理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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こんばんは読者様、履歴書が何とか1枚完成した怠惰のクソ悪魔です。本当に色々と面倒くさかったです。さてこんな話もあれなので本編へどうぞ。


第475話 必要悪

正邪を見定めた自分はそのまま地底への帰路についていた。

 

理 「撒いた種がどこまで成長するのやら♪」

 

これまで生きてきた中で彼処までひねくれたキャラは見たことがない。だからこそ面白いのだ。

 

理 「しかし本当にどう説明するかなんだよな」

 

映姫が考えている事は恐らく自分が見事に小槌に回収しそして正邪を引っ捕らえてくると思っているだろうからその考えを大きく外す行為をしちまった訳だが、それをどう誤魔化すかなんだよな。

 

理 「考えても仕方ないし連絡するか」

 

とりあえずは適当にはぐらかしながら報告するか。そう考え飛びながら断罪神書を開き映姫へと連絡をする。

 

映姫「はい此方は四季映姫・ヤマザナドゥです」

 

理 「ういっす」

 

映姫「あっ理久兎さんどうでしたか正邪は?」

 

理 「う~んとりあえずは軽くボコしておいたよ♪

   そんで捕縛についてだがする程の奴じゃなか

   ったな‥‥だからボコして小槌の力は全て拡散

   させた」

 

言ってる事は全部、事実である。見定めるために軽くはボコしたし捕縛する程つまり正邪は俺に捕縛されるような子ではないという意味だ。それを聞いた映姫は顎に手を当てて、

 

映姫「そうですか‥‥それで小槌の方は?」

 

理 「あぁ小槌の件だがどうやら小槌の持ち主がい

   るみたいで正邪はそれを利用してこの異変を

   引き起こしたみたいだ‥‥それにもう持ち主が

   いるんだったらここで回収と称して奪うのは

   得策じゃないから様子見だな」

 

映姫「ふむ‥‥確かに私も理久兎さん立場ならその判

   断に至りますね‥‥しかし理久兎さん聞かせて

   下さいませんか?どうして正邪を捕縛せずに

   ボコして終わったのですか?」

 

やはりそこを聞いてきたか。何とか真実を織り混ぜながら誤魔化さないとな。

 

理 「まぁそれについてだが映姫ちゃん考えてみな

   よ♪地上の者達が正邪をこのまま放っておく

   と思うか?」

 

映姫「思いませんね」

 

理 「だからこそ正邪を利用するのさ‥‥」

 

映姫「つまり必要悪ですか?」

 

理 「そうその必要悪に地上の者達は向かっていく

   当然正邪もやられたくはないだろうから反撃

   をする‥‥それに追い込まれた奴ほど強い奴は

   いないのさ‥‥それを相手にするって事は?」

 

映姫「‥‥成る程そういう事ですか」

 

どうやら映姫は自分のある意味での考えが分かったみたいだ。

 

映姫「ふふっ理久兎さん貴方は意外にも回りくどい

   ですし中々に食えませんね♪」

 

理 「そいつはどうも」

 

映姫「分かりました正邪の件についての書類の方は

   此方の方でやっておきますね」

 

理 「あいよ頼んだよ映姫ちゃん」

 

映姫「えぇそれでは」

 

そうして通話が終わり静けさが戻る。地底へと続く通路を抜け旧都へと帰ると鬼達や妖怪達がせっせと修繕作業を行っていた。

 

理 「やってるな」

 

さっきまであんなに暴れてボロボロになっている筈なのによく動けるものだ。流石は地底の妖怪達といいたい。そんな事を思いながら地霊殿へと向かうとそこには修繕作業をしている妖怪達よりも重症な怪我を負った妖怪達が御座で寝ていたりまた元気な者達は怪我を負った者達の看病に勤しんでいた。すると怪我を負っている1人の美寿々が自分の事に気付き手を振ってくる。

 

