こいしからの友達紹介の後、理久兎は仕事を終わらせ、さとりと共に本を読みふけっていた。
理 「うぅーーーん!!」
肩をグー~と伸ばして本を閉じる。机に向かっていたさとりも丁度本を読み終えたのか眼鏡を外した。
理 「どうさとりそっちの本の感想は?」
さとりの読んでいた本の感想を聞くと、
さと「そうですねこの小説の犯人がまさか意外な人
物だったというのが驚きでしたね………」
ジャンルとして一番に読むのはやはり推理物だ。次に心理系統の本と知能的な本ばかりだ。
さと「そういう理久兎さんこそその小説はどうでし
た?」
理 「あぁ~これね結構鬱になるかもしれないな主
人公は犬なんだけどその犬が虐待を受けて餓
死するんだけど最終的に飼い主が犬の首を切
り落としてその怨念で犬が蘇って飼い主に復
讐するっていう話だな」
さと「動物を虐待するのは本当に許せませんね」
理 「それはもっともだまぁ俺からすれば弱い人間
も同じだからな」
理由もなく当て付けで非道な事をするやつに対しては無慈悲に鉄槌を与えるのが世の末だ。だが弱いという単語であることを思いだした。
理 「あっ弱いっていえばあれ飲んだ奴はいるのか
な?」
さと「あれって何ですか?」
理 「あぁ昔にな………」
理久兎は語りだす。まだ地球が出来て間もない話を……今から数億年程昔まだ月の住人が地上にいて理久兎が当時、月で教官をしていた頃のお話を。
諜報「ギャフンっ!?」
諜報「グビレスカル!!」
理 「たく毎度毎度と懲りない奴らだ」
古代都市 八意見永琳宅で忍び込んだ諜報員達を相手にしていた。大方は九頭竜王の使いだろうと推測できた。
理 「はぁまったく後片付けする俺の身になって欲
しいぜ………」
そう言いながら永琳作「記憶消し」を飲ませて近くにあるゴミ捨て場へと捨てて家へと帰る。
理 「まったく幾ら永琳を失脚させたいからってそ
こまでするかねぇ本当に権力が大切と言い張
る奴の気持ちがよく分からねぇや……」
この当時から権力や策略だけでは誰もついては来ないと思っていた。だからこそ前線で先導する先導者が必要と考えていた時代だ。こういう風に考えていたからこそ先の未来で総大将をやってこれたのだろう。
理 「そういえば今日永琳が帰ってくるの早かった
な‥‥折角だし料理でも作って待とうかな♪」
そうして理久兎は厨房へと料理を作る。作るのだが、
理 「えっえ~と筑前煮って何が必要なんだっけ?
えっと確かとろみ付けで片栗粉は入れたよな
‥‥それで確か高麗人参と油揚げも入れそれと
あぁ!マンドラゴラやらも入ってたよな!」
そうしていき料理が出来る。出来るのだが目に見えるほどの真っ黒の瘴気が漂っている。しかも、
理 「スンスン…バクソレン!!!」
あまりも絶望的な激臭に鼻がまがる。
理 「だっ大丈夫!味が良ければ!」
そう言い料理を一口だ。一口だけ食べた。この時、理久兎は食べるんじゃなかったと一生の後悔をすることとなる。
理 「…………………………………………キャハ!」
バタンッ!!
あまりの世紀末過ぎる味に気絶してしまったのだった。だがそれだけじゃない。
ジュー…………
何と盛り付けに使った皿が筑前煮?のせいで溶けていてしかもテーブルまで溶かすとい大惨事が起き更に激臭が辺りに充満して部屋全体が大変な事となったのだった。そしてそこからその数時間後、
永琳「ただいま理千………何?このアンモニアみたい
な鼻につく激臭は?」
帰ってきた永琳は臭いをたどり厨房へと着くととんでもない光景を目にする。それは厨房で理久兎が倒れている光景だった。
永琳「嘘っ理千!!」
その後、永琳の看病のもと回復し滅茶苦茶怒られたのだった。それらをさとりに話し終える。
理 「何て話もあったんだよ♪」
さと「………今の料理を食べてる身としてはとても信
じられませんね」
理 「アハハハそうだろ♪いや~まじで永琳が薬に
詳しくなかったらポックリ逝って最悪は古代
都市の恥ずかしい死因として記録される所だ
ったよ………」
今では笑い話だが当時は本当に死にかけたのだ。それから料理を必死に覚えて今の状態となったわけだ。
さと「本当に信じられませんねそれでさっきの弱い
とか飲んだというとどう関係が?」
理 「ん?あぁ…あれね……それはね」
また話しは振り返り理久兎が作った
理 「………よし!前の筑前煮は失敗したけど擂り鉢
でジュースを作るぐらいならいけるよなうん
絶対にいける!」
何処からその自信が来るのかが分からないが最早フラグは建ってしまったであろう。
理 「え~と特産品の桃を入れてそれで後はそうだ
塩を入れ……あっヤベ入れすぎたさっ砂糖…あ
っこれもも入れ過ぎたけど大丈夫かなよし続
けよう!」
と、どんどんと入れてはならないような物が入っていく。やがてそれでジュースを作るが、
理 「うん!明らかにヤバイ♪」
見ていておぞましい色合いをしていた。絶対に飲んではいけないものだと判断してしまった。
理 「勝手に処理すると怒られるしな何処か適当な
………あっそうだこの高価そうな土器のビンに
入れておこう」
擂り鉢から高価そうな土器のビンに入れて蓋をして開けないようにと紙を1枚ペタリの張り付ける。
理 「よし!そうだもし誰か飲んだ時のために後ろ
にと………」
土器のビンの底に文字を書く。内容は、
これを飲んだ者へどうだ?俺の特製ジュースの味は旨いか?まぁまずいだろうなバーカ(笑) 理千より
と、今思うと明らかに悪意しか感じられない文字を刻み込む。
理 「後はこれを永琳に見つからないように何処か
に隠しておこう」
そうしてその土器のビンは物置へと隠したのだった。そこまでの話を聞いてさとりは、
さと「それで何が言いたいんですか?」
理 「まぁ…若い頃は誰でも弱く未熟ということだ
よしっかりと努力を重ねれば料理だって上手
くなるって事さ♪」
さと「………これで犠牲者が出たとなったら笑い話に
はなりませんね」
理 「まぁ犠牲者になるのは精々とんだバカだろう
な♪」
さと「まったく………そろそろ夕食の支度をしなくて
良いんですか?」
そういわれ時計を見るともう5時を回っていた。
理 「それもそうだね」
さと「理久兎さん手伝いしますよ♪」
理 「なら一緒にやろうか♪」
さと「はい♪」
そうして理久兎とさとりは今晩の献立を考えつつ料理を作るのだった。