理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第239話 帰還と覚悟と………

台車を運搬して最初の路地裏へと戻ると目を積むって意識を集中させて、

 

理 (亜狛、耶狛、聞こえるか?)

 

亜狛(聞こえますよ)

 

耶狛(マスター帰るの?)

 

理 (あぁ裂け目を開けてくれや)

 

と、頭の中でで会話をすると目の前に裂け目が広がる。その先には亜狛と耶狛が立っていた。荷台の荷物を裂け目へと入れて自分も入ると同時に裂け目は閉じる。

 

理 「ただいま~いや~楽しかった」

 

亜狛「マスターまた何かしてきたんですか?」

 

耶狛「ふんふん……‥…何か甘い香りがする?」

 

と、耶狛の異常すぎる嗅覚で自分の匂いを察知する。恐らく貰った大福の匂いだろう。

 

理 「あぁ~さっき人助けしたらお礼に大福をくれ

   たから食べてきたよ♪」

 

耶狛「いいなぁ~マスターだけずるいなぁ~」

 

理 「ハハハまた今度作ってやるからそれまで我慢

   な♪」

 

と、言うが耶狛は頬をぷくーと膨らませる。そうとう食べたかったのだろう。

 

亜狛「耶狛それだとお空のお手本にならないぞ?」

 

耶狛「だよねぇ………」

 

お空のお手本になれるように頑張ってはいるようだが時々その幼さが出てくるのが残念な所だが逆にマスコットの可愛らしさがあって良いものだ。

 

理 「ハハハ今度作ってやるから………な?」

 

耶狛「分かった………」

 

理 「よし偉い偉い………」

 

そう言い耶狛の頭を撫でると耶狛は気持ち良さそうに尻尾を左右に振る。

 

理 「さてとカレー作りの続きといきますかね」

 

亜狛「耶狛、俺らもやることをやろう」

 

耶狛「うん♪」

 

そうして亜狛と耶狛は作業に戻り自分は厨房へと向かいカレー作りの続きをするために向かうのだった。向かっていると黒の姿が見える。

 

理 「おっ黒♪」

 

黒 「ん?あぁ主か何処かに行ってきたのか?」

 

黒が聞いてくると理久兔は笑いながら、

 

理 「あぁ♪スパイスを買いにね♪」

 

黒 「それだけじゃないだろ?何かあったか?」

 

理 「どうしてそう思うんだい?」

 

黒 「主が出掛けたのは今から約3時間前程と予測

   すれば速く帰ってくる主にしては珍しすぎた

   からな」

 

流石は黒だ。段々と勘が鋭くなってきている。

 

理 「ちょっと人助けしたらお茶をご馳走されて遅

   くなったんだよね♪」

 

黒 「ほう………」

 

理 「あっ忘れるところだった黒!俺は厨房に戻る

   よ最後の仕上げしないといけないから」

 

そう言い理久兔はそこから去るが黒は理久兎の後ろ姿を眺めて、

 

黒 「…女が絡んでやがるなありゃ……」

 

と、黒は呟くのだった。そして理久兔は厨房へと行くと容器にスパイスを入れて調合させていく。

 

理 「さてとスパイスの調合を始めるかえ~と確か

   チリを少々でクミンとカルダモンを加えてそ

   れでコリアンダーオールスパイスターメリッ

   クを入れてと………う~ん♪カレーのスパイス

   のいい香りだ♪そしたらバターライスの準備

   をしないと………」

 

と、理久兔が料理をしている外では、

 

さと「……………………」

 

さとりがジーと扉を少し開けて理久兔を見ていた。

 

さと「はぁ~……」

 

と、深くため息を吐いた。そんな事をしていると、

 

黒 「何やってんだお前?」

 

さと「ひゃっ!?くっ黒さんですか……」

 

そんな反応をするさとりを見た黒は呆れながら心の声で、

 

黒 (何時までも主の姿、見てないでそろそろ行動を

   移してみたらどうだ?)

 

さと「いえ………そうしたいのはそうしたいんですで

   すが恐いんです私達は心を読んで安全を確保

   していき行動に移しますですが理久兎さんは

   心が読めなくて………」

 

それを聞いた黒は更に呆れながら、

 

黒 (はぁ良いことを教えてやるよ主はさっきまで外

   に行ってらしいが俺の勘じゃどうも女が絡んで

   るぞありゃ……)

 

さと「え………まっまさか理久兔さんに限ってそれは

   ないですよ!」

 

さとりは酷く動揺をしていた。冷や汗を流してまで、

 

黒 (まぁあくまで勘だそれにやるなら今がチャンス

   だと思った方がいいかもなここ最近になっ主は

   地上で騒ぎを少し起こし過ぎたいずれ主の存在

   に気づく奴が現れるそうなればライバルが出る

   ぞ?主を慕う奴は聞いてる限り多いからな)

 

さと「……………」

 

さとりは黙るしかなかった。思い人を取られるのはとても辛い。だが心を読めないためどう動けばいいのか分からず怖くなりあたふたして躊躇ってしまう。それが今の現状ななだから。

 

黒 (俺はこいしみたいにフォローは出来ないから言

   えないかもしれないけどよこいしは主とお前が

   くっつけば良いのにとか言ってる他にも亜狛に

   耶狛そしてお燐やお空‥‥はよく分からんが皆は

   こいしと同じとだけ言っておく)

 

さと「…そうですか……」

 

黒 (少しは挑んでみろ何だっけかなぁ‥‥あぁ小説~

   だったか?のキャラようによ)

 

さと「黒さん私、少し心の整理をしてきます」

 

黒 (あぁそうした方がいい特に亜狛や耶狛はあの鈍

   感野郎に女について頭を悩ませてるみたいだか

   ら少しは驚かせてやれ)

 

さと「驚かせれる事は出来ないかもしれませんです

   が気持ちのけじめをつけたい………それは確か

   です」

 

数十年、理久兎を思い続けさとりはこの気持ちに決着をつけたいとそう思った。それには黒も微笑んで、

 

黒 (そうか良い答えが来ると良いな)

 

さと「はい♪」

 

と、言っていると厨房の扉が開かれ理久兎が出てくる。

 

理 「あれ?2人が一緒なんて珍しいね♪」

 

黒 「あぁ本が面白いのかと聞きたくてな…」

 

さと「えっえぇ…」

 

理 「ふぅ~んあっそれと数時間したら夕飯

   だから覚えておいてね」

 

理久兔がそう言うと2人は頷いて、

 

さと「分かりました」

 

黒 「あいよ」

 

それを聞いて確認した理久兎は体を伸ばして、

 

理 「そんじゃもう少し俺は厨房に籠るから皆にも

   伝えておいてね♪」

 

そうして理久兔は兎厨房へと入りカレーの火加減を見つつカレーを作ることにした。外の2人は、

 

黒 (そんじゃ頑張れや)

 

さと「はい……」

 

と、さとりは気持ちを整理させ気持ちとの決着をつけるために部屋へと戻るのだった。そして夕飯のカレーはやはり耶狛とお空が乾杯もおかわりしたのは言うまでもない。


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