鷺麿との戦いに勝利した理久兎達は腹も膨れない筈の食べ物や酔う筈のない酒を皆でワイワイと楽しく飲んでいた……
萃香「お酒の味が何にもないけど理久兎とこうして
また飲めるなんて夢みたいだよ♪」
理 「いや夢だよ萃香‥‥しかし本当に味もそっけも
ないな」
と、言葉を返した。ぶっちゃけ味も何にもない。無味の酒やら料理を食べていたが皆は何故かこちらを見てニコニコとしてくる。
紫 「でも本当に御師匠様とまたこうして出会える
それが何よりも幸せね♪あっそうだわ♪藍こ
っちへ来なさい」
藍 「はっはい!」
と、理久兎が笑っていると先程からやけにもじもじとしていた狐の妖怪の女性もとい紫と似ている格好をしている所から紫の式と思われる狐の女性こと藍が紫に呼ばれる。
紫 「紹介するわ♪私の式の藍よ♪」
理 「へぇ~紫の式ねぇ♪」
藍 「はっはい!私は紫様の式をしている八雲藍と
いうものです!まさか紫様の師に出会えるな
んて光栄です!」
と、凄く固まってぎこちないように言うと理久兎は少々苦笑いながら、
理 「そんな改まらなくていいよ♪もっと軽くいこ
うよ♪なっ♪」
藍 「はっはぁ?」
理 「まぁうちの弟子がこれからも迷惑をかけると
は思うが支えてやってくれよ藍ちゃん♪」
藍 「はっはい!!」
どうやら藍の主である紫よりも上の存在と認識しているのか凄くペコペコとしていて小町と最初に出会った時を思い出してしまう。
紫 「ふふっ♪凄く緊張してるわね藍ったら♪」
藍 「そっそれは……」
理 「ハハハまぁ気にするなよ♪」
と、理久兎が言っていると突然後ろから誰かが抱きついてくる。少し後ろをチラリと見ると黒い翼が目に写った。
理 「よぉ文♪」
文 「改めてお久しぶりです理久兎さん♪」
と、言うと文は抱きつくのを止めて周りのメンバーに加わると、
理 「でかくなったなぁ♪」
文 「えへへそりゃまぁ♪」
大きくなった文にそう言うと文は嬉しそうに笑う。すると文の後ろに続いて1匹の白狼天狗いやかつての友、狼牙に似ている子もとい椛と言われていた子がやって来る。
椛 「文先輩その人が伝説の?」
文 「えぇそうですよ♪理久兎さんこの子は椛って
言って………」
理 「お前さんの親父の名前は狼牙で母方は静香‥‥
じゃないか?」
と、物凄い指摘をすると椛は目を見開いた。どうやら的中のようだ。
椛 「何で知ってるんですか!?」
文 「椛それは貴方のお父さんの尊厳に関わるから
許して上げて………」
文がそういう理由はかつて自分達に散々と遊ばれているためあまり聞くと父親としての尊厳を失いかけないと思い文はそう言ったのだと自分は思った。
理 「あぁ‥‥まぁ友達だよ♪古くからのな♪」
椛 「そうなんですか♪」
椛の尻尾は左右に揺れている事から父親の事を知ってもらっていて鼻が高いのだろう。
理 「どっちかと言うと母親似で良かったな」
椛 「えっ?」
理 「いやこっちの話だ♪」
文 「あぁ~あ新聞があったら読ませてあげたかっ
たなぁ………」
それを聞いた理久兎は笑いながら文の頭に手を置いて、
理 「あるなら見たかったがしょうがないさ♪」
文 「理久兎さん………」
と、楽しそうに会話をしているとまた友人が現れる。今度は
幽々子ともう1人は妖忌に似ている少女だった。
幽 「理久兎さんご無沙汰ですね♪」
理 「あぁ♪御久々だね幽々子ちゃんそれに……」
幽 「あら?ほら妖夢たっら挨拶をなさい♪」
幽々子に言われた妖夢はペコリと頭を下げて、
妖夢「えっと魂魄妖夢ですよっよろしくお願いしま
しゅ!…………!?」
見事に噛んだ言葉を言い妖夢の顔は真っ赤になるが、
理 「ハハハ♪恥じることはない♪にしても成る程
ねぇ~お前さん妖忌の孫か?」
妖夢「はっはい!」
理 「そうか妖忌の孫と来たか………ハハ♪彼奴も今
頃は何してるかねぇ……」
かつて自分に言った旅に出るという言葉。あれ以来、妖忌とは出会っていない。あの手練れなら死ぬこともないとは思っているが久々に会いたくもなってくる。
妖夢「えっ?」
理 「こっちの話だ気にするな♪」
妖忌の事だから何も告げずに失踪した事なんて分かりきっていた。だから理久兎は敢えて何も言わない事にした。
幽 「ふふっ♪何の事かは分からないけど何よりも
紫があんなに嬉しそうに笑ってるなんていつ
以来かしらね♪」
幽々子に言われ理久兎は紫の方を見ると確かに明るく微笑んでいた。
理 「面倒を見てくれてありがとうな♪」
幽 「いいのよだって親友ですもの♪」
理 「そうかい♪」
と、理久兎が言った次の瞬間、突然背後から何かが迫ってフルスイングで殴りかかってくるが、
ガシッ!
