理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第十一章 もう1つの紅魔異変
第201話 今の現世(うつしよ)


人で賑わうとある町の一画の路地裏で密かに裂け目が開かれ中から8人の男女が現れた。勿論その正体は、

 

耶狛「ここが今の現世(うつしよ)………」

 

亜狛「自分達が地下にこもっていた間でここまで

   発展したんですね」

 

黒 「まるで魔界じゃねぇか」

 

3人は立ち並ぶ町を見つつそう感じてした。なお時は平成が始まって約数十年が経過したと思えばいいだろうか。

 

理 「さてと………骸達お前らは路地裏を中心に怨霊

   達を探せ何かあれば俺に知らせろそれと決し

   てその姿を人間達に見られるなよ?」

 

理久兎が指示を出すと骸達は敬礼をして、

 

骸1[イエスボス!]

 

骸2[お任せください!]

 

骸3[ご期待にこたえさせていただきます!]

 

骸4[アーイ!!]

 

そう答えると骸達はそれぞれ忍者のように跳躍して四方八方に散らばった。

 

亜狛「マスター骸達はどうするんですか?」

 

理 「昼間に表を歩かせると注目を浴びるからなだ

   から昼は暗く人の気もない路地裏を夜は表を

   捜索させるつもりだよ」

 

耶狛「夜って私達は休み?」

 

理 「あぁ一応な‥‥まぁ何かあれば急行するけど」

 

黒 「なぁ主よそろそろ表を歩かないか?」

 

そう言われて亜狛と耶狛と黒を見ると亜狛と耶狛は尻尾を振るい黒はそわそわしていた。どうやら早く行きたくて興奮しているだろう。

 

理 「なら歩こうか‥‥それと指輪は着けていけよ」

 

そう言われた亜狛、耶狛、そして黒はそれぞれ変化の指輪を着けて表へと出たのだった。そうして町を歩いていると、

 

女子「ねぇねぇあの黒ジャケットの男の人さ格良く

   ない?」

 

女子「えぇ~!私はその後ろの灰色のパーカー来て

   いる白髪の男の人が………」

 

女子「いやいや眼鏡かけてる執事服も捨てがたいよ

   うん!」

 

男性「あの金髪の女の子可愛いな♪」

 

男性「あんな子を彼女にしたい」

 

等々、理久兎達が歩いた後からそんな声が聞こえてくる。そんな事を聞いていた4人は、

 

耶狛「なんか照るね…お兄ちゃん……」

 

亜狛「そっそうだな………」

 

黒 「俺にはよく分からんがな………」

 

理 「はっはっは♪時代の移り変わりは面白いな♪

   こんなジジイに格好いいなんて言う子もいる

   とはねぇ♪」

 

それを聞いて亜狛と耶狛そして黒はやれやれといった呆れ顔をする。そう3人はさとりの気持ちを知ってはいた。だがそれは本人の事もあるため理久兎には黙っている。しかし当の本人の理久兎はそんなことには全く気づいていない。

 

理 「どうした?そんな哀れな奴を見るような目を

   してさ?」

 

3人「はぁ………」

 

無自覚な理久兎に3人はため息を吐いて歩き続けるのだった。

 

神様 神使達移動中……

 

自分達はしばらく歩き回っていると耶狛はあるものに興味を引かれた。

 

耶狛「おぉ~ー!マスターこの白くて渦巻いてるの

   は何!?」

 

理 「あれはソフトクリームって言って冷たくて甘

   い牛乳の味がする食べ物だよ♪」

 

それを聞いた耶狛は周りの人間には見えてはいないが後ろから生えている尻尾は左右に勢いよく振り続けていた。もう一目見ただけで興味ありまくりな感じだ。

 

理 「食べるか?」

 

耶狛「うん♪」

 

亜狛「まったく耶狛は………」

 

黒 「まぁ良いじゃねぇか……」

 

理 「2人も食べる?」

 

それを聞いた2人は少し恥ずかしがりながら頷くのだった。そうして4人はソフトクリームの売っている店の前に来ると、

 

店員「いらっしゃいませ何味にしますか?」

 

それを聞かされた理久兎以外の3人はメニューを覗いた。

 

理 「それじゃ何味食べる?」

 

それを聞いた3人はそれぞれ味を答える。

 

亜狛「俺は抹茶味で……」

 

黒 「俺はモカで……」

 

耶狛「私はさっきのえ~とバニラで!」

 

理 「はいよ♪それじゃ店員さん3人はそれで俺は

   チョコレートで♪」

 

店員「かしこまりました♪」

 

店員はそれぞれのソフトクリームを作るとそれぞれに渡す。

 

店員「え~とお会計は1600円です♪」

 

理 「はいそれじゃこれでね♪」

 

