紅霧の一件から数ヶ月後の事だった。
理 「………………………………」
理久兎は黙ってダイニング部屋の椅子に座り手をテーブルに置いてただ黙って目瞑っていた。
亜狛「マスターどうかしましたした?」
耶狛「マスターどうかしたの?」
お隣「理久兎様寝てるのかな?」
お空「理久兎様?」
たまたまその場を通りかかった亜狛と耶狛そしてお隣にお空が自分に声をかけねきた。
理 「ん?あれ皆してどうかした?」
耶狛「いやマスターが黙って座ってるもんだから
何してるのかなって……」
お空「理久兎様は何してたの?」
理 「あぁ少し考え事をね……」
お隣「考えごとですか?」
理 「うんそう考え事♪」
お隣に笑顔でそう言うが少し経つとまた険しい表情へと変わった。
理 「亜狛と耶狛お前ら西行妖を覚えてるか?」
と、亜狛と耶狛に聞くと耶狛は少し考えて、
耶狛「え~と確か…私のおにぎりを盗ったきり返し
てくれてない西行君だっけ?」
理 「いや違うぞてか誰だそれ?そうじゃなくてほ
ら幽々子のところで咲いてたあの巨大な桜だ
桜♪」
それを聞いた耶狛はようやく思い出したという顔をした。
耶狛「あの桜か………うん覚えてるよ?」
亜狛「その桜がどうかしたんですか?」
お空「お母さん桜って何?」
理 「そうかお空が知らないのは無理ないか何時も
地上には出ないしな桜ってのは薄い桃色の花
が沢山咲いた木の事だよ♪」
お空「1回見てみたいな~♪」
お隣「えっ見たことなかったのお空!?」
お空「うにゅ?お隣は見たことあるの?」
それを聞いたお隣は頷きながら、
お隣「そりゃあたいは何時も死体集めしてるもん桜
ぐらいは見るよ♪」
お空「いいな~」
お隣の言葉にお空は羨ましがる。そうとう桜というものに興味を持ったのだろう……すると耶狛は、
耶狛「いつか見に行こう♪」
お空「うん♪」
と、会話をするが理久兎は話が脱線していることに気がついた。
理 「ってまた毎度のように脱線してるしでだここ
からが重要なんだが……」
亜狛「重要?」
耶狛「というと?」
理 「あぁ………前に俺の仙術で西行妖を封印したの
は覚えてるよな?」
亜狛「確かマスターが寿命を縮めて使ったあれです
よね?」
耶狛「ついでに空紅も失ったよね………」
まったくだ。あの桜から空紅を取り戻そうと一瞬だが考えるも口を開き、
理 「実はなあれ自分の寿命を削った分の2倍分の
封印しか出来ないんだよな………」
それを聞いた亜狛と耶狛は多少だが驚いていた。だが肝心なのは西行妖がどれだけ危険かを知っているからこそ亜狛と耶狛は焦りを感じていた。
亜狛「マスターそれヤバくないですか!?しかもそ
れそろそろ効果切れですよ!」
耶狛「それって下手したら冥界どころか下界もしか
したら幻想郷とかにも影響が出るんじゃない
の?」
理 「確かに色々と危ういがだけどまぁほら俺が3
つほど封印を施してるから………」
西行妖を封印するにあたって仙術十式封神演武それに自分が作った呪言に最後に幽々子の死体に施したルーン魔術による封印この3つによって封印されているため大抵の解呪では上手くはいかないだろう。
耶狛「なら大丈夫だよね♪」
亜狛「それなら何で考えてたんですか?」
理 「あぁ~ほら封神演武は効果が切れない限り解
除する方法は無いんだけどさただ他の2つは
今の西行妖は破壊する事は出来ないけど問題
は外部から解除出来るんだよ………」
それを聞いた亜狛と耶狛の首筋には冷や汗が流れる。
亜狛「それってどういう………」
理 「方法としては1つは俺が施した術を全て解除
するかもしくは西行妖に力を送って内部から
術式を破壊するかだ」
お隣「あれ?でも理久兎様は今言いましたよねぇ?
西行妖の封印は破壊できないって………」
それを聞いた理久兎は詳しくそれについて話すことにした。
理 「確かに言ったよだけどそれは今の封印されて
いる状態ではだ………西行妖を封印するのに媒
体として使ったかつての愛刀空紅………それは
西行桜の暴走を止めるためにも西行妖にぶっ
刺してるんだよ」
お空「でも理久兎様それじゃ封印解けないよね?」
理 「つまり空紅が西行妖の暴走を止められるのは
今の状態だけだ言っちゃうと外部から西行妖
に力を渡せば西行妖は力を増幅して空紅じゃ
暴走を止めることが出来なくなるんだ‥‥言葉
で表すとその状態を……」
理久兎が次の言葉を言う前に亜狛がその言葉をいう。
亜狛「
理 「そうなれば手遅れなんだが‥‥けど西行妖の驚
異は紫ちゃんも知ってるしそれでもなお封印
を解こうなんてする奴はとんだバカだね♪」
亜狛「ですよね~そいつはバカですね♪」
耶狛「アハハハ♪本当におバカちゃんだね♪」
お隣「凄い理久兎様にお父さんお母さんが見事にフ
ラグを建てたよ………」
お空「フラグ建設♪」
と、楽しそうに会話をしている時だった。
ガチャン……ギィーー……
扉が開き全員はそこを見るが……
亜狛「なんだ…風ですか……」
と、亜狛が言うが理久兎は笑顔で扉の前にいる少女こいしに、
理 「お帰りこいしちゃん♪」
全員「えっ!?」
こい「やっぱり理久兎お兄ちゃんにはバレるよねぇ
そしてただいま♪」
放浪の旅に出ていたこいしが帰ってきたのだ。実に数ヶ月ぶりだ。
理 「こいしちゃん今回の旅はどうだった?」
理久兎はこいしに笑顔で聞くとこいしは少し残念そうに、
こい「う~ん………何かね雪が続くし寒いから帰って
来たんだよね……」
理 「えっ?今って春だろ?」
亜狛「えぇその時期ですね………お隣は何か知ってい
ないか?」
お隣「そういえば雪が続いてたかな?」
それを聞き異常気象かと思ったがそれは違うと思っていた。いくら酷い異常気象でも海外とは違い四季のはっきりしている大和の国では春なのにも関わらずここまで雪が降ることはないからだ。
理 「…何かあるのか……いや今は調査をしよう亜狛
俺を何時もの森まで送ってくれないか?」
亜狛「分かりましたすぐに送りますね」
理 「ここにいる皆に言っておくが少し帰りが遅れ
るかもしれないからそのつもりで頼むよ♪」
耶狛「分かったよマスター♪」
お隣「黒様には私達の方から伝えておきますね」
お空「いってらっしゃい理久兎様♪」
亜狛「マスター準備が出来ました!」
亜狛の言葉を聞いた時辺りに冷気が漂い始める。亜狛が繋げた場所は雪国ようだったがいつもの森だった。自分は断罪神書から何時もの黒いコートを着て頭にフードを被ると、
理 「それじゃ行ってくるな♪」
そういい理久兎は外へと出るのだった。