ベルフェゴールと出会いから3日後オルビスは何時ものように目覚めた。
オル「……うぅ~ん」
何時もなら気持ちのよう朝なのだがここ最近のオルビスは朝は気持ちよく起きれない。理由は壁の外で見てしまった惨状だ。餓死する者やカルト的宗教他にも盗みや殺人が起こる残酷で想像よりかけ離れた街のせいだ。
オル「……はぁ…………」
オルビスは何時ものように溜め息を吐いてベッドから出て何時ものように食堂へと向かう。その通り道で自分の母のような存在であるウリエルと出会う。
ウリ「あらオルビスおはようございます♪」
オル「おはようウリエル様‥‥ねぇウリエル様」
ウリ「何ですか?」
オル「壁の向こうにある世界って皆幸せに暮らして
いるの?」
と、言う質問をした。普通なら幸せな生活などしていないと言うがウリエルの返答は違った。
ウリ「皆さん仲良く幸せに暮らしてますよ♪」
オル「……そう…なんだ♪」
オルビスはこれ以上の追求は止めた。オルビスからしてみれば育ての母親のようなウリエルに失礼とも考えたからだ。
オル「それじゃ朝ごはん食べてくるね♪」
ウリ「えぇ♪行ってらっしゃいオルビス♪」
そうしてオルビスは食堂へと向かった。その背中をウリエルは黙って見つめてその場を去った。そしてオルビスは食堂へと向かう途中の事だった。つきあたりの過度を曲がろうとした瞬間、
ドスッ!
オル「キャッ!!」
ガシッ!
天使「すいません大丈夫ですか?」
ぶつかって後ろに倒れそうになった時ぶつかった天使がオルビスの手を掴み体制を戻す。
オル「ごめんなさい余所見していて……」
天使「こちらこそすいませんでした」
オル「それじゃ私ごはんを食べに行くから♪さよ
うなら♪」
そう言いオルビスはその天使に背中をむけて去っていった。その時その天使は、
天使「あれがターゲットか………」
そう言いその天使はその場から去った。そしてオルビスは朝食を食べながらもう一度あの街へ行こうと考えた。あの男性にベルフェゴールに会えば何かが変わると思ったからかだ。視点は変わりここはソルにある街ここでは常に全能神に人間達は供物を捧げて祈りをしている。現代から見ると異形のような街であろうそこにある大聖堂の地下では、
ドスッ!
天使「ぐっふ!!」
ベゼ「ほらさっさと吐けよ……」
ベル「…………」
大聖堂の地下は所謂拷問部屋が備えられていた。全能神を侮辱する者やその使いである天使を侮辱する者を捕らえ拷問する部屋だが今回は違った。そこにいるのは悪魔の2体であるベルゼブブそしてベルフェゴールの2人が天使を拷問していた。
天使「きっ貴様ら俗虫に話すことなどない!!」
なおこの天使は供物として捧げられた食糧を回収しに来た所を2人が拉致して大聖堂の地下にある拷問部屋へと連れてきたのだ。
ベゼ「こいつ本当にウザいな話すことは話せ全能計
画………あれを立案し実行へと移した奴そして
造られた全能神の事について教えろ……」
天使「教えるかバカが!」
ベゼ「………はぁこの手だけはお前らでも使いたくは
なかったんだねどな」
ベルゼブブは溜め息を吐きつつ後ろを振り向いて座って寝ているベルフェゴールの肩に手を置いて、
ベゼ「ベルフェゴール君ににバトンタッチするよ」
そう言われたベルフェゴールは目蓋を開けてゆっくりと立ち上がり拘束されている天使へと近づく。
天使「貴様らが何をしようが話さないからな!どん
な尋問や拷問をしようが俺は負ける気はない
のだよ!」
ベル「そうかならお前にはこの方法で聞くとしよう
か………」
ベルフェゴールは天使の顔の近くに手をかざすと、
ベル「アディクション………」
天使「……何にも起こらんぞ?逆に何でか体がポワ
ポワとしていて気持ち良いぞ♪」
そう言い天使が気持ちよくなっているのはほんの僅か数秒だった突然天使は、
天使「お前の魔法は失敗か♪バーk…‥…うっウガァ
ーー!!!」
苦しみ始めた。拘束されている体を必死に動かしながらベルフェゴールに、
天使「おっお願いだ!!その魔法をもう一度!もう
一度!!」
ベル「なら吐けよ貴様が知っている情報全て」
それを診ていたベルゼブブはただ顔を少し青くして、
ベゼ「中毒による依存症か………流石は拷問官やる
ことがえげつないな」
天使「わっ分かった!!だから!」
ベル「先に話せよ?」
天使「おっ俺は一般下級兵士だ!知ってるのは全
能計画を造ったのはがっガブリエル様とい
っいのはきっ聞いた!!」
ベル「他には?」
天使「そっそれだけだ!たっ頼むから!もっもう
一度その魔法ををををををを!」
ベル「うっせぇいい加減に死ねよ………」
パチンッ!
