理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第180話 1人の外出

理久兎は自身の身を隠す服を作りそれを着て地上の人里の方にまで来ていた。理由はそろそろ尽きてしまう食料の買い出しだ。亜狛と耶狛そして黒はまた溢れかえって来そうな怨霊達の掃除をする事となりその間に食料の買い出しをしようと考えたからだ。

 

理 (いや~久々の外はいいもんだ♪)

 

理久兎はそう思っているが人里の人間達からは注目の的となっていた。それもその筈真っ黒なロングコートでフードを着けて大勢の中を歩けば目立つのは当たり前だ。

 

理 「え~とまず野菜は…おっ彼処かな♪」

 

理久兎はささっと野菜を売っている八百屋に着くと店主が怪しんだ表情で見てくる。

 

店主「へい…らっしゃい……」

 

と、声からして怪しみながら言うがそんなことは気にせず店に並ぶ商品を眺めて、

 

理 (ふむ…ここの品は良いものばかりだな……)

 

店主「おっお客さん?」

 

店主もいつも鉄板言葉の冷やかしなら帰れが出ていたかもしれないが理久兎の見た目にビビって言えないでいた。すると理久兎は低い声で、

 

理 「ここの野菜全部買いたいがいくらだ?」

 

その言葉を聞いて店主は若干固まったがすぐに元に戻って、

 

店主「えっえ~とひーふーみーの……おおよそで

   106075円だ……」

 

理 「ほら……」

 

それを聞いた理久兎はポケットから大量の金が入った袋を渡す。その中身を見た店主は目が点になった。

 

店主  ゚ ゚ ( Д  )

 

理 「つりは要らない…とっときな…」…

 

そう言うと店主は大喜びとなってゴマをすりながら笑顔を浮かべる。

 

店主「まっ毎度あり!!お客さん荷車に積みますん

   で暫くお待ちください!!」

 

そう言い店主は荷車を運びに向かおうとすると、

 

理 「なぁ暫く他の店漁るから後で荷物取りにいく

   から頼むな♪」

 

店主「分かりました!」

 

そう言い店主は今度こそ荷車を取りに向かうの確認しまた人里の店を巡って行き今度は魚屋に着くと、

 

魚屋「へいそこの……え~と…不思議な人!」

 

そう言われた理久兎は人差し指で自分を指すと魚屋の店主は笑顔で、

 

魚屋「そうそうあんただよ♪あんた♪良ければ何か

   買ってってくれるかい?どれも取れたて新鮮

   でっせ♪」

 

そう言われ商品の魚を見る。確かに店主の言うとおり取れ立てなのが分かると、

 

理 「ならここの魚全部貰うよ♪」

 

それを聞いた魚屋は笑顔で定番の、

 

魚屋「毎度あり~♪お値段はざっと100000っ

   て所だが大丈夫かい?」

 

理 「ほれ♪」

 

そう言いながら先程と同じように金の入った小袋を渡すと魚屋の店主は大喜びな顔となる。

 

魚屋「毎度~♪なぁあんた運ぶの大変だろ?荷車を

   持ってくるぜ?」

 

そう言われた理久兎はそれについての指示を出す。

 

理 「それなら彼処の八百屋の前に荷車があるだろ

   そこに皆入れておいてくれ」

 

魚屋「了解した!」

 

そう言い魚屋はせっせっと魚を運び出す。

 

理 「後…どこ周ろうっかなぁ……」

 

そう言いながら理久兎は更にお店を物色すること数時間後、

 

理 (我ながらいろいろと買ったな……)

 

買ったものをリストアップすると野菜各種、魚各種、肉各種、酒各種、調味料各種、米大量…各種野菜の種等々余りにも大量に購入したため荷車が宝船のようになっていた。ついでに費用は現代価格で約数100万近くの買い物となった。

 

理 「さてとこれを引っ張っていきますかね……」

 

そう呟いて理久兎は荷車を引っ張る。なお荷車の重さは数千キロは越えていたがそれを難なく引っ張り人里から離れていき近くの森へと避難していくとその近くで、

 

?1(お姉ちゃんあの人食べ物を沢山運んでるよ!)

