理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第276話 比那名居邸潜入

萃香を弾幕ごっこで負かした理久兎はいまだ犯人を見つけられずに迷っていた。

 

理 「お~い天人はおらんかねぇ~」

 

何て言って誰かいれば吉なのだが誰もいない。そんな感じで歩いていると、

 

理 「おぉ~あれは」

 

林を抜けるとそこには何人もの天人が酒を飲み桃を食べながら歌を作っている光景が映る。

 

理 「ラッキ~」

 

とりあえずは情報が欲しいためまずは怪しまれないためにフードを取ってその者達の会に紛れる。

 

理 「いや~良い歌はできましたかね?」

 

天1「あぁ♪もう最高なのができたよ♪ん?お前さ

   んあんまり見ない顔だな?」

 

理 「あぁ~つい最近に天人になったもので♪」

 

天1「おぉ~そうかそうか♪」

 

とりあえずは徳利を持つと話している天人のお猪口に酒を注ぐ。

 

天1「すまんな♪」

 

理 「いえいえ♪所でお話は変わるのですが」

 

天1「ん?どうかしたか♪」

 

理 「緋想の剣ってご存じですか?」

 

問題の緋想の剣について聞くと天人の男は陽気に話してくれた。

 

天人1あぁ~知ってるとも♪天界の秘宝と言われる

   ぐらいだからな♪それがどうかしたのか?」

 

理 「あっあぁ~」

 

と、言っているとこの話を聞いていたのか隣の天人の男が近寄ってきた。

 

天2「あんた緋想の剣を探してんのかい?」

 

理 「えぇまぁ……」

 

天2「緋想の剣って言えば比那名居の小娘が持って

   いた気がするなぁ……」

 

天1「ま~た比那名居の不良天人か………」

 

話が正しければ比那名居と言われる小娘が今回の異変の元凶のようだ。しかも話し方からして少々だが邪険に扱われているようだ。

 

理 「えっとその比那名居さんって何処に住んでい

   らっしゃるのでしょうか?」

 

天1「あぁ~それなら……」

 

天人の男性は1点の場所を指差して、

 

天1「指差す方を真っ直ぐ行けば良い筈だ」

 

天2「あんたまさか行くってのかい?」

 

理 「えぇ♪興味があるなら追及しないといけませ

   んからね♪教えていただきありがとうござい

   ました♪」

 

立ち上がって礼を述べて理久兎は先へと進んでいく。そうして指差す方向へと歩いていくと、

 

理 「ほぉどうやら相当な名家ときた」

 

屋敷の大きさが結構あり当時の拠点としてきた平安の都の屋敷を思い出す。

 

理 「さてここからはスニークミッションと行きま

   すかね」

 

フードを被りこっそりと塀を登って屋敷へと侵入した。塀を越えるとそこに写った光景は中庭だった。

 

理 「良い御身分だこった………」

 

そんな愚痴を垂らしながら木影や草影はたまた物陰に隠れながら先へと進む。まず進むべきは比那名居の小娘もとい今回の異変の元凶の部屋を探す。そうして色々な部屋を隠密に動きながら見ていくと、

 

理 「ちっ護衛がいやがる」

 

廊下の角に隠れて様子を伺うと部屋の前には護衛が2人いた。見るからに屈強そうな男性達だ。

 

理 「………近くに使えそうな物は人が2人程入りそ

   うな箱か」

 

自分の今いる後ろは行き止まりだが人が2人程入りそうな箱がある。

 

理 「それからポケットには五円玉が1枚かもうこ

   れはやるしかないよな」

 

そう言うと五円玉を遠くの方にサッと投げた。すると静かな空間にチャリンと音が響く。

 

護衛「何だ?」

 

護衛「……様子を見てくる」

 

護衛「分かった」

 

そう言うと護衛の1人は五円玉の方へと歩いていきもう1人は部屋の前でスタンバる。

 

理 「チャンス♪」

 

と、呟き静かになおかつ一瞬で部屋を護衛する男性へと近づき、

 

護衛「なっ……んぐっ!!

 

理 「静かに寝てろ」

 

腕で首をきつく締め上げる。そして数秒もしない内にだらりと護衛は腕を垂らして気絶した。

 

理 「そうしたら………」

 

もう1人の護衛が来る前に気絶させた護衛を箱の前へと引きずると、

 

理 「バイバイ♪」

 

箱の中に気絶させた護衛を詰めて蓋をしめる。

 

理 「さぁてと後は……」

 

もう一度、廊下の角の方で様子を伺うともう1人の護衛が帰ってきていた。しかも辺りをキョロキョロと捜していた。

 

護衛「あれ?彼奴は何処にいった?」

 

何て言うと背中を向いた。つまりそうなってしまえば、

 

護衛「んぐ!!?」

 

理 「ダメだよしっかり索敵をしないと♪」

 

と、ダメ出しを言うと護衛は気絶した。そしてさっきと同じように箱まで引きずっていき箱に詰めた。

 

理 「これで良し………念のために服を1着だけ頂戴

   しておこう」

 

もしのための変装用のため1着だけ服を剥ぎ取り箱の鍵の部分には針金でしっかりと固定させて閉じ込める。

 

理 「誰か中にいるかな?」

 

扉の前で聞き耳をたてると何にも音がしない。どうやら誰もいないようだ。

 