ベルフェゴールは指パッチンをすると天使はそこで盛大に口からおう吐しその中には真っ赤な血も混じっていた。そうして数分後には息をしなくなった。
ベル「さてと帰るか………ベルゼブブどうした?」
ベゼ「いやロンギヌスの手入れをするから先に帰
るね………」
そう言いベルゼブブはそこから足早に立ち去った。その場に1人だけとなったベルフェゴールは、
ベル「ガブリエルは彼奴に譲ってやるか」
そう呟いてベルフェゴールもそこから立ち去り残ったのは天使の骸だけとなった。そうしてベルフェゴールは教会から出て路地裏を歩こうとすると、
ガシッ!
ベル「うん?」
突然後ろの方に体重がかかるかのように歩くのが重くなる。ベルフェゴールは後ろを振り向くと、
オル「……あは♪」
何故かオルビスがいた。また面倒なのに関わったと思うと即座に歩こうとしたが、
ズズッ!ズズッ!ズズッ!
オルビスが後ろに全体重をかけてベルフェゴールを止めようとしてくる。そしてとうとう、
ベル「あぁ~ーー!!なんだ今度は!お前3日前に
ここには来るなと言っただろうが!!」
オル「えぇ~酷くない?せっかくお兄ちゃんに会い
に来たのに?」
ベル「はぁ!?」
どういう意味かベルフェゴールには分からなかった。何故、自分に会いに来たのかそれが良く分からない。
オル「ねぇお兄ちゃんそろそろ名前を教えてよ♪」
ベル「名乗る名はねぇって言ってんだろ………」
オル「ならお兄ちゃんのあだ名はクソ野郎ね♪」
ベル「女のガキがクソとか言うな!」
流石のベルフェゴールもこれにはツッコミをいれた。何せ半ば十代の少女がそんな事を言えばツッコミたくもなる。だがオルビスは、
オル「クソ野郎さん前より喋るね♪」
なお今回のベルフェゴールは前回のあれがあったため今回は結構長く寝ていた。故に機嫌はそんな悪くはない。
ベル「もういいそれよりもお前さっさと離せそして
帰れよ」
オル「いやだ♪クソ野郎さんここで町を見渡せる場
所ってない?」
ベル「はぁ?何でまた?」
なおベルフェゴールはツッコミを放棄した。これ以上ツッコンでも面倒くさいと考えたからだ。そしてベルフェゴールの言ったことに対しての返答がくる。
オル「う~ん上から見てみたいじゃん♪」
ベル「…………街の全体的な景色を見せれば解放するん
だよな?」
オル「うん♪約束するよ♪」
ベル「ちっしゃ~ねぇ~な……」
ベルフェゴールは背中に背負っている大鎌を手に持ち中腰になって立つとオルビスに向かって、
ベル「ほら……背中に乗れ……」
オル「うん?」
オルビスはベルフェゴールの指示にしたがって背中に乗るとベルフェゴールはおんぶの両用で立ち上がり、
ベル「しっかり掴まってろ」
そう言うとそこから跳躍をした。壁から壁を蹴っていく。背中でおんぶされているオルビスは目をキラキラさせながら興奮した。
オル「すご~い!!」
ベル「喋ると舌を噛むぞ………」
そうしてベルフェゴールは壁蹴り跳躍をしていって大聖堂のてっぺんへとたどり着く。
ベル「ほらこれがこの街の景色だ……」
オルビスはおんぶされた状態からこの街の全体的な景色を眺めた。屋根のペンキはみな剥がれ壁は修繕されることない活気のない街を、
オル「ねぇ…クソ野郎さん……」
ベル「何だよ……」
オル「私ねみんなが可哀想に見える生まれてすぐに
こんな現実があるなんて仕打ちとしか言えな
いよ………」
オルビスは自分の生活を見直してそう答えた。自分にはふかふかの布団や毎日3食の食べ物それら全てをとってオルビスは恥ずかしくなった。だがそんな事は言えなくても言えない言えば絶対に嫌われるから。だがベルフェゴールは、
ベル「俺は可哀想には見えないなぶっちゃけ他の奴
がどんな生き方をしようがどんな死に方をし
ようが俺には興味がない………」
