理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第十章 旧都開拓記
第175話 地獄に殴り込もう


理久兎達は大和の神達の支配領域から離れ今は森の中でベースキャンプを建ててどうするかを話し合っていた。

 

理 「さてこれから第1回隠れ家を決めようの話

   し合いをする訳だが案のあるやついるか?

   いたら挙手!」

 

そう言い理久兎は話し合いに参加している亜狛と耶狛そして黒に言うが3人は黙りこんで考えていた。

 

3人「………………………………………」

 

理 「………まじで何か無い?」

 

もう一度、聞くと亜狛が手をあげる。それを見て亜狛を指す。

 

理 「はい亜狛」

 

亜狛「とりあえず自分達がすることは紫さん達

   や皆にバレないことが条件ですよね?」」

 

理 「あぁその通りだ」

 

亜狛「ならばまず身を隠す服を作るのは?」

 

それを聞いた理久兎は頷いて、

 

理 「それは採用しよう………それだけか?」

 

亜狛「はい以上です」

 

理 「よし2人は何かあるか?」

 

理久兎は耶狛と黒に聞くと今度は黒が手をあげる。

 

理 「黒の意見は?」

 

黒 「主よ大和の国から出るっていう考えは

   あるか?」

 

理 「あっ?」

 

亜狛「海外………チッ!」

 

耶狛「海外はパスだよ……」

 

それを言われた理久兎と亜狛そして耶狛は少し不機嫌となったが黒にあたるのダメだと考え冷静になり、

 

理 「おっと悪いな黒それと海外の話は無しにし

   ておいてくれ」

 

それを言われた黒は、

 

黒 「えっあっあぁすまん」

 

申し訳ないことをしたなと思いつつ今度は耶狛に聞く。

 

理 「耶狛何かあるか?」

 

耶狛「マスター隠れ家にするなら何だけど地獄は

   どうかな?」

 

それを聞いた理久兎は理由を求める。

 

理 「理由は?」

 

耶狛「う~んと妖怪達って怨霊に弱いよね?」

 

理 「まぁそうだな人間もそうだが妖怪にとって

   害悪だからなあれいらは……」

 

耶狛「そこで怨霊達が住んでいるであろう地獄な

   らと考えたのです!」

 

そう言いながら耶狛は立ち上がりドヤ顔で言うと理久兎は考え、

 

理 「確かにそれならワンチャンありだなそうと

   決めたなら地獄に殴り込みするか」

 

亜狛「いや!殴り込んじゃダメでしょ!」

 

耶狛「殴り込みだ~♪」

 

黒 「血が騒ぐな」

 

亜狛の意見虚しく理久兎の一言で耶狛と黒の闘争本能に火がついてしまい抑えが効きそうにもない。

 

亜狛「………頑張って止めないとな……」

 

亜狛は静かにそう呟くのだった。

 

理 「よしなら荷物を纏めていくぞ!」

 

耶狛「イエッサー!」(^∇^)

 

黒 「さぁ!ひと暴れだ!」

 

亜狛「………黒さん暴れないで下さい」

 

そうして理久兎達は地獄へと向かうのだった。

 

神様、神使達空間移動中……

 

彼岸花が咲き誇り河が流れている場所彼岸と現世の境界である三途の川そこに石を枕にして寝こけている女性がいた。

 

? 「Zz…Zz…Zzz……Zzz」(vωv)ZzZ

 

寝こけていて中々起きそうにもない。するとその女性の寝ている近くに裂け目が現れる。そこから4人の男女が現れる。

 

理 「着いたな……」

 

亜狛「彼岸花が多いですね……」

 

耶狛「河があるよお兄ちゃん!」

 

黒 「……何か辛気臭いな……」

 

そういつもの定番の理久兎達だ。そして理久兎はふと見渡すと先程から寝こけている女性を目にする。その女性の近くには大鎌がある事からはすぐに推測できた。

 

理 「死神か……」

 

黒 「呼んだかマスター?」

 

なお黒は影の暴虐とも言われたが死神とも言われていたため反応してしまったみたいだ。黒の返答に理久兎は、

 

理 「お前じゃないよ黒……」

 

と、言って黒に言葉を返すと理久兎は寝ている女性に近づき、

 

理 「………お~い……」

 

理久兎は寝ている女性に声をかけるが起きそうにもないこの時にある考えが過った。

 

理 「こいつサボってやがるな……」

 

サボっていると考えた理久兎は亜狛、耶狛、黒を呼ぶ。

 

理 「亜狛、耶狛、黒……」

 

亜狛「どうしました?」

 

耶狛「何マスター?」

 

黒 「どうかしたか?」

 

3人が呼ばれた理由を聞くと理久兎は真顔で、

 

理 「このサボリ死神を縛り上げとけ」

 

耶狛「アイアイサー!」

 

そう言うと耶狛は寝ている死神を縛り上げていく。

 

亜狛「いや何故に縛る?!」

 

黒 「この死神だったか?をどうするんだ?」

 

理 「あそこにある死神の船で閻魔の所に行くん

   だが案内係がいるだろ♪」

 

寝ている死神を案内係にする事を思い付いたためそう言うと、

 

耶狛「縛り終えたよ♪」

 

なお縛っている最中も死神は寝ていてまったく言わんばかりに起きる気配がない。

 

理 「乗船させろ」

 

