理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

192 / 565
第185話 理の神と鬼子母神

理久兎が冷たく「何故ここに来たのか」と問うとそれに美須々が答える。

 

美 「そうさね……新天地を求めて……てのが正しい

   かね?」

 

黒フードもとい理久兎を見て美須々はそう言うが警戒しているのか此方をじっと見つめるてくる。

 

理 「そうか…新天地か……」

 

だが新天地という言葉に疑問が浮かぶ。

 

理 (何でまたこいつらが新天地を求めるんだ?)

 

幻想郷という世界がある筈なのに何故こいつらは地下へと来たのが疑問だ。

 

美 「あぁそうだ…だからあんた……通してくれる

   かい?」

 

美須々はこの先に行きたいのか自分に言うが、

 

理 「無理だな通りたかったら俺を屈服させてみ

   ることだな?」

 

久々に美寿々と戦ってみたいため言う。だが今の言葉は鬼をやる気にさせるのに充分だった。

 

美 「ほう………良いねぇ!そう言うのは嫌いじゃな

   いよお前ら!こいつは私のタイマンだ手は出

   すんじゃないよ!」

 

そう言い美須々は数歩前に出て立ち止まり戦闘の構えをとる。

 

理 「そうか…貴殿は抗う道を行くか……いいだろう

   我は地底の番人だ我が試練に挑む者よ全力で

   来いさもなくば……」

 

言いかけると突然周りの空気が先程より重くなる。それどころか体の重さが倍に膨れ上がったかのような感覚に苛まれる。この時に美須々や勇儀、他の鬼や妖怪達は見えてしまった。理久兎の後ろにそびえ立つ禍々しい龍の幻影を、

 

理 「貴様の未来はスクラップだぞ………」

 

そしてそれを見てこれからそれを相手にする美須々は手が震えているの気がついたのか目を見開くがすぐに笑顔となる。

 

美 「久々だよこんな武者震いは!」

 

美須々は久々に感じる武者震いに心を踊らせた。かつて理久兎との妖怪の山の覇権争い以来した時以来かもしれないからだ。そして美須々は笑みを浮かべて、

 

美 「さぁ!殺り合おうか!」

 

理 「来るがいい」

 

理久兎がそう述べると美須々は一瞬で理久兎へと接近し自身の出せる力を右拳に込めて殴りかかってくるが、

 

ガシッ!

 

美 「っ!!」

 

理 「…………その程度か?」

 

鬼の強烈な一撃を難なく右手で受け止める。それには美須々も驚くが、

 

美 「いいねぇ!」

 

シュン!

 

今度は左足で理久兎の左足首に向けてローキックをしてくるが、

 

理 「なめるなよ?」

 

ザッ!パシッ!

 

そう答えると美須々の拳を掴んだまま反時計回りで回りローキックを回避すると同時に美須々の体の軸となっていた右足に足を掛けると同時に掴んでいる手を前に引いて体制を崩して転ばせる。

 

美 「うっ!ちぇいや!」

 

パシッ!

 

だがただ転ばされるわけにはいかないのか美須々は拳となっている手を広げて右手と左手で地面をつくと両足を広げて、

 

美 「なめるな!!」

 

ブゥン!!

 

なんとカポエイラで蹴りを入れてきたため驚いた。

 

理 「なっ!」

 

バックステップをしてギリギリで回避し、

 

理 (そうだ相手は美須々だったな…こいつ大体いつ

  も俺を驚かせるよな!)

 

そう考えてしまった。戦いにおいておふくろ同等レベルで楽しい戦いなのだから。

 

美 「ほう回避したか」

 

美須々がそう言うと自分は顔を手で押さえて突然笑いだした。

 

理 「ククハッハハハハ!!」

 

美 「おや?あんたって笑うのかい?」

 

理 「そうだな………俺だって笑うさ♪」

 

顔はフードで分からないだろうが笑ってしまう。それは怒気を生んだ笑いではなくただいつものように無邪気な笑いでだ。

 

理 「さぁ再開しようか言っておくぞ昔のような手

   加減はあまりしないからな?」

 

美 「昔?」

 

そう言うと理久兎は自身の『理を司る程度の能力』を解放し理を制定する。

 

理 「ルールを制定するこの戦闘の間のみ力の枷を

   20解放する」

 

その言葉によって理久兎の霊力と妖力そして魔力と神力も上昇するのを感じた美須々達は驚いた顔をする。

 

美 「こいつは………ククアハハハハハ!いいねぇ!

   あたしも久々に本気でお前を潰したくなって

   きたよ!!」

 

そう言うと美須々も自身の妖力を限界まで放出すると2つの力がぶつかり合い辺りに小規模の地震が起きていた。

 

理 「そうか………やってみろ!!」

 

そう言うとふらふらと歩きながら、

 

理 「六神面相」

 

六神面相を唱えると理久兎が6人となりそれぞれが一気に美須々へと殴りかかった。

 

美 「しゃらくさい!!」

 

理 「ぐっ!!」

 

そう言うと美須々は妖力を一気に放出して6人に分裂した理久兎を弾きとばすと6人になった理久兎は1つへと戻ると、

 

理 「(瞬雷)

 

ぼそりと言うと瞬間移動で美須々の前に現れる。そして美須々は驚いていた。恐らく消えて目前に現れたからというのとあるのだろうが何よりも移動してから構えるその技について知っていたからだろう。

 

美 「なんでお前がその技を……!」

 

だが次に即座に移動した理久兎がとった構えも美須々は勿論だが勇儀をも驚かせた。

 

勇儀「あの構え嘘だ何故あいつが使える!」

 

観戦している勇儀が叫びながら言うが戦っている2人には聞こえてもいなかった。

 

理 「仙術十六式内核破壊!」

 

かつて勇儀たったの一撃で沈めた大技の1つ内核破壊だからだ。だが美須々はただのケンカバカではない。美須々はそれを回避する方法を密かに研究していたのだ。

 

美 「おら!!」

 

バシン!

