蓮への「生かさず殺さず」の精神のもとに修行を考え決行してから2日が経過する。
蓮 「ドナ‥ドナ‥ドナ………」
何時もの昼食の場で蓮は燃え尽きたのか真っ白になっていた。しかも口から白い管的な何かが出ている。
狗神「小僧しっかりしろ!」
鈴蘭「帰ってきて蓮くん!?」
神楽「蓮さん!」
3人の式神達が蓮を揺さぶりひっぱたいたりして起こそうとしているがまだ真っ白だ。
理 「………お前らやり過ぎたんじゃないか?」
こんなになるとは予想外だったため修行から帰ってきた3人に聞くと、
黒 「いや考えた修行の元にやっているぞ」
耶狛「うん‥‥言われた通りに溶岩組手を数時間しか
しかしてないよ?」
理 「みたいだよなぁ」
だよなそんぐらいしかやっていないのならどうしてこうなっているんだ。
亜狛「マスター‥‥貴方は鬼ですかそれよか蓮さんを
殺す気ですか!?」
理 「えっ?」
亜狛「えって‥‥まさか人間の限界と妖怪達の限界を
間違えてませんか?」
言われてみると確かにそこは考えてなかったな。これまで妖怪はたまた神の指南しかしてこなかったから限界を誤っていたかもしれない。
さと「理久兎さん‥‥」
理 「どうした?」
さと「えっと蓮さんの心拍が‥‥」
それは流石にまずいとりあえず指をならして蓮に近づき、
理 「チェスト!!」
蓮 「ぐふっ!!?」
思いっきり溝に向かって殴り飛ばす。
狗神「お前はバカか!!?」
理 「大丈夫だ問題ない!」
鈴蘭「問題しかないよ!?」
と、言っていると殴り飛ばした蓮が起き上がる。
神楽「蓮さん!」
式神達がすぐに蓮に近づく。自分達も近づくと、
蓮 「ここは誰!?僕はどこ!!?」
こいつは何を典型的な記憶喪失者みないな事を言い出しているんだ。
理 「何を典型的な事を言ってんだここは地霊殿で
お前は葛ノ葉蓮だぞ?」
蓮 「えっ?あっあぁそうでしたね‥‥そういえば理
久兎さん小町さんって何時も何処にいるんで
すか?」
理 「はっ?どうしてまた?」
蓮 「いやさっきまぁ多分‥‥夢だったのかな?死ん
だ婆ちゃんが川を挟んだ向こう岸でこっちに
来てはダメって言っててそれでその川に小町
さんが船に寝そべって川を流れて行ったのを
見たもので」
こいつ洒落にならないことを言いやがって、だがある意味でお手柄だ。中々見つけれないサボっている小町を見つけたのだから。どうやら三途の川でサボっているってのが良く分かった。後で映姫に報告して引っ捕らえてもらおう。
理 「夢だよ蓮♪お前はしっかりと朝の修行をして
疲れて果てたのか寝ちまったんだよまぁ疲れ
てれるからそんな夢を見たんだ気にする必要
はないんだぞ♪」
蓮 「そっそうですよね!それよりもしっかりと出
来たんですね!」
理 「あっあぁだよな!!?」
修行を担当した3人に力強く聞くと3人は苦笑いをしながら、
黒 「あぁ‥‥小僧は良く頑張った」
耶狛「うん!頑張ったと私は思うよ!そうだよね!
お兄ちゃん!」
亜狛「もっ勿論!」
流石は俺の従者の3人だ。そういったフォローはバッチリだ。
さと「いやあのさっき死にかけ‥‥」
理 「あぁ~!あぁ~!聞こえないなぁ!えっ何?
ショコラ系のスイーツが食べたいだって!?
