そして窓を突き破り影の暴虐へと向かう理久兎は、
理 「さぁ!俺と踊ろうか!!」
そう言い理久兎は影の暴虐の眉間に向かって右拳で殴りかかるが、
暴虐「ガーー!!」
影の暴虐は自身のその右拳で理久兎の拳を迎え撃ち、
ダーーーーーン!!!
拳と拳の衝撃波が辺りに響く。すると辺りにあるビルの窓ガラスが全て割れ破片が飛び散る。
バリン!!バリン!!バリン!!バリン!!
理 「チッ!ここだと被害が大きくなりそうだ」
そう言い理久兎は影の暴虐の拳を弾こうとするが、
ギリ……ギ…リギリ……ギリ……
影の暴虐も力を入れているためまったくと言っていいほどにその拳を弾けない。
理 「こいつなんちゅう力だ!」
そう言っていると理久兎の頭上に裂け目が現れる。
亜狛「マスター今行きます!」
耶狛「行っくよ~!!」
そう言い亜狛は大量のクナイを影の暴虐に投げつけるために準備し、耶狛は小さな妖力で作った玉と神力で作った玉を放出する。だが影の暴虐は亜狛と耶狛をじろりと睨み付けると、
暴虐「グギーーーーー!!!」
自身の影を用いて無数の影の槍を精製し亜狛と耶狛を貫こうがために放出する。それを見た亜狛と耶狛は、
亜狛「耶狛!」
耶狛「分かってるってお兄ちゃん!」
そう言い亜狛と耶狛は落下しつつ影の暴虐の影槍を回避し続ける。そして影の暴虐が亜狛と耶狛に気を配っていると、
理 「余所見すると……」
そう言い理久兎は拳に込めてる力を抜き拳を避けがら空きになった影の暴虐に、
理 「危ないって知らないのか!瞬雷!」
そう言い理久兎は瞬雷をして黒き暴虐の腹にまで来ると、
理 「仙術十六式内核破壊!」
そう言い理久兎はその拳を黒き暴虐に当てる。そして……
ブジュッ!
暴虐「グガアガーーー!!!!」
その黒き暴虐の腹は見事に穴が空いて内部からは血液が滴りでて苦痛の悲鳴をあげるがそれに追い討ちをかけるがごとく、
亜狛「これでどうだ!!」
ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!
亜狛は準備したクナイを投げつけ耶狛は、
耶狛「綺麗な花火を咲かせてね♪拡大!」
ジャラン! ピチュ!ピチュ!ピチュー!
と、錫杖を鳴らすと先程放った妖力の玉と神力の玉は拡大し黒き暴虐に全弾命中させる。
暴虐「ガァーー!!」
追撃をもろにくらった影の暴虐は更にその悲鳴をあげる。そして黒き暴虐はその体で地面へと墜落するがビルに何とか手を置き倒れないように支える。そして理久兎達も地面へと着地する。
亜狛「マスター大丈夫ですか!」
耶狛「大丈夫?」
理 「あぁそれよりもまだあいつ殺る気だぞ……」
理久兎がそう言うと影の暴虐の影の形が違っていた。理久兎が開けた穴は光が通り普通なら影に穴が空いた状態で映し出させれるが影の暴虐の影は穴が1つ空いていない……すると影の暴虐の体に変化が訪れた。
亜狛「おい……嘘だろ……」
耶狛「マスターが開けた穴が塞がっていく……」
なんと影の暴虐の腹に空いた穴がどんどん塞がっていきやがて元の穴が空く前の状態に戻る。そして影の暴虐は再度その翼で羽ばたき空を飛ぶ。
暴虐「ガァーーーーーー!!」
理 「おいおい何でもありかよ……」
(面倒だがプランBで行くか……)
理久兎がそう考えると突然の出来事だった。影の暴虐は、
暴虐「ガァ!」
フォン!!
その爪を広げ理久兎の前で降り下ろすが距離的に届いていないのにも関わらず降り下ろす謎の行為をした。
すると突然後ろの方で神綺が大声で、
神綺「理久兎さん!避けて!!」
理 「えっ?」
理久兎は突然何だと後ろを振り向くと気づいてしまった。
亜狛と耶狛の影が一刀両断されて半分になっていた事を……
すると亜狛と耶狛の体にも異変が起きた……
亜狛「ガハッ!」
耶狛「うぐっ……」
亜狛と耶狛が一刀両断されたのだ……そうこれこそ影の暴虐の能力による真骨頂の1つ……影による攻撃だったのだ。
そして一刀両断された亜狛と耶狛は体を真っ二つにされて地面に落ちる。
ドサッ!ドサッ!ドサッ!ドサッ!
