作業を初めて数10分が経過する。自分とさとりは地上の者達への詫びの手土産としてお手製の料理を作っていた。
理 「‥‥喜んでくれると思うか?」
はたしてこれで喜んでくれるのだろうか。また毛嫌いされないだろうかと料理を作っていて不安になってくる。
さと「理久兎さんこれらは気持ちの問題ですよ?」
理 「まぁそうなんだけどやっぱり不安になってく
るよなぁ」
さと「そう小さな所で神経質ですね理久兎さんは」
そうは言っても不安になるものなのだから仕方ない。記憶には無くても皆を殺しかけたのだから。
さと「それで次はどうしますシェフ?」
理 「はいはい‥‥その生地は一旦は冷蔵庫に入れて
その間に中身を作るよ」
さと「分かりました」
因みに詫びの手土産として作っているものそれはサクサクとした食感に甘いクリームが口に広がるクッキーシューと呼ばれる物を作っている。
さと「理久兎さん確かシュークリームってカスター
ドクリームが基本ですよね?何でまたきな粉
や豆乳が?それにさっきもバターじゃなくて
マーガリンを使ってましたよね?」
理 「あぁ命蓮寺の人達は基本的に精進料理しか食
わないみたいだからなだから少し工夫してる
のさ」
さと「あぁ成る程そういう事ですか」
宗教的に食べれない物があるのは仕方はないがだからと言って抜けものはなしだ。皆に平等的に渡したいのが本心だ。
理 「さて‥‥さとりはカスタードの方を頼むよ俺は
豆乳きな粉クリームを作るから」
さと「分かりました」
そうして自分達は作業を再開させる。さとりは少量の牛乳に卵を加え混ぜ自分は濃い豆乳ときな粉を混ぜていく。
さと「カスタードの香りそして隣からは和を感じさ
せる香りが心地よいですね♪」
理 「あぁ女性陣が多いから喜んでくれると良いけ
どな~♪」
女性は甘い物が好きって言うが実際はどうなのだろうか。
理 「なぁさとりって甘い物とかって好きか?」
さと「そうですねぇ‥‥嫌いではないですよ?」
理 「ふぅ~ん」
何かこれ渡しても喜ばれないような気がしてならない。いやまぁここは気持ちの問題だよな。そんな事を思いつつ作業をしていると時間はあっという間に過ぎ濃厚クリームが完成する。
理 「どうよ」
スプーンでほんの少しだけ取りさとりに食べさせる。さとりは暫く味わうと、
さと「良いですね私もお願いします」
カスタードクリームをスプーンに少し取り差し出す。それを貰い味見すると濃厚な甘味が広がる。
理 「良いねならこれらも冷蔵庫に入れようか」
クリームを冷蔵庫に入れ冷やし次の行程へと移る。
理 「そんじゃ次は下生地に行くよ」
さと「はい♪」
理 「使うのはこちらです」
そう言い材料を断罪神書から取り出していく。
さと「理久兎さん卵がありませんが?」
理 「代用でこちら麻の実を使うよ」
さと「食肉禁止のあれですね」
理 「そういう事だそれじゃやるよ」
そうして卵なしでの生地作りを開始する。それらを適量いれ次に混ぜ合わしと繰り返し下生地が出来る。
理 「そしたら下生地を適量でシートに敷くそんで
さっき作ったこのクッキー生地これは型でく
りぬいて敷いた下生地の上に置いていく」
さと「これで良いですよね?」
理 「そうそう良いよ♪」
そしてシートいっぱいに敷き詰めると火が灯る石窯の中にいれる。これで数分かな。
理 「ふぅ‥‥」
さと「後はクリームを入れて容器に入れれば完成で
すね」
理 「あぁ」
時間を見るともう6時だ。クリーム入れは出来る限りで急がなければな。あんまり遅くに行っても迷惑だし。
理 「なぁさとり」
さと「何です?」
理 「折角だから謝りに行くついでに地上を散歩し
ないか?」
さと「‥‥ですがあまり人には」
理 「分かってるだが時間帯的には夜だから人には
出会わないしもしかしたら何か面白いものが
見れるかもよ?」
それを聞いたさとりは暫く考える。頑固者なさとりを連れていくのは凄く手間がかかるにはかかるが案外にチョロい所があるから上手く誘導すれば行けたりしちゃうのだ。
さと「それってデートですか?」
理 「………そうなるのかな?」
さと「ふむ‥‥良いですよ折角ですしたまには地上の
夜空を見るの悪くはないですしね」
