武道大会が終って1週間が経過した。現在自分は事実で布団に寝ながら読書をしていた。永琳から文字の読み書きを教わりその練習の意味を込めて読書している。ついでにしっかりと文字を読めて理解すれば新たな教養もつくそのため読者をしていた。すると障子越しから、
永琳「理千いいかしら?」
と、永琳の声が聞こえてくる。それに対して、
理 「あぁ大丈夫だよ」
大丈夫と言い布団から起き上がると共に永琳が部屋に入って来た。
理 「どうしたんだ永琳…仕事か?」
永琳「いいえ違うわ♪
護衛の仕事かと聞くと永琳は笑顔で首を横に振る。どうやら違うようだ。
理 「だとしたら何だ?」
永琳「理千…実を言うとね……」
理 「ん?」
永琳「貴方…武道大会で優勝したじゃない?」
1週間前の事を言ってきた。当然それには肯定する。
理 「うんしたね……」
永琳「それで貴方にどうしても会いたいっていう
子がいるよね……」
どうやらいつの間にか自分にファンが出来たようだ。それ以前に何故、自分なのかと疑問に思う。
理 「何で俺なんだ?」
永琳「えぇ貴方の戦い方を見て物凄く感激してし
まったみたいなのよね」
そんな感激するような勝ち方や戦い方はしていない筈なのだが。それ以前にどの試合も瞬殺してしまっていたため逆に面白くもない戦い方のような気がする。
理 「ふ~んそうなのか……」
永琳「それで貴方に一度でもお会いして1回程
戦ってアドバイスを聞きたいって聞かな
いのよ……」
そこまで会いたいというなら会いに行かないとその思いを踏みにじるような気がしてならないと思ってしまう。自分は布団から立ち上がって、
理 「良いよ他ならぬ永琳の頼みだしね♪」
軽く体を伸ばし笑顔を永琳に向けながら言うと永琳もそれを聞いて笑顔になった。
永琳「ありがとう理千♪」
理 「気にしなくて良いよそれでいつ行けば良い
の?」
何時、行けば良いのかと思い聞くと永琳は何時行くのかを教えてくれる。
永琳「明日その子の家に行くからその時について
きて頂戴♪」
しかも明日に行くらしい。行くのは結構早かった。
理 「明日かオッケー♪」
永琳「えぇお願いね♪」
理 「了解~」
と、言うと永琳は障子を閉める。そして障子は閉まり部屋に理久兎1人という静かな環境に戻った。
理 「さ~て本でも読むか……」
そうしてまた布団へと寝転がり本を読むのだった。そして翌日となり、
永琳「準備は出来た理千?」
理 「あぁ問題ないよ」
永 「じゃ~いきましょうか」
理 「アイアイサー」
そうして永琳の案内で自分に会いたいという子のもとに向かうのだった。そして場所は変わりとある広いお屋敷その中庭では、
スッ!スッ!スッ!
木刀の素振りの音が聞こえる、素振りにあわせて、
?1「は!は!は!」
と、後ろに髪を結んだ1人の少女の掛け声が聞こえる。
?1「はぁ…はぁ……よし!朝の素振り3000回
終わり!」
その少女は日課である素振りを終わらせた。
?1「今日は確かお師匠様が来る日だったな……
準備をしなくては」
と、八意様を迎える準備に取りかかろうとしたが……
?2「依姫~終わった?ハムハム……」
今、私の目の前で桃がいっぱいの籠を持ちそして手に桃を持って食べている少女。もとい少女の姉の豊姫だ。ここだけの話だがものすごい天然だ。
依姫「お姉様今日が何の日か覚えてますよね?」
豊姫「ごくんっ………ん?」
依姫「はぁやっぱり……」(´д`|||)
この感じは軽くド忘れしている。
依姫「今日は、お師匠様がおいでになる日
です!!」
豊姫「あら!それは直ぐに準備しないとね♪
あぁ~ん♪」
と、また桃を食べ出した。だがしかし依姫は目を細くして、
依姫「それよりお姉様…今日…何個の桃を食べた
のですか?」(¬_¬)
豊姫「うん~と10個程かしら?ハムハム♪」
依姫「食べ過ぎです!何時も1日3個までと
言っているでしょう!」
豊姫「依姫ちゃんのケチ!!」
依姫「誰がケチですか!今日という今日こそ
その桃を没収します!!」
豊 「キャー♪」
依 「待ちなさ~い!!」
こうして2人の追いかけっこが始まり約30分ぐらいが経過した。廊下を走り回りながら豊姫は玄関に向かっていた。
依 「待ちなさいお姉様!!」
豊 「とりあえず外に避難しよ♪」
そして豊姫は玄関のドアを開けて外に出ようと玄関に来たとき突然ドアが開いた。
ガラガラ……
? 「ごめんくださ!!」
豊 「えっ避けて!!」
ドン!
