理久兎達が旧地獄に来て翌日のこと……
理 「うぅ~ーはぁ~……眠い……」
辺りは基本真っ暗なため普段明かりを着けずに寝ている理久兎にとっては居心地は良かった。だが朝の日差しを浴びれないせいなのか目覚めが悪い。そして辺りを見回すと、
亜狛「彼奴は大切な物を盗んで行きました…zZZ」
耶狛「それは私の饅頭です……zZzZ」
亜狛と耶狛は本当に寝言か?と言いたくなるような寝言を言いながら寝ていたが黒の姿が見当たらない。
理 「…黒の奴何処に行ったんだ……」
そう独り言を言いながら理久兎は起き上がり廃墟の外へと出ると、
黒 「しゅ!はぁっ!」
1人でまた涌き出た怨霊達相手に修行をしていた。それを見ていた理久兎は黒に近づき声をかける。
理 「よっ黒♪1人で修行か?」
黒 「主か………起こしたか?」
理 「いいや自分の体内時計で起きただけだ♪」
黒 「そうか………」
基本戦闘以外では物静かな黒に理久兎は提案をする。
理 「なぁ黒少し探索しないか?」
黒 「探索?」
理 「あぁそうだ今は誰も住んでいないこの旧地獄
のこの区域だけだけど良い気分転換にね♪」
理久兎がその提案を持ちかけると黒は、
黒 「いや俺よりも亜狛や耶狛と行った方がいいだ
ろ………俺は留守番するからよ」
そう言い寝床の廃墟に帰ろうとするが理久兎は黒の後ろの襟首を掴み、
理 「いいから行くぞ♪」
黒 「なっ主!止まってくれって……」
そう言われながらも黒を引っ張り探検するのだった。
神様、神使探索中……
理 「しかし何にも無いな……」
理久兎が見渡す限り廃墟、廃墟、廃墟、廃墟ともはや廃墟しかない。著しく目立つものもこれといっても良いぐらいに無い。
理 「黒~何か見つけたか?」
黒に何か見つけたかを聞くと理久兎と同じく辺りを見渡している黒は更に奥深くに続くだろう洞窟を見つけると、理久兎に大声で報告する。
黒 「主よ!この先に続きそうな洞窟があったぞ!」
それを聞いた理久兎は跳躍をして黒のもとに駆けつけて黒の見つけた洞窟を見ると、
理 「なら少しだけ探索しよっか?」
黒 「なぁ亜狛と耶狛は連れていかなくてもいいの
か?」
理 「う~ん確かにな………亜狛はともかく耶狛の事
だから絶体「2人だけでズルい!」とか言わ
れるしなしょうがない亜狛と耶狛を連れて探
索しようか♪」
黒 「そうか…なら行こう主よ……」
理 「あいあいそうだな♪」
理久兎と黒は洞窟に入るのを止めて亜狛と耶狛が寝ている廃墟へと帰還した。
理 「さぁ~てと亜狛と耶狛は起きてるか………」
黒 「流石に起きてはいるだろ……」
そう言いながら亜狛と耶狛が寝ている部屋に行くと……
亜狛「まぁ~て耶狛!……zZzZZZ」
耶狛「じゃ~ねお兄ちゃん~!…ZZZzzz」
まだそんな寝言を言いつつぐっすりと眠っていた。お前らはどこの怪盗と警部だとツッコミをいれたくなってくるが理久兎も流石に亜狛と耶狛を起こす。
理 「2人共そろそろ起きろよ~!」
亜狛「はっ……あれ?肉の宝石は?……」
黒 「いや亜狛、肉の宝石って何だよ……」
耶狛「私のお肉を返せ~!……ガブ!」
寝ぼけた耶狛は黒の足に噛みつくと黒は目に涙を浮かばせて、
黒 「痛っ!おい耶狛お前俺の脛を噛むな!!」
そう言い耶狛を足から引き剥がすと耶狛も目を覚ます。
耶狛「あれ?黒君何で泣いてるの?」
黒 「お前がが噛んだからだ!」
そんなこんなで亜狛と耶狛も起床した。そして理久兎は断罪神書に入っている作りおきの非常食のおにぎりを全員に4つずつ配る。
