理久兎達は皆、食堂に集まっていた。何せ理久兎が料理を振るまうからだ。
理 「お待ちどうさんね」
そう言いながら持ってきたのは釜だった。それをテーブルに置いて釜の蓋を開けると、とても鼻孔をつく良い香りが部屋を包んだ。
ヘカ「これは何かしら?」
映姫「これは松茸ですか♪」
さと「他にも……」
そう理久兎が持ってきたのは松茸ご飯だ。だがそれだけではない。黒が別の料理を運んでくる。茶碗蒸しや鰻の蒲焼きにきんぴらごぼうといった秋の実りを代表する料理が並んだ。
亜狛「今日はまた豪勢ですね」
耶狛「本当だね♪」
クラ「これがthe和食か」
お燐「良い香り~♪」
お空「お腹すいた~」
小町「理久兎さんお酒ってもらえるかい?」
と、皆は食べるのが楽しみなようだ。なお小町に限ってはお酒まで頼んできた。
理 「あるぞ俺が飲もうとしてるやつだけど飲むか
い?」
小町「えぇそりゃもう♪」
ヘカ「なら私もいい?」
理 「あぁ♪」
そう言い理久兎は2人にお酒を注いで渡す。それを見ていたへカーティアとクラウンピースそして映姫に小町 以外のメンバーは不安そうな顔をした。その理由というのが理久兎が飲む酒の度数は結構高い。ここ最近では50度を越える度数の酒なのだから。
理 「じゃまぁ召し上がれ♪」
全員「いただきます!!」
そう言い皆は食事をありつくが理久兎はまた厨房へと戻っていった。
クラ「うぅ~んおいしひぃ~♪」
小町「ぶぅーーーー!!!ゴホッ!ゴホッ!」
ヘカ「…あら結構度数高めね……」
ようやく気づいたようだが小町は一気飲みしてあまりにも凄い度数でむせかえる。だがへカーティアはちょびっと飲んだおかげかむせかえりはしなかった。
小町「何ですかこのお酒!?」
映姫「小町!汚いですよ!!」
小町「すいません………」
酒の度数は高いが料理は上手いのは確かだ。
お燐「やっぱり理久兎様の料理はおいしいね♪お父
さんも思わないかい?」
亜狛「ハハ♪そうだな♪」
耶狛「おいしいお空?」
お空「うん♪」
黒 「……何か何時も通りの光景って感じに少しメン
バーが増えたって感じだな」
さと「そうですね♪」
と、皆は楽しんでいると理久兎は鍋のような物と舞茸や切ったさつまいもに那須やらの野菜や切ってある白身魚を持ってくる。しかも鍋の中には薄い黄色の液体が入っていた。
理 「4人は天麩羅は食えるか?」
クラ「天麩羅?」
理 「あぁ食ってみるか?」
クラ「うん♪」
クラウンピースが食べたそうなのでとりあえず理久兎はまず秋の味覚の代表のさつまいもを揚げる。するとパチパチと油が跳び跳ねる。
クラ「おぉ~!!」
理 「近づきすぎると危ないぞ♪」
そうして数分もしない内にさつまいもの天麩羅が出来上がるとそれを皿に乗せて渡す。
理 「そこにある汁をつけて食べるかもしくは塩を
降って召し上がれ♪」
そう言われたクラウンピースはとりあえず汁につけて食べるとサクッという音が聞こえる。そして徐々に顔がほころんですごく幸せそうな顔になる。
クラ「凄く美味しい♪」
ヘカ「理久兎さん貴方は天麩羅まで揚げれるのね」
理 「あぁこのぐらいは出来るさ♪ほら食べたいの
があれば揚げてやるぞ♪」
ヘカ「あらなら私は~」
そうして理久兎の料理による晩餐は終わりを迎える。
小町「ふぃ~食った♪」
映姫「ご馳走さまでした理久兎さん」
クラ「凄く満足♪」
ヘカ「えぇとってもね♪」
ゲストの4人は凄く満足したようだ。
