翼を大きく羽ばたかせ雷鼓達に言われた場所へと向かう。
理 「こうして改めて見ると大きいな」
曇天の空の大きさに驚きつつもその先がどうなっているのかはまったくもって分からない。気を引き締めて向かわなければ。そう思いながら曇天の空へと突っ込もうとしたその時だった。
理 「‥‥ん?」
曇天の空に何か突起が出来る。やがてその突起の先端か何かが猛スピードで地上の森林へと落ちていった。
理 「あれは‥‥」
一瞬ではあったがそれを一目だけ見て何なのかは見てすぐ分かった。それはボロボロになってはいるが自分が探している天邪鬼だったからだ。だが何故にボロボロなんだ。
理 「そういえばさっき蓮が行ってるとか言ってた
な‥‥てことは彼奴にボコされたのか」
どうやら蓮にこっぴどくやられたみたいだ。だがその異変の張本人を逃がしてしまうとは蓮もまだまだみたいだな。
理 「やれやれ‥‥まぁここからは俺の仕事かな」
翼を折り畳み滑空からの超スピードで天邪鬼が落ちていった森林へと向かう。
理 「彼奴はどこまで落ちたんだ?」
何処に落ちたのか探しているとヨレヨレとだが木の幹を手を当てながら不甲斐なく歩いている天邪鬼を見つける。
理 「いたいた‥‥」
ゆっくりと太い木の枝へと降り立ち天邪鬼を見下ろしながら、
理 「お前が天邪鬼だよな?」
? 「なっ何処に!」
と、呼び掛けるとピタリと立ち止まりキョロキョロと辺りを見渡し始める。
理 「ここだよ♪こ~こぉ♪」
また呼び掛けるとようやく気づいたのか自分を見上げる。
? 「さっきから私を呼んでるのはお前か」
理 「そう♪それでえぇと君が天邪鬼の‥‥変人邪心
だっけ?」
? 「違う!鬼人正邪だ!どうやったらそうなるん
だよ!というか私は変人ですらねぇ!」
いやこんな大それた事をやった奴は自分からしたら変人の部類だっての。
正邪「ていうかお前は誰だ名を名乗れ!その前に私
を見下ろすんじゃねぇよ!」
とりあえず木の枝に座りニコリと微笑みながら
理 「おっと失礼♪俺は幻想郷支部地獄裁判所の雑
用をしている深常理久兎ってもんだ♪」
正邪「深常理久兎‥‥はぁ!!?」
驚いた顔をした正邪は急に顔を真っ青にさせる。
正邪「おっお前まさかあの理久兎か!?」
理 「というと?」
正邪「八雲紫の師であり幻想郷の基盤を作り上げ更
には妖怪の頂点ぬらりひょんとして名を馳せ
た理久兎かって聞いてんだ」
おやおやまた懐かしいことを話すな。まぁ全部合ってるから否定することもないけどな。
理 「間違ってないなよその理久兎さ♪」
正邪「バカなお前は死んだはずだろ何でまだ!」
理 「お前は何時の話をしてんだよ‥‥もうとっくに
俺が生きてた何て事は幻想郷の殆どの奴が既
に知ってるけどな?」
まず文達が発行する新聞やらで既に情報は行き届いていると思ったがまさかまだ知らない奴がいたとはな。
正邪「知るか!私は敢えて新聞なんぞ取ってないん
だよ!」
理 「嫌々‥‥もしくは口コミとかさ」
正邪「そんな奴がいると思ってんのか!」
自分から言っておいてあれだがこの子あれだ。完璧にボッチだ。
理 「何でだろう目から汗が‥‥」
正邪「変な同情をすんじゃねぇよ私まで悲しくなっ
てきただろうが!?って私は敢えて友達を作
らないだけだからな勘違いすんじゃねぇ!」
理 「うんうんもう言わなくてこれ以上余計な話を
したら虚しく自爆するだけだぞ?」
正邪「マジでムカつくなお前!」
人がせっかく言ってやってんのに。あぁそうだこいつから巻き上げる物があったな。
理 「まぁそれはそれとしてだお前さん打出の小槌
を持ってるだろそれを出してくんない?」
正邪「へっ生憎な話で今は持ってないんだよ利用し
て小人に持ってかれちまったからよお生憎様
だな」
理 「そこを強がって言うなよただでさえそのボロ
ボロの姿で無理があるってのに逆に弱く見え
るだけだぞ?」
正邪「うるさい!うるさい!お前みたいな強者には
永遠と分からねぇだろうよ!」
ついには逆ギレをしだした。本当にそれじゃ典型的な弱い奴の例じゃねぇかよ。それ以前にこいつには俺が思ってた程の価値があるようには見えんな。思い込み過ぎたかな。というか何時から俺は強者とか言ったんだろうな。
理 「言っておくがそれは弱い奴の典型例だな‥‥」
正邪「何を!!」
理 「それ以前にお前は何か勘違いしてないか?」
正邪「してるもんか!」
理 「はぁ‥やれやれ……」
変にテンションが上がって激情状態の奴を落ち着けるなら手っ取り早い方法でサクッと落ち着けた方がいいよなこれは。
理 「そこまで言うなら俺とやってみると良いさ♪
ついでにお前をお縄にして閻魔の前に引っ立
てるのも俺の仕事だしな」
正邪「閻魔の前に引っ立てるって」
理 「嫌なら勝ってみろよ鬼人正邪ちゃんやれるも
のなら‥‥な?まぁ俺から見たらお前には俺が
思ってた程の価値があるかは分からんけど」
正邪「ちゃん付けしてんじゃねぇよ理久兎!それに
何が価値だよ!」
理 「ならやるか?その代わりこの決闘で逃げたら
価値がない所か負け犬いや噛ませ犬だぜ?」
正邪「誰が負け犬で噛ませ犬だ!!」
こうやって挑発でもしておけば逃げもせずバカみたい戦うことになるだろう。こいつも案外チョロすぎて涙が出てきそうだ。
理 「なら勝負を挑むって事で良いんだな?」
正邪「あぁそして最強の座から引き下ろしてやるよ
理久兎!!」
だから最強になった覚えはないんだけどなぁ。周りの奴が勝手にそう思って呟いてるだけだしな。だがこいつは自分に少し似てる所がある。
理 「なら来な鬼人正邪お前を今ここで閻魔の代わ
りに見定めてやるよお前の価値をな!」
こいつが何処まで出来るのかを見定めてみたい。思っていた程の価値がないと判断すればそこまでの存在だそれなら閻魔に引っ立てる。だが価値があると判断すれば‥‥楽しみだこいつがどこまで出来るのか。
正邪「やってやるそしてお前に勝って下克上を掲げ
てやる!!」
理 「良いねぇその粋だ!!」
そうして鬼人正邪との戦いが幕を開けたのだった。
怠惰「ではでは今回はここまで」
千 「しかし手負いの相手と戦うとはのぉ」
怠惰「まぁでもこういう言葉があるじゃん」
千 「何じゃ?」
怠惰「追い込まれた狐はジャッカルよりも狂暴だ
ってね」
千 「いやそれを言うなら窮鼠は猫を噛むじゃろ
それはメ
怠惰「まぁまぁ意味は大抵は同じだしね」
千 「しかしあの天邪鬼は本当に大丈夫かの?何
故かあぁいう奴ほど応援したくなるんじゃ
よな」
怠惰「さぁどうだろうね♪彼女は果たして理久兎
のお眼鏡に叶うのか次回にご期待って事で
今回はここまで」
千 「やれやれまた次回もよろしくの!」
怠惰「それでは読者様また次回」
千 「うむさらばじゃ♪」