理久兎は店員に丁度のお金を渡すと理久兎達はそこから立ち去る。すると店員は笑顔で、

 

店員「またのご来店をお待ちしております♪」

 

そう言うのだったが理久兎達に聞こえたのかどうかは分からない。そして3人は初のソフトクリームを食べると、

 

耶狛「おいし~い♪」

 

亜狛「昔食べたマスターの宇治時雨を思い出します

   ね♪」

 

黒 「これはこれで美味いな………」

 

理 「それは良かったよ♪」

 

そうして食べ歩きをしながら町を物色しまわるのだった。だが自分は3人が本来の目的を忘れてないかと不安になってしまう。

 

耶狛「マスター今度はどこ行くの♪」

 

耶狛は数歩先の自分の前を後ろ歩きで歩きながらそう言ってくる。まぁ楽しむだけ楽しんで仕事をしてくれるのなら別に良いかと思った。そして亜狛はあぶない事をしている耶狛に、

 

亜狛「耶狛そんな事をしてると人とぶつかるぞ?」

 

耶狛「平気♪平気♪」

 

そう言った矢先だった。耶狛は前を振り向いたその瞬間、

 

ドスッ!

 

耶狛「きゃっ!!」

 

耶狛は目の前の青年にぶつかり体制を崩したが、

 

ガシッ!

 

青年は倒れていく耶狛を掴んだ。それはかつて自分が豊姫にした事と一緒だっため昔を懐かしんでしまった。すると、

 

青年「すいません余所見をしていて!大丈夫です

   か?」

 

青年は耶狛の体制を直すと耶狛に頭を下げて謝罪をしてきた。

 

耶狛「私こそごめんなさい」

 

亜狛「まったく何やってんだ!すいません妹が」

 

青年「いえいえ僕も悪かったのですから」

 

と、青年と亜狛と耶狛とで謝っているとどんどん先に行っている黒は自分達の方を向き、

 

黒 「お前ら行くぞ~!」

 

亜狛「あっすいませんそれでは!」

 

耶狛「それと体制を直してくれてありがとう♪」

 

亜狛と耶狛はお礼を言って黒のもとへと急いだ。やれやれと呆れながら後ろをゆっくりと歩いている自分と青年はすれ違った。その際に微かにだが不思議な霊力を青年から感じ振り向いた。

 

理 「…あの感じどこかで……」

 

何処かで感じたことのある霊力を青年から感じ誰だったかと悩み呟いていると先に行った耶狛が、

 

耶狛「マスター早く♪」 

 

と、呼び掛けてきた。

 

理 「あっあぁ悪い!すぐ行くよ!」

 

耶狛に言われた自分は早足で3人の元へと歩くのだった。そうして町を探索し続けていくと時間は進み夜へ変わった。自分達4人は先程の路地裏の積み荷に座ってくつろいでいたが自分は黙想をして、

 

理 (骸達に告ぐ集合せよ……)

 

と、念じると上空から4体の人形(ひとがた)の何かが降ってくる。それは自分の使い魔達の骸達だった。

 

理 「お前達状況は?」

 

状況を聞くと4体はそれぞれ集めた情報を提示する。

 

骸1[南東方面の駅で黒い何かが目撃されたと言う

   噂ありました]

 

骸2[私も聞きました…それだけです……]

 

骸3[俺はもうちょい先の廃品所で何か不気味な笑

   い声が聞こえたとか聞いた]

 

骸4[俺もその噂を聞いた確か人間には似ても似つ

   かない声だったとかすまないがそれしか仕入

   れられなかった]

 

それを聞いた理久兎は亜狛にあることを訊ねる。

 

理 「なぁ亜狛………確か逃げ出した怨霊の数は幾

   つだったっけか?」

 

亜狛「確か3体逃げ出したと聞いています」

 

なお3体と聞いて「そんな数じゃ~」と思っているかもしれないがその怨霊達はただの怨霊ではなく過去に重犯罪を犯しなおかつ怨念が普通より強い怨霊達だ。野放しにしたら大変なことになるのは目に見えていた。

 

理 「お前らに指示を出す亜狛と耶狛そして骸1と

   骸2は南東の方面の駅へ行け俺と黒そして骸

   3と骸4とでここから近い廃品所に向かう」 

 

それを聞いた亜狛、耶狛、黒そして骸達は、

 

亜狛「了解しました!」

 

耶狛「分かったよマスター!」

 

骸1[お任せを!]

 

骸2[ボスの命令を実行します!]

 

黒 「分かった主に付いて行く」

 

骸3「イエスボス!」

 

骸4[承知しました!]

 

そう言い亜狛と耶狛そして骸1と骸2は裂け目へと入って行き自分と黒そして骸3と骸4で廃品所へと向かうのだった。


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