洞窟を抜け翼を羽ばたかせ空を飛び地上を確認すると、
理 「………なんじゃありゃ」
ここら一帯は晴れ夕焼け空が見えてはいるが少し先の空には何故か曇天の雲が空を覆っていた。
理 「どうなってんだ?」
どうしてあんな空になっているんだ。まぁ大方の理由は恐らくあの天邪鬼が原因であるのは間違いないだろう。
理 「行ってみますかね」
翼を羽ばたかせ更に空へと飛び空中で一回転からの翼をたたみ一気にその場所へと向かう。
理 「良い風だ」
地底では感じる事のできない新鮮な空気と風が心地よい。地底でやると熱気とかで少し気持ち悪いし天井はあるしで少し窮屈だがやはり空を清々と飛ぶなら地上だな。たまには翼を広げ大空を飛ぶのも大切だなと感じた。
理 「気持ちいいな‥‥ん?」
風の心地よさを感じているその時だった。風に乗って不思議なメロディーが流れてくる。こう心の底から気分が盛り上がってくるようなメロディーが聞こえてくるのだ。
理 「何処から聞こえているんだ?」
異変の首謀者の事やはたまた打ち出の小槌の回収やらの仕事があるためそちらを最優先にしなければならないのだがどうも気になってしかたがないのだ。
理 「少しの道草なら良いかどうせこの件はもう俺
の仕事になったしな」
少しぐらいなら問題ないだろうと判断しそのままメロディーが聞こえる方向へと進む。
理 「こっち‥‥だよな?」
音楽が聞こえてくるのはいいのだが何処から流れているのやら。辺りは森やらあって分かりにくくて仕方ない。
理 「う~ん‥‥」
どこからなのかと思いながら目を瞑り耳に全神経を集中させると、
? 「本当にマスターはやりたい放題だな」
? 「修繕費だの言ってたのに壊したのって殆どが
マスターだしねぇ」
? 「まぁこれは俺も悪いんだがな‥‥」
等と聞こえてくる。何故だ音を辿っている筈なのに聞き覚えのある奴等が自分の悪口を言っているのが聞こえるのは。
理 「………やめた」
このまま全神経を耳に集中したらまた自分の悪口が聞こえてきそうで嫌だ。こうなれば勘を頼りにしながらメロディーの発生地を探すか。
理 「う~ん」
人差し指を立てて風が吹く方向を確認し風が吹く方向に向かって飛ぶ。そうしていくと少し開けた場所が見えてくるとその下で楽器を鳴らす3人の女性達がいた。下へと降りるとその女性達は自分に気付き音楽を止める。
? 「ありゃお客さん?」
と、3人の女性の内、赤髪にショートヘアーのリーダー格の女性は聞いてくる。
理 「おっと邪魔しちまったか?」
? 「いいえ大丈夫よ所で貴方は?」
理 「おっと名前を名乗らなかったのは失礼だった
ね俺は理久兎、深常理久兎だ」
? 「ご親切にどうも私は堀川雷鼓よそれでこの2人
は‥‥」
? 「は~い九十九八橋で~す♪」
? 「姉の九十九弁々よ」
えぇとリーダー的なのが雷鼓で琵琶を持っているのが弁々そして元気な子が八橋ね。うん何となくだと思うけど覚えた。
弁々「因みにどうしてここへ?」
理 「あぁ素敵な音色が聞こえてきてね良い音色だ
ったよ」
八橋「本当!嬉しいなぁ♪」
雷鼓「そうね誉めてくれて素直に嬉しいわ♪」
えぇと雷鼓は太鼓いや現代の楽器のドラムか?それに弁々が無論で琵琶そんで八橋がえぇも琴爪を着けてるから琴で良いのかな。
理 「しかし変わった構成だな現代楽器と古い楽器
でメンバー組んでるとはなぁ」
雷鼓「あぁこれ?」
浮いているドラムを指差すため自分は首を振る。
雷鼓「実は私は元からドラムの付喪神じゃなくて
古い和太鼓の付喪神なのよ」
理 「えっでも」
雷鼓「言いたい事は分かるわけどね私は気づいたの
よ今ここで起きている何らかの力によって私
達は目覚め動き出したそしてその力は私達の
自我にまで影響を与えているわ」
何らかの力ねぇ。恐らくそれは回収する打ち出の小槌で間違いはないだろう。まさかその力で物から付喪神までも生み出すとはな。
