お燐とお空が家にやって来て数百年が経った。動物がここまで長生き出来るのかと理久兎達は常々考える事がよくあった。そんなある日に事件は起きていた。
理 「なぁ……お前らこの子達…本当にお燐とお
空なのか?」
自分の目の前には紅髪のおさげで尻尾が2本生えている少女そしてもう1人は身中が高く髪の長い少女の2人がちょこんと座っていた。そして教育係の亜狛と耶狛に聞くと2人は渋々首を縦に振って、
亜狛「その筈なんですがね………」
耶狛「私達も朝起きたらこうなってたから……」
亜狛と耶狛も何がどうなってこうなったのかが分からなかった。すると、
?1「え~とお父さん?」
亜狛「おっお父さん!?」
と、おさげの紅髪の少女は亜狛に向かってお父さんと言ってきたのだ。そしてもう1人の身中の高い少女は耶狛に、
?2「ねぇお母さん遊ぼ♪」
耶狛「えっ?!」
只でさ困惑されている中でお父さん、お母さんと言われれば流石の2人も困惑するしかない。とりあえず確認のために、
理 「え~と君は………火焔猫燐だよね?」
理久兎は紅髪のおさげの少女に聞くと少女もといお隣は頷いて、
お燐「あたいはお燐だよ理久兎様♪」
理 「それで君が霊烏路空でいいんだよね?」
今度は身中が高い少女に聞くとその少女は満面の笑みで、
お空「うんそうだよ♪」
と、返事をしたどうやらお空で間違いないようだ。
理 「それで2人はどうしてこうなったかは分
かる?」
理久兎はどうしてこうなったのかを聞くとお隣とお空は顔をしかめて、
お燐「さぁ~あたいには分かりませんね?」
お空「私も分かんないかな?」
そう言っていると扉が開きそこからさとりが入ってくる。
さと「あれ理久兎さんその方達は友人ですか?」
お燐「あっさとり様」
お空「さとり様だ♪」
さと「えっ…成る程お燐とお空ですか……」
さとりは心を読みお燐とお空であることを理解した。
理 「えっとさとり……2人は何で人の形になった
のか分かる?」
さと「おそらく怨霊達を常に日頃から食べ続けて
妖怪化したのではないでしょうか?」
さとりは怨霊達を食べ続けた結果2人は妖怪化したと推測したのだ。
理 「確かに2人はこれまで怨霊達を食べ続けたも
んな…それなら成り立つか……」
これには納得するしかなかった。そして2人に聞いてみたいことがあったため質問をした。
理 「ところで2人は何か能力はあるの?」
そう2人の能力についてだ……それを言われたお隣とお空は答える。
お燐「あたいは‥‥『死体を持ち去る程度の能力』だ
ね?」
理 「へぇ~お隣の能力は中々ユニークな能力なん
だねお空は?」
お空「……うにゅ?」
理 「能力だよ♪能力お空のお母さんが使っている
よな………」
耶狛「あっ私の呼び名もうお母さんなんだね……」
亜狛「俺はお父さんだぞ?」
と、話をしている2人は無視してお空は考えるが、
お空「う~にゅーーーー……」
お燐「お空、頭の中を探してみるんだよ」
お空「う~ん……無いっぽい……」
お空は少し寂しそうに言う。それを聞いた自分は笑いながらお空の頭を撫でて、
理 「そっか‥‥まぁあってもなくても関係ないよ♪
もしかしたら突然能力開花した!なんてよく
ある話だし気にすんなよお空?」
耶狛「うんそうだよ気にしない♪気にしない♪」
お空「うん♪」
お空は能力なんて関係ないと思い笑顔で理久兎達に返事をした。
さと「それよりも2人をどうしましょうかこのまま
ともいきませんし…何か仕事は……」
理 「ならさ♪ここはお燐の能力を有効活用しよう
か♪」
お燐「あたいの?」
理 「そうそう灼熱地獄は分かる?」