理久兎は右腕を使いそれを受け止めて殴ってきた人物を見ると、
理 「よっ幽香ちゃん危なっかしい挨拶だけどお久
だね♪」
幽香「えぇ理久兎♪御久々さっさそくだけど勝ち逃
げ出来るとは思ってないわよね?」
幽香は何度も自分に戦いを挑んできたがそれを自分が何度も負かし続けていたが自分が急死して勝ち逃げされたと思っていたようだ。だが目の前にこうして現れれば嬉々として殴りかかってきただろう。証拠に幽香の目は獣を狩る狩人と同じ目をしていた。
理 「しょっぱなから殺る気満々?」
幽香「えぇ!それはもう!」
理 「……なぁせっかくのお祝いムードなんだから少
しだけパーティーゲームしようぜ♪」
幽香「因みに?」
と、幽香に聞かれた理久兎は笑顔で手をグー、パー、チョキの構えをとると、
理 「だせだせってゲームだよ♪まず手を繋ぐ」
そう言い理久兎は左手を差し出すと幽香は左手で手を繋ぐ。
理 「それで俺がだせだせグー出せって言ってもし
幽香ちゃんがグーを出してあいこだったら手
を繋いでる手の甲を1発ひっぱたくあいこが
続く限り何度も出来るよ♪」
幽香「成る程ね………もしあいこじゃなければ?」
理 「そしたら相手のターンで同じようにだせだせ
って言ってあいこが出たら叩く違うならば相
手のターンって感じ♪」
幽香「つまりあいこが続くなら何度でも叩けるって
事よね?」
理 「勿論♪それで痛みのあまりに手を離したらそ
の時点で負け‥‥これでいい?」
確認をとると幽香はにこやかに笑って、
幽香「えぇ♪始めましょう♪」
理 「なら先行をどうぞ♪」
そう言われた幽香はニタリと笑うと、
幽香「それじゃだせだせパーだせ」
幽香がそう言いパーを出すが理久兎はグーを出した。
幽香「ちっ!変わったか次で………」
と、幽香が呟くが理久兎は先程の幽香のニタリ顔よりも真っ黒のゲスのような顔で、
理 「それじゃ幽香ちゃんこれからずっと俺のター
ンだなからよろしくね♪」
幽香「…………えっ?」
と、幽香は一瞬嫌な予感がするが時すでに遅し、
理 「だせだせパーだせ♪」
と、言うと幽香はパーを出してしまい理久兎に左手の甲を叩かれる。
パシンッ!
幽香「つっ!」
理 「1叩いてグーだせ♪」
パシンッ!
理 「2叩いてパー出せ」
パシンッ!
