理久兎は風呂から上がり部屋でゆっくりとソファーにくつろぎながら残りのスケジュールを眺めていた。
理 (明日彼岸に送り届けてやっとこの視察も終わ
りか………)
ようやく明日で視察は終わりまた何時もの日常になるなと考えてスケジュール表を明日着る服のポケットに入れる。そしてまたソファーでくつろいで本を眺めながら、
理 「女心か………」
これまでの人生で女心というのは学んではいない。そう言ってしまえば自己中心的のようだが興味を示さなかったがためこれには苦労するなと理久兎は思う。
理 「あぁ~もうしょうがない!一か八かで恋愛小
説で学ぶしかないか」
亜狛と黒に散々と言われて少し悔しくなったのか少しでも学ぶためにまずは昔通りに本から学ぼうと考え部屋を出て図書室へと向かった。図書室へと行くと、とりあえず恋愛小説がないかと本棚を探す。
理 「何処かにないか………」
色々と見てみると2人の精神が入れ替わってそれぞれの生活を学びやがて星空の元で告白する小説だったり王道かのようなファンタジー恋愛小説だったり様々あるが、
理 「………うんやっぱり分からんな」
自分には効果がなさそうな物ばかりだ。すると図書室の扉が開いてさとりが入ってくる。
さと「理久兎さん?」
理 「ん?さとりか………どうしたんだこの夜更けに
図書室なんかに来て?」
因みに今の時刻は夜の1時ぐらいとなっている。小説を読みふけっていたらこんな時刻になってしまった。
さと「本を返しに来たんですが?」
さとりの手には確かに本が握られている。しかも結構な程に分厚い本だ。
さと「そう言う理久兎さんこそどうしてここへ?」
それは女心というものを学びに来たのだ。そうだいっそのことでさとりに聞こうと思った。
理 「アハハ‥‥なぁさとりに聞きたいんだけどさぁ
女心って何?」
さと「…………はぁ?」
突然の事でさとりも首をかしげた。無理もないだろうこんな質問をすれば、
さと「えっとどうしてまた女心なんですか?」
理 「………亜狛と黒に風呂で女心を学んだ方が良い
ってド直球に言われてな……」
さと「と言われても私も言えるような事はあまりあ
りませんがただ………」
理 「ただ?」
さと「恐らくその人が変わった所とかちょっとした
変化に気づけたりとかそういう事ではないで
しょうか?」
それを聞いた自分はさとりに告白される前を振り替える。言われてみると仕草やら自分に対してよく相談されたりしたなぁと。
理 「成る程ねぇ………やっぱりさとりから見ても俺
って女心が分かってないよね?」
さと「正直な話…分かってないですね……」
理 「そうか」(´・ω・`)
さと「ですが理久兎さんが優しい事は理解していま
すよ♪それに私が好きになったのは私だけで
なくこいしにも優しく接してくれてそれでそ
の私にも………」
恥ずかしいのか急に黙ってしまった。
理 「あっうんそんな無理するな」
さと「いえ言わせてもらいます!理久兎さんは朴念
神で女心を分かってなくて私のアプローチを
も型破りしてと散々でしたが!」
理 「うぐっさとりそ…それ以上は……」
さと「ですがそれでも何時も皆や私を気にかけてく
れてそして優しくてそれでありのままの私を
認めくれてそんな所が好きになったんですよ
理久兎さ………理久兎さん?」
理 (;ー∀ー)
さとりはようやく理久兎を見るが理久兎は遠い目をしていた。先程のマイナス部分がグサリと来たのかライフが0を越えてマイナスに行きそうだ。
さと「ちょっと理久兎さん!」
理 「はっ!あっあぁその何だ悪かったなアプロー
チに気づかなくてよ………それとこれから少し
ずつでも気づけれるよう に努力はしてみる
からさ」
さと「そうして下さい」
少しさとりはムスッとしていた。今、思い出すと少しイラッとしてきているようだ。
理 「ハハハ……まぁだけど…」
さと「えっ?‥‥えっ!?」
バサッ!
さとりの持っている本が落ちる。さとりを少し倒して腕で倒れそうなさとりを支えて顔を近づけると、
理 「でもなさとりから言ってくれたから今こうし
て恋人になったんだ♪」
段々とさとりの顔が赤くなっていく。予想外な行動過ぎて恥ずかしいのか嬉しいのか自分から見てもどっちなのかが分からない。だが2つとも当てはまるとも思った。
さと「りりりりり理久兎さん!?そそんな事をこん
な体制でいっ言わないで下さい!!?」
理 「ははっごめんな♪」
そう言い理久兎はさとりの体制を戻すと落ちた本を拾ってさとりに渡す。
理 「でも言った事は事実だよ♪」
さと「………本当にやることが突然で何時も驚かされ
てばかりですね」
ポーカーフェイスを心がけようとしているのが分かるがまだ顔は赤い。
理 「たまにはこういうのも良いだろ?」
さと「確かにそうかもですね………!」
理 「ん?さと………!!」
突然の行動だった。さとりは自分のシャツを思いっきり引き寄せて自身の口に口付けをした。それが数秒続くとさとりから離して、
さと「これでお相子ですよ♪」
そう言っている最中、自分は唇に人差し指を触れ何が起こったのかようやく理解すると、
理 「………まさか俺がびっくりさせられるとはなぁ
さとりに1本取られたな♪」
さと「ふふっ♪」
と、2人はいいムードとなっている一方で図書室の扉の前では、
ヘカ「あらあら随分とまぁ♪」
耶狛「見てて楽しいでしょ♪」
耶狛とへカーティアが楽しそうにその光景を眺めているのを理久兎とさとりは知るよしもなかったのだった。
理 「さてとあんまりイチャつくのも粗相があるか
らな」
さと「やってきたのは理久兎さんからでしょ?」
理 「あっあぁ………」
と、言ったその時だった。
グラ…ガタガタガタガタ!!
理 「ん?地震か!」
大きな揺れが辺りを襲う。さとりも身震いしていた。
理 「大丈夫かさとり!」
さと「はっはい………!」
そうして数秒が経つと地震は収まった。
理 「何だったんだ?」
さと「明らかに地底が震源ではないですよね?」
さとりの言う通りもし地底が震源なら地霊殿はもれなく倒壊する。だが窓ガラスも幸いな事に割れてはいなかった。
理 「何か地上で起きているのか?」
さと「理久兎さんひとまず今日は寝ましょう」
理 「あぁさとりも気を付けろよ」
さと「はい」
自分とさとりはそれぞれの自室へと帰りこの光景を見ていた2人もこっそりと帰るのだった。