理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第225話 亜狛VS紅魔組

満月が照らす竹林の中で異様な光景は起きていた。

 

使者「ぐっがはぁや…やめ……」

 

亜狛「去らばだ………」

 

ザシュ…………

 

辺りには血の池が出来上がり首に細い傷のようなものが出来あがりそこが青くなって死んでいる月の使者達の死体。だがそこには忍び装束を来ている亜狛がただ1人だけ立っていた。

 

亜狛「…耶狛は大丈夫かな……何やかやんで手加減が

   出来ないところはマスターと同じだからな」

 

と、自分の心配よりも妹である耶狛の心配をしていた。心配しつつ亜狛は空に浮かぶ月を眺めて、

 

亜狛「俺と耶狛が蓬莱の薬を飲んでから約もう千年

   かマスターに永遠の忠誠を誓って飲んだ事を

   思い出すな」

 

もうかれこれ理久兔の従者になってから千年近く経っている。亜狛や耶狛は充実な日々を送っている。理久兔と出会う前とは大違いな程に、

 

亜狛「はぁ~俺もこんな昔を懐かしむとか年を取っ

   たって事なのかなぁ」

 

そんな事を呟くと亜狛は辺りで死んでいる月の使者達の死体を裂け目を作ってその中へと入れていく。入れる理由としては地底の灼熱地獄の温度を上げるための燃料代わりになるからだ。

 

亜狛「これでよし本当に耶狛がいないと一括で運べ

   ないから面倒なんだよな」

 

周りの死体を回収し愚痴をこぼすと後ろの草むらが揺れだした。するとそこから……

 

? 「やっぱり血の匂いがすると思ったら妖怪がい

   たわ………ね!?」

 

? 「お嬢様気をつけて下さい彼奴ただ者ではg‥‥」

 

? 「咲夜!忍者よジャパニーズ忍者よ!」

 

と、草むらから出てきた耶狛よりと身長の低い少女とメイドもとい咲夜と言われた女性が現れた。しかも身長の低い少女は亜狛の服装を見て大興奮していた。だが亜狛はメイドは知らないが身長の低い少女は見たことがあった。その少女はかつて本を盗みに行った際に弾幕ごっこをしていた少女の1人だったからだ。

 

亜狛「………すいませんが貴女達は誰ですか?」

 

と、亜狛は丁寧な口調で聞くと目の前の少女とメイドは答えた。

 

? 「ふふ♪私はレミリア・スカーレットよ♪」

 

咲夜「私はお嬢様のメイドをしている十六夜咲夜と

   いう者です」

 

レミリアと答えた少女は慎ましい胸を張って答え咲夜はスカートを少し上げて挨拶をする。

 

亜狛「そうですか…自分は………」

 

と、名前を答えようとした時、亜狛の脳裏に名前を答えたら正体がバレると過った。とっさに自分の偽名を答えた。

 

亜狛「忍者で構いません」

 

レミ「貴方それ偽名よね?」

 

と、即座に偽名だとバレると亜狛は自身のマスターである理久兔が通しているコードネームを思い出すと、

 

亜狛「えぇ自分の愛称です♪」

 

レミ「そうそれよりまさか忍者に会えるなんて感激

   ね♪」

 

咲夜「コホンッ!」

 

と、レミリアはまじまじと見ると咲夜は1回咳をして今やるべき事を思い出させる。

 

レミ「忘れる所だったわ聞きたいのだけど何でここ

   ら一帯は血の臭いがするのかしら?」

 

と、レミリアは何故血の臭いがするのかと聞く。亜狛は隠したいのだが地面には血の池やらが出来上がっているため隠そうにも隠しきれない。

 

亜狛「………仕方ないですが」

 

仕込んでいるクナイを構えレミリアと咲夜に向かって、

 

亜狛「少し眠ってていただきます!」

 

そう言い亜狛は即座にクナイを投げたのだが、

 

カキンッ!

 

クナイは2人に通ることはなく突然現れたナイフで軌道をずらされた。

 

咲夜「お嬢様に攻撃しようなどと言語道断です」

 

咲夜の手にはいつの間にかナイフが握られて構えられていた。

 

亜狛「…これは少し手間取りそうだな……」

 

レミ「咲夜‥‥私も協力するわ………あの無礼な忍者に

   はひと泡吹かせないといけないわね」

 

亜狛「それならやってみてくださいよ」

 

亜狛VS紅魔組による弾幕ごっこが開始された。そして先程の仕返しで咲夜が無数にナイフを投げレミリアは矢のような弾幕はを放ってくる。

 

咲夜「そこっ!」

 

レミ「さぁ!かかって来なさい忍者!」

 

亜狛「無茶ぶりを言いやがって………」

 

亜狛はさっと自身が作った裂け目へと入って飛んでくる弾幕を避けた。

 

レミ「どこに!」

 

