理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

202 / 565
第195話 時は流れて

家に温泉がひかれてから数年の月日が流れた。亜狛と耶狛が拾ってきた火焔猫燐も霊烏路空はと言うと、

 

耶狛「アハハ鬼さんこちら♪」

 

お燐「にゃ~ー!!」

 

お空「カーーー!!」

 

こい「待て~♪」

 

お燐は毛に艶が表れて黒くスリムな猫にお空は大きくなりなおかつその辺を自由に飛べるようになっていた。

 

亜狛「耶狛達は元気だな……」

 

黒 「たまにはこいしの世話を休むのも良いもの

   だな」

 

亜狛と黒は地底を駆け回る2人と2匹を笑顔で眺めていた。

ではそろそろ理久兎達の視点に戻そう。理久兎はさとりの仕事のバックアップをしていた。

 

さと「すいません理久兎さん手伝わせてしまって」

 

理 「いいや構わんよ本来は俺の仕事をやってもら

   ってる訳だしな♪」

 

そう言いながら理久兎は丁寧かつ目に見えぬ速度で書類を片付けていく。

 

さと「理久兎さん…仕事早いですね……」

 

理 「んっそうか?まぁ昔色々とやってたからな」

 

かつて平安京に潜伏していた時今やっている量の3倍を片付けていた。といっても3日以内に終わらされば良いものを1日で片付けていたのだが、

 

さと「理久兎さんの昔話聞いてもよろしいでしょう

   か?」

 

さとりが言うと理久兎は笑いながら、

 

理 「それは構わないがまずはそれを終わらせたら

   な?」

 

さと「あっ…すいません……」

 

理 「ほらその書類も頂戴♪」

 

さと「えっ?でも理久兎さんさっきの書類は?」

 

理 「もう片付けたよ?」

 

そう言われたさとりは自分の隣にある大量の書類が積み重なれているのにようやく気がついた。

 

さと「流石に早くないですか?物量法則を余裕で

   越えているんですが」

 

理 「そうか?でも早いに越したことはないよ?」

 

さと「…………分かりましたならこの部分をお願いし

   ます」

 

そう言いさとりは理久兎に2つある書類の束のうちの1つを渡す。

 

理 「さてとこれが終わったら少し話してやるから

   頑張れ♪」

 

さと「えぇ………こちらも早く終わらせないといけま

   せんね!」

 

自分とさとりは書類の束を減らしていった。そうしてさとりがようやくラストの書類を片付けた。

 

さと「ふぅ~ーー…………」

 

理 「お疲れさま♪はいこれ♪」

 

そう言い先に終わった理久兎は紅茶と茶菓子として皿に盛り付けられているバウムクーヘンを渡す。

 

さと「ありがとうございます………」

 

理久兎から渡された紅茶を飲みバウムクーヘンを食べる。

 

理 「はぁ………にしても改めて見るとこんだけの量

   を片付けたんだな……」

 

さと「そうですね……」

 

理久兎とさとりは片付けた書類を眺めお互いに紅茶を飲む。

 

さと「理久兎さん昔話聞かせてくれませんか?」

 

理 「う~んしょうがないな♪」

 

さとりは自分の昔話が聞きたいようだったのでそれを話すことにした。かつて自分がぬらりひょんとなってやって来た事や名乗る前にやって来た事を話した。

 

理 「とまぁこんな感じなんだが………」

 

さと「理久兎さんて色々な冒険をしてきたんですね

   それに聞いていて面白いですよ」

 

理 「そうか?」

 

さと「えぇ‥‥聞いていると凄く長い年月を生き続け

   てそして死んでまた新たな旅を続ける物語に

   出てくる主人公みたいですね♪」

 

理 「いやそれはないだろ?こう見えても俺も結構

   な歳だし………それでいてさとり達から見たら

   ジジイだしな♪」

 

自分の年齢は億は軽く越えているのは確かだ。歳は1000をいった辺りから数えるのを止めたため正確な年齢までは分からないのが現状だ。

 

さと「いえ私から見たら理久兎さんは若々しいです

   よ♪」

 

理 「ほう♪それは嬉しいこと言ってくれるねぇさ

   とり♪」(

 

さとりに笑顔でそう答えた。お爺ちゃん年齢の自分からしてみるとやはり若々しいと言われるのは嬉しいものだ。そして笑顔を見たさとりは少しだけ頬を紅くして、

 

さと「いえ……その…はい……」

 

理 「どうかしたか?」

 

理久兎は突然黙ってしまったさとりにどうしたのかと聞くと、

 

さと「いえ何でもないです……」

 

理 「ん?まぁいっか………」

 

これ以上の模索は失礼と考えて模索を止めた。するとさとりは理久兎に究極級の質問をしてきた。

 

さと「理久兎さんは地上に帰って御弟子さん達に会

   いたいですか?」

 

昔話を聞いていてさとりはこれが疑問に思っていたのだろう。そしてその質問に自分は答える。

 

理 「そうだね…会えるなら会いたいかな……」

 

さと「……………………なら…」

 

さとりは「正直に言って会いに行けば良いのに」と言うとしたがその前に理久兎の言葉が遮った。

 

理 「だけどね‥‥今さら俺が出てきてせっかくバラ

   ンスがとれているのにそれを崩したくはない」

 

さと「………………」

 

理 「俺がもし地上の仲間達に正体明かしそれを話

   すとしたらそれは皆が真実を知った時だよ」

 

さと「真実?」

   

理 「あぁ俺の太古に失われて今は知る者も少なく

   なった本来の名と能力‥‥深常理久兎乃大能神

   という名と、『理を司り扱う程度の能力』と

   いう2つの真実を知った時さ」

 

遠い目でそう語った。さとりから見てこの時の理久兎は少し寂しげな表情に見えた。

 

理 「まっぶっちゃけるとここの生活も楽しいし

   で何ら問題は無いんだけどね♪」

 

話を聞いてさとりは少しだけホッとしたのは言うさまでもなかったが理久兎には分からなかった。

 

理 「でも何でまたそんな質問してきたんだ?」

 

今度は理久兎がその質問の意味をさとりに問うとさとりは顔を少し紅くして、

 

さと「いっいえ何というか……」

 

理 「どうかした?」

 

さと「いえ…何となくですね……」

 

理 「ふぅ~んおっとそろそろ晩飯を作らないと

   ………そんじゃ俺は厨房に行くな♪」

 

そう言い理久兎は部屋から出ていった。1人残ったさとり天井を見つめて、

 

さと「何であんな質問したんだろ………」

 

そう呟き数分後に作った書類の整理をするのだった。 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。