目の前にいる理久兎がまるで別人かのように豹変した事に晴明は驚いていた。
理 「どうしたんだ晴明?鳩が豆鉄砲食らったかの
ような顔してよ?」
晴明「りっ理久兎さん………貴方本当に理久兎さんで
すか!?」
荒々しい口調は先程の物腰柔らかな口調と比べると似て非なる。
理 「
晴明「さっきまでとは全然違う……」
理 「ただよ~何でか分からないが力や活力が溢れ
てくるんだよなぁ♪」
晴明「まさか肉体から離れたせいで精神が若返った
とでも言うんですか!?」
もうお気づきの読者様はいるかも知れないが今の理久兎の破天荒や荒々しさそして常識などかなぐり捨てたかのような行動それら含めてあの頃の若々しい理久兎に戻っている。基本は肉体年齢=精神年齢となっているが肉体と言う概念が夢の世界で消えたため肉体年齢≠精神年齢となっている。つまり縛り付ける肉体が無くなったため精神だけとなったこの夢の世界限定で理久兎は若返ったのだ。
理 「まぁよく分からんが今ならあのロリBBAに
下克上仕掛けられそうだな~♪」
手をグーパーしながら自身の母親の千に下克上を仕掛けられそうだとと楽しそうに言うと、
晴明「理久兎さん!今貴方と私にはやるべき事があ
るでしょうお忘れですか!」
と、流石の晴明も理久兎を止めるためにツッコミをいれると理久兎はケラケラと笑って、
理 「あぁ~分かってるぜ♪でもよ晴明~お前戦う
道具やらはあるのか?」
晴明「一応は式神達はいますが‥‥理久兎さんは?」
理 「それがよ何時も持ち歩いてる断罪神書が無い
んだよな~」
どうやら夢の世界に断罪神書は持ち込めなかったようで今のところ武器は現地調達をするしかないのだ。
理 「はぁとりあえず武器を調達するぞ………」
そう言うと自分は歩き出すと、
晴明「待ってください理久兎さん!」
晴明も自分の後をついて行くのだった。数分歩くととある大きな蔵の前にやって来た。
理 「俺の記憶が確かなら………」
そう言い扉に手をかけるが、
ガチャ!ガチャ!
硬い鉄の扉には南京錠が掛けられていて入れない。普通なら諦めるか鍵を探すための謎解き的な事をするのだがそんな事をせず自分は息を吐く。
理 「はぁ~……………」
晴明「理久兎さん?」
理 「ホワアチョ!!」
ドゴンッ!
晴明 ( ; ゜Д゜)
何とまさかのハイキックで硬い鉄の扉を吹き度したのだ。この破天荒を見た晴明は口をポカンと開けてしまう。そして理久兎は壊した扉から中へと入ると晴明も中へと入る。
理 「おぉ~やっぱり対して変わってないな♪」
晴明「今の理久兎さんに常識が通じない事は分かり
ましたがこれまた見事な武器庫ですね」
蔵の中には刀やら弓やらといった多彩な武器が納められていた。理久兎は刀やらを手に持つと、
理 「晴明、好きな得物を持ってきなどうせ夢の中
なら壊しても盗っても犯罪にはならねぇよ」
晴明「えっなら弓と矢に矢筒を持っていきますね」
晴明がそう言うとあまりの時代の遅さに鼻で笑ってしまった。
理 「ふっ時代遅れめ♪」
晴明「何か言いました?」
理 「いや何も?」
晴明は弓と矢が大量に入った筒を背中に背負う。
晴明「準備は出来ましたよ理久兎さん………」
理 「よしなら行くか!」
理久兎は腰に刀を2本帯刀して晴明に近づくと晴明は変な匂いに気がついた。その臭いは理久兎から発せられている。
晴明「理久兎さん何ですか?この鼻につくような異
臭は………」
理 「さぁ♪ただ近代革命の進歩とだけは言ってお
くよ」
晴明「よく分かりませんがまぁいいでしょう理久兎
さん急ぎましょう!」
理 「そうだなさっさと行くか‥‥は行って敵対者を
全員を塵すら残さず根絶やしにしてやらなぇ
となぁ」
キ
晴明「それと理久兎さんあまり貴方の能力は使わな
い方が良いと思いますよ?」
理 「ん?どうしてだ?」
どういう事か分からず晴明に聞くと、
晴明「夢というのはとても脆いものなんです貴方が
手加減を忘れて本気を出そうものなら夢は崩
れてしまい私達もそうですが眠っている者達
も2度と目覚めないでしょう………」
つまり本気は本気でも本当のガチでやれるなと忠告を貰った。自分の目的は皆を救うのが目的であってその忠告は守るしかない。
理 「あぁ~まぁ手加減してやれって事だな程々に
使うから大丈夫だ♪」
晴明「それなら良いです」
理 「そんじゃおそらく紫ちゃん達は~うんこっち
だな行くぞ晴明!」
晴明「理久兎さん待ってくださいよ!!」
自身の背中に生える龍翼を羽ばたかせ晴明は昔と同じように朱雀を召喚するとその背中に乗って空へと飛んでいった。
神様、少女移動中……
自分と晴明が飛んでいくと、とある物凄いぐらいに広い荒れ地へと辿り着く。そこは自分も晴明も見たことのない場所だ。だがその荒れ地には無数の妖怪はたまた超巨大な妖怪やらが蠢いていて奥の方では1人の男性が少女の首に刀を構えている。片やその逆の方では倒れている妖怪達がいるがそこにいる殆どが理久兎の友人やらだ。しかも刀を地面に突き刺して葛ノ葉蓮が膝をついてそこに巨大な骸骨の妖怪の握り拳が振り下ろされそうとさていた。
晴明「理久兎さん!」
理 「分かってる行くぞ……」
理久兎と晴明は急滑空してその場へと飛ぶ。すると膝をついている少年葛ノ葉蓮は大声で、
蓮 「霊夢を…皆を助けるまでは…死ねないんだ!」
そう言ったと同時に巨大な骨の妖怪は拳を握り振り下ろしてくる。だがそこに理久兎が立ちふさがる。
理 「よく言った少年…後は俺らに任せろ……」
ガシッ!!
巨大な骨の妖怪の攻撃を理久兎は右腕だけで抑えた。そこに晴明の弓による攻撃が放たれ骨の巨大妖怪の目にヒットして後ろへと下がった。
蓮 「えっ……!?」
その場の全員は驚きの顔をしているのが理久兎から見ても分かる。後ろで膝をついている蓮ですら驚いていると。そして遠くの方で怒りを覚えていく顔へとなっていくが理久兎と晴明の近くで1人の妖怪……いや理久兎の自分の愛弟子が口を開いた。
紫 「おっ御師匠様……」
理 「待たせたな…てめぇら……」
晴明「まったく……」
こうして理久兎と晴明はこの乱戦に参加したのだった。