亜狛と耶狛が仙術を学びたいと言って約50年の歳月が経過した……
亜狛「仙術四式鎧砕き!!」
亜狛がその言葉と共に巨大な岩を殴るとその岩にヒビが入っていきやがて瓦礫のように崩れていく。この50年の歳月で亜狛はついに鎧砕きを習得したのだ。だがそれは亜狛だけではない。亜狛が崩した瓦礫が亜狛に当たろうとすると、
耶狛「仙術十三式空壁!」
さっと耶狛は亜狛の元に駆けつけて習得した仙術十三式空壁をすると透明な膜のような結界が現れるとその瓦礫は亜狛に当たる事なく結界で静止すると、
耶狛「爆!」
そう言い広げている手を握ると空気の爆発が起こり結界で静止した石は全て粉々になる。亜狛の他にも耶狛は空壁を習得したのだ。
耶狛「うん上出来だね♪」
亜狛「あぁそうだな♪」
亜狛と耶狛がそう言っている向こうでは……次々と黒に向かってくる火の玉を的として黒は修行をしていた。
黒 「剣!」
黒の言葉で手に持っている自身の鱗を剣にすると、
シュン!シュン!
黒はそれを斬るがまだ火の玉は黒に向かって襲いかかるが黒はその剣となった影を操作して、
黒 「薙刀!」
ズバ!!
そう言いながら薙刀となった鱗で薙ぎ払い火の玉を破壊するが残りの火の玉が黒に向かってくると、
黒 「影針」
そう言い薙刀の刃を地面にさしそう言うと黒の影が火の玉にせまりその影から無数の針が現れると残りの火の玉を全て貫き破壊すると薙刀を引き抜き周りを確認して、
黒 「修行終了だな……」
黒は自身の手に持っている薙刀の影を操り元の鱗へと戻し自身の主人の元へと帰ろうとすると、
亜狛「黒さんも修行終わりですか?」
耶狛「黒君も終わり?」
帰ろうとする黒に亜狛と耶狛は声をかけると黒は頷いて、
黒 「あぁ…そうだな……」
亜狛「そうですかならマスターの元へ帰りましょ
うか」
耶狛「うん帰ろうお兄ちゃん♪黒君♪」
黒 「あいよ……」
そう言い3人が理久兎のいる廃寺に入ると、
理 「おや………お帰り修行は終わったのか?」
と、理久兎は修行を終えただろう3人に聞くと3人は嬉しそうな顔をして、
亜狛「えぇ鎧砕きマスターしましたよ♪」
耶狛「はいっ!はいっ!私も空壁を覚えたよ!」
黒 「俺も主にはまだ届かないが武器の扱い方それ
からこの体にも馴れてきたな………」
それを聞いた理久兎は笑顔で、
理 「そうなら良かったよ♪」
この50年の歳月で理久兎の性格も段々と軟化していき亜狛や耶狛が知っているかつての理久兎の面影を取り戻してきていた。
理 「ならそろそろ……」
亜狛「そろそろ?」
理 「おふくろの首を取りに行くか♪」
本当に性格が軟化しているのかは微妙だが、
耶狛「マスターまだ諦めてないの?」
理 「勿論だ耶狛やられたらやり返す倍返しだ♪」
黒 「………マスターのおふくろっていったいどう
いう神なんだ?」
黒は気になったのか理久兎の母について聞くと、
耶狛「そう言えば私達も聞いたことないよねお兄
ちゃん?」
亜狛「言われてみると確かにそうだな記憶をさら
っとしか見せて貰ってないからな」
3人は理久兎の方を一斉に向くと理久兎に詰めよって、
耶狛「マスターのお母さんってどんな神様?」
亜狛「性格ってマスターに似ているんですか?」
黒 「なぁ主のおふくろって強いのか?」
もうこの状態だ。それには流石の性格が落ち着いた自分も少しイラつく。
理 「いい加減離れろよ?」
と、言うと3人は数歩だが下がるが千の事が気になるようだ。
理 「はぁ~分かった教えてやるよ…おふくろの
事を………」
そう言い自身の母親である千の事を話し出した。年に似合わない体格や年に合わない無邪気な所やちょっした優しさもある所を含めて話せる事は大抵は話した。
理 「と、まぁこんな感じだな……」
黒 「主のおふくろって結構ぶっ飛んでんな……」
亜狛「いや黒さんそれはマスターにも言える事で
すよ……」
耶狛「でも一緒に遊んでくれそう♪」
理 「そうかもな……」
理久兎は遠い目で言うとそこにきてムードを壊す音が聞こえてくる。
グゥーーーーー!!
耶狛「あっごめんお腹が減っちゃって♪」
理 「そう言えば飯まだだったな……」
そう言うと理久兎は断罪神書を取り出してページをめくってあるページでめくるのを止めてそのページに腕を突っ込みその中から鍋を取り出す。
理 「今日の飯は鍋にしようか♪」
耶狛「賛成♪」
亜狛「何鍋ですか?」
亜狛に聞かれた理久兎は若干悩み、
理 「う~ん寄せ鍋で♪」
黒 「締めはうどんで頼む」
黒がそう言うと亜狛と耶狛が異議ありのように立ち上がり、
耶狛「いや黒君!そこは雑炊だよ!」
亜狛「何いってるんだ餅だろ?」
2人が言うと黒も自身の意見を通すために、
黒 「いやうどんだ!」
そう言うと亜狛と耶狛も……
耶狛「雑炊!」
亜狛「餅だって……」
これだと何時終わるか分からない理久兎は、
理 「お前らいい加減にしろ……今回は米も餅も
うどんも切れてるから無しだ」
それを聞いた3人の顔は今までの口論は何だったんだと言わんばかりに、
3人 (´・ω・`)
しょぼーんとしていた。
理 「さてと俺は仕込みをするから3人は待って
てくれ……」
そう言い理久兎は土間まで行き調理を開始するのだった。調理をする事、数時間後、
理 「ほら出来たぞ」
その言葉と共に鍋敷きに鍋を置いてその蓋を開けると辺りが湯気で充満しそれと同時に食欲をそそる香りが漂い始める。
理 「それじゃ……」
全員「いただきます」
この一言と共に寄せ鍋を4人はありつくのだった……
3人「ごちそうさまでした!」
理 「はいはいお粗末様ね♪」
そう言い理久兎が洗い物をしに土間へと向かうと、
黒 「くっうどんが欲しかった」
亜狛「自分は餅がよかったな~」
耶狛「雑炊で食べたかったな~……」
と、言っていること数分後に理久兎は洗い物を終えて3人のいる部屋へと向かい、
理 「なぁ3人とも……そろそろここから出るぞ」
理久兎がそう言うと3人は驚き、
亜狛「大丈夫ですかマスター……」
耶狛「もうマスターは死んでる事になってるん
だよ?」
黒 「俺も話から聞いてはいたが大丈夫か主か?」
3人は理久兎を心配してかそう聞くと、
理 「大丈夫さ♪俺らはいつもそんなこんなで
やって来てるだろ?」
亜狛「そうですね♪」
耶狛「確かにね♪」
黒 「俺は初だが面白そうなら手を貸すぜ」
3人は理久兎の提案に納得した。そして理久兎は、
理 「なら明日ここを出るよ♪」
亜狛「分かりました!」
耶狛「了解~♪」
黒 「わかったぜ主」
こうして50年の隠居生活?とお別れするのだった。