 

理  !!

 

理久兎が腕を伸ばして美須々を殴る瞬間、彼女は軽くアッパーカットを腕に当てて軌道を反らして避けたのだ。これには理久兎も顔に驚きの表情を見せたが、

 

美 「はっ前がお留守だ!!」

 

ダス!!

 

そう述べると美須々は回転蹴りをして顔に当ててきたのだ。普通なら回避できるだろうと思うかも知れないが実は内核破壊には以外な弱点があったそれは当てるまでの瞬間の僅か一秒が無防備になることだ。

 

理 「うっ……!!」

 

その攻撃を受け吹っ飛ばされるが上手く受け身をとって体制を持ち直す。

 

理 「…やるな……」

 

美 「なぁあんたその仙術を何処で身に付けた?」

 

理 「知りたければ屈服しかないと言ったら?」

 

美 「そうきたか…まぁいいさね……ただあんたを

   全力で潰すだけだからねぇ!!」

 

美須々の妖力は更に上へと上がっていく。するとそれの影響なのかは分からないが自分と同様に後ろには巨大な鬼の幻影が見えていた。

 

理 「………本当にお前は喧嘩バカだな♪」

 

美須々が変わっていないことに喜びながら切れた口元から垂れる血を拭い更に霊力、妖力更には魔力と神力を上昇させていく。

 

美 「やっぱりお前‥‥だが彼奴な訳がない彼奴は

   もう……」

 

理 「さぁこれで終わりにしてやるよ」

 

そう言い日頃は邪魔なため隠している龍翼を広げ頭上に巨大でなおかつ圧縮された霊力と妖力そして魔力と神力を組み合わせた玉を作り出す。

 

理 「絶対なる理力」

 

そう唱えるとそこから無数のレーザーが上空へと撃ち出されるとそれが上から降り注いぎ美須々へと襲いかかる。

 

美 「迷ってる場合じゃないねぇ!!」

 

叫んだ美須々は地面を殴りそこから現れた岩石でレーザーの攻撃を防ぐが、

 

ビシ!ビシ!

 

レーザーの勢いが強すぎるためか盾となってる岩石にヒビが入っていく。

 

美 「負けるわけにはいかないんだよ!!」

 

美須々は自身の妖力をただ右手一点に集束させその手に拳を作り、

 

美 「うぉー~ーーー!!」

 

美須々は足をバネにして駆け出す。それと同時にレーザーで当てられていた岩石は粉々となった。だが理久兎が放ったレーザーは未だに美須々を追従するがそんなのお構いなしに美須々は理久兎へと突っ込んだ。

 

美 「これで終いだ!」

 

理 「…ははっ……来い!」

 

ドゴン!!

 

美須々の強烈な一撃は辺りに衝撃波となり観戦している勇儀達をも吹っ飛ばす勢いだった。そして美須々に向かってくるレーザーはそこに一転集中で放たれ理久兎共々襲いかかった。

 

勇儀「美須々様!!」

 

そして理久兎の放ったレーザーが止みその場の土煙が上がると、

 

美 「なっ何だと……」

 

その光景は美須々の全力攻撃は右手で防がれ理久兎と美須々を中心に結界が貼られていたが美須々は目の前の事でいっぱいだった。

 

美 「嘘だろ………理久兎なのか!!」

 

そう美須々の全力攻撃を防ぎ更に自分が放ったレーザーを防ぐために結界を貼ったのは良かったのだが先程の衝撃波で理久兎の顔を隠しているフードが後ろに下がってしまい理久兎の顔が露になっていたのだ。それを見てしまった美須々達はただ驚愕するしかなかった。

 

理 「バレたか」

 

勇儀「嘘だあんたはもう死んでるだろ!!」

 

理 「そうだね…ふむ……真実を知りたくばこの先へ

   向かうといい」

 

そういい理久兎は結界を解除して掴んでいる美須々の右手を放し即座に瞬雷を使いこの場から消えこの戦いは終劇となった。残された鬼達は何も言える気がしなかった。

 

勇儀「美須々様……」

 

美 「行くよお前ら理久兎の真相を確かめる!」

 

美須々達も理久兎に指示されたように前へと歩き出したのだった。そうして歩いていくと美須々達は先程とは違い薄暗くなおかつ広い場所へと出た。

 

美 「ここに理久兎の真実が………」

 

そう言っていると1人の男性が美須々達に近づいてくる。

 

? 「お前らの所に美須々ってのと勇儀ってのはい

   るか?」

 

鬼 「おめぇは誰だ!」

 

? 「俺は黒‥‥主に仕える者だそして俺は美須々と

   勇儀はいるかと聞いているんだが?」

 

そう理久兎の元で従者となっている黒だ。そして呼ばれた美須々と勇儀は黒の前に立つ。

 

美 「私が美須々で隣が勇儀だ……」

 

勇儀「何のようだい?」

 

黒 「主に命で2人を案内するついて来い」

 

勇儀「…美須々様……」

 

美 「お前らはそこで待機してな…私らは理久兎と

   話をしてくる」

 

鬼 「美須々様、勇儀姐さんお気をつけて」

 

そうして美須々と勇儀は黒に理久兎の元まで案内されるのだった。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。