小町を制裁した後、とりあえずはどうするかと悩みながら空を飛びつつ考えていた。
理 「この異変の元凶は何処にいるか‥‥てかさっき
から積乱雲がうるせぇな!」
空を飛んでいるせいか分からないが積乱雲がゴロゴロと音を立ててている。そのせいでうるさいしで考えもあまりまとまらない。だがそれが結果として良い案となったのだ。
理 「………待てよ小町の時といい天気がこんなにも
可笑しいそして俺も地上に出てからそうだ」
音が鳴る積乱雲を見ながら考えた。すると、
断罪!断罪!断罪!判決を言い渡す!
と、また断罪神書からアラームが鳴り出す。断罪神書を広げるとそこから映姫の顔が3Dで写りだす。
映姫「理久兎さん何か分かりましたか?」
理 「あぁ~その前に小町の件だがこっちでお仕置
きしておいたから説教は軽くで許してやって
くれよ」
と、お仕置きした事を話すと映姫は頭を抱える。
映姫「まぁ貴方がそう言うなら………それで調査の方
で何か進展はありましたか?」
理 「あぁ今回の異変は大方は天気が関係している
っぽいんだが何か分かるか?」
映姫「天気ですか………確か天気を操作すると言われ
る剣が天界にあったような気がするんですよ
ね………?」
理 「天界…天人……あっそうか緋想の剣か!」
はるか昔に聞いた話を思い出した。空の遥か先には天界という楽園がありそこでは天界の住人達が歌を作り歌を読み酒を飲み交わすというそんな話だ。だが天界というだけで犯人は天界にいないのではと思うが根拠となる証拠それは緋想の剣と呼ばれるものだ。
理 「緋想の剣………恐らくあの剣から出た気質の影
響と考えると誰かが悪用したってのが辻褄が
合うかな」
映姫「確かにその推測は当てはまっているかもしれ
ませんね」
天界には伝説の剣の緋想の剣という神器があるという話も聞いたことがあった。天界に住む天人のみが扱うことを許された緋想の剣は対峙した相手の気質を天気として明確に表しそれを元に相手の弱点となる気質を纏うことであらゆる弱点をつくことが出来るとまで言われる結構チート武器だ。
映姫「理久兎さん天人が相手となると此方ではあま
り手の打ちようがないのですが………」
ここだけの話だが寿命を迎えると普通は死神がお迎えに来て小町達のような船頭が送るのだが天人や仙人は何とそのお迎えの死神達をボコボコにして追い返すというアグレッシブな方法で寿命を伸ばす。故に死神や地獄の者達とは仲が本当に悪いのだ。
理 「まぁいいよ後は俺らで対処するよ♪報酬は振
り込んでおいてよ?」
映姫「分かりましたでは理久兎さんに今回の件は一
任せしますそれでは………」
そう言い映姫は通信を切り3Dの映姫の顔は消える。そして断罪神書をしまうと、
理 「………さてとこんな事をした馬鹿天人には制裁
鉄拳を食らわせる他はないな」
そう言うとある構えを取る。そして唱えた。
理 「仙術 一式 龍我天昇」
黒コートの背中から翼が現れコートの足元からは長い尾が生えフードで隠れた頭には龍角が現れる。
理 「さぁ行きますか!」
龍翼を羽ばたかせて遥か天の先まで飛翔して積乱雲へと潜った。積乱雲の中は見事なまでに大嵐といってもいいぐらいに雷が鳴り響き風は肌を叩きつける。
理 「後少し!」
段々と光が見えそのまま直進する。そして光の先へとたどり着いた。
理 「ここが天界か」
雲と大地が融合したかのような地形で川も流れ植物も咲き正に戦乱時代を生きた者であるならば平穏に暮らすことが出来る楽園であろう。
理 「ここま来ればこれも必要はないか」
地面に立つと翼、尾、角をしまい乱れた服を整える。
理 「さてとまずはその愚者を探すか」
そうして災害をもたらした犯人を探すため天界を歩き出した。そうして暫く歩いていて思ったことは、
理 「水は分かるんだが何でか桃しかないな」
川はあるが魚はいない。そして他に何があるかと言われると何故か桃の木しか浮かばないというぐらい大量に桃の木が自生し桃が実っている。これだけ桃があると桃太郎侍も食い飽きるレベルだろうと思ってしまう。
理 「折角だからご賞味してみるかな」
桃の木から桃を1つ採りかじりつく。するとどうだろうか、
理 「旨いなこれ地上で売れば高値で売れても可笑
しくはないレベルだな………」
桃はこれまで何回も食べてきているが美味しい桃はかつての古代都市の桃が1番だったが天界の桃は古代都市の桃と同格のレベルで美味しいのだ。しかもそれだけじゃない。
理 「ん?何でだろうな自棄にあの活力がみなぎっ
て来るな♪」
若い頃の活力というか血気というかそんな力がみなぎってくる。とても心地が良い。
理 「これなら後で土産で持ってくかな♪」
そう呟きつつ桃をかぶりつきながら歩いていると、
? 「アハハハハハハハハハ♪」
と、誰かの笑い声が聞こえてくる。しかも何処かで聞いたことのある声だ。
理 「………無闇な接触は避けたいがまぁ確認なら良
いか」
高笑いする方へと進み草むらから顔を覗かせるとそこにいたのは意外な奴だった。
萃香「アハハハ♪ゴクゴクぷはぁ~♪」
まさかの旧知の仲である萃香だ。てっきり天人が酔っ払って高笑いをしているかと思ったら予想を斜めに通り越した。
理 「あれ!可笑しいなここは幻想郷じゃ‥‥ないよ
な?」
これには流石に目を疑って目を擦ってもう一度見ると、
萃香「ん?」
理 「ん?」
何時から目の前にいたのか萃香と目があった。そして、
萃香「お前はあん時の!」
理 「だぁ~ーー!?お前は何時からそこにいたん
だよ!?」
びっくりしてしまいすぐさま後ろへと下がると、
萃香「どうしてお前がこんな場所にいるんだい?」
と、萃香は聞いてきた。しかも警戒しているのか何時でも殴れるように手を握りしめ拳まで作っていた。そして聞かれたことにし対して答えた。
理 「俺がここに来た理由は簡単だちょっとした依
頼で愚者に鉄拳制裁を与えに来ただけさだか
ら伊吹萃香キミには用はないよ」
萃香「ふぅ~ん………まぁ君は用がなくても私は用が
あるんだよね!!」
腕を掲げそこいらに落ちている岩を萃め巨大な岩の塊を作ると自分に向かって不意打ちかのように投擲してきた。
ジャキン!
萃香の投げ飛ばした岩石をすぐさま新刀の龍刀を出し真っ二つに割る。
理 「龍刀一閃ってな」
萃香「ずっと思うんだんけどお前は幾つ武器を持っ
ているんだい?」
理 「さぁな‥‥考えたこともねぇや」
なお持っている武器は黒椿、天沼矛、龍刀、断罪神書と合計的には主に4つだ。武器と言うジャンルに囚われなければ色々とアイテムは揃ってはいる。
理 「まぁ仕掛けてきたのはお前だと先に言ってお
く後悔するなよ?」
龍刀(影爪)の切っ先を萃香へと向けるてそう言い放つと萃香はニヤリと笑みを浮かべ、
萃香「いいねぇ!あの時の分の借りを全部返してあ
げるよ!」
理 「こい萃香‥‥貴様の挑戦を受けてやる!」
そうして何も刺激のない天界で弾幕ごっこが始まるのだった。