理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

261 / 565
第254話 ヘカーティア来日

理久兔達の目の前には三途の川を船で渡って来た映姫、小町そしてここ地獄の女神ことヘカーティア・ラピスラズリそれと見たことのない妖精がふわふわと飛んでいた。

 

理 「ようこそ幻想郷地獄支部の更なる奥地旧都へ

   ここの3人の責任者の1人であるこの私こと

   深常理久兔乃大能神が貴女方をご案内させて

   いただきます」

 

亜狛「そのサポートを勤める深常亜狛です」

 

耶狛「同じく深常耶狛で~す♪」

 

黒 「以下同文…黒だ……」

 

4人はそれぞれ自己紹介をすると先程から何とも言えない表情をしていたヘカーティアの口が開いた。

 

ヘカ「改めましてヘカーティア・ラピスラズリよ♪

   今回はよろしくね♪」

 

と、何故か楽しそうにそう言うとその隣にいた道化師の妖精、クラウンピースが小さな胸を張って、

 

クラ「あたいはご主人様に仕えるクラウンピースっ

   て言うんだ♪結構狂ってるみたいだね♪よろ

   しく♪」

 

その言葉を聞いていて自分は何か勘違いしているのではと思った。

 

理 「えっ……えぇ…とまさか攻めいったことを気に

   しては」

 

ヘカ「ん?全然理久兔さんは悪くないわよん♪問題

   はあのゼウス(変態)よ彼奴があんな事をしなければ

   良かっただけなのんだから自業自得よ」

 

亜狛「いっ意外にドライ……」

 

ヘカーティアがそんな感じだったためかだいぶ理久兔達も気にしなくてもよさそうで安心した。すると映姫が、

 

映姫「え‥‥えっとコホン!ヘカーティア様そして理

   久兔さんまず目的は視察ですそれをお忘れな

   きように………」

 

それを聞いた2人は「はっ!」と驚くと理久兎は、

 

理 「それもそうかあぁルートは2つあるけどどっ

   ちにする?1つは散歩ルートもう1つは直行

   ルートってのがあるけど?」

 

その提案を持ちかけた時、クラウンピースが答えた。

 

クラ「あたいは散歩ルート幻想郷の地獄ってのを観

   光したいから♪」

 

理 「了解した‥‥そんじゃ近くにある屋台やらに行

   きつつ旧都を目指しますかね……」

 

ヘカ「えぇそうね♪」

 

そうして8人は地獄の出店を周ることにした。出店には定番の林檎飴や焼き鳥他にも焼そばやら綿菓子等々と売られていた。

 

耶狛「ねぇクラウンピースちゃん♪何か奢ってあげ

   ようか?」

 

クラ「おっいいの!?」

 

耶狛「うん大丈夫だよねぇお兄ちゃん♪」

  

亜狛「俺が奢るのかよ!?」

 

と、突然のフリで亜狛は驚いたが耶狛はニヤニヤと笑うと、

 

耶狛「別に払ってくれなくてもいいけどその時はお

   兄ちゃんがやったあれを暴露ね♪」

 

亜狛「よ………よ~し!買いたい物何でも言ってごら

   ん大抵の物は買ってあげるから♪」

 

クラ「妹が兄を脅迫したようん!狂ってるね♪」

 

まさかの妹が兄を脅迫するという不思議な光景を見て面白そうにそう言う。それを見ていた黒と映姫そして小町は、

 

映姫「明らかにやってる行為が黒ですね………」

 

黒 「俺がどうかしたか?」

 

映姫「いえ貴方ではありませんよ」

 

小町「………なあ黒さん耶狛って何時もあんな感じな

   のかい?」

 

黒 「あぁもう慣れた」

 

居眠りしていると時々耶狛に顔を落書きされたり三途の川に落とされたりといたずらされている小町だがあのような光景を見ると時々驚いてしまう。だがそんな微笑ましい?光景をよそに理久兔とヘカーティア・ラピスラズリの空気は予想していたよりもお互いに結構話していた。

 

理 「楽しそうだな♪」

 

ヘカ「えぇクラウンピースも連れてきて正解だった

   わん♪」

 

自分達の従者があんなにも楽しそうな姿を見て主人の理久兔やヘカーティアはニコニコと微笑んでいた。そして一応はあの事についても謝罪をすることにした。

 

理 「なぁヘカーティアあん時は悪かったな従者が

   やられてすこしばかし頭に血が上ってやり過

   ぎちまってよ………」

 

ヘカ「いえさっきも言ったけどあれはゼウスが悪か

   ったんだから気にしなくてもいいわよん?」

 

理 「そいつは助かるよ………あっ一応は言っておく

   けどさん付けとかしなくていいよ普通に理久

   兔とかで構わない立場とかは気になくていい

   からさ♪」

 

理久兔の言葉を聞いたヘカーティアはクスクスと笑って、

 

ヘカ「ならそう言わせて貰うわ♪」

 

そんな会話をしていると項垂れている亜狛とニコニコしながら綿菓子を食べている耶狛と林檎飴を舐めているクラウンピースが戻ってくる。

 

クラ「なぁえぇ~と理久兔だっけ?そろそろ旧都に

   案内してくれよ」

 

理 「おっもう良いのか?」

 

耶狛「うんいいよ♪」

 

亜狛「まだ何とかなるな………」

 

亜狛は財布の中を見て安堵の息を吐いた。だが行くとしても映姫や小町に黒が来ていない。すると奥の店で黒と小町が座って何かしているのを見ている映姫を見つけた。

 

理 「おぉ~い映姫達そろそろ行くぞ………ほう金魚

   掬いか」

 

映姫「えぇ……」

 

黒と小町は金魚掬いに挑戦していたが何と掬った金魚の数がお互いにとんでもないことになっていた。

 

小町「やるねぇ~黒さん」

 

黒 「ふっこんなこと造作もない………」

 

何やかんやで黒も楽しんでいるようだった。この勝負に瑞をさすのは悪いと思ったが客であるヘカーティアとクラウンピースの事もあるため、

 

理 「お~い2人共そろそろ行くぞ」

 

黒 「おっ………悪いが勝負はおわずけだな」

 

小町「黒さんとはまた決着をつけないとね」

 

なお掬い網が破れない理由は黒の場合は影で破れないように強化し小町の場合は金魚の距離を縮めて素早く掬っているただそれだけだが商売している立場からすれば赤字だ。

 

店員「殆どの金魚が………」(T_T)

 

黒 「それと金魚は入らないから返す」

 

小町「あたいも育てるの面倒だから返すよ」

 

店員「あっありがてぇー!!」

 

店員は感謝して掬いあげられた金魚を水に戻す。そして黒と小町そして映姫は自分の後に続き皆と合流すると、

 

理 「そんじゃ旧都に案内するよ……」

 

そうして8人は旧都を目指すのだった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。