理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第15話 決勝戦(後半)

試合の休憩時間。現在は仲瀬と兵士あが戦っている時間帯。その少しの休憩時間で理久兎は何をしているかというと、

 

理 「お姉さんこれとこれとこれをくれ!」

 

店員「あいよ!お会計は800円だけどお兄さん

   中々のイケメンだしそうだね少しサービス

   して500円でいいよ♪」

 

と、女性の店員が言ってくれる。因みに言うが見た目は40代ぐらいの店員だ。

 

理 「えぇそれはありがとうございます♪」

 

そう言い代金の500円を払い商品を貰う。買ったもの1つは綿菓というものともう1つは桃飴というお菓子と最後にサイダーを買い、

 

理 「それではありがとうございました」

 

店員「また来ておくれよ♪」

 

そう言いながら買ったサイダーの蓋を開け飲み始める。

 

理 「くぅ!このサイダーってやつシュワシュワ 

   してて不思議な感覚だなぁ♪」

 

先程、永琳に昼飯をおごってもらったが少し出店のお菓子などが食べたくなり今現在買いに来たと言うのがここにいる理由になる。

 

理 「おっとそろそろ大会のほうに戻るか……」

 

そろそろ時間的に大丈夫かなと思い試合会場へと戻る。そして試合会場では仲瀬と兵士あが死力を尽くして戦っていた。

 

理 「へぇ仲瀬の奴、頑張るなぁ♪」

 

と、入場口東で仲瀬の戦いを見ていると、

 

理 「…………何だ?」

 

後ろから結構凄い気を感じ振り向くと細目で体は筋肉でがっちりしている男がいた。

 

? 「君は確か初出場の理千だったな?」

 

理 「えぇ貴方は?」

 

? 「我は細愛親王…ここ都市で軍の大将を勤めさ

   せて貰っているものだ」

 

大将とはこれまた大物が出たものだ。それ以前に何故、自分の所に来るんだと思った。

 

理 「用件は何だよ?ただ応援しに来た何てない

   だろお偉いさんが来るとなれば何かしらの

   用がなきゃ来ないだろ?」

 

細愛「ふむ…用件はそなた八意様に仕えているの

   であろう?」

 

理 「はぁ?仕えるって………」

 

細愛「理千よ八意様に仕えるのは止めて九頭竜王

   様に仕える気はないか?無論仕えてくれる

   というのなら九頭竜王様直々にそれ相応の

   褒美や暮らしを約束してくれると仰ってい

   たぞ?」

 

どうやら勧誘をしに来たようだ。だがその仕えるだとかを聞いて少々不機嫌になると同時に言いたいことが込み上げてきた。そのため正直に言うことにした。

 

理 「悪いが興味ないなそれに言っておくが俺は

   権力だとかは大嫌いだしそういうのを乱用

   しようとする奴に仕えるのはもっと御免だ

   それと永琳は俺の友人だし仕えてる訳じゃ

   ない………」

 

伝えるべき事を伝えると細愛親王は顎に生える髭を触りながら、

 

細愛「ふむ…そうかなら仕方があるまい……勧誘が

   無理と分かれば我は甥の戦いを観戦すると

   しよう」

 

そう言い細愛親王は立ち去っていった。

 

理 「………何だ彼奴?」

 

立ち去っていく細愛親王を眺めていたその時だった。

 

審判「勝負有り勝者……兵士あ!!」

 

観客「ウォーーー!!

 

と、審判や観客達から歓声が聞こえる。どうやら仲瀬は負けたようだ。

 

理 「どうやら終わったみたいだな‥少し励ましに

   いくか……」

 

恐らく怪我をしているため医務室に行っている筈と思い買った桃飴をぼりぼりと噛んで飲み込み綿菓子を食べながら医務室へと向かう。

 

理 「う~す仲瀬いるか?」

 

仲瀬「理千さん!」

 

扉を開けると腕に包帯を巻いて治療された仲瀬がいた。

 

理 「大丈夫か?」

 

仲瀬「えぇ負けてしまって悔しいですが……」

 

この時、理久兎は仲瀬の落ち込み具合でどれだけ努力してきたのかがすぐに分かった。先程よりも暗くなっていた。

 

理 「そうだ♪仲瀬に良いことを教えてやるよ♪」

 

仲瀬「えっ?」

 

理 「その悔しい気持ちを忘れるな…そうすれば

   その気持ちを踏み台にもっと強くなれるか

   らさ♪」

 

