理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第204話 初の弾幕ごっこ

いつもは薄暗い地底だが今回は綺麗な星が見えぬ地底に色とりどりの弾幕が飛び交い輝いていた。それは見る者の目を釘付けにする。そんな中、皆の弾幕を見ていてこう思っていた。

 

理 「亜狛と耶狛それに黒はいつの間に飛べるよう

   になってんだ?」

 

そう亜狛と耶狛が飛びながら弾幕を撃ち合っているのだ。しまいには黒やこいしも飛びはたまたお隣やお空までもが飛んでいた。

 

さと「理久兎さん……」

 

理久兎はさとりに呼ばれそっちの方を向くとさとりまでもが体を浮かせ飛んでいた……

 

理 「………なぁさとり達は何時から飛べるようにな

   ったんだ?」

 

さと「さぁ…始まりはこいしからでしたね……そこか

   ら色々な妖怪達が飛び交う事が出来るように

   なったので………」

 

それを聞いた自分の内心はただ一言で済む言葉が思い付いた。

 

理 (俺って‥‥まさか時代遅れ!?)

 

ただそう感じるしかなかった。自分の従者達ですら飛べるようになっているのに対して自分はそんな簡単には飛べないのだから。

 

さと「理久兎さん?理久兎さんも飛びましょう♪」

 

理 「えっ?あぁ~さとり…飛び方ってどうやるの

   かなぁ?」

 

さと「えっ?えぇ~と‥‥とりあえずは体を浮かせる

   イメージでですかね?」

 

アドバイスを貰い早速頭でイメージする。するのだが、

 

理 「飛べないな……」(´・ω・`)

 

さと「………………」

 

もうこれにはさとりも黙るしか出来なかった。仕方ないため魔法を唱えることにした。

 

理 「もういいやエアビデ……」

 

そう言うと自分の足に風が纏い理久兎は体を浮かせ飛んだ。

 

さと「…理久兎さん飛べるじゃないですか……」

 

理 「俺の場合はこうでもしないと飛べないの」

 

2人はお互いを見合い笑うと、

 

理 「それじゃ始めようか♪」

 

さと「えぇ♪」

 

そうしてさとりとの弾幕ごっこが始まりさとりは無数の妖力で作り上げた弾幕を展開させた。

 

理 「ハハハ♪そんなんじゃ当たらないよ♪」

 

さとりから無数に展開される弾幕を避けつつその弾幕を眺め自分も弾幕を撃ちだす。

 

さと「くっ!……」

 

撃ちだされる弾幕を自分を真似しているのかみよう見まねで避ける節が見られた。

 

理 「さとりらしい方法で避けるね♪」

 

さと「えぇ観察力は負ける気がしないので♪」

 

そう言いさとりはスペルカードを取り出して、

 

さと「想起 恐怖催眠術」

 

そのスペルカードが発動するとさとりを背後に円上の弾幕が現れるとそれを中心に無数の黄弾が放たれ更にそこから大弾が円を描かきながら撃ちだされる。更にレーザー型弾幕が大弾とは逆に円を描かきながら放たれる。それはさとりの特徴とも言える目を表していた。

 

理 「おっと!」

 

理久兎は無数に放たれる黄弾を回避しそして円を描かきながら放たれるレーザーを避けそこに追い討ちをしかけるかのように撃ちだされる大弾をギリギリで回避する。

 

さと「やりますね……」

 

理 「伊達に長生きはしてないよ♪」

 

ポケットからさとりが出したものと同じスペルカードを取り出して、

 

理 「理符 理の創造」

 

理久兎がスペルカードを唱えるとさとりと理久兎の真下から無数の色とりどりの弾幕が上へとゆっくり上がってくる。さとりはそれを難なく避けて、

 

さと「理久兎さんいくら貴方が強いとはいえこれは

   手加減のしすぎでは?正直嘗められている気

   しかしないんですが?」

 

理 「そうかい?まぁ頑張って避けてね♪」

 

さと「いったい何を考えて……」

 

さとりにとって自分はもっとも警戒するレベルの筈だ。理由は覚妖怪の特権である心を読む力それは自分が相手だと出来ないのは知っているのだから。

 

さと「しかたありませんね……」

 

さとりは避けつつ黒とこいしの弾幕ごっこの方を第三の目ことサードアイを向けて見ると1枚の何も言える描かれていない真っ白のスペルカードを取り出す。すると突然そのスペルに絵柄が描かれると自分の方を向いて、

