宴会が終わって翌日、旧都の地霊殿こと自宅では何時ものような日常に、
理 「なっ何じゃこりゃ」
ならなかった。何故なら自分のワークデスクには10mぐらいの書類の山が10個近く出来ていたのだ。
さと「‥‥暫く私達仕事に就けてなかったですからね
私のデスクもここまではないですがこの書類
の山は2~4個ありますね」
理 「期限って‥‥確か」
さと「来月の5日までなので送り日を抜くと後本当
に1週間しかないですね」
理 「不味いなそれ」
さとりの量も考えると1週間で終えれるのか。終わらないで来月放置などになったら地獄から支給金が送られなかったりと旧都の生活が危うくなるためやらなければならない。普段ならここまで貯めた事がないためよく分からないが終われるのかと不安になっていると部屋の扉が開き、
千 「理久兎よ少しワシ達と遊ぼうぞ♪」
おふくろが入ってきた。因みに怠惰とおふくろは現在ここ地霊殿に宿泊している。そのためこうして来れるのだ。
理 「今はそれ所じゃねぇよ」
千 「ほうこれはこれはまた凄い量じゃのう‥‥ワシ
の気持ちが分かるか?」
理 「知らねぇし‥‥というか分かりたくもねぇよ‥‥
はぁ………」
ため息を吐きながらもデスクの椅子に座り書類の確認及びに検印等々の作業を開始する。
理 「とりあえず1週間は無理だ俺もさとりも」
さと「ごめんなさいお義母様」
千 「むぅ‥‥仕方ないのぉ」
残念そうに千は部屋から出ていった。
理 「さとりもここでやる?折角だしその方が互い
の検印とかのための移動も楽になるし」
さと「そうですね‥‥そうしましょうかなら持ってき
ますね」
そう言いさとりは書類を取りに向かった。
理 「さとりが来るまでに2mは減らせるか‥‥」
そんな事を呟き種類を素早く丁寧に片付けていく。そうして約1m程を片付けると扉が開く。
さと「持ってきました理久兎さん」
お燐「てな訳でお届けね♪」
お空「うにゅ♪」
さとりとお燐とお空はそれぞれ書類を部屋に置くとお燐とお空は頭をペコリと下げ、
お燐「それでは頑張ってください理久兎様さとり様
御武運を祈ってるよ」
お空「応援するからね♪」
そう言い部屋を出ていった。ありがたい励ましの一言だが終わるような気配がない。最悪は亜狛の裂け目速達便で送ると考えれば+1日の延長は可能だが本当に終わるかどうかが心配だ。
理 「さとり早速だがこの書類に検印をしたらそこ
の机に置いておいてくれ」
さと「分かりました」
そうして仕事をすること約3時間、何とか自分の所の書類の山は1つ消せた。
理 「ふぅ‥‥さとりどうだそっちは?」
首を回しながら聞くとさとりは少し渋い顔をする。
さと「私1人でやるとしたら丁度1週間で全部終わ
りますかね」
理 「………もう少し頑張ったら休憩しようか」
さと「そうですね」
そうしてさとりと共にまた抗い続ける。時には小話を挟みつつ時には体を伸ばしながらと少しの間を入れてやっていく。そうして気づくと仕事をやり初めてから5時間が経過し書類の山がまた1つ消えていた。さとりの方も書類の山が1つ何とか消えた。
理 「ふぅ………少し休憩しようか」
さと「そうですね‥‥」
理 「OK‥‥紅茶はアッサムで良い?」
さと「えぇお願いします♪あっ確かアッサムでした
よね?それなら出来ればミルクは付けれます
か?」
理 「あぁ良いよ」
自室の棚から茶器とアッサムの茶葉を出しそしてポットには魔法で水を入れ沸騰させていく。その間に断罪神書からミルクを取り出す。
理 「よしっと」
ティーポットに紅茶の茶葉を入れそこにお湯を注ぐ。そして別の容器にそれぞれミルク、蜂蜜、砂糖を入れさとりの座るテーブルまで運ぶ。
理 「ほれ」
さと「どうも‥‥」
ミルクを紅茶に入れたさとりは紅茶を飲み一息つく。自分も紅茶にミルクとハチミツを入れて飲みながら一息つく。
