今現在、この場にいる理久兎と晴明以外の者達に変化が訪れていた。それは体から白い欠片が上空へと待っていっているからだ。
蓮 「なっ何ですかこれは!」
霊夢「体から……」
霧雨「おいおいどうなってんだよ!!」
皆はこの現状に動揺していると理久兎と同じように体から白い欠片が出ていない晴明は理久兎に真剣な顔でこの現状を答える。
晴明「理久兎さん…どうやら……」
理 「あぁ……別れの時だな……」
そうここは現実の世界ではない。ここは夢の中…夢は必ず目覚める。それは理であり定めでもある。
紫 「嘘……まだ少ししか話してないわ!」
藍 「紫様……」
紫はまた別れるのが嫌なのか膝を地面についてしまう。それを従者である藍が肩を担ぐ。
理 「………なぁ藍ちゃん皆を呼んでくれないか?も
う別れるなら挨拶をしておきたくてな♪」
藍 「………分かりました紫様をお願いします」
藍は理久兎に紫を任せると会釈をして皆を呼びに向かった。理久兎は項垂れている紫の頭に手を置いて、
理 「こうして紫の頭を触るのも何年ぶりか紫は覚
えてる?」
紫 「…………もう1000年ぐらい前ですね…」
理 「もうそんなに経つのか速いな……」
と、理久兎が言うと紫は理久兎の服を掴む。そして涙を交えて、
紫 「御師匠様は本当にズルいわ突然来たと思った
らまた突然別れが来るんですから本当にズル
いわ……もう離れたくない…」
理 「紫…覚えておけ俺はずっとお前や皆を見守って
いるよ♪何時もずっとずっと………」
紫 「御師匠様………」
理 「風呂やトイレに着替えなどもな………」
紫 「………………………………………えっ?」
それを聞いた紫の顔は凄く引きつったかのような笑顔になる。シリアスを壊していくこの神様はなんて事をしてくれるのでしょう。
理 「ハハハ冗談だ♪そこまではしないよ♪」
紫 「そっそうよね?」
理 「あぁ♪ほらやっと泣かなくなった♪」
紫 「あっ……」
このジョークで紫の涙は止まった。自分からしたら泣きながらの別れ等はあまり好きではない。故に笑って別れをしたいという思いがあるからこそ泣くよりも笑っていて欲しいのだ。
理 「それと紫♪俺が渡した指輪着けていてくれて
ありがとうな♪」
紫 「御師匠様から頂いたこの指輪を無下になんか
にしません私にとってこの指輪はお守りであ
り宝物ですから♪」
理 「ハハそうか♪」
と、理久兎と紫が会話をしていると蓮と霊夢に魔理沙そして晴明が皆を連れてくると理久兎は紫の頭をかるく撫でて手を離す。
理 「お前らも気づいているとは思うがもうじきこ
の夢は終わりお前らは現実の世界で目覚める
だろう」
萃香「また…お別れなんだね……」
文 「せっかく会えたのに……」
幽香「最悪ね…また勝ち逃げされるとか……」
幽 「理久兎さん1つお聞かせください貴方を一度
も冥界で見たことがありませんそれは何故で
しょうか?」
流石は冥界の管理者だけある。そして幽々子の質問に理久兎は話せることだけを話した。
理 「今現在俺がいるのは地獄の辺境地だ今回の件
も元々は閻魔からの直属の依頼で地獄から逃
げ出した鷺麿を始末しに来たんだよ」
蓮 「そうだったんですか……」
理 「あぁだから絶対に冥界にはいない………」
と、理久兎が言うと紫は決心した表情で、
紫 「なら私が……御師匠様を!」
理 「止めておけ‥‥復活だとかそんな事を考えるな
てめぇらはてめぇらの今を生きろ………過去に
すがってたら先が見えなくなるぞ?」
話を聞いた紫はただ黙ってしまう。それぐらいに自分にはこちらに来てほしいのだと感じてしまう。だが自分も生者なため復活だとかは蘇生だとかは意味がないのだ。
永琳「………それでも私達は貰ってばかりなのよ深常
理久兎……」
妹紅「あぁ…理久兎さんには助けて貰ってばかりなの
にそれを返せないのもな……」
輝夜「あの時もそして今回の事も………」
と、言われると理久兎はしょうがないという顔をして、
理 「恩返しをしてぇならよ………てめぇらの一生を
平和に暮らせそれが俺への恩返しだ」
霧雨「お前、見た感じチャラいと思ってたけど案外
チャラくはないんだな……」
理 「そうだな………折角血を流してまで作った楽園
を楽しんで貰いたいそれが俺の願いだったか
らな♪」
と、自分達がそんな話をしている間にも皆の下半身はとうに消え失せていてそれが顔へと近づいてきていた。
霊夢「もうじき夢から目覚めるわね……」
理 「……晴明、お前から言うことはあるか?」
晴明「そうですね…私は伝えたいことはもう伝えた
ので構いませんよ」
理 「そうか………なら俺からお前らに向けて最後に
言いたい事がある」
もう首から下へと消えていってる弟子や友人に仲間それら全てに送る言葉それは……
理 「どんな苦労があろうがどんな壁があろうが突
き進めそれがお前らがこれからも続ける旅だ
…だから……紫や皆に伝えたい言葉は………ただ
1つ…良い旅を♪」
紫 「御師匠様!!」
紫が手を伸ばし理久兎を掴もうとした瞬間、紫はいやその場の全員は光の粒子となって上空へと飛んでいったのだった。自分は上へと上がっていく光の粒子を眺めながら、
理 「じゃあな皆……」
と、理久兎が言った瞬間その場に残っている晴明はやれやれといった表情で肘を曲げて手の平を上にしてやれやれと首を振るう。
晴明「理久兎さん…演技中々でしたよ……」
理 「ほざけ…晴明……久々に再開した弟子や仲間に
このぐらいの優しさもたまには良いだろ……」
普段、面と向かって会うことも出来ない理久兎からしてみれば唯一弟子に愛情を注げれて仲間と楽しく話せる時間なのだ。だからこの位は良いだろうと思っていた。それを聞いた晴明はニコニコしながら、
晴明「ふふっそうですね……理久兎さん私達も帰りま
しょう♪」
理 「あぁ…帰ろう……皆が待つ現世にな♪」
そう言うと晴明はここに来る時と同じように術の陣を作ると、
晴明「行きましょう……」
理 「あぁ♪」
自分と晴明はその陣へと入ると強烈な光が辺りを覆い尽くし暫くして光が止むとそこにはもう誰もいなくなっていたのだった。