理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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こんばんは読者様、大雨が酷いのにも関わらず学校に強制通学させられた怠惰のクソ悪魔です。あんな雨なんだから少しは状況を見ろよと心の中でツッコミしてました。さてこんな話もあれなのでそろそろ本編へどうぞ。


第474話 小悪党

正邪に勝利した自分は地上へと降り小槌の力を失ったせいか、力が入らないのか仰向けで倒れている正邪に近づく。

 

正邪「ちきしょう‥‥やっぱりダメじゃねぇか」

 

こいつは色々と間違った方向で考えてるな。

 

理 「なぁお前さ色々と間違った方向で考え過ぎて

   ないか?」

 

正邪「何だよ惨めな奴への慰めかよ!」

 

理 「違うってのお前は色々と卑屈に考えるなぁ」

 

正邪「当たり前だろ!ただでさえ負けると分かって

   る戦いなんて意味ないだろ!」

 

本当にそうだろうかと思った。今した戦いは意味などなかったのだろうか。自分はそうは思わないけどな。だが思ったのは負けると分かっていたなら本来の奴は諦めてしまうそれは自分の弟子である紫や蓮だってその1人だ。だがこいつはそんな戦いでも諦めようとはしなかった寧ろ体がここまでボロボロになりながらも戦ったそういった事が気に入ったのだ。そして何故そこまで強い意思があったのか気になった。

 

理 「やれやれそう考えるならお前の価値はそこま

   でだ‥‥しかしお前はさっきの戦いで諦めよう

   とはしなかったよな?」

 

正邪「………‥」

 

目をそらして無言を貫くって事は満更でもなさそうだ。そして無言の意味はつまり肯定って意味で良いだろう。

 

理 「教えてくれないか何故お前は諦めなかったの

   かを‥‥勝てる見込みがないと言うなら基本は

   諦めるがお前はしなかったその訳をさ」

 

正邪「私は諦めるのは大嫌いなんだよ例えそれが負

   ける確率が大きくたってひっくり返してやる

   のさ‥‥だがお前との戦いやさっきの青二才と

   の戦いではひっくり返せず負けちまったけど

   な‥‥」

 

理 「ほう‥‥」

 

面白いことを言う。やっぱりこいつは自分に似ていると思った。そしてあまりにも面白くて、

 

理 「くく‥‥アハハハ♪」

 

大きく笑ってしまった。こいつは映姫や紫はたまた霊夢達の前に引っ立てるには惜しい存在だと思った。

 

正邪「何が可笑しいんだよ」

 

理 「悪い悪い♪お前はやっぱり俺に似てるよ」

 

正邪「はぁ!?ふざけるなお前は強者で私は‥‥」

 

理 「言っておくが俺もどちらかと言えば弱者の部

   類だからな?」

 

それを聞いた正邪はしかめた顔をする。近くの木の幹に背を持たれて座り、

 

理 「俺はよ昔に何度もおふくろに下克上を仕掛け

   たのさ」

 

正邪「何を言って‥‥」

 

理 「そして何度も仕掛けて何ども足蹴にされ何度

   も引き分けとなった言っちまえばおふくろを

   相手に白星なんて全然ないぜ?第一おふくろ

   は加減を知らねぇからよ」

 

そうして自分の昔話を淡々と言っていく。それを正邪は何も言わず黙って聞いていく。

 

理 「そんでまぁ色々とあってこうしている訳さ」

 

正邪「……‥お前は下克上を諦めたのかよ?」

 

理 「いいやおふくろに会ったら基本は突っ掛かる

   よ♪ただ下克上をしてもその先には何がある

   のか分からなくてな‥‥しかも今の暮らしがこ

   れまた乙なもんでな♪」

 

正邪「けっ本当にお前は意味がわからねぇぜ‥‥」

 

そう言いながらも正邪は空に向かって右手を伸ばし手を握りしめる。

 

正邪「……‥お前は地獄からの使いだろこうなればも

   う私も終わりだが最後に下らねぇ話が聞けて

   良かったぜ」

 

立ち上がり正邪へと近づき、

 

理 「ふ~ん潔いんだn‥‥」

 

そう言うが正邪はこっそりと左手を動かしているのを見てしまう。やるならもう少し工夫しろよな霊夢とかなら見抜けずかもしれないが俺なら見抜けちまうぞ。

 

理 「‥‥まぁでもお前の価値は分かったよ方向性は

   ともかくとしてお前は何事にも諦めない姿勢

   は特に評価してやるよだからその左手を動か

   して逃げるための道具を取り出すのは止めて

   おけよやっても俺からは逃げれないぜ?」

 

正邪「っ!バレてやがるのかよ」

 

理 「俺に小細工しようだなんて何億年と早い」

 

正邪「本当に行く事になりそうだ‥‥こうなれば本当

   に煮るでも焼くなり好きにしやがれ!」

 

そう言いふてぶてしく大の字になって寝そべだす。だがしかし本当に勘違いをしてるよな。

 