かつて母親である千に負けて何度も悔しい思いをしてきた自分だからこのことが言える。そしてその思いをバネに強くなろうと思えるのだ。

 

仲瀬「理千さん……ありがとうございます」

 

理 「良いって気にするなよ♪」

 

そしてここでアナウンスが流れ審判の声が聞こえ出す。

 

審判「え~と決勝戦参加の兵士あさんと新秒理千

   さんは準備を整えすぐに会場へとお願いを

   いたします」

 

そう言うとプツリとアナウンスが切れた。

 

理 「おっとそろそろ俺も行くか……」

 

仲瀬「理千さん!!」

 

理 「ん?」

 

仲瀬に呼び止められ後ろを振り向くと仲瀬は真剣な顔つきで、

 

仲瀬「頑張って下さい!応援しています!」

 

と、言ってくれた。そこまで言われたのなら頑張るしかあるまい。

 

理 「あぁ……ありがとな♪」

 

仲瀬に笑顔を向け自分は医務室を出て試合会場へと向かうのだった。

 

審判 「大変長らくお待たせいたしました!

    これより最終決戦をはじめます!!」

 

試合場に登ると審判がすぐに対応し武道大会の最終決戦を発表する。

 

観客「ウォーーーー!!

 

そしてやはり歓声が大きく上がる

 

審判「では選手の紹介ですまず1人目は今大会

   こそ優勝なるのか!兵士あ!!」

 

兵あ「優勝するぜーー!!」

 

観客「ウォーーー!!」

 

観客「やっちまえー!」

 

兵士あの意気込みと共に歓声が更に盛り上がる。しかもデカイ図体だけあって

 

審判「そして、2人目の選手は初の出場で、

   初の優勝になるか?新秒理千!!」 

 

理 「………………」

 

観客「頑張ってこいよ!!」

 

観客「期待してるぜー!!」

 

観客が自分を応援してくれる。それならば期待に応えるしかあるまい。先程の仲瀬の件もあるから。すると目の前の兵士あは楽しそうに、

 

兵あ「へへ♪やっと会えたな~これまでの相手が

   皆、雑魚すぎてつまらなかった所ださっき

   の相手え~と………あぁ一堂だっけか?彼奴

   弱い癖によくここまで上がってきたよな本

   当笑えるよなぁ~!!」

 

そういえば言っていなかった事があった。それは自分が最も嫌いな奴についてだ。最も自分が嫌いな奴。それは努力を嘲笑う者だ。

 

理 「あまり減らず口を叩くな…弱く見えるぞ?」

 

兵あ「あぁん!?」(# ゜Д゜)

 

この目の前の兵士あには軽くだが怒りを覚えた。そのため挑発を仕掛けた。そして兵士あは笑うのを止めて此方を睨みそして目のシワを寄せた。

 

審判「両者ともよろしいですか?」

 

兵あ「あぁいいぜ」(# ゜Д゜)

 

理 「大丈夫だ……」

 

審判が大丈夫かと聞いてきたため大丈夫と答えた。そして兵士あの武器は大きな大剣だった。

 

審判「では、はじめます……レディー」

 

審判が言葉を伸ばすところで兵士あは大きな大剣を下段の構えで構えると、

 

審判「ファイト!」

 

ボォーーーーン

 

と、合図がなると兵士あは怒りに身を任せて、

 

兵あ「この野郎!!!」

 

ブゥン!!

 

理 「よっと」

 

横払いをしてきた。すぐに屈んで兵士あの大剣を避ける。というかこんなのを避けるなんて造作でもない。そして隙が出来たためすぐに間合いを詰め、

 

理 「せいやっ!」

 

次に理久兎は兵士あに霊力を纏わせた蹴りを当てるが、

 

兵あ「グハッ!!チッ!」

 

何と自身の蹴りを耐えたのである。これまでの奴は耐えきれずにふっ飛んだのに耐えた。

 

理 「なるほどな…意外にタフだな…お前」

 

兵あ「今度はこっちからいくぜ!!」

 

兵士あは大剣を理久兎の頭上に振り下げる。

 

ドガンッ!

 

だがそんな遅い攻撃は普通に避け、

 

理 「遅い!」

 

ドンッ!

 

兵あ「がっ!!」

 

今度はまた霊力を纏わせ先程よりも強めに掌底打を兵士あの胸部へと当てたのだが、

 

兵あ「効かねぇ!!」

 

何とまた耐えた。すると大剣の刀身を地面に背負うと、

 

兵あ「くたばりやがれ!!