そう言うと耶狛は雑にその死神を船に乗せると、

 

死神「くがっ!ん?………あれ体が……って!縛ら

   れてる?!」

 

そう言い死神は縄をほどこうとするがまったくほどけない。

 

理 「よっ起きたか♪」

 

理久兎は先程まで寝ていた死神に挨拶をすると、

 

死神「あたいをどうする気だい!?」

 

そう言い死神は体をばたつかせるが何も起きずただ船が揺れるだけだ。

 

亜狛「マスターほどいたらどうですか?」

 

理 「いやこのままでいいだろとりあえず出航だ

   乗り込め~♪」

 

死神「良くないよ!」

 

死神の言葉は無視され理久兎は乗り込む。

 

耶狛「わぁ~い♪」

 

黒 「飛んだほうが早い気もするが悪くはないな」

 

亜狛「やれやれ……」

 

そう言いながら亜狛と耶狛そして黒も船に乗り込む。

 

理 「さてと閻魔のいる所まで案内してよ♪」

 

死神「誰があんたらを案内するてっんだ!」

 

そう言いながら死神は頑張って縄をとこうともがく。

 

理 「はぁ~しょうがないな……真っ直ぐでいいか」

 

そう言いながら船を櫂を漕いで出向させた。

 

死神「ちょっ!勝手に船を出すなって!」

 

耶狛「わぁ~い船だ♪船だ♪」

 

耶狛は船頭に片足を乗せて風を感じ亜狛は、

 

亜狛「あの本当にすいませんマスターが……」

 

と、縛られている死神に謝罪をし黒は、

 

黒 「………うわ…河の底に無数の手があって気持

   ち悪いな…」

 

川底の手を見て気味悪がっていた。そして死神は謝ってきた亜狛に、

 

死神「いや!なら解いてくんない?」

 

死神は縄を解いてくれと言ってくると亜狛は、

 

亜狛「すいませんがそれは出来ませんごめんな

   さい!」

 

死神「なんでか振られた気分?!」

 

まるで告白を振るかのように言うと船を漕いでる理久兎は、

 

理 「亜狛そこまでいいからな?」

 

死神「それどういう意味だい!」

 

死神は理久兎にその理由を求めてくると、

 

理 「サボって寝ていたのが悪い……」

 

死神「うぐっ……」

 

これには死神も反論は出来ない。そして理久兎は更に話を進める。

 

理 「とりあえず君は閻魔の前に引っ立てる」

 

死神「えっ!?それだけは勘弁してくれよ!」

 

死神がそう言うと理久兎は、

 

理 「それだけは?…まさか君……これが一回って

   わけじゃ……」

 

理久兎の言葉で死神は目を泳がせて、

 

死神「さっさぁ~あたいは分からないな~アハハ」

 

この反応に耶狛を除いた理久兎達3人はただ思った。分かりやすく誤魔化したなと。

 

理 「えっと…やっぱ言うわ……」

 

死神「勘弁してって!映姫様の説教はこりごり

   何だから!」

 

理 「いや説教されてるなら直せよ!」

 

流石の理久兎もこれにはツッコミを入れる。そして死神は、

 

死神「いや…だって癖は中々直らないってもん

   だよ……」

 

そう言うと理久兎はため息をついて、

 

理 「はぁ~説教されてるって事は気にかけてく

   れてるって事だぞ?それで説教されなくな

   ったらもう気にかけられなくなって終わり

   だぞ?」

 

と、言うと死神は苦笑いをしながら……

 

死神「ごもっとだよ……」

 

理 「まぁこれに懲りたらサボらないことだ」

 

死神「てことは閻魔様には!」

 

理 「勿論言うよ♪」

 

死神「そんな~ー!!」

 

あれはあれこれはこれだ。そんな感じ死神が悲鳴をあげていると耶狛が、

 

耶狛「マスター全然つかないね……」

 

理 「言われてみるとそうだな……」

 

と、言っていると死神はうっすらと気づかれることなく笑顔を見せるが水面にそれが写るのを見てしまった。大方この死神の能力だろうと予測した自分は、

 

理 「耶狛どうせ真っ直ぐだから距離を縮めて」

 

死神「えっ!?」

 

耶狛「OK♪縮小!」

 

耶狛がそう言うと一瞬で先程とは違う景色の場所に辿り着く。そこは地獄の裁判所だ。これには気づかれずに笑っていた死神も口をポカンと開けていた。

 

死神 (;゚Д゚)

 

理 「さぁてと着いたから……ほら立て‥」

 

そう言い理久兎は死神を立たせると、

 

理 「耶狛、彼女を任せるよ」

 

耶狛「了解!ほらキリキリ歩いて」

 

亜狛「すいません妹が……」

 

黒 「普通は耶狛と逆だよな」

 

理久兎達がそんな会話をしていると背の小さい少女がやって来る。理久兎と亜狛そして耶狛は知っていた子だ。

 

? 「小町!またサボってましたね!」

 

この死神は小町というらしい事に理久兎達は思うと小町は、

 

小町「映姫様助けてください!」(;Д;)

 

と、半分泣き顔で言うとようやく映姫は理久兎達の存在に気がついた。

 

理 「あれ君ってあの時のお地蔵様だ♪」

 

映姫「りっ理久兎様!?」

 

理久兎は昔出会った地蔵にまた地獄で巡り会ったのだった。


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