かつて交わりというものを考えた。。その時にベルフェゴールの出した結論は幸せな交わりなどないという答えを出した。理由はいずれ人間は愛した人物を裏切り別の交わりに走っていく。他には好きという言葉そんな形だけの言葉それにすらも失望した。故にベルフェゴールからすれば大抵の事を信用しなくなった。そして結論を出し交わりに対して失望し興味をも消え失せた。
ベル「故に彼処にいる奴らがどうなろうが知ったこ
っちゃないって話だ………」
と、ベルフェゴールが言った時だった。背中でおぶられているオルビスは、
オル「なら何で私の願いを叶えてくれるの?興味が
ないなら貴方は引き受けないはずよね?」
ベル「…………お前がいちいち俺に構ってくるから俺
は仕方なくやってるだけだ勘違い………」
オル「いいえ貴方はそう言うけどそれだったら貴方
はさっさとその脚力で逃げれば良いと思うも
の………だから本当の貴方は生ある者に興味が
あるんだと思うんだ♪私にも生があるから」
ベル !!
この時この少女もといオルビスは何者だと錯覚するぐらいに驚いた。自分の心を見透かしてるそんな気が起こるぐらいこの少女は自分の本当の心理を当ててきたのだ。そう確かにその時から生に興味すら失せたがここ最近はそれが無くなっていた。理由は3日前に出会ったこの少女もといオルビスからだった。最初に出会った3日前その時は眠気とイラつきでイライラはしたがその翌日になって考えた。殺気を当てても逃げずなおかつ自分に反論してきたのは人間で彼女だけだったからだ故に興味が湧いたのだ。
ベル「ククク………ハハハハハ♪」
オル「あっ笑った♪」
ベル「お前が初めてだよ俺の心を見透かした奴は
よ………本当に面白い奴だな♪」
オル「ふふっそれが私ですから♪」
そうして2人はしばらく大聖堂のてっぺんで上からの景色を眺めると、
ベル「そろそろ下に降りるぞ」
オル「うん♪」
そうしてベルフェゴールはオルビスを背中に乗せて下へと降りてオルビスを地面へと降ろす。
ベル「さてと…さっさと帰んな……」
オル「ねぇ…クソ野郎さん……」
ベル「何だ?」
オル「私はね皆が仲良く暮らせる世界が欲しい」
ベル「それは俺には実現は出来ないなだがそれがお
前の夢なら出来るんじゃないのか?」
それを聞いたオルビスは笑顔となってベルフェゴールに頭を下げて、
オル「ありがとうクソ野郎さん♪それじゃここに長
居したら皆が心配するから帰るね♪」
そうしてオルビスはその場から去っていった。残ったベルフェゴールはオルビスの背中が見えなくなるまで見届け自分も隠れ家へと帰る。そうしてベルフェゴールは隠れ家へと帰ると……
ベル「ただいま……」
ルシ「あら♪ロリコン仲間のベルフェゴールお帰
り♪」
ベル「…………はぁ?」
突然ルシファーが訳が分からないことを言い出したためベルフェゴールが頭を悩ませると、
マモ「ベルフェゴール君………さっき女の子と話し
て一緒に大聖堂を登って景色とか見てたよ
ね?」
どうやら他のメンバーに見られていたようだ。それに対してベルフェゴールは反論する気もないので肯定した。
ベル「まぁそうだな………」
ルシ「これで貴方も同志よ♪」
ベル「俺をロリコン扱いするなっての」
と、会話をしていると奥で音楽を聴いていたサタンが此方にやって来る。
サタ「よぉ~帰ってたのか♪」
ベル「まぁな‥‥あれ?ベルゼブブとレビィアタン
の2人は?」
ルシ「それなら………レビィアタンはあっちで勉強
してベルゼブブは奥で自分の相棒の手入れ
をしてるわよ♪」
よく見てみると確かにテーブル席でレビィアタンは何か勉強をしていてベルゼブブは先程言った通りにロンギヌスの手入れをしていた。だがその時だった。後ろから扉が開く音がした。4人が後ろを振り向くとそこには天使がいた。
サタ「天使………じゃねぇよな?」
天使「それゃそうだよ♪」
天使は自分の皮をめくっていくと皮の中にいたのは情報収集の任務に出ていたアスモデウスだった。
