ある日の昼下がりといっても空は暗いが理久兎は厨房で何時ものように料理を作っていた。
理 「ズズ……うんこれならいけるな」
そう呟いて味見をしていると厨房の扉が開いてそこから帽子を被っている少女こいしがやって来る。
理 「あれ?こいしちゃんどうしたの?」
こい「理久兎お兄ちゃんにはやっぱり分かっちゃう
んだねお姉ちゃん達は中々気がつかないのに
う~ん残念だなぁ~」
前回の話を見ていて「えっ!?もう復帰したの?!」と思っているだろう。あの後こいしは目覚めて心が読めなくなった事を喜んだ。だが覚妖怪としての能力は失われた。それ故なのかそれを補うかのようにこいしは新たな能力を開花させた。それは、
理 「俺だけは気がつくよ♪こいしちゃんがどれだ
け無意識を操ってもね♪」
そう言い理久兎はこいしの頭を撫でる。こいしが新たに開花させた能力は「無意識を操る程度の能力」だ。この能力は自分から見ても凄い能力だったがやはり自分には通用しなかった。
こい「はぁ~まぁっ良いや♪」
理 「それで何しに来たの無意識に行動して?」
理久兎が何しに来たのかを聴くとこいしは笑顔で、
こい「う~ん良い臭いがしてかな?」
理 「ハハハ♪もうそろそろできるよ」
こい「メニューは?」
理 「今回はねトマトがふんだんに手に入ったから
ミネストローネとデミグラスソースのハンバ
ーグそれにざく切りで切ったトマトをあしら
えたサラダと後は主食としてパンかな?」
こい「相変わらず理久兎お兄ちゃん料理得意だね」
理 「そうでもないさ♪そうだミネストローネの
味見する?」
味見をするかと聞くとこいしは笑顔で頷く。それを確認し小さな器にミネストローネを少し注いでこいしに飲ませる。
理 「どうだ?」
こい「うん♪美味しい♪」
理 「なら完成だねそれならこいしちゃん皆に飯だ
からって言ってさダイニングに集めてくれる
かい?」
こい「いいよ♪」
そう言うとこいしは厨房から出ていった。
理 「さてともそるか………」
1人となった厨房で理久兎はそう呟いて料理をもそりダイニングルームへと運ぶのだった。
神様移動中……
ダイニングルームへ料理を運びそれぞれのテーブルへと並べていると扉が開きそこから、さとり、こいし、黒が入ってくる。
こい「理久兎お兄ちゃん連れてきたよ♪」
理 「ありがとうな♪……あれ?亜狛と耶狛は?」
理久兎が亜狛と耶狛の所在を訊ねると3人は首を横に振って、
さと「いえ……私は知りませんが……」
こい「私も知らないけど……」
黒 「我も知らんぞ?」
どうやら全員、亜狛と耶狛の所在については知らないようだ。
理 「あいつら何処に行ったんだか‥‥あっ3人共
もう食べてていいよ」
ドーーン!!
理久兎がそう述べているとダイニングルームの扉が勢いよく開きそこから耶狛が現れた。
耶狛「マスター!!」
理 「耶狛お前何処にいたんだ?」
急いでやってきた耶狛に理久兎は何処に行っていたのかと聞くと耶狛は手に持っているもの見せる。
耶狛「これ拾ったんだけどどうしよう?」
耶狛の手にあったのは卵だ。それもこの辺だと珍しい柄をしていた。
黒 「……耶狛その卵何処から拾ってきた?」
耶狛「う~んと……灼熱地獄から?」
それを聞きその卵の中身について大体察しが出来た。
理 「恐らくそれは地獄鴉の卵だな」
さと「地獄鴉?」
理 「あぁ……主に灼熱地獄を住みかにしている結
構獰猛でなおかつ賢い鳥なんだが耶狛さ拾っ
たって聞いたが巣から拝借したわけじゃない
だろうな?」
それを聞いた耶狛は首を横に振って卵を拾った経緯を話す。
耶狛「違うって灼熱地獄の怨霊達を掃除してたら四
隅の方に1つだけ落ちてたんだよ!」
こい「それって巣から落ちたのかな?」
理 「恐らくな‥‥それで耶狛それをどうするんだ
これ?調理ならするが?」
と、言うと耶狛は急いで卵を胸に隠して、
耶狛「この卵は私が育てる!いくらマスター達が
反対しても私は育てるからね!」
耶狛はその卵を育てたいようだった。
理 「別に俺は構わんぞ?たださとりは?」
さとりに話をふるとさとりは少し考えて、
さと「構いませんよ…私も動物は好きですし……」
こい「私もいいよ♪」
黒 「しっかり育てろよ耶狛……」
理久兎を合わせた4人は飼っても構わないと聞いた耶狛は笑顔で、
耶狛「ありがとうマスター♪それに皆♪」
耶狛は卵を大事に抱えながそう言うと 耶狛に、
理 「耶狛、とりあえずその卵を何処かに置いて
飯を食べようそういえば耶狛さ亜狛は何処
に行ったんだ?」
耶狛の兄の亜狛について聞くと耶狛は首を横に振る。
耶狛「お兄ちゃん私は知らないよ?」
と、言っていると、
ドガーーーン!!