 

さと「想起 無意識の遺伝子」

 

その言葉と共にさとりが飛び回ると飛んだ後には無数の青と緑の弾幕が現れ少しその場で停滞するとそれは予測不能に飛び交った。

 

理 「うおっ!何だ!」

 

さとりの『心を読む程度の能力』それを使いこいしのスペルカードを真似たのだ。だが何故理久兎と同様に今現在こころを読むことの出来ないこいしのスペルカードを真似することが出来たのか簡単な話だ。さとりが心を読んだのはこいしではなく黒の心でありさとりは相手のトラウマを読むことも出来る。つまり黒にとってこのスペルはトラウマになりかけているといっても過言ではないと言うことだ。だが理久兎はその弾幕に最初は驚いたが、

 

理 「どうしたさとり?もう終わり?」

 

笑顔でそれを難なく避ける。まるで次は何処に弾幕が来るか未来を見るかのようにだ。

 

さと「避けられますか……」

 

理 「でもさぁ~さとり良いの?俺のスペルを無視

   して?」

 

さと「えっ…嘘……」

 

さとりは見てしまった自分達の頭上に浮かぶ巨大な弾幕をその弾幕は地底を照らす程の大きさとなっていた。さとりはミスをしたのだ。ゆっくりと上へと上がってくる弾幕は避けれるとだがその弾幕は消えることなく1つに密集し巨大な弾幕へと成長していたと言うことに気がつかなかったのだ。それを表すなら1つの理が出来たのと同じだった。

 

理 「それじゃ♪」

 

そう言うと理久兎はスペルカードを取り出して、

 

理 「理符 理の抑制力」

 

スペルカードを唱えると地底を照らすほど密集した巨大な弾幕から無数のレーザーが放たれるがそれはただのレーザーではなく全てさとりに向かって飛んでくるホーミングレーザーだった。それにはさとりは避けようとせずその場に止まり、

 

さと「…………理久兎さん私の敗けです♪」

 

その言葉と共に、

 

ピチューン!!ピチューン!!

 

さとりは弾幕に被弾しこの勝負は理久兎が勝者となった。そしてレーザーが止み巨大弾幕は消えるとボロボロのさとりが目の前にいた。

 

さと「まさかあそこでやられるとは思いませんでし

   た…これは私のミスですね……」

 

理 「ハッハッハ♪ミスなんて誰にでもあるよ♪俺に

   だってミスの1つ2つはあるんだからだけどそ

   れを次に生かすのがコツだよ♪」

 

さと「ふふっ♪年配者が言うと一理ありますね♪」

 

理 「とりあえず地上に降りようか」

 

さと「はい♪」

 

そうして2人が降りるとそこには亜狛と耶狛そしてお隣とお空がいた。

 

理 「おっす♪お疲れさんそれでどっちが勝った?」

 

亜狛と耶狛そしてお空とお隣に聞くと、

 

亜狛「今回は俺の敗けですね……」

 

耶狛「ふっふっふ♪勝てました!」

 

耶狛は亜狛にどや顔をしている事から相当嬉しかったのだろう……

 

お隣「いや~あたいは何とか勝てたよ………」

 

お空「負けちゃった」

 

と、いった感じにそれぞれが勝敗を話していると最後のグループの黒とこいしが降りてきた。

 

理 「よっ♪どうだった?」

 

こい「私が勝ったよ♪」

 

黒 「やっぱし難しいな………」

 

理 「まぁちょろちょろとで覚えていけばいいとは

   思うよ♪」

 

亜狛「マスターとさとりさんの戦いは………聞かない

   方が良いですよね?」

 

亜狛はさとりのボロボロの服を見て際どくなって視線をずらしながら言うと、

 

さと「そうですね…私の完敗です……」

 

理 「ハハハ♪とりあえず皆お疲れさん♪よぉ~し

   今から運動後の甘いものでも食べようか♪」

 

こい「賛成♪」

 

耶狛「わぁ~いスイーツ♪」

 

お空「スイーツ♪」

 

お隣「お空は元気だね……」

 

黒 「…………気楽な奴等だな」

 

亜狛「でもそれがいいんじゃないんですか?」

 

黒 「だな♪」

 

さと「ふふっ♪」

 

そうして地底初の弾幕ごっこは幕を閉じたが後にこいしが弾幕ごっこを流行らせたため他の皆も弾幕ごっこをするようになったのだった。


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