理 「すまないが今回は作りおきで我慢な」
亜狛「大丈夫ですよマスター♪」
耶狛「私も問題ナッシング♪」
黒 「俺も文句は無しだ」
そう言い3人はおにぎりを受け取りそれぞれいただきますをしておにぎりにありつく。
理 「やっぱり作りおきは大切だな」
耶狛「大切だね」
亜狛「やっぱり作りおきでもマスターの飯は最高で
すよ」
黒 「……旨いな…」
そうしておにぎりを食べ終えると、
全員「ごちそうさまでした」
と、言うと理久兎は亜狛と耶狛に先程の洞窟の事を話す。
理 「亜狛、耶狛」
亜狛「何ですか?」
耶狛「どうしたの?」
理 「さっき黒が洞窟を見つけたんだが一緒に冒険
しようぜ♪」
理久兎がそれを話すと亜狛は頷き耶狛は目をキラキラさせて、
亜狛「勿論構いませんよ♪」
耶狛「探索だ!探索だ♪」
黒 「耶狛は元気だな……」
そうして理久兎と黒は亜狛と耶狛を引き連れて先程の洞窟まで向かう。
理 「ここなんだが何か感じるか?」
何か感じるかを聞くと耶狛は理久兎に、
耶狛「何か少し焦げ臭いかな?」
亜狛「う~ん俺は何にもって感じだな」
理 「そうか…確認で見てみようか」
黒 「あぁそうだな……」
亜狛「では行きましょうか……」
耶狛「探索開始~♪」
理久兎達はその洞窟の奥深くへと入っていく。そして進むにつれて理久兎は、
理 「何か暑いな……」
耶狛「マスター……上着脱いでいい?」
理 「別に構わんぞ胸にさらしは巻いてるだろ?」
耶狛「うん!」
亜狛「俺はこのままでいいかな?黒さんは?」
黒 「俺も上着だけ脱ぐ……」
そうして耶狛は巫女服の上着を脱ぎ黒は執事服のジャケットを脱ぎ理久兎は服を脱いで上裸となる。
理 「さぁ先に進むぞ」
黒 「わかった」
耶狛「はぁ~い!」
亜狛「…こう見ると変態の集まりだな……」
4人は更に奥へと進むと洞窟の先が明るいことに気がつく。
理 「ゴールかな?」
耶狛「一番乗り~♪」
亜狛「あっ待てって!」
黒 「耶狛!危ないぞ!」
理 「俺も走るかな……」
4人はゴールまでたどり着くとそこで立ち止まってしまう。その理由は……
亜狛「マスターここって……」
理 「あぁ灼熱地獄だな……」
理久兎達が歩いてきた洞窟の道は灼熱地獄へと繋がっていた。その光景は地獄と言うに相応しく真っ赤に燃え上がる火炎と流れるマグマ見ているだけで熱苦しさを感じてしまうほどだが理久兎達はそのマグマの近くにいる。故に汗が止まらない……
理 「なぁ3人共…帰るか?」
亜狛「マスターの意見に肯定します……」
耶狛「意義無しだね……」
黒 「俺も帰りたい……」
4人は意見がまとまると回れ右をして帰路についた……
理 「まさか灼熱地獄に繋がってるとはな……」
黒 「すまん…亜狛、耶狛、主よ」
亜狛「いや結果オーライですよ♪」
耶狛「うん間違っても彼処にはもう行かないと
思うし……」
そう言っていると理久兎は黒に提案したように今度は黒も含めて亜狛と耶狛の3人に、
理 「なぁこのまま他を探索するか?」
と、聞くと3人は少し考えて、
亜狛「そうですね………なら行きましょうかいざと
なれば帰れますしね」
耶狛「うん!探索しちゃおうよ!」
黒 「主よ俺も付き合うぞ……」
3人は更に探索すると言い理久兎の提案を承諾した。そして理久兎は
理 「なら行こうか!」
やる気を出すために掛け声をすると3人も、
黒 「おうよ!」
耶狛「探険隊出動だよ!」
亜狛「ハハハだな!探険隊だな♪」
こうしてその日は理久兎達は旧地獄を探険したのだった。