理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第272話 積乱雲が鳴りし無縁塚

暗い地底の通路。よろず屋である買い物を済ませた理久兎はふわふわとエアビデで飛んでいた。

 

理 「さてと小町を見つけたらどう料理してやろう

   かなぁ」

 

まずは小町を見つけて取り締まるため地底の入り口へと理久兔は向かっていた。そして数分後地底の入り口へとたどり着く。

 

理 「おっす2人共♪」

 

入り口近くで岩に座って楽しく会話をしているヤマメとキスメに声をかける。

 

黒谷「ありゃ理久兔さんか珍しい」

 

キス (・_・?)?

 

亜狛の能力であまりここには来ないため珍しいのだろう。

 

理 「アハハちょっと旧都で買い物をな♪」

 

そう言いながら飛ぶのを止めて降り、よろず屋で買った物を見せる。それは木で出来た人形の板だった。

 

黒谷「それ何に使うんだい?」

 

理 「まぁ能力の代償を抑制するためかな♪」

 

自身の能力の1つである『理を司り扱う程度の能力』聞いているだけでも強そうだが色々と理つまりルールを作るには代償がいる。時には髪の毛、時には血、また時には心臓だったりと作る理によって代償は様々だ。だがこの人形1体で理久兎8分の1となる。つまり自身の能力による身代わり人形になってくれるという便利なアイテムなのだ。

 

黒谷「へぇ~あれ?でも確かそれあまり売れない割

   に高かったような?」

 

理 「あぁ~1枚5万ぐらいしたなぁ?それをざっ

   と30枚は買ったから……」

 

キス( ; ゜Д゜)

 

キスメは小さな指を折り曲げて数を数え始めた。因みに総額150万。現代なら軽自動車なら何とか買えるお値段だ。

 

黒谷「そんな大金よくあったねぇ!?」

 

キス コクコク……

 

ヤマメは驚いたような声で言いキスメは驚きながら頷く。

 

理 「まぁ地獄の役職って現代で言う公務員みたい

   なもんだからなぁそれに基本給料は使わずに

   貯金してるから使わないしねぇ」

 

安定収入だが金を使わないため貯まっていく一方だ。ならこういう時ぐらいパ~と使いたいというのもあるが変に死亡フラグを建築されまくったため買わなければ死にそうで仕方ないのだ。

 

黒谷「まぁそこは理久兎さんの勝手だけど………あっ

   いけない勇儀の姉御に飲みに誘われてたんだ

   った!」

 

キス「!!?」

 

どうやらキスメもお呼ばれされているのかあたふたし始めた。

 

理 「あっ悪い先に行きな」

 

黒谷「あっうん理久兎さんもお気を付けて!」

 

キス (>_<)/~~

 

2人は慌てながら地底へと潜って行った。そして1人残った理久兎は2人を見送ると、

 

理 「さてとさっさと行きますかねエアビデ」

 

呟き理久兎は地上へと出て上空へと昇る。

 

理 「おいおい何じゃこりゃ」

 

上から見てみると結構すごい光景となっていた。ある所では蒼天の空に雪が降りなりまたある所では滅茶苦茶晴れていたりと天候が可笑しすぎる。

 

理 「本当に幻想郷は暇しないよな」

 

そう呟きまずは適当に探すことにした。そうして移動しまずは魔法の森を探索する。

 

理 「ここは霧雨と雹?」

 

天候的に霧のような雨が降りそこに混じって雹が降る。フードを被ってるとはいえど結構痛い。

 

理 「本当におかしな天気だな……」

 

等と呟き探しているとまた懐かしい場所に来た。そこはアリス・マーガドロイドの家だ。

 

理 「ありゃ?アリス宅に着いてしまったって………

   おわっ!」

 

上から突然弾幕が降ってくる。上を見てみると黒のお気に入りである霧雨魔理沙とアリス・マーガドロイドが弾幕ごっこをしていた。

 

理 「頑張れ~」

 

今は最優先するべきは小町を探すのが先と思い2人は無視して先へと進む。そうして進んでいくと幻想郷の共同墓地ともいえる無縁塚にたどり着いた。だが、

 

理 「霧が多い気がするのは気のせいだろうか」

 

時々、来る身だが自棄に今日は霧が多い気がする。そのせいかジメッとしている。しかし異変中なら仕方ないだろうと重い気にするのを止めて、

 