と、言ったとき背後から無数のクナイが2人へと襲いかかってくる。どうやら亜狛は2人の背後へと空間を越えて移動したようだ。だが突然の事だった。レミリアと咲夜が姿を消したのだ。勿論クナイはいなくなったため外れてしまう。

 

亜狛「なっ!」

 

驚いたのもつかの間だ。今度は自分を囲い込むかのようにナイフが四方八方に展開されていた。それらは亜狛へと襲いかかる。

 

亜狛「まだまだ!」

 

また空間を越える裂け目を作ると中へと入って危機一髪で避ける。

 

レミ「流石はジャパニーズ忍者ね」

 

咲夜「感心してる場合ですかお嬢様!」

 

と、言っていると裂け目から亜狛が現れる。そしてスペルを唱えた。

 

亜狛「忍術 焔狼の舞」

 

亜狛のスペルが発動すると真っ赤にメラメラと燃えて輝く巨狼が現れそれはレミリアと咲夜へと口を広げて襲いかかる。

 

レミ「おぉ~~!!忍法よ咲夜!」

 

咲夜「だから感心して場合ではありませんから!」

 

レミリアと咲夜はまた姿を消えると焔狼は地面へと激突すると弾けて消えた。その時、咲夜は懐中時計を開けたのを見逃さなかった。

 

亜狛「そう言うことか……」

 

と、呟くと同時に咲夜はまた消えて同時に無数のナイフがまた襲いかかるが亜狛はまた裂け目を開き空間を越えて避ける。

 

咲夜「貴方‥‥先程からちょこまかと逃げますね」

 

また何処からともなく現れた咲夜の呼び掛けに亜狛は裂け目から出て、

 

亜狛「そういう貴女こそ妙な奇術を使うので同じで

   はないですか?」

 

咲夜「そうね………ならこれで終わらせるわ!」

 

そう言い上空へと飛ぶとスペルを唱えた。

 

咲夜「幻符 殺人ドール!」

 

その言葉と共に投げたナイフが無数となって亜狛へと襲いかかるがそれだけではない。

 

レミ「不滅城レッド!」

 

レミリアのスペルが発動し一直線に亜狛へとそのスペルは放たれるが、

 

亜狛「そのぐらい避けれなくてマスターの従者なん

   かやってられませんよ!」

 

亜狛は裂け目を使わずに竹を踏み台に竹から竹へと飛んで弾幕を全て避けつつ仕掛けをセットする。

 

咲夜「避けますか………!」

 

レミ「やっぱり忍者は凄いわね」

 

だが2人は気づいていなかった。亜狛の使う本当の忍術の真髄を亜狛は2人から数メートル離れた所に着地した。

 

レミ「これで終わらせてあげるわ!」

 

咲夜「終わりです!」

 

2人が新たにスペルを唱えようとしたその瞬間的亜狛は右手をくいっと上げる。レミリアと咲夜は月明かりでそれが見えてしまった。

 

亜狛「忍術 土蜘蛛の鳥籠」

 

うっすらと月明かりに照らされ反射して見える極細の糸それは土蜘蛛の糸だ。なおこれは理久兔がヤマメから購入している糸で出来てる。強度は勿論だが極細のため殺傷能力が極めて高い。少しでも触れれば肉を切り裂かれ骨を抉る。そんな糸が周りに張り巡らされていたのだ。しかもレミリアと咲夜のいる隙間は限り無く狭く動こうにも動けない。

 

咲夜「いっいつの間に………!」

 

レミ「やってくれるわね!」

 

亜狛「さっきからただバカみたいに避けてるって事

   ではありませんよそれに一番は貴女を止めな

   いとだって時を止めますよね?」

 

咲夜「貴女いつから気づいて!」

 

亜狛「貴女がさっきから懐中時計を開けていたので

   もしかしたらと思いましてね……」

 

そう何故このような戦術を取るかというと咲夜の時を止める能力が厄介なためだ。時を止めて逃げるなら時を止ても逃げられないようにすればいいと言う考えからこの技を使った。ちなみに、竹から竹へと飛ぶ間に1本1本クナイを竹や地面に刺しながら避けていた。しかもそれらに土蜘蛛の糸を通しているため亜狛が少し引けばピンっと張るためこれで無数の土蜘蛛の糸で出来た鳥籠が出来上がる。それがこの技の正体だ。そして亜狛は2本のクナイを構える。

 

咲夜「………負けました」

 

レミ「完敗よ………」

 

レミリアと咲夜は降参したかのように臨戦態勢を解くと亜狛は2人にクナイを投擲した。

 

ピチューン!!ピチューン!!

 

被弾する音が聞こえると亜狛は即座にあちらこちらに刺さっているクナイを土蜘蛛の糸を引いて回収し被弾して気絶している2人に、

 

亜狛「被弾ごめん」

 

そう言い亜狛は夜の闇に紛れてそこから姿を消すのだった。


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