斬られた断面図からは臓器が飛び散ってその場には赤い水溜まりを作り上げた……そしてその後継を見ていた影の暴虐はその口元に笑みを浮かべていたが同時に影の暴虐は少し焦ってもいたのだ。理由は……
理 「………………………………………」
理久兎が切断されていないからだ……そんな後継を見ていた神綺達は、
アリ「嘘……死なないって言ったのに!!嘘だっ
たの!」
夢子「くっ……」
夢子はその光景を見て目を反らしアリスはこの惨状を起こした事に罪悪感を抱いた……だが神綺は、
神綺「………………………………………」
何故か黙っていた。そして微かな声で、
神綺「おそらく理久兎さんの事だから何かカラクリ
がありそうね……」
神綺は理久兎の言っていた「死なないから♪」の陽気すぎる言葉に違和感を抱いていたのだ。それは理久兎は命に対する侮蔑は絶対にしないと知っていたからだ。すると影の暴虐の笑みは突然消えた。その消えた理由は、
理 「ククク……アッハハハハハハ」
突然理久兎が笑いだしたのだ。この時この光景を見たアリスや夢子達魔界人達は理久兎に対して「イカれてる、キチガイ」とそれぞれが思った。そして理久兎は笑うのをやめて、
理 「いやいや~君の勝ち誇った顔が中々傑作で
ついつい笑っちゃったよ♪」
暴虐「………………………………」
黒き暴虐はこの時、理久兎に怒りを覚えた。この男は確実に破壊するとそう思っていた。だがそんなことは無視して理久兎は話続ける。
理 「やれやれ……そろそろ起きたらどうだ?
亜狛♪耶狛♪」
理久兎がそう言うと……一刀両断された2人の体の飛び出した内蔵は元に戻っていきそして半分になった断面図と断面図がくっつき元の形へと戻り、
亜狛「まったく獣使いが荒いんですから………」
耶狛「あぁ~痛かった……」
そう言い2人はまた立ち上がった……それを見たこの場の全員が驚いた……
アリ「嘘生きて……」
夢子「それにしてもあれは……」
神綺「フフ…思った通りね♪さぁ!皆早く逃げて」
神綺達はいまも避難活動をしていた……そして影の暴虐はただ驚くしかなかった。これまで自身の能力で殺してきた者達は何千といたがその内殺せなかったのは神綺ぐらいだったからだ……だが目の前に殺せないと感じた3人を見て、
理 「さぁ!第2ラウンドといこうか!」
そう言い理久兎は断罪神書から黒椿と天沼矛を持ち、
理 「亜狛、耶狛あいつを氷界に誘い出すぞ」
理久兎がそう言うと亜狛と耶狛は頷き、
亜狛「分かりました!」
耶狛「了解だよ!」
理 「さぁやるぞ!」
理久兎達はその一言で影の暴虐に再度挑みかかる。
暴虐「ガァーーーーー!!!」
影の暴虐も再度咆哮をあげて理久兎にその爪を降り下ろすが、
キン!!
理久兎は天沼矛と黒椿をクロスさせてその降り下ろしガードすると、
耶狛「狼の宴!」
耶狛がそう言い錫杖を鳴らすと無数の神力で作った狼達が理久兎が抑えている黒き暴虐の腕へと噛みつき、
亜狛「秘技白狼構想曲芸術!」
そう言い亜狛はクナイを投げるとそのクナイ1つ1つは白狼となって耶狛の作り上げた狼の近くによると、
バン!バン!バン!バン!バン!バン!
中規模な爆発となり黒き暴虐の腕を木っ端微塵にする。それを受けとめていた理久兎はその腕という名の枷から外れ黒き暴虐の足元に近づき、
理 「これでどうだ!!」
グチュ! ザシュ!
天沼矛で黒き暴虐の足を貫きそして黒椿で黒き暴虐の足を切断する。この攻撃に影の暴虐は、
暴虐「ギャーーーーーーーー!!!」
またその悲鳴をあげるが影を操作してもう一度自身の体へと木っ端微塵にされた腕と切断された足を元に戻す。そして理久兎達の方を見ると、
理 「こっちだ!蜥蜴野郎!!」
そう言い理久兎は走っているのを見た影の暴虐は、
暴虐「グガァーーーーー!!!」
その咆哮をあげて理久兎達を追いかけるのだった。