アス「よっ♪情報を持ってきたぜ♪」
ルシ「まぁ他2人は忙しそうだから後で私が伝えて
おくわ………」
アス「まっ別に構わないけど‥‥それで言われていた
情報はまず全能計画に使われたとされる機器
およびに設計図について機器はまだ破壊する
には早いからそのままにしておいて設計図は
破棄してきたよ♪」
ルシ「やる~♪」
アス「それで次に城の構造だけどまさしく鉄壁の城
塞だ侵入するなら門しかなさそうだな………」
サタ「破壊なら任せろよ♪」
アス「そして最後に誕生した全能神についてそいつ
の名前と容姿についてだね」
マモ「どんな感じなの?」
アス「まず容姿はルシファーやベルゼブブが好きそ
うなロリだったよ……」
それを聞いたルシファーは目をキラキラさせて、
ルシ「何ですって!あのムサジジイからロリですっ
て!それを早く言いn……」
ベル「はいはい………それで名前は?」
ベルフェゴールはルシファーを抑えてアスモデウスに名前を聞くと、
アス「あぁ新たな全能神の名前もといコードネーム
はオルビスだとか………」
それを聞いたベルフェゴールはキョトンとして言った事が分からなかったのか……
ベル「パッ……Pardon?」
アス「だからオルビスだって……」
ベルフェゴールの「もう一度言ってください」を聞いたアスモデウスはそのターゲットの名前を再度答えるとベルフェゴールは、
ベル「…………oh…」
ルシ「…………まさかあんた知り合いじゃ?」
ベル「いや…いやいや……まさかな♪」
ルシ「そう‥‥とりあえず明日にでも進行するわよ♪
そんで一気に叩き潰すわあの天使達を!」
それを聞いたこの場のベルフェゴールとルシファーを除いた3人は、
サタ「おう♪」
アス「……了解~♪」
マモ「さぁ~てと準備をしないとな………」
ルシ「あの外道天使達はボコボコよ♪」
楽しそうに4人は奥へと行った。そして残ったベルフェゴールはただ一言、
ベル「マジかぁ……」
ただそう呟くしかなかった。そして一方のオルビスはといつと、
オル「ウリエル様何かご用ですか?」
オルビスはウリエルに呼ばれて会議室のような部屋に来るとそこにはウリエルの他に3人の天使達がいた。
ウリ「紹介するわ……右からガブリエル……」
ガブ「よろしくね♪」
ウリ「次にミカエル……」
ミカ「はじめましてオルビス♪」
ウリ「そしてラファエル……」
ラフ「こんにちは♪」
と、ウリエルが自分以外の天使を紹介するとオルビスはどういうことかと思いウリエルに聞く。
オル「ウリエル様………えっとそれよりも何で私を
呼んだの?」
ウリ「おっとごめんなさいね♪実はここにもう少
ししたら私達の敵がやって来るのよ」
ガブ「それで君にも戦って貰いたくてね♪」
それを聞いたオルビスはウリエルに敵とは誰なのか聞く。
オル「えっとその敵って誰なの?」
ウリ「私達天使や人間達にとっての敵………その名
も悪魔です………」
オルビスは聞いたことがあった。昔にウリエルに読んでもらった本に載っていた天使達最大の敵対者おそらく街をあんな状態にしたのも全て悪魔のせいだとこの時思った。故にオルビスは迷わなかった。平和な世界を作るために戦うと決意したからだ。
オル「…ウリエル様方……私に戦う力を下さい!」
ウリ「よくぞいいました♪」
ガブ「なら君に力を与えてあげるよ♪」
ラフ「さぁ力を与えましょう♪」
ミカ「貴女に裁きの力を……」
そう言うと4人の天使達はオルビスに手を翳す。するとオルビスは体の内側から力が溢れてくるのを感じたがそれと童子に、
オル「うっうがぁーーーーー!!」
痛みが体を襲った。だがオルビスには信念があった。あの男性……ベルフェゴールの言った平和な世界のために……それがオルビスの痛みを我慢させる。
オル(クソ野郎さん……私は自分が思い描く世界の
ために戦うね♪)
オルビスはそう心で言い続けてその力を受け入れるのだった。