真っ白な視界から目覚めると目に写った光景は朝日が昇る光景だった。しかも木陰から朝日が差し込み目を渋らせる。
理 「うぅ~ん……もう朝か……」
そう言い理久兎は起き上がると木の幹で肩を寄り添いながら眠る亜狛と耶狛を見る。
理 「…気長に眠ってるみたいだな……」
と、言っていると1つの影が理久兎の目の前に現れる。それは自分の従者が1人、黒だった。
黒 「主よ、ようやく目覚めたか……」
理 「あぁ……神社で寝てた奴等は?」
黒 「全員目覚めて嬉々としている者もいれば少し
涙を溢す者もいたな……」
どうやら皆は蟲毒の悪夢から帰ってくれたみたいだ。
理 「そうか…良かったけどさ……」
黒 「どうかしたか?」
理 「滅茶苦茶クソかったるいしダルい………」
理久兎にしては珍しく目覚めが悪い。何故か体が重く先程までの生き生きとした活力も出てこない。すると、
晴明「それもそうでしょう夢で若返って若気の至り
を楽しめばそれに体がついていく訳がないで
しょう理久兎さん………」
そう言いながら晴明が近寄ってきた。それに対して返答をする。
理 「あぁ~そういうことか………やっぱり若いって
いいなぁ」
そう夢の世界では肉体と魂が離れるため魂だけが若返ってしまったため元の肉体に戻れば体が暫くはついてはいけないということだ。そしてここだけの話だが一応は今の理久兎の年齢は転生してから約1000年ぐらいだ。人間で例えると30半ば辺りだろう。
黒 「そんな無駄口を叩けるなら主は元気な証拠だ
な………」
理 「連れねぇな…黒は……そういえば亜狛と耶狛は
どのくらい警護してくれていたのか教えてく
れないか?」
黒 「あぁ………ざっと8時間ぐらいだったか太陽が
昇る頃に交代で寝たからな」
どうやら交代制で見てくれていたようだ。確かに光が少ない夜に黒を配置するよりかは光の多い朝の当番にすれば能力もフル活用できて効率が良い。
理 「ならもう少しだけ寝かせてやるかそれで晴明
………お前はまた蓮の中でまた眠るのか?」
晴明「はい……そのつもりです…理久兎さん貴方に折
り入って2つ程お願いがあるのですがよろし
いでしょうか?」
理 「言ってみろ………」
自分と黒は真剣な眼差しを向けて耳を傾けて聞くと晴明は言葉に重みをかけて話した。
晴明「1つは蓮の事をよろしくお願いしますあの子
は昔の私と同じで純粋過ぎてすぐに突っ走っ
てしまうのです……」
理 「ハハハ♪確かに当時のお前と瓜二つかもな」
晴明「そして最後の2つ目‥‥理久兎さんここだけの
話ですが何故に鷺麿は灼熱地獄から脱獄出来
たと思いますか?」
理 「さぁな………現在そこは捜索中だ」
晴明の言葉を映姫からは少し聞いてはいたが捜索が難航しているらしい。だが晴明は知っている口ぶりだ。
晴明「恐らく鷺麿を地獄から解き放ったのは私の一
族を根絶やしにした妖怪でしょう」
理 「晴明そいつの正体は?」
理久兎は晴明にその妖怪の正体を聞くが晴明は目を閉じて首を横に振った。
晴明「残念ながら私にもその妖怪は分かりませんで
すが恐らく紫さんと同じで単一妖怪かと思わ
れますが………」
理 「単一妖怪か………分かったそれだけでも充分だ
ありがとうな晴明」
晴明「いえ……」
理 「一応は此方の方でも犯人については探しては
みるが少し時間がかかるかもしれないがな」
晴明「何故ですか?」
晴明は何故、時間がかかるのか気になったため聞くとため息を吐いて、
理 「はぁ~地獄は人手不足なんだよ何せ需要が無
さすぎてな人手は足りない賃金も少ないお陰
さまで地獄は火の車なんだよ………」
晴明「はっはぁ……」
黒 「まぁそう言うこった安倍なんちゃら……」
