理久兎と小町の後ろに立ちニコニコとカメラを構えている少女こと射命丸文を見て、
理 (文か懐かしいな……)
久しく見る仲間を見て懐かしいと思えた。だが何よりも自分の知っている文とは比べ程にならないほどに成長していた。かつての身長は自分の腰ぐらいの身長が今では肩ぐらいに伸びていたからだ。
小町「文屋が何でまたこんな所にいるんだい?」
文 「えぇとですね今起きている異変について聞い
て回っているんですが偶然死神の貴方がいた
ので寄ったんですよ……ね!?」
文は理久兎を見て驚きの表情をした。だがこの時、理久兎は正体がバレたとは思わなかった。その理由は、
文 「あっ貴方!八雲紫が探している隠者!?」
もう紫に見つかり暴れた事が幻想郷全土に知れ渡っていると思っていたからだ。そのお陰で今では地上の人里にも行けやしない。行けばもれなく紫やらが飛んでくる。
理 「はぁ………俺だから何?」
文 「えっ?えぇ~とどうすれば良いですかね?」
ズコッ!
おいおいと言わんばかりに小町がズッこける。最早の小町ですら呆れていた。聞きたいのはこっちである。
理 「それで?花の件について聞きたいんだろ?」
文 「えぇ♪それは聞きたいですがやっぱり一番知
りたいのは貴方の素顔ですね♪」
と、遠回しに素顔を見せてくれと要求された。自分はフードで見えないだろうがバカかこいつという感じの爽やかな笑顔で、
理 「見せるわけないでしょ♪」
文 「ならば人の家にでも侵入して情報をとるジャ
ーナリズムの力で暴きましょうか♪」
どうやらフードの中の顔が見たいためか強制的にひっぺがそうと脅してくる。本来の花の異変についての目的とは欠け離れていて自分ですらも若干呆れるが、
理 「言っておくが俺の顔を見ると精神崩壊するか
も知れないが良いんだな?」
脅しをかけられたのなら脅しで返した。だが文はニコニコと笑いながら、
文 「そんなもの全然怖くもないですよ♪」
と、言うが敢えて言おうフラグであると。理久兎はしょうがないといった感じで顔を手で抑えると席から立上がり文へと正面を向くように立つ。
文 「おや!?見せてくれるんです………」
と、言った時だった。即座に文の頭を両手で掴んで固定した。
文 「えっ!?」
理 「そんなに見たいなら特別に見せてやろう光栄
に思って見るが良い俺のこの顔をなぁぁ!」
フードの中から気持ち悪い触手が現れ文の顔を舐め回すように動くそれだけでも恐ろしいのだが文はこの時、見てしまった。フードの中にある醜く恐ろしく名状しがたいぐらいの醜悪で見ているだけで精神に異常をきたすかのようなおぞましい顔を、
文 「ひっあっあやややややややややや!!!」
SAM値??ー8→??……アイディアロール??……成功、一時的狂気感情の噴出。
文 「あは………アハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
自分の顔を見て精神に異常をきたしたのか頭を抑えるのを止めても地べたに座ってただ笑って転げ回っていた。今の文には何を言っても聞かないどころか覚えてもいない筈だ。
小町「ちょっ今のって!」
理久兎は小町の方に振り返り顔に着けているお面を取ると、
理 「フェイクに決まってるだろ?」
文 「アハハハハハハハハハハハハハ」
顔から取りだし手に握られているのを見せる。それは気味の悪い触手やらがついているお面だ。今の種を明かすと直ぐにお面を着けて文の前に立って幻影魔法ミラージュで触手やらが動いているように見せただけ、それが真実だが文はそんなの聞いてもいないのか今も笑いながら転げ回っていた。
小町「じょっ冗談でもやりすぎなんじゃ……」
理 「うん俺もやり過ぎた感しかない」(´・ω・`; )
張本人の自分でさえもやり過ぎたと思っていた。まさかここまでなるとは思わなかったからだ。流石にこんな状態の文を放置するわけにもいかないので、
理 「ていっ」
トンっ
文の後ろの首に首トンをして気絶させた。
理 「あぁ~うんミスチー悪いな騒がしくしちゃっ
てさ‥‥しっかり迷惑料金も払うから」
ミス「いっいえ……」
文を近くの竹に背もたれさせて寝かせると理久兎は屋台の席へと座る。
小町「り‥‥隠者さんあんた本当におっかないねぇ」
理 「酷い偏見の仕方だけどこれ見せると言われて
も仕方ないから反論できないな………」
ミス「えっと隠者さん何で貴方は素顔を見せようと
しないんですか?」
疑問に思われたのかミスティアが質問をしてくる。理久兎は答えようとしたがその前に小町が返した。
小町「あぁ隠者さんは立場的なあれで素顔を見せな
いようにしてんだよ顔を見られると正体やら
分かっちまうからねぇ……」
ミス「なっ成る程………しかし妖怪の賢者が捜してい
るって何したんですか?」
今度は何をしたかと聞いてくると理久兎は、
理 「あぁ~ちっと罪人追いかけてたら色々と変な
誤解されてな………」
ミス「はぁ~?」
理 「まぁあんまり聞かないでおいてくれや」
と、理久兎が言うとミスティアは頭を下げて、
ミス「こちらこそ御客様である隠者さん達に色々と
聞いてすいません」
理 「いやいいさ♪そんじゃもう少し飲もうか小町
ちゃん♪」
小町「おうともさ♪」
そうして自分と小町は飲み続けるそうすること数時間後、
理 「お~い小町そろそろ帰るから起きろ~」
小町「グヘヘヘヘ♪」
小町は完全に酔いつぶれていた。仕方ないと思い小町の肩を担ぎ席から立ち上がる。
理 「ミスチー俺らは帰るからお会計頼むよ」
ミス「あっはい………え~としめて5433円です」
理 「あれ安くない?」
理久兎は不思議に思うとミスティアはクスクスと笑う。
ミス「前の金塊の分も入ってるので料金は小町さん
の飲み食いの分だけですよ」
理 「あっ成る程ね‥‥そんじゃ小町の分払うね」
そう言い理久兎は財布代わりに使っている布袋から毎度のように金塊をミスティアに渡す。
ミス「また金塊!?」
理 「迷惑料も込みでね♪そんじゃ~ね♪」
自分は小町の肩を担いで帰ろうとするが竹林で寝ている文を見て、
理 「はぁ……しょうがないか」
理久兎はもう片方の肩で文を担いで帰るのだった。その翌日文は妖怪の山でとある白狼が発見し保護されその時何があったかと聞いたが文いわく何があったか分からないと詳述したのだった。