理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第287話 VS怠惰のクソ悪魔

理久兎と怠惰のクソ悪魔がお互いに見合い合う。そして千は手を掲げ、

 

千 「試合開始じゃ!!」

 

そう言い目の前の怠惰のクソ悪魔との試合が開始された。すぐさま改造を施し進化した黒椿【影爪】を取りだし、

 

理 「先手必勝………」

 

怠惰へと目に止まらぬ早さで黒いオーラを纏わせて斬り掛かったが、

 

理 「なっ!」

 

突然だった。目の前にいた怠惰は忽然と消えた。移動したのも見えない本当に神隠しにでもあったのかと思えるぐらい一瞬だった。

 

怠惰「まぁそうくるよね…それとそれに続く言葉

   は油断大敵ってね♪」

 

後ろで声が聞こえ後ろを振り向くとそこに大鎌を肩に背負う怠惰の姿があった。

 

理 「お前どんな手品を使った?」

 

怠惰「う~ん‥‥さぁ?」

 

理 「そうかい!」

 

また黒椿を構え怠惰へと斬りかかるのだがすぐにまた居なくなる。そしてそれが何回も続く。

 

怠惰「残念♪」

 

ザシュッ!

 

怠惰「無念♪」

 

ザシュッ!

 

怠惰「また今度~♪」

 

ザシュッ!

 

理 「こいつ一体何なんだよ………」

 

分からない。この男ひょうひょうとしていてどんな行動に出るのかまったく分からない。ただ分かる事としてはおふくろより強いかもという事だけだ。

 

怠惰「理久兎君こないの?」

 

理 「良いぜこれならどうだ!!!」

 

そう言い雷雲を作り上げると何億ボルトという強力な落雷を怠惰へ目掛けて落とした。

 

ビィカーーー!!!

 

落雷が鳴り響き怠惰へと落ち直撃した。

 

亜狛「マスター手加減なしですね」

 

黒 「流石にあれを食らったらヤバイだろ」

 

耶狛「やっぱり弱かったのかな?」

 

と、3人は言うが千だけは笑っていた。

 

千 「ふっふっふ♪まぁ確かにあの落雷を普通の奴

   がくらえばただでは済なかろう……」

 

黒 「それって終わり……」

 

千 「じゃがあやつにそんな雷が効くならワシはと

   うの昔に何発も落としておるがな♪」

 

と、言われ3人は驚きの光景を目にする。それは理久兎も同じことだ。

 

理 「おいおいお前…化け物だろ……」

 

怠惰「………そんなに痛くないかな?」

 

何億もの電圧を誇る落雷を直に受けた筈なのに体は焦げてなくあり得ないことに感電すらしていなかった。上級妖怪や神にそれを放とうものならただでは済まない筈なのに平然と生きていた。

 

千 「理久兎よそやつに電撃は効かんぬぞ何せ奴の

   体内には電気袋を持っとるようなもんじゃか

   らの♪」

 

理 「それを早く言え!」

 

怠惰「電気袋なんぞ持ってねぇよ!」

 

理 「はっ?」

 

持っているのか持っていないかどっちなんだと思うが恐らく実際には反応からして持ってはいないのだろう。あくまで今の反応からした予測だが。

 

理 「っなら効かねえのならこれはどうだ!」

 

そう言うと辺り一体に雪が降り始めたかたと思うと風が強くなり猛吹雪となって吹き荒れる。観客席の神やらは寒さで身を震わせる。たがそれだけではない。その雪は上空で冷えて固まり鋭い先を持つ雹へと変わり降り注ぐ。

 

神 「あぶねぇ!」

 

神 「あの野郎見境なしか!」

 

と、神達から不満の声が聞こえる。伊邪那岐達は千の元に寄り添い結界で防ぎ亜狛や耶狛は黒の影で身を守る。だが肝心の怠惰はというと、

 

怠惰「ヘックシュン!!うぅ寒い………」

 

理 「ありえねぇだろ………」

 

何と怠惰の周りに稲光が見えるかと思うと向かってくる雹は稲光が発せられている辺りで溶けて水にいやそれを越えて水蒸気になる。

 

怠惰「…………なぁまじで止めてくんない?俺さ冬は

   大の苦手なんだけどてかその次の春も花粉で

   楽しめないんだけど?そのせいで春冬といっ

   た季節を楽しめねぇんだよ鬱なんだよ俺の気

   持ちが怨みが分かるか?医者から蓄膿症だね

   ドンマイと言われた気持ちが分かるか?鼻炎

   で嗅覚が悪くて味音痴なんだよ春に限ってよ

   この3つからデートのお誘いが来るんだよ?

