理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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こんばんは読者様。台風が去り静けさが戻ったなと感じた怠惰のクソ悪魔です。もう外ではコオロギが鈴を鳴らしてます。それよりも1年って早いなぁ~とここ最近になって何時も思ってしまいます。さてこんなジジイ臭い事もここまでにして本編へどうぞ。


第386話 淡く薄い記憶

目が覚め自分はベッドから起き上がる。昨日は珍しく変な夢は見ず気持ちが良い。

 

理 「気持ちが良く眠れ………」

 

ドゴーーーン!!

 

自室の壁が破壊され土煙が上がった。何事かと思い見ると、

 

亜狛「グルルルルルル!!」

 

耶狛「流石は獣ねぇお兄様」

 

亜狛「それと貴様仕事をミスったみたいだな仕事す

   らも録に出来ねぇのか愚妹が」

 

耶狛「くっそれはあの火女がミスったからよ!」

 

うるさい本当にうるさい。折角気持ちよく起きれたというのに。恐らく自分の堪忍袋の緒は既にぶちギレいやもう存在しないのかもしれない。

 

理 「龍終爪」

 

神力によって右腕を龍の腕のように変化させ爪を立たせると、

 

理 「瞬雷」

 

グジュ!ズジャ!

 

一瞬の高速移動で亜狛と耶狛の首を切り裂き頭と胴体をさよならさせる。

 

理 「壁は直しておけゴミ共が」

 

手を元に戻し自分は服を着替えて部屋を出る。静かにできるスポットの1つが消え何処に行くかと考えながら辿り着いたのが、

 

理 「結局ここか‥‥」

 

牢屋の前だ。今日は気分が良いからあまりカビ臭くそして土臭い場所はあまり行く気分にはならないが静かにかつ暇潰しできるスポットがもう考えられるのはここしかない。

 

理 「はぁ‥‥」

 

仕方ないと思いつつ自分は中へと入る。そしてもう定番のように地下へ降り部屋へと入る。

 

理 「やぁ元気にしてたかい?」

 

天井から繋がれる手錠で拘束されうなだれている2人は自分を睨み付けてくる。

 

?1「また‥ですか‥………」

 

理 「うん♪上は落ち着かなくてさぁ♪僕のバカな

   部下達が部屋を壊してくれちゃって落ち着け

   る所がないんだよねぇ♪」

 

?2「昨日あんな態度をしてよくと来れますね貴方

   は!!」

 

尻尾女が獣らしく騒ぐ。自分は笑うのを止め睨み付けると尻尾女は顔を青くして大人しくなった。

 

理 「それでいいお前らの命は今は僕が握っている

   んだからそんな態度を取っちゃダメだよ?」

 

?1「っ!‥‥それでまたお話ですか?」

 

理 「う~んそうだねぇまたお話をしてよ話はそう

   だねぇ笑える話をチョイスするよ♪」

 

?1「笑える話って‥‥」

 

2人は必死に考えると尻尾女は口を開き、

 

?2「前に脱衣場の近くの廊下を通った際に見たん

   ですが主人が体重計に乗って青い顔をしてら

   っしゃいましたね恐らくまた体重が増えてま

   したよね?」

 

?1「ちょっ!?」

 

理 「ぷっ!アハハハハハハハハハ♪」

 

面白すぎて腹を抱えてしまう。この尻尾女は一々反抗的だがこうしたギャグが言えるとは面白いものだ。

 

?1「そういう何処ぞの狐は国を傾かせるだけ傾か

   せて最後は殺されそうになってた所を助けて

   あげたのは何処の誰だったのかしらね?」

 

?2「むっ昔の事は言わないでくださいよ!?」

 

理 「アハハハハハハハ昔に何してんのさ♪」

 

面白い話が聞けて少しはリラックスが出来た。パンを出し鉄格子を何時ものようにすり抜けて食べさせる。

 

?1「ふぅ‥‥今日は優しいのですね」

 

