理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第236話 また子孫は現れる

とある日の事。事件というのは唐突に起きる…それは朝方の厨房で起きた。

 

理 「スパイスがない…だと……」

 

コトコトと、とろ火でカレーのベースを煮込んでいる最中に厨房の棚を見た結果今回作ろうとしていたカレーのスパイスがない事に気がついてしまう。

 

理 「まいったなぁカレーを作るのに香辛料は欠か

   せないしなぁ………」

 

自分の作るカレーは基本的にオーソドックスな野菜カレーで玉ねぎ、人参、じゃがいも、にんにく、といった材料に独自でアレンジしたスパイスをいれて作るのだがその香辛料がない。

 

理 「チリペッパーはあるけどないのはえ~クミン

   にカルダモンにコリアンダーそれとオールス

   パイスもないし色付け専門のターメリックも

   ないときたか………てか殆どの種類がないだろ

   これ!?」

 

どうするか考えると閃いた。倉庫にいけばもしかしたら在庫があるかもしれないと、

 

理 「倉庫…行ってみるか……在庫があれば良いけど

   なぁ~」

 

そう言いスパイスの在庫を探すために倉庫へと向かい倉庫を漁るが……

 

理 「かぁ~まいったな………サフランはあるけれど

   肝心の香りと味のスパイスがなぁ」

 

見つけたのはバターライスを作るのに必要なサフランしか見当たらなかった。他の香辛料はまさかの在庫切れだ、これには自分も頭を悩ませる。しかも最悪な事に幻想郷に香辛料なんて物はない。あっても生姜にわさびぐらいだ。

 

理 「しょうがない買ってくるか……」

 

呟いた自分はサフランを厨房に置いて亜狛と耶狛の元へと向かう。理久兔は2人がいつもいるであろう部屋へと来ると中を確認する。そこには予想通り亜狛と耶狛がいた。

 

理 「お~い亜狛~耶狛~」

 

亜狛「あれ?マスターご用ですか?」

 

耶狛「どうしたの?」

 

と、2人が聞いてくると理久兔は頭を掻きながら、

 

理 「すまないけど外へ送ってくれない?」

 

亜狛「えっ?どうしたんですか?」

 

耶狛「珍しいね?」

 

理 「いや実はな今晩カレーを作ろうと思ったんだ

   が…香辛料が尽きてた……」

 

それを聞いた耶狛は目を見開いて、

 

耶狛「それ本当!?お兄ちゃんすぐに開こうよ!」

 

亜狛「いやそこまで重要か!?」

 

耶狛「重要だよ!マスターのカレーはレアなんだよ

   そのカレーを食べるためだったら私は針地獄

   も渡る覚悟だよ!」

 

と、とんでもな事を言い出した。それには自分も驚いてしまった。

 

理 「ちょっと待てそこまでするな!?」

 

亜狛「どんだけ食いたいんだよ!?」

 

耶狛「私は食べたいの!!」o(><;)o

 

耶狛が駄々こねると面倒くさいのを知っている亜狛は頭をおさえて、

 

亜狛「すいません妹が……」

 

理 「まっまぁ………とりあえず裂け目を開けて外界

   に繋いでくれ」

 

亜狛「分かりました」

 

そう言うと亜狛は手をかざして裂け目を作り出す。そこから写る光景は現代社会の外界だ。

 

理 「そんじゃ行ってくるな」

 

亜狛「あっマスター外へ行くなら身なりに気をつけ

   てくださいね本当なら私共も行ければ行きた

   いのですが今日は予定が詰まってまして‥‥」

 

理 「あぁ気にするな♪それと帰る時は頭の中で知

   らせるからその時に今のこの場所に繋いでく

   れや♪」

 

亜狛「分かりましたいってらっしゃいませ」

 

理 「おう行ってくるな♪」

 

そう言うと理久兔は裂け目へと入るとその裂け目は閉じた。

 

亜狛「ふぅ………」

 

耶狛「あれ?お兄ちゃんマスターは?」

 

先程まで駄々こねていた耶狛が正気に戻り亜狛に聞くと、

 

亜狛「お前が駄々こねてる間にもう行ったぞ」

 

耶狛「そんなぁ~私も行きたかったなぁ」

 

亜狛「まだ今日の仕事があるだろ良いからやるぞ」

 

亜狛「はぁ~い……」

 

そうして亜狛と耶狛は仕事に戻るのだった。そして外界の路地裏へと降り立った理久兎は、

 

理 「とりあえず着替えるか……」

 

そう言うと断罪神書から現代に紛れるための服を出すとそれに着替え元の服を収納して本をメモ帳サイズにしてポケットにいれる。

 

理 「さてと…箱買いするか……」

 

とりあえずどこか店がないかを探すため表通りへと行くのだった。

 

理 「う~ん確かスーパーだったけっか?は見つか

   らないな………」

 

香辛料等を探すならスーパーやらを探すのがてっとり早いがまったくもって見つからない。

 

理 「しまったなぁ水着を買った時と同じ場所に送

   ってもらえば良かったかな…」

 

これは途方にくれそうになる。だが分からないのなら聞いたほうが早いとも思えた。

 

理 「誰かに聞くか……」

 

辺りを見渡して誰か聞けそうな人がいないかと探すと……

 

? 「止めてください!!