晴明「なんちゃらではなくて安倍晴明です」
晴明は自分の名前の間違いに対して訂正させる。そんな晴明を見ていて、
理 「ハハハ♪相変わらず変わらないな♪」
晴明「えぇ♪それでは理久兎さん私は本来いるべき
場所へ戻りますね♪」
理 「あぁ……また会おうな♪」
晴明「はい♪」
そう言うと晴明は霧となってその場所から消えてその場には理久兎と黒そして木の幹で寝ている亜狛と耶狛だけご残った。
理 「そんじゃ2人を起こして帰るぞ」
黒 「あぁ……」
理久兎と黒は亜狛と耶狛の元へと近づき頬を軽くペチペチと叩いて起こすと眠そうに2人が起き出した。
亜狛「あれ………マスター?」
耶狛「うぅ~ん……マスター?」
理 「よっ♪ただいまそしておはよう♪」
理久兎はニコニコとしながら手を上げて言うと亜狛と耶狛は立ち上がり、
耶狛「お帰りマスター♪」
亜狛「何時戻って来たんですか?」
理 「ついさっき♪」
そう言うと耶狛はキョロキョロと辺りを見回して、
耶狛「あれ?晴明ちゃんは?」
理 「あぁ~彼奴もう帰ったぞ?」
耶狛「えぇ~~晴明ちゃん帰っちゃったの?」
理 「まぁお前らが寝てたから悪いと思ったんだろ
うな」
それを聞いた亜狛は耶狛をなだめつつ少ししょんぼりとした表情で、
亜狛「そんな気を使わなくても良かったのに」
理 「彼奴なりの気遣いだ察してやれ………さてと俺
らも撤収するぞ」
亜狛「マスター実は少しよって貰いたい場所がある
のですが………」
亜狛に寄りたいところがあると言われた理久兎はそんな急ぐわけでもないので亜狛の意見を聞くことにした。
理 「良いぞならそこに行こう場所は?」
亜狛「神社の裏手の方ですよ♪」
理 「分かった行こうか」
そうして理久兎達4人は亜狛と耶狛の作った裂け目へと入りに導かれるがまま移動するのだった。
神様移動中……
亜狛と耶狛そして黒の案内でたどり着いた場所はとある文字が刻まれた石碑の前だった。そこには花束に饅頭や瓢箪が置かれていた。
理 「なぁここは?」
理久兎は3人に聞くと耶狛は珍しく真剣な表情で、
耶狛「マスターあの石碑の文字を読んでみて………」
理 「ん?……分かった……」
理久兎が耶狛に指示された石碑の文字を読むとそこに書かれていたのは、
深常理久兎ここに眠る
と、それは丁寧に大きく文字が刻まれていた。そうその石碑こそが紫達が建てた自分自身の墓だったのだ。
理 「‥‥‥‥何か自分の墓をこうして客観的に見るの
も可笑しなもんだな」
黒 「何だ?ここは主の墓だったのか?」
亜狛「えぇ‥‥マスターの棺桶はこの下に埋められて
いたんですよ……」
耶狛「懐かしいね♪」
そうかつて理久兔が入っていた棺桶を地面から移動したのが亜狛と耶狛だ。つまり2人が来るのは数千年ぶりという事だ。
理 「彼奴ら人の墓参りって‥‥それに俺は仏門じゃ
ないから出来れば神棚の方が助かるがまぁよ
しとするか………」
お供えされている饅頭を亜狛、耶狛、黒にそれぞれ1つずつ投げ渡す。
亜狛「マスター良いんですか!?」
耶狛「バチが当たるかもよ?」
黒 「流石にお供えものをなぁ………」
理 「良いんだよ俺への供え物だ貰っておけ」
そう言いお供え物の瓢箪を取って自分の墓石の上に座り瓢箪を開ける。すると酒の香りが漂う。それを確認し酒を飲む。
理 「‥‥いっちょ前の酒を用意しやがってよ‥‥これ
は萃香のチョイスか?悪くはないなハハッ本
当に‥‥面白くて嬉しいものだな♪」
昇り終える朝日を眺めながら酒を飲み亜狛と耶狛そして黒は饅頭を食べて供えられた花そして置いてあった文々新聞を持って4人は今の住みかである地底へと帰るのだった。