理 「ついでに言っておいてやるがこの件の仕事‥‥

   まぁ現場監督は俺なんだよ」

 

正邪「どういう事だよ」

 

理 「俺が見逃すと言えばとりあえずお前は地獄へ

   は行かなくても済むって言ってるのさお前の

   価値は充分に見たからな」

 

正邪「……‥まさか」

 

理 「あぁお前のその価値を無駄にするのは勿体な

   いと判断したのさ♪」

 

こいつが勘違いしていることそれは地獄へと連れていく事だ。そんな下らなく面倒な事などするつもりなど毛頭ない。正邪の前で屈みニヤリと笑う。

 

理 「お前を見ていて少なくても思ったのは弱い奴

   をいじめて喜ぶようなカスじゃないって事は

   分かったしその諦めの悪さは特に良かった♪

   もしもまだ百鬼夜行が存在していたなら俺が

   直々に赴いてスカウトしてただろうな」

 

正邪「なっふざけるな!誰がお前の軍門なんかに加

   わるかよ!それよか勝手に決めつけるなよ!

   私はよお前が思ってる程の奴じゃねぇんだよ

   馬鹿は散々と利用しいらなくなったらポイッ

   って感じなんだよどうだそれでも!」

 

理 「俺はポイッまではしなかったが利用はしたよ

   なぁ‥‥当時の俺は嘘までついてそいつらの輪

   に入ってたしな‥‥」

 

あの頃を思い出すな。自分の真実の姿を知ってしまった時に皆はどんな顔をしたのかどんな接し方になっていたのかそれにビクビクしてたもんな。

 

正邪「どっどんだけお前はポジティブ思考なんだよ

   気持ち悪いし気色悪い野郎だな!」

 

流石は天邪鬼そこまで憎まれ口を言ってくれるとは逆に清々しいレベルだ。

 

理 「ハハハ♪本当にお前は面白いや♪」

 

そう言いながら断罪神書から2つの物を取り出す。1つは地底への通行書そしてもう1つは黒椿の素材にも使った黒の鱗を渡す。

 

正邪「なっ何だよこれは」

 

理 「恐らくお前がした今回の件は幻想郷の中でも

   極悪中の極悪行為だそれでお前は命を狙われ

   る事になるだろうその時になったらこの鱗を

   使うと良いさ」

 

正邪「なっ情けなんぞかけんじゃ!」

 

理 「いいや俺はゴミを捨てたらお前がそれを偶然

   にも拾った‥‥そうだろ?」

 

情けをかけてる訳ではない。ただこんなにも面白い奴をミスミス殺しても何ら面白くはない。それならばと思っての事だ。それに見てみたくなったのだこいつが幻想郷でも指折りレベルの奴を相手に抗うその姿を。

 

正邪「……‥けっ」

 

そう言い正邪は自分の手からそれを強引に取る。

 

理 「それともう1つのは地底への通行書だもし地

   上に嫌気がさしたら地底の旧都にある地霊殿

   に来なその時は客として歓迎してやるよ」

 

正邪「どうしてお前は私なんかに」

 

理 「言ったろお前は俺に似てるってな‥‥向かう姿

   勢は俺よりもクズの一言に尽きるが逆に面白

   いのさ」

 

あぁいった小悪党の1人や2人は根っからの悪があまりいないこの幻想郷には必要な存在であったりするのだ。故に少し情けとまではいかずも手助けしたくなるのだ。そうして立ち上がり正邪に背を向けて歩きだす。

 

理 「まぁ精々頑張って生き延びながら俺を楽しま

   せろよ」

 

正邪「なっおい私はお前の思うようには動かねぇか

   らな!!」

 

理 「結構それがお前の道なら尚更な」

 

そう言い自分は翼を広げ大空へと飛び立つのだった。

 

正邪「……‥変わった野郎‥‥」

 

そう呟き正邪は横になって目を瞑るのだった。そして大空へと飛び立った理久兎は、

 

理 「さて映姫には何て報告しようかなぁ」

 

今回の件は俺が勝手に決めてしまったため映姫達の幻想郷を見守る者達からしたら面白くはないだろう。それについても何とか説得しなければなと考えながら地底へと戻るのだった。




怠惰「では今回はここまで」

千 「うむしかし正邪を助ける意味などあるのかが
   謎じゃわい」

怠惰「まぁ理久兎は何を考えてあんな事をしたのか
   は分かってはいくとは思うよ?」

千 「ん?自分と少し似ているからではないのか」

怠惰「それもあるだろうけど‥‥逆にそれだけであの
   理久兎が小悪党を助けると思う?」

千 「言われてみると」

怠惰「恐らくさっきの似ているが6~7割それなら
   残りはって事さ」

千 「そこがいずれ分かってはくるという事か」

怠惰「そういう事さ♪さてそろそろ切りも良いから
   今回はここまで」

千 「うむまた次回もよろしくの♪」

怠惰「そんじゃまた次回!」

千 「さらばじゃ!」

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