灼熱地獄について聞くとお燐は笑顔で答えてくれる。
お燐「えぇ♪分かりますよ中庭の扉の先にある所で
すよね?」
理 「うん♪実はな映姫ちゃんに灼熱地獄の温度問
題が報告されてねどうやって温度をあげるか
考えてたんだけど……」
お燐「ど?」
理 「それならお燐ちゃんの能力を有効活用して死
体をこっちに運んでもらってそれを燃料にし
ようとね♪」
それを聞いたさとりは理久兎の考えに感心を持った。
さと「中々考えますね……」
理 「それでそうなると今度は温度の調節なんだが
それをお空にやってもらいたいんだが」
理久兎はお空に聞くとお空は元気で無邪気な声で、
お空「いいよ♪理久兎様私やるよ♪」
理 「なら決まりだね♪う~んでもなならさ暇が
あったらで良いからこいしの遊び相手にな
ってくれないかな?」
さと「そうですね…ならお隣、お空、貴女達2人
には暇があればでいいからその時はこいし
の面倒を見てくれないかしら?」
さとりにそう言われた2人は立ち上がりすぐさま敬礼をする。
お隣「分かりましたさとり様!」
お空「うにゅ!」
理 「ハハハこれは頼もしいな……そうは思わない
かい?こいしちゃん♪」
さと「えっ!」
理久兎がそう言うと部屋の四隅にいたこいしが姿を現した。
こい「アハハやっぱり理久兎お兄ちゃんには効かな
いか……それで遊んでくれるって本当?」
理 「まぁしばらくはね………ここ最近は黒も働き
づめだからってものあるけどな……」
なお黒は今現在お風呂で一休み中だ。
こい「ふぅ~んまぁいいよ♪なら折角だから皆で
遊ぼ♪遊びたい人この指止まれ♪」
こいしが指止まれをすると耶狛にお燐それにお空も指に掴む。
こい「それじゃ何する?」
耶狛「鬼ごっこで!鬼はお兄ちゃんでどう?」
お隣「ならお父さんが鬼で!」
お空「わぁ~い♪」
そう言い4人は部屋から急いで出ていった。そして取り残された亜狛は、
亜狛「俺も!?って早いなおい!!」
そう言い亜狛は4人の後を追いかけていった。
理 「元気だね♪」
さと「えぇとっても♪こいしがあんなにも笑顔で
いられるのは理久兎さんのおかげです」
理 「いいや……俺は関係ないよ関係あるのは
あの3人だよ……」
さと「いえ理久兎さんがいなかったらあの3人は
死んでいたではありませんか……」
さとりが言っているのは事実だ。もし亜狛と耶狛に出会わなかったら、お燐やお空とも出会えないどころか耶狛は病死し亜狛は1人寂しく孤独死をしていたかもしれない。黒もそうだ。あの時に自分達が魔界に行っていなければ確実に神綺に再度封印されていたかもしくは再生する暇を与えずに滅殺されていたかもしれないからだ。
理 「そう…なのかもな……」
さと「えぇそうですよ♪」
理 「でも俺から見ればさとりが変わったと思うけ
どな♪」
さと「えっ何処がですか?」
理 「だって最初会った時は全然笑って無かった
じゃん♪やっぱり笑っているのがいいよ♪」
それを言われてさとりの顔は紅くなった。恥ずかしさと嬉しさがおり混じり複雑な感情へとなった。
さと「そっそうですか……」
理 「そうだね♪」
さと「
と、小さな声で言うと理久兎は聞こえていなかったのか、
理 「えっ?何か言った?」
さと「いえ何でもないです……」
理 「そうか?ならいいんだが…あっそろそろ俺も
風呂に入るか……この後色々やらないといけ
ないこともことがあるしな……」
そう呟いて理久兎は浴室へと向かった。そして1人ダイニングルームに残ったさとりは、
さと「
そう小さく呟くが誰1人として聞いてはいなかった。