雷鼓「それで私は思ったのこの力に支配され続けて
操り人形になって惨めに動きそして最後はこ
の力も消えてしまえば私達は動くことは愚か
話すことも出来ない道具に逆戻りってねそれ
で私はそんな事にならないがためにある呪法
を考えたのよそれこそが依り代を変えるとい
う付喪神としてタブーじみた事をやってのけ
た訳よまぁこんなの運要素しかない大博打だ
ったけど何とか成功して良かったわぁ」
つまり依り代を変えて何とか付喪神として生き抜いたという事か。こいつ案外チャラいくせして雑草魂を持ってるよな。
理 「へぇ~凄い雑草魂だねぇ」
雷鼓「当たり前よ貴方だって余命宣告されたら少し
でも生きたいって思うでしょ?」
理 「まぁな‥‥といっても俺は不完全ながらも不老
不死みたいなもんだけどな」
雷鼓「そうなのというか不完全って何よ?」
理 「まぁそこは色々とな」
そういえば復活したのって何年前だったかな。もう500年は楽勝で行ってると思うけど。いやよそう考えてると虚しくなってくるだけだ。
雷鼓「ともかく私はその呪法を彼女達に教えたって
訳よ」
八橋「教わりました~♪」
弁々「えぇ本当は神楽お姉様にもこの呪法を教えた
かったんだけどね」
雷鼓「本当よねぇあの子が私達の元に来てくれたら
野望にも近づけたのにねぇ」
神楽って何処かで聞いたことなある名前だな。まぁこんな曖昧な感じなら自分からしたら覚えるほどの者ではないって事かな。というか野望って言ったかこいつ。
理 「野望ねぇどんな野望さ?」
雷鼓「ふふっ聞いて驚きなさいな私達の野望は道具
が支配する楽園を築くことよ変な力を出した
奴等が掲げた弱者が支配する世界だなんて私
は許さないわ!道具がこの世界を支配する事
こそが私達の掲げる野望よ!」
理 「つまりこの幻想郷のバランスを崩そうって考
えてる訳だよな?」
雷鼓「そうなるわね♪」
そうか、道草って本来は無駄に時間を費やす行為に等しいからやるのは良くないというが今回は道草をくって良かった。何故ならそのお陰で今、俺がやることが決まったのだから。
理 「そうかならその野望は残念だけれども今日で
終わりにしてもらうかな」
雷鼓「………やる気?」
理 「あぁ♪俺の仕事はお前らに力を与えた小槌の
回収そして幻想郷に何らかの被害をもたらそ
とする奴を影で倒すのが仕事だからな」
雷鼓「そう‥‥弁々に八橋そこで見ていてちょうだい
今からこいつと一騎討ちするから」
八橋「はいはい♪」
弁々「頑張ってね」
そう言い2人は離れると雷鼓はドラムを叩くステッキを構える。
理 「ほう一騎討ちか‥‥良いのか?」
雷鼓「えぇ貴方に負ける気がしないもの」
理 「そうかい‥‥ならその慢心の先の未来をすぐに
見せてやるよ来な」
雷鼓「上等よ!」
そうして雷鼓との戦いが幕を開けたのだった。
怠惰「はいはい久々の投稿でしたが今回はここま
ですと」
千 「うむ読者様しかしまさか理久兎の話でEX
キャラと戦うことになるとは」
怠惰「まぁ理久兎はEXステージは雷鼓なんだけ
ど蓮の場合は‥‥まぁそこはまたあっちを投
稿したら見てね♪」
千 「構成が凄いのぉ」
怠惰「因みに理久兎がここで戦ってる訳でしょ?」
千 「うむそうじゃのう」
怠惰「それなら上空は丁度‥‥城内での戦闘になっ
ているかな?」
千 「ほほうどうやらあの若造は頑張っておるよう
じゃのう」
怠惰「えぇそれに負けじとトラブルメーカーまたを
フラッガーの理久兎君も頑張ってくれるだろ
うね♪」
千 「うむまぁその2つ名の含みが酷いがやってく
れるじゃろうな」
怠惰「楽しみだね♪って事でそろそろ時間だから今
回はここまで」
千 「うむまた次回もよろしくの」
怠惰「それじゃ読者様」
千 「さらばじゃ!」