理 「3叩いてチョキ出せ」
と言った感じで戦いが続くこと数十分後ついに理久兎は500連叩きの勝利を納めていた。
幽香「もっもうギブアップよ………」
幽香は手を離して真っ赤となり血管が浮き出ている手を見る一方で理久兎の手は何も赤くなっていなかった。
理 「はい俺の勝ちね♪」
幽香「また負けたわ………」
理 「まだまだだなぁ♪」
と、言っているが実際は理久兎のとてつもない動体視力で幽香が次に出るジャンケンの姿勢を見てそれに合わせて自分も出しているのだ。つまり神速の後出しじゃんけんだ。結構ズルい……
理 「でもまぁ久々に楽しかったよ♪」
幽香「はぁ~貴方に勝てないのが本当に悔しいわ」
理 「また遊べたら遊ぼうぜ♪」
幽香「まったく」
理久兎は移動してまた別の場所へと向かうと……
理 「あっ君はにとりだったよね?」
河城「ん?うんそうだよ♪」
にとりはニコニコと笑ってこちらを見てくる。
理 「お前さんもしやゲンガイの……」
河城「うん孫だよ♪」
どうやらゲンガイには孫が出来ていたようだ。まじまじと見てみると性別以外は本当にそっくりだ。
理 「ゲンガイは元気か?」
河城「う~ん今お爺ちゃんぎっくり腰になってるよ
アハハ………」
理 「うわ痛いやつだなそれ………」
かつて平安京にいた時にぎっくり腰になった人間を見たことがあるが凄く痛そうに腰をさすって動けなくなっていたのを思い出した。
河城「あはははは……」
理 「ゲンガイによろしく言っておいてくれないか
せめてもな♪」
河城「分かった♪伝えておくよ♪」
理 「頼むよ♪」
河城「うん♪」
理久兎がそう言うとにとりは皆の宴会の席に戻っていった。すると今度は、
妹紅「りっ理久兎さん……」
理 「ん?おっ!もこちゃん改めてお久々だね♪」
声をかけてきたのは妹紅だった。昔からの人見知りが治らないのかまだモジモジとしている時もあるが、
妹紅「だからもこちゃん言うな!!………だけどまた
会えて良かったよ♪」
理 「ハハ♪それで?今の人生は楽しんでるか?」
妹紅「あぁ♪親友も出来たしな♪」
と、言っていると不思議な帽子を被った女性が近づいてくる。その女性を妹紅が見ると目を輝かせて、
妹紅「紹介するよ♪私の親友の白沢慧音だ♪」
慧音と言われた女性は理久兎をまじまじと見ると、
慧音「この人が本物か………想像よりもずっと男前だ
な♪」
理 「それはどうも♪そういうあんたは見た感じ教
師って所か?」
慧音「よく分かったな♪」
理久兎の予想は大当たりで慧音は教師だった。
理 「ビンゴ♪でも人見知りの激しい妹紅に友達が
出来た事に驚きだけどな♪」
妹紅「ちょっ理久兎さん!」
慧音「ふふっ♪」
妹紅は恥ずかしいのか顔を少し赤くしていうと理久兎は楽しそうに、
理 「ハハハ♪まぁ友達は大切にな♪」
妹紅「…………あぁ♪」
理 「ほらお酒を飲みに行っておいで♪」
妹紅「そんじゃまたな行こう慧音♪」
慧音「あぁ♪」
2人は酒を飲むために御座へと急いでいった。理久兎はまた歩き出す。そして懐かしき古き友人と出会う。
理 「これはこれは八意さんに輝夜ちゃんじゃない
ですか♪」
永琳「えぇ‥‥改めまして御久々ですね理久兎さん」
照夜「理久兎さん………」
2人は何故か気まずそうに受け答えをすると理久兎は、
理 「まさか俺が死んだのがてめぇらのせいだとか
思ってねぇよな?」
と、聞くと永琳は苦笑いをして、
永琳「正直な話…実際そう思ってました……」
照夜「恩も返せずにただ死を見とることしか出来な
かったのが悔しかったわよ」
恩人である理久兎を助けられなかったことを後悔していたようだ。理久兎はため息を吐いて、
理 「言っておくがお前らのせいじゃない最早あは
は運命だったんだからしょうがない事だった
だ………なっ?だから気にするなよ♪」
照夜「理久兎さん‥‥ありがとうございます♪」
永琳「本当に何でかしらね本当にあの人に理千にそ
っくり………」
永琳と照夜の目からは少しだが涙が流れていた。重みが減ったことに対して感情が爆発したのだろう。
理 「ほら泣くのを止めて楽しく笑おうぜ♪」
永琳「えぇ♪」
照夜「そうね♪」
理 「そんじゃ俺はまだ話す奴がいるから行くぜ」
そう言い理久兎はその場から離れた。今一番話したい人物、蓮の元へと行くためにその場へと向かうのだった。