理 「……何時もお燐がお世話になってます」

 

手を合わせて合唱を数秒する。ここに埋められるのは里の人間達と思うかもしれないがそうではない。ここに埋められるのは無縁塚というだけあり親族やらと無縁の人達。もっと言えば外の世界から来た者達、悪い言い方をすれば妖怪達の食料や幻想郷に来て事故で死んでしまった人間達が埋められる。そして埋められた死体をお燐が回収するためお世話になっているのだ。そうして辺りをキョロキョロと見渡してあると、

 

理 「………見つけた」

 

桜の木の下で1人気持ち良さそうに葉を咥えて寝ている死神が1人いた。お分かりいただけるようにサボりを極めた死神の小町だ。

 

理 「………とうとうこんな所でサボるようになった

   か」

 

そう呟き理久兔は寝ている小町の前まで来ると数本の髪の毛を少しむしり空へと投げると髪の毛は燃えて消える。そして少し喉に手を当てて

 

理 「ルールを制定する10秒間の間だけ俺の声は

   四季映姫の声になる」

   

と、呟くと映姫とそっくりの声になるように調整する。そして、

 

理 「小町見つけましたよ!貴女こんな所で何をサ

   ボっているのですか!!」

 

と、映姫そっくりの大声で叫ぶと小町は飛び起きた。

 

小町「きゃん!!」

 

ゴチンッ!!

 

理 「ぷっ……」

 

しかも見事に寝ている所から落下して偶然あった石に頭をぶつけてた。それは少し笑いそうになるが堪える。

 

小町「痛っ!いててはっ!ささサボってないですよ

   映姫さ……ま?」

 

自分を見て小町はキョトンとする。まだ状況が読み取れていないようだ。そうして10秒経過し元の声に戻る。

 

理 「残念だったな映姫ちゃんじゃなくてさ俺だよ

   小町♪」

 

小町「りりりりりり理久んんぅっ!?」

 

誰かに自分の名前を聞かれないようにするため小町の口に手を当てて声を圧し殺させた。ただでさえ魔法の森で弾幕ごっこを繰り広げている奴がいるんだ。聞かれたら大変な事になる。

 

理 「小町ちゃん静かに喋れ決して俺の名前を大き

   く叫ぶな‥‥いいな?」

 

小町は首を縦に数回程の振るのを確認すると手を離す。

 

理 「そんで小町ちゃん言い訳を聞こうか?」

 

小町「げぇっ!!?」

 

苦しい顔をすると小町は直ぐ様日本独自の構えともいえる土下座をして、

 

小町「あの本当に映姫様に言うのだけは勘弁して下

   さい!!」

 

理 「うん♪」

 

小町「えっ♪」

 

理 「もう知られてるから俺がいるんだよ♪」

 

一瞬嬉しそうな顔をするがまた半泣きしそうな顔になった。本当に反応が面白い。

 

小町「最悪だよねぇそれ!?救済も何にもないじゃ

   ないかい!?」

 

自業自得なのに何を言っているだと思ってしまう。だがさっきの反応が面白かったのでそのご褒美もかねて唯一の救済処置をする事にした。

 

理 「ならさ小町ちゃん唯一1つだけお前が説教を

   受けても軽くなる方法があるけどやる?」

 

小町「どっどんなことだい!」

 

もう必死である。やはり3時間以上耐久説教コースは嫌なのだろう。

 

理 「なぁ~に簡単だよ実力で勝ち取れって言えば

   分かるよね?」

 

小町「つまり弾幕ごっこで理久兔さんに勝てと?」

 

理 「あぁそう言う事だよ勝てたなら映姫に頼んで

   説教を軽くしてやろう‥‥挑むか?」

 

少し小町は考えると思った。だがすぐに小町は意を決した表情で、

 

小町「理久兔さん貴方に勝ってあげようじゃないか

   そして説教から逃げててやる!」

 

大鎌を構える。どうやら覚悟を決めたようだ。それほど説教は嫌なんだと感じた。

 

理 「そうか‥‥ならば来るがいい!そして挑め!」

 

と、言った時だ。突然空が積乱雲で覆われ音が鳴り響く。戦いの始まりを告げるかのように、

 

小町「行くよ!!」

 

理 「こい!」

 

そうして無縁塚で理久兔と小町による弾幕ごっこが開始されたのだった。


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