   二股を越えて三股なんだよ俺のこの気持ちや

   どれだけ鬱が分かるかおい?」

 

理 「いや知らねぇよ!?」

  

まず言いたいのは出来た。こいつどんだけ心に闇を抱えているんだよと。いや闇というよりかはそれより深い暗黒というのが良いのかもしれない。すると観客席から声が響く。

 

千 「怠惰よ!!もっと本気を出さんか!!」

 

怠惰「あんまやりたくないんだけど?」

 

千 「やらなければ甘味は無しじゃ!」

 

怠惰「えぇ~仕方ないなぁ」

 

そう言うと怠惰の周りの雰囲気が変わったことに気がついた。そして怠惰は大鎌を構えると、

 

怠惰「マジックプロテクターを解除そして魔力アケ

   ディアを発動」

 

理 「これは‥‥魔力かおふくろの神力と同等ぐらい

   か?」

 

と、自分が言っている一方で観覧席では、

 

黒 「マジックプロテクターだぁ!?」

 

亜狛「黒さん知ってるんですか?」

 

明らかに知っているみたいな黒に聞くと、

 

黒 「知ってるも何もあれを使う奴は基本は居ない

   んだがなぁ………言っちまえば魔法使いやらが

   自身の魔力を制限つまり弱体化して自分が魔

   法使いっていう正体を隠す魔法って感じだ」

 

耶狛「凄いのその魔法?」

 

黒 「あぁ一応はなただ玄人好みの魔法で使う奴は

   まず居ないし言ってしまうとよ高位な力を持

   つ魔法使いがやっとの思いで習得が出来る魔

   法だが覚えても対して役に立たない魔法だか

   ら意味があまりない魔法だ………」

 

と、そんな声が自身の耳に聞こえてくる。やはり目の前の怠惰と呼ばれる男はどうやら強いようだ。だが逆に意味がないという言葉が聞こえ自分よりも強いのかと思ってしまう。

 

怠惰「そんじゃ行くよ………」

 

そう呟くと突然だった。数メートル離れていた筈なのにいきなり自分の目の前に怠惰が現れたのだ。

 

理 「っ!?」

 

これには驚きすぐさま後ろへと後退するのだが、

 

ジャキン!

 

理 「いつの間に……!?」

 

何と今さっき前まで目の前にいた怠惰が消えたかと思うと既に自分の背後にいて大鎌を構えていたのだ。そして大鎌が振られるが、

 

ガキンッ!!

 

怠惰「ヒュ~♪普通だとあのコンボについては行け

   ないんだげど………やっぱり親子揃って常識外

   れも良い所だわ」

 

理 「うっせぇ!」

 

ガキン!

 

強引に黒椿を振って怠惰を退ける。だが相手もすぐに体制を整える筈だった。

 

怠惰「そらよ!」

 

何と相手は体制を整える前に何かを投げ飛ばしてくる。だがそれはいつの間にか自分の目の前にそれも投げ飛ばした物がまるでワープしたのかと思わせるぐらいに一瞬で現れた。

 

理 「なっ!」

 

キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!ガキンッ!

 

理 「これは注射器?」

 

何とか黒椿で弾き地に落ちた物を見るとまさかの注射器だった。中身は透明なため何か毒液やらが入っているという感じではなさそうだ。

 

怠惰「へぇ~それを避けるか」

 

理 「お前は昔に何か医療系の事をしてたのか?」

 

怠惰「さぁどうだろうね♪」

 

そう言いながら怠惰は千の方向に顔を向けた。

 

怠惰「ねぇ千ちゃん後残り何分?」

 

千 「ん?………後3分じゃ」

 

怠惰「3分か3分あればカップ麺が出来‥‥っ!?」

 

ガキンッ!!