理 「お邪魔しま~す」

 

扉を開けて中へと入るとそこに広がる光景は畳の部屋に布団とポツンと机が置いてありそれでいて押し入れがあるぐらいの部屋だ。

 

理 「ガサ入れは………」

 

とりあえず机を見てみると定番のように引き出しには日誌が入っていた。しかもご丁寧に後ろには比那名居天子と名前が書いてあった。

 

理 「小学生かよ」

 

何て言いつつも日誌を見ると、

 

○月○日

 

今日、父から日誌を貰った。だけど私にはあんまり必要の無い物ね。何か重要な事や大切な思い出に残す時にだけ日誌を書くことにするわ。

 

と、そんな事が書かれていた。

 

理 「………いや書けよお父さん涙目だぞ!?」

 

ツッコミを入れてまた次のページを読む。

 

○月○日

 

今日、衣玖の雇い主である龍神様と外の世界の遊園地とやらに向かったわ。見た感じ龍神様には何故か威厳が感じられなかった。鼠の人やらとはしゃいでいてまるで子供のようだったわ。だけど現代にはこんな娯楽があるなんて何て羨ましいんだろう。何て刺激に満ち溢れているのだろうと感じた。天界もこんなんなら良いのに。

 

 

まさかの自分の母親について出てきた。頭を押さえて、

 

理 「うん‥‥色々とアウトだけどとりあえずBBA

   がお世話になってますそしてこんな母親で本

   当にすみません………」

 

これ以上見るとこの作品が危ないと思ったのと自分の母の情けない姿を見ることになりそうだったためページを最後の方までめくり最後の方の文章を見る。

 

○月○日

 

緋想の剣も手に入れて数日。ついに私は計画を実行に移すことにした。私の能力と緋想の剣の能力さえあれば敵無しよ。まぁ地上から来た鬼にはボコボコに負けたけど酒を飲める会場さえあれば協力してくれるとも言ってくれた。彼女の能力を使い緋想の剣の力を拡大させよう。そして幻想郷にある博麗神社を倒壊してついでに少し改造して私達の傘下に加えてしまおう。そうすれば刺激も得れるしなおかつ天界にとっても良いこと尽くしで良いとこ取りが出来る。どのみち博麗の巫女が来て決闘で負けようともこの勝負の勝者は所詮は私なのよ。楽しくて笑みが溢れちゃうわ。

 

そんな事が書かれていた。顎に手を当てて、

 

理 「気に入らんな‥‥自身の刺激のために神社を壊

   しなおかつ幻想郷を危険にさらすと………しま

   いには萃香は軽く協力したと」

 

先程までは萃香には悪い事をしたと思ったが前言撤回、軽くボコして良かったと思った。

 

理 「まぁそんなに世の中は上手く行くとは限らな

   いという事を教えてやるのも年配者の勤めと

   も言うからなぁ」

  

もう仕返しする内容が思い付いた。とりあえずはこの日記の持ち主の天子をギャフンと言わせるためにも時間がまだ先になるため地霊殿へと帰ろうと考えた。

 

理 「日記は‥‥まぁ置いていくか」

 

元の位置に日記を戻して部屋から出ようとした時だった。

 

護衛「何で護衛がいないんだ?」

 

と、声が聞こえてくる。どうやら巡回している護衛が運悪く来たようだ。

 

理 「………やべっとっとりあえずはへっ変装っ」

 

急いで剥ぎ取った護衛の服を着込みコートを断罪神書に入れる。そして前を向くと同時にガチャリと音が聞こえ護衛が入ってくる。

 

護衛「ってお前は何してんだ!?ここが天子様の部

   屋台と知って入ったのか!?」

 

と、驚いたかのように言ってる。どうやら上手く変装できたようだ。

 

理 「すみません先程に部屋で物音が聞こえた気が

   したので様子を見ていました」

 

護衛「………そうかそれで何かあったか?」

 

理 「いえどうやら聞き間違いだったようです」

 

バレないためにも嘘を幾つか述べる。すると護衛の男は不自然に思っているのか自分をジト目で見ると、

 

護衛「そうか‥‥それと相方はどうした?天子様の部

   屋の護衛は2人いる筈だが?」

 

理 「すいません彼ならお腹の調子が悪いと廁の方

   へと向かっていきました」

 

護衛「まったくそいつに酒ばかり飲むなよと伝えて

   くれ‥‥それと早く出て仕事に戻れ」

 

そう言われ部屋から出る。最後まで変装には気づかなかったようだ。

 

護衛「それじゃ任せたぞ」

 

そう言い護衛はまた巡回に戻った。

 

理 「よし行ったな……さぁてとこんな所とはおさら

   ばするとしますかね」

 

呟きながら中庭へと行き着ている服を脱いで池に沈めて、

 

理 「そんじゃバイニャラ♪」

 

と、言って塀を越えて敷地から出る。敷地から出ると、

 

理 「さぁてと天子とやらを徹底的に仕返しするな

   らば後数日は待つとしますかね」

 

天子という少女を徹底的に仕返しするために今は待つことにした。そのため一度地底へと帰ろうとするのだが、

 

理 「あっそうだった桃を餞別に持っていくか」

 

ついでに木に連なって実っている桃を幾つか頂戴して天界から出て地底へと帰るのだった。


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