決まりだな。なら謝罪プラスお詫びの品を届け終えたら一緒に歩くか。
さと「理久兎さんニコニコ笑ってまさか楽しみなんで
すか?」
理 「ん?まぁな♪」
さと「そっそうですか」
いやさとりが顔を赤くしてどうするんだよ。今の発言で恥ずかしいの俺なんだからさ。
さと「理久兎さんそろそろ良さげですよ」
理 「おっどれどれ」
石窯から取り出すと綺麗な狐色に生地が焼き上がっていた。
理 「そしたらこれを少し冷ましますその間に使っ
た器具を片付けようか」
さと「そうですね」
使った調理器具を水と石鹸で洗い始める。
さと「にしても本当に何時も思うんですが手際が良
いですよね理久兎さんは」
理 「まぁ生きるためってのもあるけど長年趣味で
やってるからねぇ」
最初なんて焼き物しか作れなかったがその後に永琳に出会い料理を学び作っていったからな。それが楽しくて今では趣味の1つなんだよな。
さと「経験の差ですね」
理 「そういえばさとり達はどうしてたんだ?」
今だから思うがさとり達はどんな食生活してたんだろうかと思っていると、
さと「地上にいた時は畑から調達してましたね?」
あれ畑なんて持って‥‥あぁ野菜泥棒してたのね。
さと「地上にいた時まぁ今もそうではありますが嫌
われ妖怪だったので誰も相手にしてはくれま
せんでしたね唯一まともに私達を相手してく
れて受けれてくれたのは理久兎さん達やその
ご友人達ぐらいでしたね」
理 「そうなんだ」
まぁ相手したっていうより自分は種族なんて関係なくその者達の本質を見る。そのかいあって今はこうしてさとり達と楽しく暮らせてるわけだが。
さと「今さらではありますが教えてください何故あ
の時に私達をここへ連れてきたんですか?」
理 「あれ?昔に言わなかったけ?腹空かせて餓え
てる姿を見るに耐えれなかったって?」
さと「‥‥もしもその時に私達が餓えてなかったら」
理 「多分だけど置き去りにしてたかもな先に戦い
を吹っ掛けてきたのそっちだったし」
先に挑んできたのはさとり達だ。その時に腹の音が鳴らなければ助けはしなかったかもしれないな。
さと「まぁ確かに文句の付き所もないですね」
理 「だが今はさとり達を連れてきて良かったと思
ってるよ」
さと「理久兎さん‥‥」
その言葉は本心だ。今だからこそあの時に連れてきて良かったと心から思っている。そしてシュー生地もそろそろ冷めてきた感じだ。
理 「そろそろかな?クリームを頼むよ」
さと「分かりました」
そうしてさとりは二種類のクリームを持ってきてくれる。
理 「もうここまで来れば楽な作業だよ」
ビニール袋を2つ取り出し袋の下の先っちょを切り専用のノズルを着けクリームをそれぞれの袋に入れる。
理 「それじゃ入れてくよ」
さとりにノーマルのクリームが入った袋を渡し1つ生地を手に取り生地の下にノズルを差し込みクリームを入れ完成させる。
さと「こうですよね?」
自分をお手本に袋に力をいれて生地にクリームを入れ完成させる。
理 「そうそうこれを全部やってくよ」
さと「はい♪」
クリームを生地の中に入れてを繰り返しついにお詫びの品を完成させた。
理 「完成だね‥‥1つずつ食べてみるか?」
さと「えっとそれなら」
そう言いシュークリームを1つ手に取りさとりは食べると普段からポーカーフェイスを装うさとりは幸せそうに微笑む。
理 「良さそうだね」
さと「えっと理久兎さんのは‥‥っ凄い!」
驚きから微笑む。自分のも上手くできた感じだな。時間を見てみると7時を回っていた。
理 「急ぐか‥‥箱に包むよ」
さと「はっ!分かりました!」
そうして自分達は作ったクッキーシューを箱に包み準備に取りかかるのだった。
怠惰「それでは今回はここまで」
千 「うむして明日から3日休むのじゃろ?」
怠惰「まぁね昨日から言ってますが大変申し訳なく
思ってます」
千 「リアルならある意味で仕方がないかの」
怠惰「今年は結構なぐらいに休んでるよね」
千 「殆ど寝落ちじゃろ」
怠惰「そうなんですよねぇ何時も何時も毎度の事
ながらねぇ」
千 「仕方がない奴じゃわい」
怠惰「アハハ‥‥さてではでは少し早いけど今回は
ここまで」
千 「うむまた次回もよろしくの」
怠惰「それではまた土曜日までサラダバー」