 

?2(そうね食料を奪いましょう)

 

?1(うん♪早くご飯食べたいな……)

 

?2(…………そうね…)

 

特殊な会話をしながら空腹の少女達は荷車を運んでいる理久兎を襲うために尾行した。そして暫く歩いて理久兎が森に着くと、

 

理 「ふぅ~とりま全部収納っと」

 

そう呟いて理久兎はいつもの定番装備の断罪神書を胸ポケットから取り出して荷車ごと収納する。

 

理 「さてと帰ろうか………」

 

そう呟いて帰ろうとするが理久兎は立ち止まって声を響かせるように、

 

理 「おいそこにいるのは分かってる姿を見せろ」

 

この小さな森でそう言うと林から、

 

ガサガサ…ガサガサ…

 

音をたてるとそこから2人の少女いや見て目的には幼女と言った方がいいのかもしれないその2人は桧の棒を手に持って現れた。

 

理 「なぁ君達俺に何のようだい?ナンパは勘弁

   してくれよ?」

 

出てきた幼女達にそう聞くと2人はお互いに顔を見合わせて、

 

?1「貴方の食べ物を奪いに来たんだよ♪」

 

?2「………………………」

 

1人の緑髪の少女はそう呟くがもう1人の幼女は黙ったまま此方を見続けていた。

 

理 「ふぅ~ん………それで?」(ーωー)

 

?1「それでって私達は妖怪だよ?怖いんだよ?」

 

と、脅しをかけてくるが全然怖くない所か逆に可愛らしいぐらいだ。

 

理 「いやあの全然怖くないんだけど?」

 

そう言っている先では幼女妖怪2名はお互いに顔を見合わせ特殊な意思疏通を図る。

 

?1(あの人心が読めないよお姉ちゃん)

 

?2(気を付けて…多分只者じゃない………)

 

と、2人が会話をしている中だが早く帰って料理の下ごしらえをしなければならないため早く帰りたいと理久兎は思っていた。

 

理 「なぁ引き留める理由がないなら帰っていい?

   俺も暇じゃないんだけど?」

 

そう言うと幼女妖怪の1は怒り出して棒を構えて、

 

?1「逃がさないから!!」

 

そう言い桧の棒で理久兎に殴りかかってくる。

 

理 「………遅い」

 

スッ!

 

自分は幼女達の前から忽然と姿を消した。これには幼女妖怪達も驚いた。

 

?1「あれ!何処に行ったの!!」

 

そう言いキョロキョロと辺りを見渡している最中で自分は背後へと一瞬で移動する。それを幼女妖怪2は見ていたのか、

 

?2「避けて!!」

 

?1「えっ!!」

 

幼女妖怪は突然の事で反応できなかったみたいなのか反応が鈍っていた。

 

理 「まず1人」

 

トン!

 

?1「つっ!」

 

バタン!

 

幼女妖怪の後ろ首に手刀をして幼女妖怪1を気絶させる。

 

?2「そんな!こいし!!」

 

そう言い幼女妖怪1に近づこうとするが先程と同様に幼女妖怪2の背後へと一瞬で移動する。

 

理 「相手が悪かったな」

 

トン!

 

?2「うっ!そん…な……」

 

バタン!

 

幼女妖怪2の後ろ首に手刀をして幼女妖怪1と同じように気絶させた。もはや端から見れば理久兎は完璧に犯罪者にしか見えない。

 

理 「さてと片付いたし…さっさと帰ろう……」

 

そう呟いて帰ろうとすると、

 

グゥーーー!!

 

かつてルーミアと同じような腹がなる音が聞こえる。無論自分ではない。音の鳴ったのは気絶した幼女妖怪2からだった。先程の襲ってきた理由から空腹なのだろう。

 

理 「はぁ…ちっ後味悪いな……」

 

頭を掻きながら幼女妖怪達に近づいて2人を担いで、

 

理 「やれやれ何でこうなるんだか………」

 

そう呟きつつ従者達がいる旧地獄へと理久兎は向かうのだった。


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