理 「にしても何時になったら終わるのかねぇ」
さと「このまま理久兎さんがやれば3日で終わるよ
うな気がしますけどね」
理 「嫌々‥‥夕食だったり作るからね?それに睡眠
も取んないと明日に響くぞ?」
さと「私なら何とか」
理 「さとりは寝なさいただでさ貧弱体力なんだか
ら‥‥過労死されても困る」
と、言うとさとりはジロッと睨み目を瞑ってため息をはいて紅茶を飲んでいく。すると、
ガチャ
扉が開く音がして向くと、
怠惰「あり?ここトイレじゃなかった的な感じ?」
扉から怠惰が顔だけ覗かせる。というかトイレとどう間違えるんだよ。
理 「あぁトイレじゃねぇトイレなら右真っ直ぐで
突き当たりを左に行けばトイレだ」
怠惰「サンキュー♪」
扉が閉まりまた静寂が戻る。
理 「なぁさとり教えてくれないか何で怠惰に怯え
ているんだ?」
さと「えっ!?そっそんな事………いえ本当は怖いで
す怠惰さんは‥‥確かに理久兎さんを助ける助
力だったりはしてくれましたですが彼は隠し
てくれてはいますがあの時に見た怨嵯や悲し
みを嘆く怨霊が不気味で怖くて‥‥あれはこの
世に存在すること事態が」
理 「分かったもう良い落ち着け‥‥な?」
さと「すみません取り乱しましたね‥‥」
怨霊程度なら足蹴にするあのさとりがバイブレーションするぐらい怯えるとは流石に予想外だ。だがその怨霊‥‥旧都で戦った際に見たあれなのだろうか。だとしたら彼奴は‥‥と思っているとまた扉が開かれ、
怠惰「いや~ありがとうね教えてもらっちゃって♪
お陰で膀胱炎の危機は回避できたよ♪」
理 「あぁ‥‥なぁもし嫌じゃなかったらで良いお前
の事を少し教えてくれないか?」
さと「‥‥」
さとりも怯えはしてはいるが気になるのか背筋が伸びた。すると怠惰のアホっぽい雰囲気が急に冷ややかで冷たい雰囲気になる。
怠惰「知りたいの?」
理 「あぁ」
怠惰「ふぅ~んなら軽く選択肢を与えようか♪」
さと「選択肢?」
怠惰「あぁ選択肢さ」
そう言うと怠惰は懐から3つの花を出す。右から赤いアネモア、彼岸花、福寿草の3つだ。
さと「どれも毒花じゃないですか」
怠惰「あぁそうさ‥‥2人で相談して1本好きな物を
選びなよ」
選べと言われても正直悩むし意味が分からない。
理 「………どれにする?」
さと「分かりません‥‥ですが何となくで良いですか
理久兎さん」
理 「あぁ」
そう言うとさとりは福寿草を指差した。
怠惰「因みに何で福寿草なんだい?」
さと「名前からしてまともかと思ったので」
怠惰「成る程‥‥確かに福寿草の花言葉は幸せを招く
とかで日本では大変ありがたい花としては知
られてはいる‥‥が一方で海外の方では悲しみ
の記憶という花言葉に変わるのさ」
そう言うと並べた花は忽然と姿を消す。怠惰は遠くを見るような目をして天井を見上げる。
怠惰「もう‥‥かれこれ何億とかそんぐらいになるの
かな俺はね大切な人を失ったのさ」
理 「大切な人?」
さと「誰なんですかそれは?」
怠惰「………俺の姉さ」
どうやら怠惰には姉がいたみたいだ。つまり宴会の時に聞いた話を合わすと怠惰の上には兄と姉がいたみたいだ。
怠惰「姉貴はとっても聡明で美しく魔力に限っては
肩を並べられる者なんて早々いないぐらい強
くそして何よりも俺や兄貴を大切にし未来を
思ってくれる優しい姉貴だったよ‥‥」
理 「ほう」
怠惰「けどね姉貴は体がとても病弱でね自身が一番
得意とし最適生とまで言われた毒の魔法です
ら使うだけで諸刃の剣となり膨大な魔力は貧
弱だった体により負担をかける結果となった
そのため何時もベッドの上での生活だった余
命まで宣告させられたぐらいさ‥‥」
さと「怠惰さん間違っていたらごめんなさいそれっ
てまさか本物のベルフェゴールですか?」