理 「気分がよくてね♪君達の話を聞いたらさ」

 

と、言っているとコツコツと足音が聞こえてくる。恐らくウリエルが来たのだろう。

 

理 「おっと僕は隠れるから言わないでね?言った

   ら君達を殺すかもしれないからさ」

 

?1「えっ?」

 

?2「それはどういう‥‥」

 

理 「ステルス‥ミラージュ‥」

 

隠密魔法と幻影魔法を使い隠れると扉が開きウリエルがやって来る。

 

ウリ「あらあら騒がしいと思ってきてみれば何事で

   しょうかねぇ奴隷の分際で?」

 

?1「私は貴女の奴隷になった覚えはありませんわ

   よ?」

 

?2「私達は‥‥諦めてませんよ!」

 

ウリ「あっそうまぁ良いわなら今日は食事抜きね」

 

?1「なっ!」

 

?2「待ってくだ‥‥」

 

2人が言い終える前にウリエルは部屋から出ていった。タイルを戻す音が聞こえると自分は姿を出す。

 

理 「君達大変だね」

 

?1「‥‥ねぇ話すことは話すから食事を貰えないか

   しら?」

 

理 「う~んならその師匠がどのくらい強いのか教

   えてよ♪それにウリエルの強がってる姿も見

   れたから特別にパン2個あげるよ♪ただしだ

   けどしっかり事細かく教えてね♪」

 

 

それを聞き2人は目を点にした。まさか少なかったのだろうか。だが彼女達からしたら好条件なのは変わりない筈だ。何せ今日は飯抜きと言われたのだから。

 

?1「良いですわよ」

 

理 「契約成立♪」

 

そうして長髪の女性は師匠について話してくれた。1人で何百何千何万という妖怪が束になろうが勝てないだろうという事や仲間のためなら神にですらも喧嘩を売ると言う事等々聞いていて勇者(愚者)と思えるぐらいな事を沢山そして事細かく話してくれた。

 

?1「以上ですわ」

 

理 「ふぅ~ん」

 

だが何よりもそいつの名前が一番気になった。

 

理 「ねぇそいつの名前………教えてよ」

 

?1「………深常理久兎いえ深常理久兎乃大能神です

   わ貴方には絶対に殺せませない神ですわ」

 

まさかの自分の名前一体どういう事だ。あの男が自分なのかどういう事だ。分からない分からない分からない。そんな時、一瞬だったが覚えのない記憶がフラッシュバックしてきた。

 

理 「っ!?」

 

クラっときて頭を押さえる。フラッシュバックした記憶には目の前の女性が幸せそうに微笑む顔が頭の中で映る。見たことのない筈なのに何故こんなにも懐かしく思えるのだ。

 

?1「貴方‥‥大丈夫?」

 

理 「えっ?あっあぁ大丈夫♪うん‥そうか‥ありが

   とう教えてくれてさほらこれは約束の食べ物

   だよ」

 

パンを2個ずつ出し浮かせて彼女達に食べさせるとすぐに食べきった。

 

?1「本当にどうしたの?顔色が変よ?」

 

理 「うっううん‥‥話してくれてありがとうね」

 

自分は部屋を出て木の扉を閉じる。

 

理 「面白いククハハハ………面白いやおも………し

   ろい………ぐすっ」

 

壁に寄りかかり踞る。何故こんなにも悲しいのだ。何故こんなにも涙が止まらないのだ。あの女達の事など知らぬ筈なのに何故こうも心が痛い。何故こんなにも頭痛がするのだ訳が分からない。それに自分の名を知っているのは何故だ。同じ名の人物など早々いない筈なのに。

 

理 「ぢぐじょう………」

 

頭を悩ませながら自分は涙と鼻水を拭い部屋へと戻る。部屋は修繕されていて元通りになっていた。いやなっていて当たり前か。だがもうそんなのもどうでも良い。自分はベッドへと潜り目を閉じるのだった。