仕方ないなぁさとりは~♪」
狗神「おいコラ話をそら‥‥」
理 「えっ?亜狛と耶狛とでお喋りしたいの?良い
よ話してくれても♪」
と、言うと何故か狗神は顔を真っ赤にさせて黙った。
さと「本当に意外ですねぇ♪」
狗神「心を読むな!!どうせお前も元は同じ穴の狢
だろうが!?」
言っている事は良く分からないがとりあえず口止め料として今回はチョコレートフォンデュを作るかと考えた。だが亜狛の言い分通り自分は人間の限界点を過大評価し過ぎたそこは反省して残りの日数でどう検討するか。
理 「う~ん」
さと「理久兎さん1つ案を出しましょうか?」
理 「‥‥因みにその案って?」
さと「溶岩での特訓は確かに死と隣り合わせですぐ
強くはなれるでしょうしかし彼の精神が耐え
れなかった故にこのようになってしまった」
理 「確かに軽く幽体離脱してたよなぁ」
健全なる魂は健全なる精神と健全なる肉体に宿ると言うからな。言わば肉体と魂という岸を繋げる橋が精神だとしたのならその精神が決壊したから蓮は幽体離脱する羽目になったのは事実だ。
さと「理久兎さんの考えた特訓はあながち間違いで
はないんですただ限界点を越えてしまっただ
けなんですよ」
理 「ふむ‥‥ならもう少し手加減をさせるか」
だがすぐに思い付くかな。恐らく短時間で死ぬかもしれないと言う恐怖を限界点で味わい続けた結果がこの有り様だ。
さと「それもそうですが彼の壁を少しずつでも良い
ので破れる特訓をさせなければ意味がないで
すそのためには理久兎さん自身が見える範囲
でなければその点に関しては恐らく‥‥」
理 「あの3人が一番見ているか」
今の自分よりもあの3人が良く見ている。ならば今の自分がやれる事はこれしかないか。
理 「‥‥そうか分かった」
亜狛、耶狛、黒の元へと向かう。
理 「お前達3人に蓮の新たな修行メニューを教え
る心して聞けよ」
3人はビクビクとしつつ哀れむような目をする。流石に反省してもうあんな事はしない。充分に蓮は死と隣り合わせの特訓を達成したからな。何よりも自分は色々と急ぎすぎたのかもしれない。それならば少しずつ強くなれる方法を見つけるためにもこれしかない。
理 「お前らに指示する残り数日で蓮の今の限界の
壁を破れる特訓をしてくれ」
黒 「なっ」
理 「分かっている端から見たらお前達に蓮を当て
つけているようにしか見えないだろうだがこ
の数日間で蓮の特訓を見てきたのは誰でもな
くお前達だ‥‥だからこそお前らなら今の俺よ
りも蓮に充実した修行をさせる事ができるだ
ろう」
耶狛「でも本当に良いの殆どを私達に任せて?」
理 「あぁお前らは俺より慈悲深いだろじゃなきゃ
蓮の修行なんて断ってるだろ」
さとりと話す蓮を眺める。本当なら蓮の修行を見てどのような方向性で修行させるのか考えたいがそれは今は無理な話だ。自分の目の代わりとなる骸達で見ることは出来たとしても修行する者の正確な状態などを確認する事は出来はしないのだから。
理 「無論で俺もサポートはする必要な事だったり
アドバイスだったりが欲しいなら俺に聞いて
くれ」
そう言うと3人はお互いに見合うと自分を見て、
亜狛「分かりました残りの分を僕らでしっかりとや
りますよ!」
耶狛「うん!今よりも強くさせるからね!」
黒 「あぁ小僧は見てて面白いからなしっかりと鍛
てやる」
理 「あぁ頼む」
そう言うと3人は蓮の元へと向かっていった。3人が蓮へと向かうとさとりが戻ってくる。
さと「上手くいくと良いですね」
理 「あぁ‥‥残り数日だそれまで蓮を頼むぞ」
蓮の修行のために頑張る3人を眺め残り数日と言う長いような短いような謹慎処分を受けるのだった。なお小町の件についてはしっかりと映姫に連絡をいれたのは言うまでもない。
怠惰「ではではありがとうございました」
千 「あやつも誰かに頼るという事を覚えたの」
怠惰「頼るねぇ」
千 「うむ良く言うじゃろ人という字は人と人が支
え合うから人じゃと♪」
怠惰「いや俺が習ったのとは違うね」
千 「何?」
怠惰「人って字は人が1人で歩くから人って字じゃ
なかったっけ?」
千 「こやつはクソじゃな」
怠惰「何を今さら」
千 「はっ腹立つのぉ」
怠惰「アハハハ♪」
千 「もっもう良いわ怠惰よ終わるぞ」
怠惰「はいはいそれじゃ今回はここまでね」
千 「うむまた月曜日もよろしくの!」
怠惰「そんじゃバイニャラ」