豊姫は突然の事で止まることが出来ず誰かにぶつかりそのまま後ろに倒れていくのだった。そして少し遡り永琳の案内で理久兎は自分に会いたいという子が住んでいる家に来ていた。
永琳「着いたわここよ♪」
理 「ここか……またでかい家だなもう慣れた
けど……」
こうして見ると永琳もとい現在の自分の家よりかは一回り小さい。だがそれでも大きなお屋敷だ。すると中から、
ドタドタドタドタ
と、音が聞こえたかと思うと、
? 「まちなさーい!!」
? 「キャー♪」
と、中から声と足音が聞こえてくる。
永琳「あの子達またやってるのね♪」
理 「元気がよろしいようで……」
永琳「理千貴方には言われたくないわね………」
理 「ん?そうか……」
永琳「えぇとってもね……」
そんな元気な訳ではないのだが。多分妖怪やら戦っている時の事を言っているのだろう。あれは少しでも鼓舞しないと気分が乗らないためだ。だがここで話続ける訳にもいかないので、
理 「まぁここで話すのもあれだから玄関を開け
るよ?」
永琳「えぇお願いするわ……」
理 「とりあえずこう言えばいいのかな?」
そうして玄関のドアを開ける。
ガラガラ
そして家の何処にいても聞こえるように大きな声で、
理 「ごめんくださ!!」
と、その一言を言おうとしたその瞬間、
? 「きゃ!!」
ドン!
自分の前に女の子が突然出てきてぶつかってきたのである。そしてその女の子が後ろに倒れていくので、
ガシッ!!
その女の子の右手を掴んで体勢を戻して立たせた。
理 「大丈夫か?」
? 「えぇ何とか…あれ?貴方どこかで?」
? 「お姉様!今日という今日は……えっ!
嘘!理千さん何で?!」
と、また奥から女の子が出てきた。目の前の金髪の子はおっとりとしている子だが新たに出てきた子は活発そうな子だった。すると永琳が自分の後ろから前へと出て、
永琳「まったく貴女達はまたやっているのかしら?
豊姫…依姫……」
依姫「おっお師匠様まで……しまった時間が!」
豊姫「あっごめんなさい依姫……」
活発そうな子もとい依姫と言われた子は顔にやってしまったというのが顔に出ているので分かる。そして豊姫と言われた子は申し訳なさそうにしていた。
永琳「まったく貴女達は……」
と、呆れながら永琳が言う。だが目の前にいるのは子供だ。子供ならそのぐらいお茶目の方が可愛らしい。
理 「まぁまぁ悪気があってやった訳じゃないん
だからさ……モグモグ」
と、自分は桃を食べながら永琳にそう言う。
永琳「フフフそうね♪……………ん!?…り…理千…
貴方は何を食べてるの?」
理 「んっ?確か桃っていう木の実だっけ?モグ
モグ…ゴクン!今さっき籠から取ったよ?」
先程、豊姫を助けた時に丁度美味しそうな桃を篭いっぱいに持っていたから1個だけ素早く取って食べていたのだ。
永琳「いつの間に……」
理 「これ中々いけるな!このみずみずしさそれ
に…この甘さが堪らないね♪モグモグ」
豊姫「でしょ♪ハムハム」
自分は豊姫と共に桃にかじりつく。
依姫「お師匠様……」
永琳「えぇ貴女の言いたいことはよく分かるわ」
そう後に月の頭脳といわれる永琳にも予想する事が出来なかった事が今、目の前で起きている。それは、
依姫「何かお姉様が2人いるように見えるのは
私だけですか?」
永琳「いえ…大丈夫よ…私もそう見えるから…」
そうそれは、ドがつくほどの天然と天然が出会ってしまった瞬間であった事だ。
理 「モグモグ……」
豊 「ハムハム……」
2人は自重せず仲良く桃を食べていたのであった。