薄暗い中で提灯の明かりが照らし出しているここ数時間前ようやく復興した場所の旧都では……
鬼 「くぅはぁーーー!!最高だぜ!」
妖怪「元大将の酒うめぇな!!」
鬼達や妖怪達が酒を意気揚々と飲み笑いあっている。そんな中の一角で、
理 「ゴク!ゴク!ゴク!プゥハァーー!」
美 「流石だ理久兎!良い飲みっぷりだ!」
理久兎と美須々そして勇儀とで酒飲み大会が勃発していた。理由はかつて負けた美須々が勇儀がリベンジをしてきたからだ。
勇儀「今度は私だ!」
今度はそう言いうと勇儀は星熊盃に注がれている酒を飲み干そうと盃を片手で上へと持ち上げる。その光景を見ている周りの妖怪達は、
さと「理久兎さんや鬼達ってここまで飲むのね……」
黒 「すっすげぇ……」
こい「黒お兄ちゃんも負けちゃダメだよ♪」
黒谷「いいや~うまいなぁ♪」
パル「本当ね……」
? コク♪コク♪
そう言いながら皆は理久兎からの贈り物の酒を飲み続けるとここで1人気づいた者がいた。
黒谷「あれ?そういえば貴女は誰?」
そうここで無口?で白装束だが、一番目立つのはその少女がすっぽりの収まっている大きな桶だ。
? 「…………!!」
ヤマメに「誰?」と言われると酒を飲んで大騒ぎしていた理久兎や勇儀そして美須々、その他にもこの周りで酒を飲んでいる妖怪達も少女をちらりと見ると少女は大きな桶の中に顔を隠す。
勇儀「なぁあんたは誰だい?」
美 「ん?この桶……あんたもしかして釣瓶落とし
かい?」
美須々に釣瓶落としかと聞かれた少女は顔を半分覗かせて首を縦に振る。
理 「釣瓶落としって確か………結構凶暴な妖怪だっ
たような?」
黒谷「え~と君の名前は?私は黒谷ヤマメ♪」
勇儀「私は勇儀だ♪」
パル「パルスィ……」
と、自己紹介をしているとさとりがサードアイで心を読んで釣瓶落としの名前を言おうとすると、
さと「成る程貴女の名前は………んん!!」
理 「はいはいさとりは少しだけ静かにしよう♪」
理久兎がさとりの口を片手で抑えて名前を言わせないようにする。だが心を読めるのはさとりだけではない。
こい「へぇ貴女の名前ってうん~ー!!」
黒 「こいしも黙ってろよ」
こいしに限っては黒に口を塞がれる。2人の名前の先出しを防いだ結果その少女は恥ずかしがりながら名前を名乗る。
? 「キスメ……」
黒谷「そっかキスメね♪」
勇儀「よろしくな♪」
パル「……よろしく」
キス ……コク…
理久兎から見ても彼女は内気だなと思っていたが心では、
理 (でも釣瓶落としって人の首をマミって桶に
いれて持ち帰る何て聞いたけどまっいっか…)
これ以上模索するのは失礼と考えたためあまり考えないようにした。すると今度は裂け目が開かれるとそこから4人の男女が姿を現した。
亜狛「マスター連れてきましたよ♪」
耶狛「つれてきたよ!」
亜狛と耶狛は理久兎に頼まれてある人物達を連れてきてもらうように指示を出していた。その人物達とは1人は身長が低い女性は幻想郷の閻魔こと四季映姫ヤマザナドゥそしてもう一人の女性は短髪を2つに結んで大鎌を持っている小野塚小町だ。
小町「理久兎さんご用件って……また凄いことに
なってるねぇ……」
映姫「怨霊達の次は妖怪達ですか……」
理 「おっ来た来た♪2人共今回は奢るから酒飲
まない?」
理久兎は自分愛用の盃を2人に見せると2人は、
小町「おっ!理久兎さん太っ腹!」
映姫「こら小町!仮にも貴女の上司にあたるんで
すからそのような事は………」
理 「いいから映姫ちゃんも飲もうよ♪」
亜狛「行きましょう♪マスターもあぁ言ってますし」
耶狛「行こうよ♪映姫ちゃん♪小町ちゃん♪」
小町「映姫様行きましょうよ♪」
映姫「はぁ~分かりました」
そうして映姫や小町もこの宴に加わった。
映姫「ところで理久兎さんは何で私達を宴会に?」
理 「理由は簡単♪君らが居なかったらこんな楽園
は出来なかったからな♪そのお礼と思って招
待させてもらったよ♪」
小町「いや~理久兎さんの懐の深さは深いねぇ……」
理 「ハハハ♪小町良いこと言うな♪ほらほら飲め
飲め♪」
小町「それじゃいただくよ♪」
映姫「それではいただきますね………」
亜狛「俺らも飲もうか耶狛?」
耶狛「うん♪」
4人は妖怪達に混じって理久兎から注いでもらった酒を飲む。映姫と小町を見ていた美須々達は不思議に思ったため美須々が代表で理久兎に聞く。
美 「なぁ理久兎その人達って誰だ?」
理 「ん?あぁ彼女達はこの地獄で結構偉い立場の
人達だよ?」
勇儀「えっ!?」
映姫「申し遅れましたね私ここ幻想郷付近の地獄を
管理している閻魔の四季映姫・ヤマザナドゥ
と申します以後お見知りおきをそしてもう1
人は私の部下の……」
小町「死神の小野塚小町よろしく♪」
映姫達が自己紹介を終えると周りのさとりと亜狛、耶狛最後に黒以外の妖怪達は驚いた。
全員「えっ閻魔?!」
理 「ほらほら皆さっきみたいに酒飲んでくれ」
そう呼び掛けると妖怪達はまた酒を飲み始めた。
美 「まさか閻魔がこんな辺境にくるなんてな」
理 「そういえば言ってなかったなこの旧地獄は俺
が統治はしているけど実際は映姫ちゃんに報
告書とか送っているんだぞ?」
勇儀「そうなのか!?」
映姫「えぇ理久兎さんの報告書で聞かされてはいま
した………ですがまさかこんなに増えてしかも
旧都まで復興させるとは思いませんでしたけ
ど………」
理 「これは彼女達の賜物だよ♪」
映姫「そうですか」
小町「さぁじゃんじゃん飲みましょう映姫様♪」
理 「おうじゃんじゃん飲め飲め♪」
こうして理久兎達は宴会を楽しむのだったがまだこの時は知らなかった。仲間が増えるというのは闇もまたあると言うことを、
こい「美味しいねお姉ちゃん♪」
さと「えぇ♪」
それをまだ知るよしもなかった。