理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第46話 少女の名前

理 「ズズ……うん!これならいいか……」

 

今現在理久兎は、お粥を作っている数時間前に妖怪に追われていた妖怪の少女のために消化の良い食べ物を作ろうと思ったからだ。この子は見た感じ珍しい顔をしていた。髪は薄い黄色で顔もこの辺じゃ見ない顔だ。本当に珍しい。だがこの子の服はなんというかみすぼらしい。この服を見ると私は捕虜という雰囲気だった。それに少し手当して気になったのはミミズ腫れが酷くそれが何ヵ所かあった事そしてあまりにも痩せ細っていた。相当過酷な思いをしてきた事が容易に分かる。

 

? 「うぅん………」

 

と、少女の声を聞いき気づいた。

 

理 「おやもう起きそうかな?」

 

そう言い少女が寝ている部屋に行くと、

 

? 「ここは……どこ?」

 

少女は辺りをキョロキョロと細く眠たそうな目で見ていた。

 

理 「おはようよく眠れた?」

 

理久兎は少女に話しかけると少女は黙りこむ。

 

? 「………………………えっええぇ」

 

と、少女の目に自分が映り数秒が経ったその時、

 

? 「キャー~ーー!」

 

と、大声を出した。それを間近で聞いて見た自分も驚いた。

 

理 「どうした!」

 

? 「こっち来ないで!」

 

そう言うと少女は這って壁の隅へと移動する。

 

理 「落ち着け!」

 

? 「貴方も私に乱暴するんでしょ!官能小説

   みたいに!」

 

と、どこで覚えたか分からないネタを言ってきた。だがそんな断じてしない。

 

理 「しねぇよ!とりあえず落ち着け!」

 

そんなこんなで理久兎は少女を落ち着かせることにしたのだった。そして何とかなだめさせて落ち着かせる。

 

? 「ごめんなさい助けてくれたのに乱暴者扱い

   して………」

 

理 「気にしてないよ…ほら食いなよ……」

 

そう言って理久兎は少女にお粥を食べさせた。

 

? 「ありがとう…ズズ…美味しい…グスッ」

 

少女は理久兎のお粥を食べると突然泣き出した。

 

理 「そうかでも泣く程でも………」

 

? 「こんな…まともな食事をとってなくて……」

 

理 「そうか…今はよく食べてまた眠りなさい……

   夜はまだ深くなるから」

 

? 「ありがとう………」

 

そして少女は飯を食べ終わるとすぐにまた眠ってしまった。まだ疲れが抜けてないみたいだ。

 

? 「スースー」

 

理 「にしてもこの子よく食べたな……」

 

理久兎が作ったお粥は自分は何も食していないのにも関わらず完食されていた。相当お腹が空いていたのが分かる。そして理久兎は少女の寝顔を見て、

 

理 「良い顔をして寝てるなぁ♪」

 

可愛らしい寝顔を見ながら呟いていると理久兎は直感的に何かを察知した。

 

理 「誰か来るな………」

 

危機察知が働いた次の瞬間。

 

ドン!ドン!

 

と、扉を叩く音が聞こえた。理久兎の感は一瞬で当たった。

 

理 「誰だ…こんな夜更けに……」

 

そう言って妖力を微かに放出してドアを開ける。そこには腰にこん棒を装備した2匹の妖怪がいた。

 

妖怪「お前は……妖怪か…」

 

妖怪「すまんがここに少女は来なかったか?」

 

妖怪に少女の事を聞かれた理久兎は、

 

理 「あぁ~知ってるぞ………」

 

妖怪「何?それは本当か!」

 

理 「お前らが来る少し前にここら近辺を歩いて

   そのまま北の方に向かってったよ」

 

妖怪「あのガキ!」

 

妖怪「散々手こずらせやがって!」

 

妖怪「いくぞ!」

 

妖怪「分かってる!」

 

そう言って妖怪達は去っていった理久兎は扉を閉めて元の部屋に戻った。

 

理 「まったく騒がしい奴等だ……」

 

と、愚痴っていると、

 

? 「貴方何で私のこと言わないの?」

 

理 「なんだ起きてたのか………?」

 

どうやら少女は、さっきの妖怪達のせいで起きてしまったようだ。そして少女の質問に答えた。

 

理 「何でねぇ…う~んだってあいつら少女としか

   言ったんだよね少女と言われても誰かわから

   ないもん♪それに詳しい詳細を述べてくれな

   かったしね♪」

 

? 「貴方変わってるわね……」

 

理 「よく言われて慣れた…そういえば君の名前

   はあるの?」

 

理久兎は少女の名前が気になり訊ねると、

 

? 「私…名前がないのよ……名前なんて誰もつけ

   てくれなかったし……」

 

名無しの誰かさんらしい。それは不便だと思った。

 

理 「そうか……なら俺がつけて良いか?」

 

? 「どうして?」

 

理 「だって君とかお前とかじゃ味気ないじゃん

   せっかく将来期待できそうな顔なのに……」

 

それを言われた少女は顔を赤くさせて驚き戸惑いながらも、

 

?「いい良いわよ…名前をつけてくれても……」

 

と、言われた理久兎は考えた。そしてこの暗い雰囲気を少しでも軽減しようと思って少しふざけてみることにした。

 

理 「ゲロしゃぶかフーミンだな……」

 

? 「どっちも嫌よ!」

 

理 「冗談だよ♪」(≡^∇^≡)

 

どうやら自分の意見はしっかりと主張出来るようで安心した。そして今度こそ真面目に考えながら空を見ると、

 

理 「今日の夜空は雲が何重にも重なってるな……

   性は「八雲」……」

 

? 「八雲?」

 

理 「それから折角だから君のその目の色から

   とって紫色だから紫のもう1つの読み方

   それは「ゆかり」だから君の名前『八雲

   紫』これで良いかな?」

 

? 「ふふっ♪気に入ったわなら私はこれから

   八雲紫と名乗らせてもらわ♪えっえ~と

   貴方の名前を聞かせてくれませんか?」

 

理 「俺の名前は……」

   (もうこれからこの名前でいいか)

 

そう考えた理久兎は自身の省略名を答える。

 

理 「深常理久兎だ……よろしく」

 

紫 「なら改めてよろしくお願いいたします

   理久兎さん♪」

 

理 「よろしくな紫……後もう少し寝ていなさい

   まだ疲れてるだろ?」

 

紫 「そうね………そうする…おやすみなさい」

 

そう言って紫はまた寝てしまった。

 

理 「とりあえず俺も寝るか…………」

 

そう言って理久兎は横にならないで座って寝た。こうして理久兎は紫の名付け親になったのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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