 

猪のように走ってくると同時に大剣から火花が散る。そして向かってくると大剣を振り回す。

 

兵あ「おんりゃーー!!」

 

ブゥンーー!!

 

遠心力を利用した強烈な一撃がやってくる。だがそれは当たればの話だ。

 

理 「はぁ………」

 

ため息を吐き軽くジャンプし兵士あの大剣の平に乗る。だかま兵士あは気づいていなかった自分の視界から理久兎が忽然と消えたと認識していた。

 

兵あ「なっ!どこにいった?」

 

と、探し回っている。とりあえず声をかけることにした。

 

理 「ここだよ……」

 

兵あ「あん!………って嘘だろ!!」

 

これには流石に驚くのも無理はない。まさか自分の大剣の上に乗ってるなんて予想もつかないからだ。

 

理 「もう終わりか?」

 

兵あ「この野郎!!!」

 

兵あは、また大剣を振り回して振り払おうとしてくる。だが、

 

理 「よっと」

 

また軽くジャンプして回避して見事に試合場に着地した。

 

兵あ「この野郎!!」

 

振り回され続け兵士あの怒りの沸点はそろそろ越えそうになっていた。だがこのままだと良知が明かないため、ある方法を取ることにした。

 

理 「はぁ良知が明かないな…仕方ない少しだけ

   俺の技を見せてやるよ」

 

兵あ「あぁん?」(# ゜Д゜)

 

と、睨んでくる。自分は小声で聞こえぬように呟く。

 

理 「瞬雷…

 

小さな蚊が泣くような声で唱えると一瞬で兵士あから消えそして一瞬でほぼ零距離に移動した。

 

兵あ「なっ!いつ俺の目の前に!?」

 

困惑する兵あの目の前に一瞬で移動した自分は腕に拳を作り、

 

理 「これで終わりだ…仙術十六式内核破壊…!」

 

トン!

 

放った技からは明らかに軽い音が鳴る。はっきり言うと、とても弱々しい音がだ。

 

兵あ「あん?何だこれは痛かねぇぞ!なんだよ?

   その攻撃は?あぁん!マジメにやってんの

   かゴラァ!!」

 

と、血気盛んに叫ぶ。それを聞き自分はニヤリと笑う。

 

理 「確かにこの技は()()にはダメージは

   ない……そうあくまで()()にはだ!」

 

兵あ「あっ?どういう…グハッ!!」

 

突然の事だった。兵あは急に嘔吐したのである。

 

観客「なんだ?なにが起きているんだ?」

 

観客「何が起きたの!?」

 

と、観客達も困惑しだす。だが困惑しているのは観客達だけではない。VIP席に座る3人と九頭竜王の右後ろに立つ細愛親王も困惑していた。

 

月読「何……あの技……」

 

九頭「あっありえない何だあれは!?」

 

細愛「なん…だと……!?」

 

永琳「やっぱりとっておきを隠していたわね

 

と、永琳は小さく呟くのだった。そして理久兎が放ったこの技『仙術十六式 内核破壊』 この技は相手の内部に理久兎自身の霊力を送り込む技だ。送り込まれた霊力は、相手の内部で爆発して衝撃を与える本来これは相手の臓器を破壊し殺害する危険な技だ。だが理久兎は少しだけ当てる位置をずらしなおかつ送り込む霊力も最小限にしたのである。だから勿論、相手は死ぬことはない。臓器の破壊もないだからせいぜい嘔吐するぐらいで済むのだ。

 

兵あ「グフォ!オエーー!!」

 

兵士あは苦しそうに何回か嘔吐を繰り返すと、

 

バタンッ!

 

と、倒れ続行不能となる。そのめこの勝負の勝者は、

 

審判「兵士あ選手戦闘不能!よっこの第88回目

   の優勝選手は新秒理千だぁ!!」

 

審判のその言葉聞くと観客達から大きな声で歓声が上がった。

 

観客「すげーなんだ!今の技!!」

 

観客「カッコいい!!」

 

観客「マジですげぇ!!」

 

等々と色々と聞こえてくる。すると審判がこちらにやって来て、

 

審判「新秒選手…表彰式に移りたいのですが?」

 

と、言ってくるが自分にはやらねばならない事があった。

 

理 「あぁ…少し待ってもらってもいいか?」

 

審判「えっ?何でですか?」

 

理 「今から、こいつ(兵あ)を医務室に運ぶから」

 