さとりは何を言い出すんだ。本物のベルフェゴールって目の前にいるだろう。だが怠惰は苦笑いをする。
怠惰「まぁ‥‥うん言っておくが俺もベルフェゴール
だったと言うのは間違いはないだが俺はあく
まで二代目だそしてさとりちゃんのお察しの
通り先代ベルフェゴールは姉貴の名前だった
ものさ‥‥」
理 「だった?」
怠惰「あぁ話を続けるぞ俺は姉貴の死という運命を
塗り替えようと俺は努力したでもその先にあ
った結果は姉貴を‥‥大好きだった姉貴を俺自
らの手で殺す結果となって終わった」
さと「そんな‥‥」
こいつ自分の姉貴に手をかけたのか。まるで小説のキャラクターみたいな悲劇物語を語ってて恐い。
怠惰「最後はあっけなかったものさ何て言ったと思
う?『自由に生きて』だぜ?だから俺は自由
に生きる事にしたよ‥‥元の俺の名を捨て姉貴
の名前を継いでなその後は家督とかそんな下
らないものは全て捨て自由になったそして同
時に多くの事を学んだのさ‥‥軽蔑したか?」
理 「あまりにも酷い話で引く所の騒ぎじゃねぇ」
怠惰「ひでぇなぁ理久兎は‥‥」
さと「………えっ?まさかこれで終わりですか!?」
どうやらさとりは続きが気になっているのかそんな事を呟く。怠惰はニコリと笑うと、
怠惰「さとりちゃんは福寿草を選んだでしょ?だか
らこの話はここまでさ」
理 「まさか選ぶ花によって話が変わったのか?」
怠惰「そうだよ?まさかこれだけしかないと思った
の理久兎君は♪」
そう言う事か。こいつ長くなるのを見通して話を3つに分けてやがった。福寿草以外の選択肢だったアネモアと彼岸花はまた別の話になっているとは。
怠惰「花言葉通り悲しい思い出であるのは勿論だけ
れど反面でもう戻ってはこない幸福な思い出
だったのさ‥‥まぁでもこうして千ちゃんと知
り会え出会えたからある意味で良かったのか
もしれないよね♪さてと長くなったね‥‥2人
共仕事しなくていいの?」
それを聞いた自分達は時計を見るともう14時になっている事に気がつく。
理 「やべっ!?」
さと「しまった!」
怠惰「ハハッ♪まぁまた気が向いたら話に来てやる
よ理久兎君♪」
そう言い立ち上がると怠惰は部屋から出ていった。自分とさとりはそんなの気にせずに貯まった仕事に再度取りかかる。
理 「彼奴の言った裏切りとかって‥‥」
と、怠惰の言葉が気になりながらも仕事をこなしていくのだった。
怠惰「ではでは今回はここまでね」
千 「遅いぞ!」
怠惰「めんごめんご♪」
千 「やれやれ」
怠惰「でまぁ‥‥とりあえずぶっちゃけコーナー的
な感じだけどこの小説内の姉について少し
リアル話をまじえて話すよ」
千 「姉って‥‥おるのか?」
怠惰「まぁ小説内ではこう語ったけどリアル話に
なるとねこの世界に産声を上げる筈だった
ってのが正解なんだよね」
千 「どういう‥‥そうか流産か」
怠惰「そう♪読者様からしたら嘘話乙wとかって
なるかもしれないけど前回に書いた通りに
これはリアル話を所々で交えてるからこれ
はマジな話だよ」
千 「………じゃあリアルは兄だけという事か」
怠惰「まぁねそれでは話を戻すけど小説内の姉の
コンセプトはもし本当に姉がいたら‥‥って
のをコンセプトにしてリアルで亡くなって
しまったのを含めて小説にまとめたって感
じだね」
千 「ほう‥‥会ってはみたかったかリアルでは」
怠惰「まぁ会ってはみたかったかな?」
千 「そうか」
怠惰「うん‥‥あっそれと残り2つ花はどんな話し
になっていたのかってのはネットなりで花
言葉を検索してぜひぜひ予測してみてね」
千 「説明せんか!?」
怠惰「いや~まぁ多分いずれ小説内でも語るから
さ♪さてと色々とぶっちゃけ話をした所で
今回はここまでね」
千 「唐突に終わるのう‥まぁ良いが‥では次回も
よろしく頼むぞ!」
怠惰「そんじゃ読者様」
千 「さらばじゃ!」