ダイニングルームの扉のが耶狛と同様に勢いよく開き何かを抱き抱えた亜狛が現れた。
亜狛「マスター!!」
理 「なんだろデジャブを感じた……」
さと「奇遇ですね……」
そんな事を話していると亜狛が息を切らした声で、
亜狛「マスターすぐにこの子を助けて下さい!」
そう言いながら亜狛の抱き抱えたられている弱っていた黒い子猫を見せる。それを見ていた理久兎は、
理 「黒!すぐに毛布を!さとり達はこの子を少
し見ていてくれ!」
黒 「分かった!!」
さと「分かりました!」
理久兎と黒は大急ぎで毛布と温い哺乳瓶に入ったミルクを持ってくる。
理 「亜狛その子を!」
亜狛「はい!」
亜狛から黒い子猫を渡してもらい黒が持ってきた毛布でくるんで子猫にミルクを飲ませる。子猫にミルクを飲ませながら子猫を拾った経緯について訊ねる。
理 「亜狛この子は何処で拾った?」
理久兎が聞くと亜狛は何処で拾ったかを答える。
亜狛「地上との通路で小さく丸まったこの子を見
つけてそれで妹と重ねてしまって」
それを聞いた理久兎はかつて出会った時の亜狛と耶狛を思い出した。
理 「懐かしいなぁ………」
亜狛「そのお陰で私達とマスターと会えたんです
けどねところで耶狛その卵は?」
耶狛「これ?これは私が育てるの♪」
亜狛「本当に!?」
理 「それは本当だ……なぁ亜狛…この子はどうする
んだよ?」
亜狛に聞くと亜狛は悩みながら頭を押さえる。
亜狛「それは……分かりません」
と、聞いたさとりは理久兎に提案をする。
さと「なら理久兎さんその子も飼いませんか?」
理 「えっ?俺は構わないけど…さとりは
迷惑なんじゃ……」
さと「いえむしろ動物達が大好きなんです私♪」
さとりがそう言うとこいしが理久兎に、
こい「お姉ちゃん、昔から動物達が大好きなんだ♪
普通は話が通じないけどお姉ちゃんは心が読
めるから♪」
理 「成る程ね………黒は構わないか?」
黒 「俺も問題はないな」
理 「そうかなら亜狛に耶狛その子達は今日から
家族だしっかり育てろよ?」
それを聞いた亜狛と耶狛は大喜びだった。だが理久兎は、
理 「その前に名前を決めないとな……」
亜狛「う~んならそのこの子の名前は火焔猫燐って
のはどうでしょう?」
さと「因みに亜狛さん理由は?」
亜狛「ここの灼熱地獄の様に元気に育って欲しいか
らです」
理 「そっそうか………耶狛はその子に名前をつける
ならどんな名前だ?」
今度は耶狛に話をふると耶狛は考えに考える。
耶狛「場所は霊が沢山いたし…烏をとりたいから決
めた!霊烏路空♪」
耶狛はその卵を掲げてそう答えた。
理 「そうかなら決まりだな♪」
そう答えているとこいしが理久兎達に、
こい「皆…ご飯冷たくなちゃったよ……」
それを言われたこいし以外の全員は料理の事を思い出した。
全員「あっ…………」
その後、理久兎が料理を温め直して晩飯にありつくのだった。