 

理 「これは」

 

自分はいつの間にか暗い地下牢みたいな場所にいた。そして目の前には鎖付きの枷に繋がれ泣いている少女がいた。右を向けばそこには階段があり出口へと繋がっているだろう。

 

理 「捕まるのが悪いんだよ」

 

自分は捕まっている少女にそう言い部屋を出ようとする。出ようとするが足が出口へと向こうしない。動かそうと思えば動かせるはずなのに一歩がでないそして感じた。昔にこの光景を見たことがある所謂デジャブだと。

 

理 「………」

 

牢を見ると未だに少女は泣いていた。それが目障りだった。それが耳に残るのが嫌だった。すぐに空紅と黒椿を取りだし牢の鉄格子へと向かって、

 

ガギンッ!

 

斬りつける。鉄格子は斬られ牢へと入れるだろう。自分は更に少女を拘束する鎖を斬る。

 

バキンッ!

 

鎖が斬られたことを知ったのか少女は此方を向くと抱きついてきた。

 

少女「怖かったよ!!御師匠様!!」

 

理 「あぁん!僕はお前の師匠なんかじゃ………」

 

そして気づく。その小さな少女がいつの間にか大きくなっていた事を。それは牢に繋がれていた長髪の女性だったのだ。目を疑った。何故こんな光景を目にしたのだろうかと。そして視界は黒くなり目を開ける。

 

理 「夢か………」

 

時計を見ると午後8時といった所だ。ベッドから起き上がり手を見てグーパーと動かす。

 

理 「………」

 

部屋を出て牢屋へと足を運ぶと、

 

理 「空いてる」

 

下へと続く隠し通路が空いていた。そして思い出す。夜の時間は飯を貰える時間だと。

 

理 「ステルス…ミラージュ……」

 

気配を消し幻覚魔法で姿を消して下へと進むと、

 

バシンッ!バシンッ!

 

扉の奥から何かをひっぱたくような音が聞こえる。それと同時にうなり声も微かにだが聞こえる。

 

理 「ウリエルか」

 

ウリエルが何かしているのだろう。開ければこちらの存在がバレるため開ける訳にはいかない。そのため暫く端の隅で様子を伺う数分後、木の扉を開けウリエルがすっきりとした顔で出てくると上へと向かっていき床を閉じた。自分は立ち上がり木の扉を中へと入る。

 

理 「これは酷いね」

 

牢に繋がれている女性2人は猿轡を喰わされ項垂れていた。見たところどうやら気絶しているみたいだ。

 

理 「イン」

 

魔法で牢をすり抜け中へと入り彼女達の肌を見るとまだ生々しいみみず腫が出来ていて更に横腹辺りには蹴られたのか痣になりつつあった。

 

理 「脈はあるか」

 

2人の首筋を触りまだ脈はあった。憶測として恐らく我慢をしつくし疲れはてて気絶したのだろう。何か良いものはないかと断罪神書のページをめくる。そして丁度良い事に塗るタイプの傷薬があった。

 

理 「感謝しろよ」

 

やってる事が雑用のような気がするがそんなのを今気にすることではない。傷口に薬を塗ると、

 

?1「んんんんん!!!!!」

 

染みるのか悲鳴をあげて起き出した。だな猿轡のお陰で声が大きくならず助かった。もし叫んでいたらウリエルにバレただろう。

 

理 「し~!傷薬だよ」

 

?1「んん!?」

 

とりあえず傷薬を塗り終え次の女性へと傷薬を塗る。

 

?2「んぐっ!!」

 

理 「黙ってろって」

 

そうしてもう1人の傷にも薬を塗り終え薬をしまう。そして2人の猿轡を外す。

 

?1「ぷはぁ……貴方…何で」

 

?2「貴方は私たちの敵ですよね?」

 

理 「………さぁねだけど薄っぺらい笑顔と御託を並

   べるBBAが好きじゃないだけだよそれとさ

   膝枕してよ♪」

 

