理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第228話 嬉しくない再会

天沼矛が落ちたであろう場所に理久兔は向かうと丁度岩に天沼矛が刺さっていた。

 

理 「あったあった……」

 

岩からゴマダレ~的な音楽のノリで天沼矛を引き抜きそれを掲げて、

 

理 「…………俺は何処の伝説だ?」

 

と、まるでトラ(ピー)フォースを集めてマ(ピー)ターソードを引き抜いたあの伝説の緑頭巾の主人公を思わせるかのような持ち方だ。だが今はそんな流暢にしている場合ではない。

 

理 「あっそうだった……」

 

とても重大な事を考えていた。それは何かと言うと、

 

理 「タイムマシーンは何処だったけかな?」

 

何処かの青い猫型ロボットが所持しているようなタイムマシーンを探していた。理由は事故って月を破壊してしまったからだ。とりあえず過去に戻ってやり直そうと考えていた。最早現実逃避する事しか考えてなかった。すると茂みが動き出しそこから月の使者の1人と目が合った。

 

使者「ん?げっお前はさっきの!?」

 

理 「雑兵が残ってたか………」

 

使者「ちっ!」

 

使者は物凄い速さで茂みへと入っていった。それを自分は追いかけたのだった。

 

神様追跡中……

 

茂みの中を早足で先程の使者を探していると目の前の平たい場所で先程の使者が立っていた。しかもそこは先程、妹紅と戦った場所だった。

 

理 (もらった!)

 

ザシュッ!

 

理素早く移動して後ろから手刀で月の使者の首をマミった。そして先程の使者の頭は地面に転がっていき止まったが理久兔はフードの中で驚きの表情をせざる得なかった。何故なら目の前には、

 

紫 「貴方…何者かしら?」

 

自分の愛弟子であり娘のように可愛がっていた八雲紫に他にもかつての仲間の伊吹萃香に、この殺し合いをせざる得なくなった理由であり自身の親友八意永琳に因幡てゐと見たことのないブレザーの服を着たウサミミの女性はおそらく永琳達の仲間だと推測できた。そして数ヶ月前に冥界で西行妖と戦っていた巫女に今、理久兔が興味を示している少年が目の前にいたからだ。それを目の前で見た理久兔は、

 

理  /(^o^)\

 

本日2回目のオワタという顔をした。無理もない地上で自分は既に御存命となっている。しかもバレないようにとこれまでやってきたのにそれら全てが水の泡となりそうだったからだ。すると目の前の巫女は、

 

巫女「あっあんたあの時の!!」

 

それを聞いた理久兔は目をよく凝らして見るとその巫女はかつて妖怪に食われそうになっている所を助けた2人の内の1人だと思い出した。

 

理 (確か…れっ霊夢とか言ってたよな?)

 

思い出すが流石に喋らないのは失礼かと思って声に出すことにした。

 

理 「俺の名は隠者…ただそれだけが名前だ」

 

と、理久兔は自分の地上で使っている名前を答えると今度は永琳が質問をしてきた。

 

永琳「なら隠者、貴方は何故月の使者や妹紅を攻撃

   したの?」

 

その質問に対して理久兔は嫌々ながらも答えるしかないと思いしょうがなく答えた。

 

理 「…………それは簡単だまず今、首をはねた奴も

   含め奴等は俺の友人を傷つけようとしたから

   だ…そしても……その女は俺らの邪魔をしてき

   たからお前らが作った遊びとやらで負かした

   だけだが?」

 

言っていることは限りなく本当の事だ。まず友人という言葉は少し形を変えてある。友人それは八意永琳や蓬莱山輝夜の事をさす。その2人が傷つけられるのは親友として黙ってられないからだ。次に妹紅と名前を言ってしまいそうになったが言うと色々とバレるため言葉を女と言葉を変えた。後は言葉通りだ。だがそれを聞いたであろう霊夢は真剣な表情で、

 

霊夢「隠者…あんたはここで退治するわ」

 

それを聞いた理久兔はフードの中で少し苦笑いをしながら、

 

理 「ほう…俺とやるのか人の子よ」

 

輝夜「まずは貴方のフードを剥がしてあげるわ」

 

理 「それは怖いな……だが……」

 

と、理久兔は言っているが内心はただこう思っていた。

 

理 (これだけの人数を相手するのは面倒だし何より

   紫やらとやりあうのもな‥‥しょうがない)

 

理久兔は右足を上げて思いっきり地面に足をつける。

 

理 「仙術 九式 咒鎖(じゅさ)の誓い

 

聞こえないように小声で仙術を唱えると妹紅を抱えている少年以外が地面から突然現れた鎖で囲い込まれて閉じ込められる。「仙術九式咒鎖の誓い」その技の基本原理は霊力で出来た鎖だ。元来から強い霊力を持っている理久兔が使えばその鎖は永遠の誓いのように固く壊されることはない。何よりも理久兔がつけている理と同じようにこの鎖は能力を使わせない機能もついている。

 

霊夢「蓮!!」

 

紫 「やられたわね……」

 

萃香「ありゃりゃ……」

 

永琳「これは!」

 

輝夜「はなから私達とはやる気はないって事……」

 

女性「そんな……」

 

てゐ「何だよこれ!ビクともしないって!」

 

と、必死に抵抗する者もいれば鎖を観察する者等々色々といた。

 

理 「言い忘れたがその中では能力およびに自身の

   使う力は何も出せないルールだそこは覚悟を

   しておけ……」

 

そう言い理久兔は少年をまじまじと見た。だが理久兔はこの少年から漂う不思議な力を感じた。その力は今は亡きかつての親友、安倍晴明に似ていた。少年は檻にいる者に声をかけて妹紅を近くの岩場で寝かせると理久兔の目の前に来て、

 

少年「僕は葛ノ葉 蓮異変を解決しに来た者です!」

 

そう言うと蓮と言った少年は鞘から刀を抜かずに理久兔に構えた。それを見た理久兔は不思議に思いながら、

 

理 「俺は隠者……せめてお前らの作った遊びで遊ん

   でやろう……」

 

そう言うと理久兔は蓮を観察しながら戦おうと思ったのだった。


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