美 「理久兎~!」

 

とりあえず呼ばれたため向かうと美寿々は意外そうな顔をする。

 

美 「あれお前もう終わったのかい?」

 

理 「あぁ今回は速くに片付いたからなだが驚いた

   ぜもう修繕作業を始めてるのかよ」

 

美 「あぁ救助作業も素早く終わってなあんまりこ

   こに長居する訳にもいかないっていう意見が

   あって元気な妖怪達や鬼達が率先して修繕作

   業を始めたよ」

 

理 「ほう」

 

やはり比較的に動ける者達は動きそうでない者達はここで療養か。まぁそれが妥当といえば妥当か。

 

美 「で?お前が退治しに行った天邪鬼はどうだっ

   たよ?」

 

理 「あぁ~うんまぁそんなにはって感じだったな

   本当に惜しい奴だよ」

 

美 「ほうそうかい‥‥つまり殺しちゃいないって所

   だね?」

 

見破られたか。流石はお気楽な性格とは言えど鬼の頭領を張るだけの事はあるな。

 

理 「あぁ結局な俺が思っていた程の驚異はなくま

   してや映姫の考えすぎな所といいそういった

   のを見定めて軽くボコしてきただけだな」

 

美 「成る程ね‥‥」

 

理 「まっそれにまた何かしらの悪事を起こそうと

   いうならその時はなりの制裁を俺自らが与え

   に行ってやるさ」

 

何故かは分からないが彼奴にだけは負ける気が絶対にない気がするんだよな。

 

美 「そうかい‥‥」

 

理 「あぁ」

 

と、そんな会話をしていると鬼が走って此方に向かってやって来る。恐らく美寿々に用があるとみた。

 

理 「お前も忙しそうだしまた後で寄るよ」

 

美 「おう」

 

そうして離れるとやはり先程走ってきた鬼は美寿々と話を始めた。とりあえず他の者達の仕事を邪魔しないように地霊殿へと入るとお燐は猫車に大量のタオルを乗せて此方へと走ってくる。

 

お燐「あっ理久兎様おかえりなさい」

 

理 「ただいまお燐‥‥手伝いか?」

 

お燐「えぇ作業をしている方々も汗を拭う頃だと思

   いまして」

 

理 「気が利くじゃないか」

 

そういった所は本当に育ての親の亜狛にそっくり何だよな。

 

お燐「それよりも早いですね?」

 

理 「まぁな案外にも速くに片付いたからなって俺

   と呑気に話してて良いのか?」

 

お燐「あっそうだった!」

 

道を開けるとお燐はペコリと頭を下げて、

 

お燐「ありがとうございます!」

 

そう言い猫車を押して外へと出ていった。扉を閉めてから階段を登り仕事部屋の前へと向かう。

 

理 「ふぅ疲れた‥‥」

 

手こずりはしなかったが何か疲れた。ドアを開けて中へと入ると眼鏡をかけたさとりが机に向かって仕事をしていた。

 

さと「‥‥理久兎さんおかえりなさい」

 

理 「あぁただいま‥‥見積もりか?」

 

もしかしてと思い聞くとさとりは呆れた顔をして頷く。

 

理 「およよ‥‥」

 

歩いてさとりの隣に立ち見積もりを確認するとそこには凄い額が記載されていた。

 

理 「おっほっほっ!?これマジな話か?」

 

さと「えぇ」

 

その総額はざっと1000万と自棄に高額になっている。

 

さと「完全に直すならこの額は必要かと」

 

理 「うへぇ~これはキツいな」

 

流石のポケットマネーですらも払えて100万ざっと10分の1の額しか払えんしこんな額をどうやって払えば良いんだよ。

 

理 「これって材料費か?」

 

さと「いいえ材料費はあまり掛からない筈です何せ

   殆どの家は木造に畳ですのでかかっても畳の

   費用や障子やで使う和紙そして建築に必要な

   釘だとかですので」

 