そうそれは戦った兵士あの医務室への搬送だ。こんなことになってしまったのは自分の行いのためしっかりとけじめをつけたかったのだ。

 

審判「はっはい!分かりました!」

 

審判がそう言うと自分は倒れた兵士あへと近づき、

 

理 「ほれ行くぞ!!」

 

理久兎は兵士あの肩を担つぐ。

 

兵あ「ぐへっ…てめぇ何で俺にそこまでする?」

 

理 「けじめだよ…」

 

兵あ「けっ!」

 

負けたのが腹立たしいのか兵士あはイライラとしていた。

 

理 「後それと……」

 

兵あ「あん?」

 

理 「君の太刀筋はワンパターンすぎるもう少し

   バリエーションを増やした方がもっと色々

   な戦いができるようになるよ」

 

兵あ「なにっ!?」

 

と、何時ものようにアドバイスを教えるが理久兎は更に、

 

理 「それと勝ちにこだわりすぎて思いやりの

   心がなさ過ぎる兵士だと言うなら1人で

   戦う訳じゃない人を思いやれ」

 

勝ちにこだわりすぎていて人の事を思っていない。そこに自分は指摘した。

 

兵あ「あん…悪いか!」

 

理 「いや勝ちにこだわるのは構わないだが兵士

   ならば思いやりの気持ちを忘れるな俺が言え

   ることはそれだけだ」

 

それを聞くと兵士あは黙り混む。そして先程よりも言葉を強く高圧的にしないで、

 

兵あ「………何時かお前を越えてやる」

 

理 「あぁ楽しみにしているよ♪」

 

そうして理久兎は兵士あを医務室に運び数分後、

 

審判「ではこれより表彰式を始めます優勝選手

   新秒理千…前へ!」

 

理 「はいよ……」

 

審判に言われ前へと出る。前には審判もそうだが永琳に月読それから見たことのない男が立っていたがそいつは気にしないでおくことにした。そして審判の前に立つと審判から、

 

審判「おめでとうございます!!」

 

賞状とトロフィーが進呈された。

 

理 「あんがとさん」

 

審判にそう言い賞状とトロフィーを受けとる。すると、

 

パチ!パチ!パチ!パチ!

 

と、拍手喝采が起きる。しかもそれだけじゃない。

 

観客「ウォーーー!!

 

観客「おめでとう!!!」

 

と、歓声が上がる。更には、

 

永琳「ふふっ♪おめでとう理千♪」

 

月読「おめでとう理千君♪」

 

2人からも祝言を貰う。そして、

 

仲瀬「おめでとうございます理千さん!!」

 

と、身体中に包帯を巻いた仲瀬からも祝言を貰った。本当に嬉しいものだ。

 

審判「何か有りますか?」

 

理 「あぁあるな」

 

審判からそう言われ理久兎は審判からマイクを借りる。そして伝えたいことを伝えた。

 

理 「今日ここに来た観客の皆様そして全力を

   尽くして戦った選手達お疲れ様!そして

   俺の優勝に拍手や歓声をしてくれ本当に

   ありがとうな!!」

 

観客「ウォーーー!!

 

理 「そして俺から言うことはただ1つだけだ!

   それはな諦めるな!そして今日負けた…?

   だからなんだ!今日の負けは悔しいかもし

   れない!しかしその負けが次に身を結ぶん

   だ!努力を惜しむな!努力している奴を笑

   うな!努力は評価されないかもしれない!

   だから何だ!努力は必ず実を結ぶんだそれ

   を決して忘れる事なかれ!俺からは以上だ

   一言に付き合ってくれてありがとうな♪」

 

観客「ウォーーー!!」

 

その言葉に今までよりも大きな歓声が上がった。そしてマイクを審判へと返した。

 

審判「はいありがとうございましたではこれにて

   第88回武道大会を閉会します!!ありが

   とうございました!」

 

こうして第88回目の武道大会は閉会した。そして理久兎は闘技場のロビーへと歩いて行くと、

 

? 「これはこれは理千さん優勝おめでとう

   ございます」

 

と、薄っぺらい笑顔で1人の男が声をかけてきた。その男は先程に永琳や月読の隣にいた男だった。だがよく辺りを見渡してみると先程の細愛親王もいた。つまりこいつは、

 

理 「お前が九頭竜王だよな?」

 

九頭「えぇ♪当たっていますよ♪」

 

やはり九頭竜王だった。今度は部下ではなく自身がやって来た。

 