 

理 「ん?」

 

と、女性の声が聞こえてくる。その方向を見ると4人ほどの見た感じヤンチャしてそうな男達が顔が分からないが見た感じかつて戦った蓮と同い年ぐらいの少女を1人壁に追いやって取り囲んでいた。それを見ている人間の大人達は知らんぷりをかましているのか無視しようと心掛けているのも分かる。

 

理 「……はぁ…弱い人間達は仕方がねぇけど今の男

   共は口説き方も知らねぇのかよ」

 

平安時代の男性達と比べると口説き方が強引過ぎると思った自分は呆れながらそこへ向かう。

 

男1「いいじゃん遊ぼうぜ♪」

 

男2「そうそう♪」

 

少女「だから私は行きません!!」

 

男3「うっせぇなぁ!さっさと来いって言ってるだ

   ろうが!」

 

男3が少女の手を掴もうとしたその時、

 

ガシッ!

 

その手を理久兎が掴んだ。

 

理 「おいおい女性に対してそういう態度は失礼だ

   ぞ所でお嬢さんすまんけどここいらでスーパ

   ーってものはあ……る…!?」

 

その少女の顔を見ると驚いてしまう。髪の色は綺麗な緑色で前髪の辺りに蛙と蛇のアクセサリーを着けているがその顔はかつての親友、東風谷祝音と同じだった。すると、

 

男3「痛ててててて!!!」

 

男3が痛みを訴える。それを聞いた理久兎は我に返り腕を離す。

 

理 「あっ悪い忘れてた」

 

男1「てめぇ!俺らの邪魔すんのか!あぁん!」

 

男2「しばくぞごら!」

 

男4「仲間にここまでされたら慰謝料払えや!」

 

男3「本当だごら!慰謝料で財布とその女を置いて

   帰れや!!」

 

と、凄く三下の雑魚の風格を醸し出す4人だ。人間でこう威勢が良いのは良いことだが少々度が過ぎるとも思った。

 

理 「お嬢さんすまないけど!」

 

そう言うと理久兎はその少女をお姫様だっこをすると、

 

少女「えっ!ちょっ!うわぁ!!」

 

男達 (*゜д゜*)

 

跳躍からの壁を蹴ってそこから離れて少女を離す。それを見ていた男達は口がポカーンと開いたままだった。そして少女を離した理久兔は向き直ると左小指を立てて、

 

理 「お前らぐらいなら左小指で丁度いいよね?」

 

と、手加減と挑発を兼ねてそういうと男達は顔を真っ赤にして、

 

男1「ざけんなゴラァ!!」

 

そう言い殴りかかってくるがその拳を避けて、

 

理 「まずはここ………」

 

ブスッ!

 

理久兔は男1の背中に向かって小指を刺す。

 

男1「あっあぁぁ痛って!……なっ感覚がねぇ!」

 

男1の左腕はブランと垂れ下がっている。

 

男2「てめぇ何しやがった!!」

 

と、男2が回し蹴りをしてくるがそれをイナバウアーの構えで避けると今度はその男のもも辺りに向かって、

 

理 「う~ん確かここだ………」

 

ブスッ!

 

男2「がぁ!なっ!何だこれ!!」

 

男はバランスを崩してその場に崩れ立ち上がろうとするが体に力が入らずその場から動けない。

 

男3「おっお前何をして……」

 

理 「君らさツボって言葉知ってる?」

 

男4「ツボ?」

 

理 「そう♪元々は今で言う中国から伝来した一種

   の針治療というやつでね良いツボを刺激すれ

   ば健康になったり活力が上がったりするんだ

   けどその逆で悪いツボってのがあってねそこ

   を刺激すれば体に異常をきたしたりするんだ

   けど知ってた?」

 

それを聞いた男達はみるみると顔が真っ青になっていく。すると理久兎はニタリと笑って、

 

理 「ここで提案だけどここに転がってるお仲間さ

   ん達を回収してさっさとこの場所から去るか

   それとも俺に荒治療されるかどちらかを選ば

   せてあげるけどどっちがいい?」

 

男3「しっ失礼しました!!」

 

男4「ごめんなさい!!」

 

男3と男4は男1と男2を回収するとその場からすぐに消えた。こうして見ると理久兎が改めて化け物のような強さであると自覚するだろう。

 

理 「よし片付いた……」

 

少女「えっとありがとうございます!」

 

少女は理久兔の前に来ると頭を下げる。そんな献身的な態度にニコニコと笑いながら、

 

理 「いいよ♪それと君さこの辺にスーパーなる店

   ってない?俺ここの地理に詳しくなくてさぁ

   知ってるなら教えてくれると助かるんだけど

   さぁ………」

 

少女「そうなんですか丁度良いですね♪実は私も買

   い物に行く途中だったので良ければ案内しま

   しょうか?」

 

どうやらお礼に案内をしてくれるようだ。理久兎は笑顔で、

 

理 「それは助かるよ♪」

 

少女「いえ♪あっ!そういえばまだ名前を言ってい

   ませんでしたよね?私は東風谷早苗といいま

   す♪」

 

理 「東風谷…だと……」

 

自分は動揺してしまう。まさかの名字が東風谷だ。しかも祝音に顔がそっくりつまり祝音の子孫という事だ。

 

早苗「えっとすいませんが貴方のお名前は………」

 

と、今度は自分の名前を聞いてくる。自分はこの時、

 

理 (もし祝音の子孫なら諏訪子に神奈子もいるって

   事か…無闇に本名を言うのは止めておくか……)

 

理久兎は直ぐ様、自分の偽名を考えると、

 

理 「俺は黒常(こくじょう) 天理(てんり)だよろしくな早苗ちゃん♪」

 

早苗「天理さんですね♪それではスーパーに行きま

   しょう天理さん♪」

 

理 「あぁ………」

 

そうして理久兔は早苗という少女に案内されながらスーパーへと向かうのだった。


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