デートから数日の事、理久兎は久々に刀の手入れをしなければと思い黒椿を取り出して手入れをしていた。
理 「う~んやっぱり本の中に入れてるから錆びな
いし曇りもいっさいないな」
まだ活火山だった富士の時代にその頂上の何ぜん度という火口で鍛えただけあって歯こぼれをせずそして断罪神書に容れているお陰で錆びてもいない。
理 「やっぱり刀の刀身を見ると本当にこの黒光が
妖しさを生んで美しく見えるなぁ~」
細い刀身からなる反り更に部屋の光に当てられて黒く光るため不思議な妖艶さを押し出す。
理 「あぁ~空紅も手入れしてぇな………」
西行妖の封印のために媒体となった黒椿の姉妹刀の一刀に思いを寄せる。二刀流でやるなら軽い黒椿は左手で扱い、ちょっと重い空紅は右手で使うというのが本来の理久兔流二刀剣術だが今は黒椿1本しかなく一刀流で戦わなければいけないため今でも残念な気持ちになっていた。
理 「空紅の代わりなんてあるわけねぇよな」
昔に代わりとなる刀を探したがやはり見つからず作ろうとも思ったが過去にあった鉱石の殆どは夢だったかのように消えてしまっているため作りたくても作れないそんな状態だ。
理 「………今は考えるのはやめて黒椿の手入れをし
ないとな……」
そんなこんなで黒椿の手入れが終わり断罪神書に黒椿を戻してソファーに寝転がる。
理 「………本でも読もつかな」
数日前、さとりとのデートの際に買った「裏切りの悪魔達」という小説を読む。そんな感じで時間を費やすこと1時間後……
理 「………何でか分からんがこの小説の少女好奇心
旺盛な所とかおふくろそっくりなような気が
するんだよなぁ……」
小説を読み終えてそんな感想を述べた。自身の母親は恥ずかしながら好奇心旺盛でまるで永遠の3歳児とまで言われる犬と同様な母親だ。そのためかやけに似ていると思ってしまう。
理 「……これはもう気にしたら負けだな…」
呟いて机の引き出しに本を入れる。だがまたこれで暇になってしまった。
理 「暇だなぁ……」
何て言っていると、
コンコンコン
と、扉からノックの音が聞こえると同時にガチャリと音を立てて黒が入ってくる。
黒 「主よ入るぞ」
理 「どうぞ………しかし珍しいな黒が入ってくる何
てどうかしたか?」
あまり部屋に来ない黒にそう言うと黒は、
黒 「それは余計だ………で用件なんだが」
黒は胸元から自身の愛用の伊達眼鏡を取り出す。しかしその眼鏡のつると言われる眼鏡を支えるパーツが曲がっていて右レンズにはヒビが入っていた。
理 「ありゃ眼鏡壊れたんだ」
黒 「あぁどうやら寝相で壊したみたいでな」
その言葉から恐らくうっかりベッド枕元に置いてぶっ壊したのだろうと思った。
理 「まったく………代えのパーツあったかな?」
宝石加工等の細かい作業に使うの工具箱を取り出して代えのパーツを探す。ちょうど良いことにレンズ、つる両方ともにあった。
理 「何とかなるか黒それ頂戴」
黒 「あっあぁ………」
黒から壊れた眼鏡を受けとると工具を利用して壊れた部分を取り外し直していく。
黒 「そっそんな早く直せるのかよ!?」
そんな事を言っているうちに黒の眼鏡は修復された。
理 「ほらつけてみてよ」
黒 「………前と変わらずのフィット感だな!」
修復された眼鏡は気に入ったようだ。工具箱に道具を戻して工具箱も片付ける。
理 「お気に召したなら何よりだな」
黒 「しかし主は手先が本当に器用だよなぁ」
理 「まぁ長生きしてれば誰だって上手くなるさ」
黒 「ふむ………しかしこう何かをしてもらってお礼
するための物というかサービスが考えれない
のは悲しいな」
どうやらお礼をしたいようだが何をどうすれば良いのか黒は思い付かないようだ。
理 「別にこんな趣味でやってることだ気にする事
はないよ」
黒 「しかしなぁ‥‥そういえば確か昔に亜狛と耶狛
に聞いたが主は本来は二刀流なんだよな?」
理 「まぁそうだね………もう1本の愛刀は現在ない
んだけどね」
黒 「そうか‥‥なら決まったな」
そう言うと黒は自身の指に生える人差し指の爪を1枚剥がし再生させて、
黒 「刀………こんな感じか!」
するとどうだろうか先程まで爪だったのが1本の刀に早変わりだ。
理 「へぇ振ってもオーケー?」
黒 「あぁ構わんぞ」
黒に刀を渡されその刀を何回か振るう。そして振るうのを止めて刀身を眺めると、
理 「うん黒ちょっとこの刀を持って構えて」
黒 「?……分かった」
刀身を持って構えると断罪神書から黒椿を取り出す。
理 「何回か打つからガードをしろよ?」
黒 「?………まさか!」
理 「そのまさかだ!!」
黒椿を黒へと振るう。その攻撃を黒は自身が作った刀で全て受け流す。
キンッ!ギンッ!ガキンッ!
と、音が部屋に響く。そして数回程斬ると、
理 「うん合格それ貰うよ」
黒 「主よ本当に怖いぞ!しかも刀を大道芸のよう
に回したりするから余計に分かりにくいしで
嫌がらせか!?」
理 「嫌がらせではないよ?あれが俺の剣術だから
ね♪」
理久兎の使う剣術はもはや剣術ではなく剣舞もしくは大道芸が正しいのかもしれない。
理 「でもそれなり固いね黒椿の猛攻を耐えれるん
だもん」
空紅と黒椿どちらが固く切れ味が良いのかと言うと黒椿が断然的に強い。空紅は焼き斬るという目的で作られた刀なのでそんなに切れ味にはこだわってはいないが黒椿は固さと軽さ最後に切れ味それらにこだわっているためその刀の猛攻を耐え抜いたのは本当に凄いことなのだ。
黒 「俺の爪だからな」
そう言いながら黒は刀を渡してくれる。それを断罪神書に黒椿と共に収納した。
理 「ありがとうね黒♪」
黒 「あぁ気にすんなよ主よちょっとしたお礼だ」
そうして理久兔は空紅の代用の刀である龍刀(影爪)を手に入れたのだった。