 

怠惰が言い終える前に斬りかかりつばぜり合いとなる。

 

怠惰「おいおい最後まで言わせてくれよ?」

 

理 「ふざけんのもそろそろ大概にしろよ?」

 

怠惰「酷いなぁ」

 

ガキンッ!

 

つばぜり合いを止め少し後ろへと下がると、

 

怠惰「トリトニス・アプスヴェノム」

 

怠惰は何か魔法なのかそう唱えたその瞬間、怠惰の周りで稲光が発生するかと思うとその雷は蜂の形となり無数に増えていく。そして雷蜂はキザギザの尻尾の針を自分へと向けて襲いかかってくる。

 

理 「今度は蜂かよ!」

 

怠惰「因みにそいつらには毒それも強力な神経毒が

   あってね刺されると動けなくなるばかりか高

   速で不定形に免疫を作り出させられるそうな

   った状態で再度刺されたらアナフィラキシー

   ショックを起こして死ぬかもね♪」

 

理 「マジでふざけるなよ!?」

 

どうやら怠惰もガチになったぽい。いやガチで殺しに来てやがる。

 

理 「仙術 七式 神仏圧殺」

 

向かってくる雷蜂達に手を広げ構える。そして徐々にグーにしていく。すると雷蜂達は急に動かなくなったかと思うと突然、

 

バチュ!バチュ!バチュ!バチュ!バチュ!

 

と、漏電して潰れていく。仙術 七式 神仏圧殺、自分から約10メートル離れた位置を中心に半径8メートル以内に存在する敵を圧殺するという比較的シンプルな技だが恐ろしいのはその範囲内にいる奴、全員に効果があるため簡単に集団を潰せる技だ。そのため範囲内に入った雷蜂は潰れた。

 

怠惰「やるねぇ………」

 

と、怠惰が言うと同時に黒椿を構えてもう一度、怠惰へと斬りかかる。

 

理 「この野郎が!!」

 

怠惰「うおっと♪」

 

怠惰は手に持つ大鎌を使ってまた受け止める。だがすぐさま手を出して、

 

理 「仙術 八式 脱気!」

 

脱気を唱える。怠惰の魔力を消して無力化させようとする作戦に出た。だが何と怠惰も大鎌から左手を離して、

 

怠惰「緊急処置治療AED」

 

左手に稲光を纏わせて理久兎の左腕とぶつかり合う。

 

理 「ぐっ!!」

 

あり得ない程の電圧で流石の理久兎の左腕も少し焦げる。だが、

 

怠惰「っ………!!」

 

怠惰の体からは若干だが魔力が外へと放出されていた。つまりお互いにあいこだ。

 

理 「考えることは一緒か?」

 

怠惰「さぁどうだかね♪」

 

その時、理久兎は気がついた。大鎌から鎖が地面へと放たれ自身の足元に何重にも地面から現れてる鎖に絡め取られていることに。

 

怠惰「知ってるか?金属はよ~電気をよく通す

   んだよ♪」

 

最悪の想像が過る。このまま行けば超高圧電流が自身の体を真っ黒に焦がすと。

 

理 「仙術 二式 虎咆!!」

 

息を大きく吸って怠惰の至近距離で大爆音の咆哮を轟かせた。

 

理 「ガァーーーーーー!!」

 

怠惰「がぁ!耳がぁ!!!」

 

すぐに怠惰は鎖を解いて離れる。相当聞いたのか耳を押さえて悶えていた。  

 

怠惰「がぁ~耳がぁ!!」

 

理 「しめた…これで終わらせてやるよ……」

 

今度は黒椿を地面に刺し拳を構える。そして一気に怠惰へと間合いをつめる。そして技の名を答えた。

 

理 「仙術 十五式 内核破壊!!」

 

そう言い怠惰の胸にめがけて拳を放つが悶えるの止めた怠惰は、

 

怠惰「ちっ嘗めるな!」

 

自身を帯電させ拳から電撃を放出し怠惰も自分へと殴りかかってくる。そしてお互いの拳が当たろうとした瞬間、

 

千 「そこまで!試合終了じゃ!!」

 

スンッ!!

 

お互いに当たる寸前で寸止めして睨む。こうして8分と短いような長いような模擬戦は終了したのだった。


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