理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第280話 親子再会

この場には理久兎以外に立っている者はいない。ここ博麗神社では数人の少女達に少年が1人気絶をしていた。

 

理 「………とりあえず戦利品は貰ってくか」

 

気絶した天子に近づくと落ちている要石を2個拾う。

 

理 「すまんけど戦利品として貰ってくぞ」

 

本当なら緋想の剣を取っても良いのだが天人にしか扱えず何よりも天界の宝物とまで言われているので取るのには忍びないと思い2個の要石を戦利品にしたのだ。

 

理 「後は………そうだった!」

 

とある事を思い出し道をくまなく探すと、

 

理 「あったあった……」

 

理久兎が拾ったのは龍刀の折れた刀身の部分と柄の部分だ。

 

理 「………折角の贈り物だからな」

 

贈り物を無下にはしない。使い続ければ九十九神にだってなるかもしれないからだ。

 

理 「さぁてと面倒事になる前に帰るかな」

 

そう言った時、突然周りの時間が止まったと言えば良いのか先程の咲夜の時止めとはまた違う。何か時間法則を無視したかのような止まりかたをした。

 

理 「………おいそこにいるのは知ってるぞ出てこい

   よクソBBA」

 

? 「ほう誰がクソBBAじゃ馬鹿息子」

 

全焼し倒壊した博麗神社の屋根に1人の少女いや少女というよりかは幼女のような身長そしてその身長に似合わない龍角、背中に伸びる龍翼に腰のほうからは尾がゆらゆらと揺れるその幼女は自身の母親、千だった。

 

千 「しかし久しいの最後に会ったのはもうかれこ

   れ1000年程前じゃったよな?」

 

理 「そんな昔話はどうでも良い何しに来た?こん

   な辺境地である幻想郷によ」

 

そう基本的には高天ヶ原だとかその辺にいる筈の千が何故ここに来たのかが分からなかった。

 

千 「今回ここに来た理由は簡単じゃよそこで伸び

   てるじゃじゃ馬娘の回収じゃ」

 

どうやら理久兎にけちょけちょんにされた比那名居天子を回収しに来たようだ。

 

理 「おいおいん?ちょっと待てよまさかBBAは

   天界にでも住んでるのか?」

 

千 「うむむ‥‥そこは少々難しい話じゃがなそれと

   BBA発言はいい加減に止めんか理久兎!」

 

理 「だが断る」

 

もうかれこれ数億年近く生きているがこの歳になってくるともう”おふくろ”よりかは”BBA“の方がしっくり来る。

 

千 「はっはっきり強調をさせよって………こっこの

   青二才が……言っておくがワシはまだピチピチ

   じゃぞ!」

 

怠惰「脳みそと精神年齢がな♪」

 

千 「そうそう永遠の3才児とは正にワシ‥‥おい貴

   様!誰が永遠の3才児じゃ!?」

 

理 「BBAが勝手に自滅しただけだろ」

 

流石の理久兎でもそこまで言っていない。発言の7割は千の自滅である。

 

千 「くっもう良い!」

 

理 「おいおい漫才じゃないんだからよ用が無いな

   ら俺は帰るぞ」

 

千 「待て後2つだけ話したいことがあるんじゃ」

 

どうやら伝えたいことが2つあるようだ。それならはやく言って欲しい。

 

理 「何だよならさっさと言ってくれ」

 

千 「ではまず1つ目じゃ今年の冬に神様達が一同

   に集まる神祭りがあるのじゃがそれに参加を

   して欲しいんじゃよ♪」

 

理 「はぁ祭り?」

 

千 「うむ♪その祭りには伊邪那岐や天照そして須

   佐之男や月読と言った神達が集まって皆で楽

   しく酒を飲んだり交流をするワシ主催の祭り

   じゃ♪」

 

どうやら祭りというか恐らく宴会を開くから来てくれというお誘いのようだ。

 

理 「悪いが面倒だからパ………」

 

断りのパスと言おうとするが千の言葉に遮られる。

 

千 「幻想郷を作るに当たっての土地やらその辺を

   工面するの大変じゃったの~西洋の神達から

   の苦情も辛かったのぉ~月の事件も始末書が

   飛んできたのぉ~それでいて地獄からもクレ

   ームが………」

 

理 「だぁ~分かった!行けば良いんだろ!!」

 

千 「うむ決定じゃな♪」

 

何とも汚い戦法だ。遂には息子に脅迫を仕掛けてきた。だが気になる点もあった。

 

理 「なぁまさか神奈子やら諏訪子やらは来ないよ

   な?」

 

千 「あぁ問題ないぞあやつらを誘ったんじゃが今

   は忙しくて出れないと言われてのぉ」

 

幻想郷の住人には顔バレしないで済みそうだ。

 

理 「それなら安心だなそんで2つ目は?」

 

もうぱっぱと終わらせたいため2つ目を聞くと千は目を細めた。

 

千 「そなた今、恋人がおるじゃろ?」

 

理 「さて何の事かな?」

 

千 「まさか妖怪とは言わんよな理久兎?」

 

どうやら大方の事は知っているようだ。仕方なく白状した。

 

理 「あぁそうだとも文句はあるか?」

 

千 「そうか………そなた良いのじゃな?」

 

理 「どういう意味だよ?」

 

千 「いずれ人間も妖怪もましてや魔法使いそれは

   決して不老不死という完璧ではない長く生き

   れても殺されたりしたら終わりじゃ死という

   概念はあるもしそなたの恋人が先立ったとし

   う理久兎よおんしその別れを受け入れる覚悟

   はあるのかと聞きたいんじゃよ?」

 

自分を心配してそう言ってくれるのだろう。それは昔から変わらないことだ。だがその決心もついていた。

 

理 「そうなったとしたら俺は受け入れるさそして

   殺しならそいつを地獄に送ってやる」

 

千 「そうか」

 

理 「それに生まれ変わりってのもあるのさもし死

   んだとしても俺は彼女を見つけるよ」

 

千 「はぁどうやら説得は無駄なようじゃな」

 

両手を上げてもうお手上げのポーズをする。

   

理 「そんで終わりか?」

 

千 「うむもう話すことはないそれと理久兎」

 

理 「何だよもう終わりだろ」

 

伝えたいことは伝えた筈なのにまだあるのかと思っていると、

 

千 「そなたの従者も連れて来るが良い神使達の参

   加は可能じゃからの」

 

理 「何だそんな事かよ勿論連れてくよ」

 

千 「うむ……最後に…」

 

理 「何だよまだある……!?」

 

突然千が抱きついてきた。これには自分も驚いた。

 

千 「よく成長したの♪」

 

理 「うっせぇBBA………ふんっ…」

 

千 「まったくこやつは相変わらず可愛げがないん

   じゃからなぁ」

 

抱きつくのを止めてニコやかに微笑むと、

 

千 「理久兎よもう行くがよい冬の祭りを楽しみに

   しておるぞ♪」

 

理 「たくわぁ~たっよ……」

 

そう言い理久兎は空へと飛ぶと周りの時間が動き始めた。そして博麗神社を見ると千がまだニコニコと微笑んでいた。

 

理 「………ありがとよ母さん」

 

聞こえぬようにそう言い理久兎は帰路につくのだった。


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