何時ものように理久兔は厨房で料理を作りそして皆に食事をさせたのだが何時と違うのはさとりが浮かない顔をしていた事ぐらいだ。ポーカーフェイスをしようとする彼女の表情は読みにくいが段々と理久兔も慣れてきたのか大体は分かる。亜狛達との会話を聞いてから浮かない顔をし始めたのも、
こい「お姉ちゃん理久兔お兄ちゃんの料理はやっぱ
り美味しいね♪」
さと「…………………………」
こい「お姉ちゃん?」
さと「えっ?えぇそうね……」
理 「やっぱり浮かない顔してるな」
そう思いつつ理久兔は食事を終えると共に皆も食事を終えてそれぞれ食器を厨房に運んでいき最後の皿洗いを終わらせる。
理 「さてと…まぁ行ってみますかね……」
一言呟いた理久兔は厨房から出てさとりの部屋へと向かった。部屋の扉の前につくととりあえずは3回ノックする。
コン…コン…コン…
と、静かな廊下に扉をノックする音が響く。すると扉の奥から歩いてきてガチャと扉を開ける。
さと「理久兔さん……?」
理 「よっ♪お邪魔してもいい?」
さと「どっどうぞ……」
部屋へと案内された理久兔はソファーへと腰かけると向かいのベッドにさとりも腰かける。
さと「珍しいですね理久兔さんどうしてここへ?」
理 「あぁ~うん何かさとりの顔が浮かない顔色し
てたら少し心配になってな」
さと「………………そうですか」
と、何でか無表情だ。数日前までクスクスと笑っていた顔やらは何処にいったのやら
理 「なぁさとり……」
さと「理久兔さん貴方はもし秘密が暴かれたなら地
上へ行ってしまうんですよね」
無表情のままさとりは何故か仄暗い空から更に暗くなった地底を眺めながらそう言う。
理 「いやちょっ……」
さと「良いんですそうなっても寂しくはありません
から……」
理 「さとり…まさかお前さん泣いて……」
さと「泣いてません!!」
叫ぶかのようにさとりはそう言う。だが部屋の光で窓ガラスが鏡のように反射しているためさとりの目から滴のようなものが見えた。
理 「だからさとり………」
さと「もし地上に住んでしまったとしても‥‥私に会
いにきてくれれ……」
理 「だから~話を聞けって!」
さと「えっ?」
理久兔の声を聞いたさとりが振り返ろうとした時、そっと後ろから優しく抱き締められる。
さと「えっえ……」
理 「やっぱり泣いてるんじゃねぇか」
さと「っ……!!泣いてなんか!」
理 「それと俺が何時、地上に戻るとか住むとか言
ったんだ?」
さと「……………えっ?」
そう前回、理久兔は耶狛からの質問を答える前にさとりが来たため返答をしてはいない。つまり戻るとも住むとも言ってはいない。
理 「しかも昔に言ったよな?ここ地底も落ち着く
って言っとくが俺の選択肢に地上に移り住む
とかはない行っても観光ぐらいだよ」
さと「それじゃまさか私の………」
理 「滅茶苦茶な早とちりってやつだ」
さと「えっ…えぇ……」
目の前の窓ガラスを確認するとさとりの顔が変化しているのに気がついた。涙やらは消えたが顔が真っ赤に赤くなっていた。
理 「はぁ………覚妖怪の本質的に心を見て手の内を
明かした会話が基本だから難しいとは思うけ
どそういうのはしっかりと確認してから言お
うな?」
さと「ご…ごめんなさい……」
顔を紅くしてさとりはうつ向く。それを見ていた理久兔は優しく微笑みながら、
理 「落ち着いたか?」
さと「えぇ…ありがとうございます理久兔さん」
理 「そうか♪」
さとりから抱きつくのを止めようとした瞬間、自分の手をギュッとさとりが握ってくる。
さと「もう少しこのままでも良いですか……」
理 「構わないよ♪」
自分とさとりはこの状態を維持すること数分後、
さと「理久兔さんもう良いですよ♪」
理 「ん……なら良し」
そう言いさとりから離れるとさとりは理久兔の方向を振り向く。表情が何時ものさとりに戻った。
さと「そういえば理久兔さんお風呂は?」
理 「まだ入浴してないな……」
さと「そうですか……り…理久兔さんもしよろしけれ
ば…その……い…いい……一緒にはっ入っても」
言葉がどもりつつ必死に言ってくる。それを目の前で見て聞いていた理久兔は、
理 「良いよ♪前みたいに入ろっか♪」
さと「はい♪」
顔を赤くしつつさとりはそう答えるのだった。だが理久兔はタンスの隣にある小さな穴の先を見逃してはいなかった。そう、さとりの部屋の隣ではというと、
黒 「何とか纏まったみたいだな……」
こい「みたいだね♪これが雨降って地固まるって事
だよね♪」
気づかれないような所に小さな穴を開けてその光景を見て黒とこいしは楽しんでいた。しかもその2人だけではなく……
耶狛「おぉ~おぉ~さとりちゃんってば大胆♪」
こい「ムードに流されて結構チョロいよねお姉ちゃ
んってば♪」
耶狛「お兄ちゃんは恋はしないの?」
亜狛「ん?俺はしないよ♪それにね俺じゃ誰とも付
き合わないよ付き合うのは精々耶狛ぐらいだ
よね」
耶狛「も~お兄ちゃんってば♪」
黒 「ブラコン&シスコンめ………」
こんな2人の光景を見ていて黒もそう言わざる得ない。
耶狛「今どんな感じかな~?」
そう言い耶狛がその穴を覗いた時、異変に気がついた。先程まで見えていた穴から先が真っ暗で見えないのだ。
耶狛「ありゃ?」
耶狛が呟いた次の瞬間だった。
グサッ!!
耶狛「ギャー~ー!!目が!目が!!」
いきなり覗き穴から指が出てきて耶狛の眼球にクリティカルした。
亜狛「大丈夫か耶狛!」
黒 「………いやな予感が………………」
さと「貴方達…………」
黒達は声の方向を見るとそこには目は笑ってはいないが笑顔のさとりが扉の前に立っていた。そして穴の先のさとりの部屋からは、
理 「お前ら俺が気づいてないと思ったか?」
亜狛「まっマスター!?」
黒 「ちっバレてやがったか!」
理 「今からそっちに行くよ♪覗きの覚悟はしてお
けよ?」
それを聞いた黒と亜狛と耶狛はみるみると顔が真っ青になっていく。だが3人は気づいた。もうこいしがいない事に……
亜狛「黒さんこいしさんがもういません!」
黒 「彼奴、自分だけ逃げやがった!」
耶狛「ずるいこいしちゃん!」
3人がそう言った時、廊下から、
こい「きゃっ!!」
理 「こいしちゃん逃げちゃダメだよ♪」
と、声が聞こえてきた。どうやらこいしも確保されたようだ。そしてさとりの後ろにこいしの服を掴んで持ち上げている理久兔が真っ黒な笑顔で現れた。
こい「逃げれなかった………テヘッ☆」
こいしは理久兔に掴まれながら舌を出してテヘペロしていた。
理 「さてとお前らケジメつけるよな♪」
さと「存分に楽しんでくださいね♪それとこいし貴
女にもお話があるからそのつもりでね♪」
全員 /(^o^)\
その数分後、数時間地霊殿で男女の断末魔の悲鳴が聞こえたそうだがこいしだけはさとりのお説教を2時間程、聞かされるのだった。