理 「そんで部下じゃなくて今度はお前さんが

   出てきたったその真意は何だよ?」

 

九頭「いえ♪ただ優勝の祝言ですよ♪」

 

と、薄っぺらい笑顔でそう言ってくる。大体こういう奴に限って裏がある。

 

理 「………本当は?」

 

九頭「おや…お見抜きですか……まぁ言ってしまえば

   私側につく気はありませんか条件は細愛親王

   から聞いた通りの報酬ですがそれに上乗せを

   しましょうどうでしょうか?」

 

こいつも勧誘してきた。確かに上乗せと聞けば誰しも迷うだろう。だが相手は自分もとい金銭感覚だとか金銭やそういった物の価値があまり分からない自分だということを忘れてはならないことだ。

 

理 「悪いがパスだな」

 

九頭「おや不満ですか?」

 

理 「いいやそうじゃないんだよ…さっきお前の

   部下の細愛親王だったか?にも言ったけど 

   さぁ………」

 

そう言いながら九頭竜王に顔を近づけて獰猛な笑顔で、

 

理 「権力だとか金だとかそんなもんには興味

   なんてねぇし永琳に仕えているだとか思

   ってねぇよ俺は友として永琳を支えたい

   と思っているただそれだけの事だぜ九頭

   竜王様よ………ついでにもう少し笑う時に

   は口を曲げた方が良い嘘笑いが見え見え

   だぜ?」

 

九頭「っ!?」

 

そう呟き顔を離す。そしてニコリと笑って、

 

理 「そんじゃ永琳を待たせてるからさ♪」

 

そう呟き九頭竜王から遠ざかるのだった。そして残った九頭竜王は笑いながら、

 

九頭「ふふっ♪面白い男だ………本当に惜しい男

   だよ新秒理千」

 

細愛「よろしいのですか?」

 

九頭「あぁ彼がそちらに仕えるのなら仕方のない

   事だ」

 

そう呟き2人も後にするのだった。そしてロビーまで来ると手提げ袋を持って永琳が待ってくれていた。

 

理 「悪い遅れた………」

 

遅れた事を謝ると永琳は首を横に振り笑顔で、

 

永琳「いいえ今来た所よ♪そして理千、改めて

   優勝おめでとう♪」

 

と、祝言をくれた。

 

理 「ありがとう永琳♪」

 

祝言に感謝を込めてお礼を言うと永琳は手提げ袋から少し大きめの紙袋を出す。

 

永琳「これは私からのプレゼントよ♪」

 

理 「えっ………」

 

受け取ると何だろうと思いながら紙袋を開けると驚いた。

 

理「永琳これ………!」

 

紙袋の中身は新品ピカピカの真っ白コートだ。

 

永琳「あの時、私の怪我の手当てで服を駄目に

   しちゃったでしょだからね♪」

 

理 「永琳…大事に使わせてもらうよ♪」

 

そう言い着てみると真っ白のコートは丁度良いサイズで着心地も良かった。

 

永琳「ふふっ♪そうそう後これも飲んでおきな

   さい」

 

永淋は自身のポケットを探ると何か液体が入ったビンを渡してきた。

 

理 「これは?」

 

永琳「私が作った栄養ドリンク♪今日の疲労なん

   かはぶっ飛んで明日にはなくなるわよ♪」

 

どうやら栄養ドリンクのようだ。それは助か…いや少し待て、

 

理 「なぁ作った?」

 

永琳「えぇ…あっそういえば言ってなかったわね

   私これでも能力があるのよ♪」

 

理 「えっどんな能力?」

 

永琳の能力が気になり聞いてみると永琳はクスクスと笑いながら、

 

永琳「『あらゆる薬を作る程度の能力』よ♪」

 

と、とんでもない能力を言ってきた。

 

理 「何気に凄いなそれ……」

 

永琳「どうして?」

 

どうしてかと聞いてくる。その理由は、

 

理 「いつか()()()()()()とか作りそうでさ…」

 

永琳「ふふっ♪今は作る気はないわよ♪」

 

あくまで作る気はないといっただけだ。作らないとは言っていない。そして何よりも今この瞬間フラグが立った。だがそんな事はどうでもいいと思い今、目の前にいる永琳に感謝をする。

 

理 「ありがとうな永淋」

 

永琳「ふふっどういたしまして♪」

 

最初は何でこんな目に何て思った。だがこうして新しい出会いがあった。そして新しい服が手に入った。そのため満足し帰還するのだった。

 

 


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