?1「へっ!?」

 

とりあえず長髪の女性は正座している状態だったので半ば強引に自分は頭を股へと乗せる。

 

?2「だっ大丈夫ですか?」

 

?1「えぇ………でも何でかしら御師匠様に結構似て

   るような」

 

理 「………ねぇ2人からしてさその人って何?希望

   うんぬんじゃなくてどう思ってるのかっての

   を聞きたいんだけどさ」

 

どう思っているのだろうと気になり聞くと2人は優しい顔をした。それはウリエルよりもとても暖かい笑顔だった。

 

?2「私は感謝ですあのお方がいなければ恐らく私

   は自分の主人に会えずなおかつ死んでいたか

   もしれませんので」

 

?1「私は憧れですわね………御師匠様がいたからこ

   そ私はこうしていられるのだという事そして

   私も御師匠様のように笑顔でいたいそう思っ

   てるわ」

 

理 「そっか………」

 

頭を上げて膝枕を止める。

 

?1「もう良いのかしら?」

 

理 「うん気が済んだ…だから……」

 

自分は手を手刀のように構える。そして、

 

ガギンッ!ガギンッ!

 

彼女達を拘束する枷を全て破壊した。

 

?1「え?………え!?」

 

?2「なっ!」

 

理 「これはお礼だよそれと僕からお願いをしても

   良いかな」

 

何でか分からない。本当ならこいつらに絶望を見せたいと思っていた筈なのに今はそう思えなくなった。ただ彼女達は何が何でも逃がしたいと思った。そして今ならまだうっすらとだが分かる気がする。彼女達の名前を。

 

理 「僕は待ってるだから今度は仲間でも強さでも

   君達が信じるものを持ってきなよ紫ちゃんに

   藍ちゃん♪」

 

鉄格子をすり抜けそう呟くと紫と藍は鉄格子に掴まり、

 

紫 「まさか御師匠様なんですか!どうしてそんな

   姿に!」

 

藍 「理久兎様!」

 

理 「勘違いするなよ俺はお前らの敵だよだからこ

   そ全員まとめて絶望を与えてあげるでも今は

   まだその果実は熟れてないから待つだけだよ

   覚えてはおけよ絶望は伝染するからな?」

 

そう言い自分は部屋を出る前に後ろを振り向き、

 

理 「紫ちゃん頼むから生きろよ俺のこの気持ちが

   薄れる前の唯一の願いだからそして頼む次会

   う時こそ俺を殺せよ♪」

 

紫 「待って!御師匠様!!」

 

自分は扉を閉じる。そしてただ一言、

 

理 「………お‥‥僕は何やってんだろ」

 

と、呟きウリエルにここにいる事がバレる前に部屋を後にするのだった。

 




怠惰「ではでは今回はここまで~」

千 「怠惰よそなた何をしてるのじゃ?」

怠惰「ん?ソシャゲ♪」

千 「ここ幻想郷じゃろ!?」

怠惰「怠惰さんのケータイは特別使用なのさ♪あの
   ド◯モよりも電波については強いからね♪」

千 「それに何故じゃ!?何故にケーブルを刺して
   ないのにも関わらず充電が出来ておるのじゃ
   どういう仕組みなんじゃ!?」

怠惰「怠惰さんの静電気で充電してるから♪」

千 「なっ何て奴じゃ………というか怠惰よそなたが
   得意な魔法ってやはり雷なのか?」

怠惰「まぁそうだよね?」

千 「ほうワシはてっきり薬草だとかの調合だとか
   があるから毒系かと思っておったがの」

怠惰「まぁ‥‥それは後天的に得意になったんだよね
   色々あったから」

千 「なんじゃ?聞かせてくれても~」

怠惰「それはスルーだ♪てなわげ時間だから今回は
   ここまで!」

千 「むぅ仕方ないかのぉそれでは読者様また次回
   さらばじゃ!」

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