亜狛「ご馳走さまでした」
耶狛「うぅ~ん今日は豪華で凄くよかった♪」
黒 「主の飯はいつ食っても旨い」
お燐「満足、満足♪」
お空「ゲップ……」
他のメンバーも満足したのか幸せそうな顔になっていた。
理 「お粗末様ね」
さと「理久兎さん片付け手伝いますね」
理 「おっすまないね♪そうだな~この中で風呂に
行きたいのいる?」
念のためにと風呂に入りたい者がいるかを聞くと……
ヘカ「あっ私は行きたいわ~」
映姫「えっとすいませんが私も………」
へカーティアと映姫が行きたいと宣言した。それに対しての理久兎の指示は、
理 「亜狛は小町とクラウンピースを部屋へと案内
してくれ黒は風呂に入るゲスト用の寝巻きを
用意してくれ耶狛はへカーティアと映姫を風
呂へ案内してくれ」
亜狛「分かりました小町さんクラウンピースさん此
方へ」
クラ「うん♪」
小町「それじゃお先に部屋で少し休みますね」
黒 「俺は寝巻きやら用意してくる」
亜狛に案内されて小町とクラウンピースは食堂から出ていき黒は寝巻きを取りに行った。
耶狛「それじゃ映姫ちゃんにへカーティアちゃんこ
ちらにどうぞ♪」
ヘカ「ちゃんつけって慣れないわね~」
映姫「私もです………」
お空「あっお母さん私とお燐もお風呂に行っていい
かな?」
お空が入って良いかと聞くと耶狛にしては珍しい答えを出した。
耶狛「へカーティアちゃんと映姫ちゃんが良いって
言えば良いけど?」
こんな真面目な答えが返ってきた。耶狛の事だから「入れば良いよ」と言うかと思ったがそしてその話を聞いたへカーティアと映姫は、
ヘカ「私は良いわよん♪」
映姫「私も問題はありませんね」
2人の許しが出ると耶狛は笑顔で、
耶狛「なら入って良いよ♪」
お空「分かった♪」
お燐「ならお言葉に甘えるよ♪とりあえずお空は寝
巻きを持ってこよ♪」
お空「うん♪」
そうしてへカーティアと映姫は耶狛に案内され大浴槽へと向かい、お燐とお空は自分達の寝巻きを取りに自室へと戻っていった。そうしてここ食堂には理久兎と さとりだけが残った。
理 「それじゃ運ぼっか♪」
さと「はい♪」
自分とさとりは協力して数分かけて使った全ての皿や鍋を厨房へと運ぶ。そして全ての皿やらを運び終えると、
理 「俺が洗うから さとりは拭いてもらって良い
かな?」
さと「分かりました理久兎さん」
そうして理久兎は食器を洗いさとりが拭くという作業を始めた。作業をやりながら、
理 「それと今日はありがとうなスケジュールやら
組んでくれて」
さと「いえ…少しでも理久兎さんの役にたち
たかっただけでなので……」
理 「それは俺が恋人だからか?」
と、聞くとさとりは首を横に振って、
さと「おそらく恋人でなくても理久兎さん貴方の助
けが出来るならやっていたと思います………」
理 「そっか‥‥ありがとうなさとり♪」
さと「………そんな改まって言わないでくださいその
恥ずかしいので」
そんな話をしていると全ての作業が終わり食器やらを片付けてようやく後片付けが終わる。
理 「せっかくだからさとりもお風呂に行ってくれ
ば?」
さと「そうですねそうさせて貰いますね♪ならお先
に失礼しますね」
そう言ってさとりは厨房から出ていった。そして1人だけとなると、
理 「さてととりあえずは自室に戻って残りの資料
を片付けるか」
そう言って厨房から出ていき自室へと向かうのだった。