まぁ確かに木だったら最悪は現世の森から調達は出来るし紙や釘だってそんなには高くはないしな。なら何が原因でここまでの額になったんだ。

 

さと「今、何が原因でこの額って思いましたね?」

 

理 「うげっバレてらっしゃる」

 

さと「ふふっ見事に予測が当たりましたね♪それで

   何が原因かと言いますと言わば消耗品まぁ食

   料だったり酒などの嗜好品だったりといった

   物々がこの騒動で食べれない飲めないという

   状態になってしまったがために買い直すため

   にはこれ程の額になってしまうって事です」

 

理 「成る程な」

 

旧都の人口はなりにいるからその分の食費がここまでかかるとはな。それは予想外だったな。

 

理 「この額は何とかする必要があるな‥‥分かった

   それは何としよう」

 

最悪は最終手段としての策はあるにはあるからそれで何とかするしかないか。まぁこの手段だけは本当に奥の手でしたかったが仕方ないよな。

 

さと「ふむ‥‥ならそこは理久兎さんに任せましょう

   そういえば映姫さんの依頼はどうなりました

   か?」

 

理 「あぁ~それなんだけどよ‥‥」

 

さと「まさか逃げられたんですか?」

 

理 「まぁ逃げられたというか逃がしたというか」

 

それを言うとさとりの目がジト目になる。そしてため息を吐くと、

 

さと「まったく何をしてるんですか?」

 

理 「いや~何か彼奴を見てると昔‥‥まぁ今もだけ

   ど自分と重ねてな」

 

さと「そうなんですか?」

 

理 「あぁ‥‥手段は汚いが中々に面白い奴だったか

   らさ♪」

 

それを聞いたさとりは何故かムスッとした顔をする。あれ何か不味いことを言ったのかな。

 

さと「そうですか‥‥さぞかしお気に入りみたいです

   ねぇ~」

 

理 「はぁ‥‥あのなぁ言っておくが今はお前といる

   方が気楽だからな?」

 

さと「そっそうですか」

 

理 「あぁ‥‥何か改めて言ったことが恥ずかしくな

   ってきたな」

 

自分にしては臭いことを言っちまったな。しかもまたさとりの表情が変わって今度は赤くなってるし、ここはフォローをいれるか。

 

理 「まぁその何だ‥‥」

 

言葉に出そうとした時、さとりはニコリと笑って自分の口元に人差し指を当ててくる。

 

さと「それ以上は良いですよ‥‥そのえっと嬉しかっ

   たので」

 

理 「……‥そうかい」

 

ならそれ以上の事は言うまい。

 

さと「えぇ‥‥ふふっ今の理久兎さんの言葉で少しだ

   け元気が出ました」

 

理 「そうかい‥‥ならまぁこの種類の整理を俺もや

   るから2人でちゃちゃっと片付けようぜ」

 

さと「えぇ♪」

 

そうして自分とさとりは山となっている書類を終わらすために奮起するのだった。




怠惰「ではでは今回はここまで」

千 「うむしかし必要悪か‥‥」

怠惰「まぁ正義も悪もどっちみち2つなければ意味
   がないからねぇ正義しかない世界はある意味
   での絶対的な規律で縛られる悪しかない世界
   はある意味での無法地帯だからどっちしかな
   いってのは駄目なんだよね」

千 「確かにそれは言えるの‥‥」

怠惰「理久兎はそれが分かってるのかもね‥‥陰謀渦
   巻く平安京にいた訳だし」

千 「ギスギスしてそうじゃな」

怠惰「だよねぇ~そういう空気はあんまり好きじゃ
   ないんだよね」

千 「ワシもじゃ‥‥さて怠惰よそろそろ」

怠惰「だねそれじゃ今回はここまで」

千 「また次回もよろしくの」

怠惰「それでは読者様また次回!」

千 「さらばじゃ!」

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