さとりが理久兎へ告白したその翌日朝の事。
理 「やっぱり手懸かりは無しか……」
何時もよりも早めに起きて昨日と同じように地獄にある資料およびにそこいらの文献やらを単一妖怪を検索ワードとして全て漁ったがやはり何も無かった。どの妖怪がやったのかそれら全て闇へと葬られ過ぎている。
理 「………しかし鷺麿や地獄の怨霊達を逃がしてい
ったい何がしたかったんだ?だが一番気にな
るのはやはり出来すぎてるって事だ‥‥葛ノ葉
蓮は間違いなく白なら何故こうも出来すぎて
いるんだ?」
そう葛ノ葉 蓮がこうして幻想郷に来たのも怨霊達や鷺麿が脱獄したのも全てがまるでシナリオ通りに動いているかのように出来すぎているのだ。しかもその糸が見えないときている。これほど相手が何を考えているのかそして正体も分からない。これ程恐ろしいものはない。
理 「………何か起きなければ良いがな」
暗がりの洞窟の空を眺め呟く。そして前を向き散らかした資料やらをまとめて本棚にしまって片付けるが片付けている時にあることを思い付いた。
理 「まてよ‥‥どの文献にも載っていないとなると
つまり晴明の子孫達を殺ったのは文献にも載
らないなおかつ鷺麿やらを脱獄させてる時点
で知能もあるという事になるって事だよな」
もしそれがそうだとしたら資料を漁っても引っ掛からないと思った。あったとしたならすぐに探し出せている筈だ。つまり相手は歴史に置いても姿を眩ませる程の妖怪という事だろう。
理 「だがやはり正体が掴めないよなぁいや考える
のは今は一回止めよう」
そう呟いて残りの本を片付ける。そして理久兎は部屋を後にする。
理 「う~ん恐らくその妖怪は確実に幻想郷または
地獄にいると仮定すると………」
と、ブツブツと言いながら廊下を歩いていると角を曲がってさとりが歩いて来た。
さと「理久兎さんおはようございます」
理 「うん?あぁさとりかおはよう♪起きるの早い
なぁ………」
さと「いえそんなには…また………考え事ですか?」
理 「あぁまぁなやっぱり思い当たる妖怪がいなく
て考えていたんだがやっぱり思いつかなくて
な………」
妖怪の総大将をやっていたためある程度の妖怪には詳しいのだがやはり思い付かない。それほどまでに理久兎は苦戦したいたのだ。それを見たさとりは、
さと「理久兎さん良ければ息抜きにゲームでもどう
でしょうか?」
理 「ゲーム?ははぁ~ん♪チェスか?」
さと「いえ♪人狼ゲームでもと………」
と、言うが狼人ゲームは少なくとも5人は欲しい。しかもそれ以前にさとりの前では人狼も平民もあったもんじゃない。
理 「いやさとりが入ったら元もこもないだろそれ
に亜狛やお燐はともかく他がルールを覚える
のに時間がかかるぞ」
さと「良いとは思ったんですけどねぇ」
昨日の一件以来なのかさとりが少しだけ腑抜けたというか頭に花が生えたというな緊張がほどけてこんな感じになっていた。だが自分を心配して少しでも気分転換することを考えてくれる事に少しばかしだが嬉しくなった。
理 「まぁ俺の事を思ってくれてありがとな♪」
さと「いえ…そんなつもりは……」
理 「う~ん‥‥折角だから少し外でも歩かないか?
朝飯までは少し時間もありすぎてるしさ」
因みに今の時刻は午前5時だ。あまりにも早すぎる。他のメンバーが起きるの最低でも6~7時ぐらいだ。
さと「でも…私はその嫌われてますし……」
理 「安心しなよ♪どうせこの時刻じゃ基本的に皆
寝てるからさ♪」
さと「えっそれもそうですね‥‥なら少し歩きましょ
うか理久兎さん♪」
理 「あぁ♪なら準備が出来しだい玄関のホールで
集合な♪」
さと「はい♪」
自分とさとりはそう言い一旦部屋へと戻り各自準備する。そうして玄関ホールへと行くがまださとりは来てないみたいだった。
理 「さとりを待つとしますかね………」
と、言い待っていると背後に気配を感じ振り返るとそこにはニコニコとしながらこいしが立っていた。
理 「こいしちゃんおはよう♪」
こい「おはよう理久兎お兄ちゃん♪こんな早くにし
かも黒コートのフードじゃないって事は………
あっ!まさかお姉ちゃんとデートでしょ?」
理 「よっよく分かるなぁ」
流石はさとりの妹だけあって勘が鋭いしなおかつ心を閉じたせいなのか言い方が無関心すぎてドストレートだ。
こい「えへへ理久兎お兄ちゃんお姉ちゃんをよろし
くね♪意外にもお姉ちゃん結構ちょろいから
さ♪」
理 「……あぁ♪」
こいしの頭を帽子こしで撫でるとこいしは楽しそうに笑う。可愛らしい笑顔だなと思っていると、
こい「だけどね………お姉ちゃんを傷つけるなら絶
対に許さないから‥‥♪」
理 「っ!?あっあぁ………」
無意識な殺意を感じた。一瞬だがブルッと震えた。
こい「ふふふ♪じゃ~ねぇ♪」
そしてこいしはニコニコと微笑みながら地霊殿の奥へと消えていった。そして消えた先からさとりが出てくる。
さと「お待たせしました理久兎さん」
理 「いや俺も今さっき来た所だから安心しなよ」
さと「そうでしたかなら行きましょうか♪」
理 「そうだな♪」
自分とさとりは玄関の門を開けて外へと出るのだった。朝方のせいなのか何時も昼間や夜のような賑わいはなくとても静かだ。だがそれがさとりにとってもストレスも感じにくく丁度良いのかもしれない。
理 「う~んやっぱり静かだね♪」
さと「りっ理久兎さん………」
さとりは恥ずかしそうに頬を赤らめて手をさし伸ばしてくる。
理 「…………ふふっ♪」
自分はその手を優しく握るとさとりは驚き優しい笑顔を浮かべた。
理 「行くよ♪」
さと「はい」
自分は何時もみたいに魔法は使わずに自身の隠している龍翼を羽ばたかせ2人は空を飛び散歩へと出掛けた。
さと「理久兎さんのその翼‥‥こうしてよく見てみる
と本当に大きいですね」
理 「悪いなこんな翼でよ基本は邪魔だからしまっ
てるんだがたまにはこうして羽を広げたくて
な………」
さと「いえ良いと思いますよ♪ただ改まって見る機
会がないものだったので」
理 「そうかい♪」
2人は楽しそうにまだ他に妖怪のいない空を飛び地底の続ける。皆が起きるその時間まで。