日も暮れて夕焼け空から夜の闇へと空は変わる。耶狛は華扇についていき少し離れた場所に来る。
耶狛「ねぇまだ歩くの?」
と、聞くと華扇は立ち止まりこちらを振り向く。
華扇「‥‥‥‥」
そして黙って暫く立ち尽くしだす。華扇ちゃんは何がしたいのかな。すると頭を下げて、
華扇「さっきはごめんなさい」
耶狛「ふぇ?」
華扇「だからその突き放すような事を言ってしまっ
た事よ‥‥」
つまり呼び出したのはこれを伝えるためって事だったんだ。でも気になるのは何でまた突き放すような事を言ったんだろう。
耶狛「ねぇ華扇ちゃん何でまた私やお兄ちゃんを突
き放すような事を言ったの?」
華扇「えっそれは‥‥」
ぐるぐる巻きになっている右腕を掴み目をそらす。もしかしたら伝えにくい理由なのかな。
耶狛「やっぱり良いや」
華扇「えっ?」
耶狛「伝えたくない事は言わせるなって何時もお兄
ちゃんやマスターに言われてるからね♪だか
ら言わなくて良いよそれに華扇ちゃんも言い
にくいでしょう?」
華扇「耶狛‥‥」
耶狛「ただ改めて私と友達になって下さい華扇ちゃ
ん♪」
嘘偽りのない笑顔で手を差し出す。華扇は戸惑ったような顔をするがゆっくりと手を握る。だがその時になって気づいた。あの頃みたいな華扇ちゃんから鬼としての力があんまり感じられないのだ。
華扇「耶狛?」
耶狛「‥‥ううんありがとう♪」
だが力あろうが無かろうが華扇ちゃんは華扇ちゃんだ。それは変わることはない。握手をして互いに手を離す。
華扇「戻りましょうかそろそろ準備も終えてる頃だ
と思うし」
耶狛「うん♪」
そうして耶狛と華扇は亜狛とマミゾウが待つ場所へと戻るのだった。一方その亜狛は、
亜狛「‥‥‥‥何か狸が多くなったな」
ぞろぞろと狸妖怪達がマミゾウの行っている作業を覗きに来ていた。というか覗きに来すぎだろ。しまいには、
狸 「キャハハ」
狸 「わぁい!」
自分が座る岩場の近くで遊びだす始末だ。元気があるのは良いことだが、こういうの親分としてしっかりと教育しておけよな。
マミ「うむこんなもんじゃろ」
立ち上がり大きく体をそらし伸ばし始める。
亜狛「終わったんですか?」
マミ「うむ‥‥お主達そろそろ遊びは止めぬか」
そう言うとマミゾウの部下達はピンと立ち止まりそそくさと林の中へと駆けていった。
亜狛「それ上司として教育してますか?」
マミ「うるさいわい‥‥ここ最近は血生臭い事が少な
くなったから自惚れておるだけじゃよ」
そういう事なら是非とも地底に来て欲しい。そんな甘ったるい考えはすぐに抜ける。だが今の地上ではその位の方が丁度良いのかもしれないな。マミゾウの言う通り血で血を拭う時代なんかではない。そんな時代はもうとうに過ぎたのだから。
マミ「何をそんな笑っておる?」
亜狛「いいえ‥‥時代の流れを感じたもので」
マミ「‥‥‥‥そうか先程の貫禄がないと言ったが取り
消そうお主には貫禄があるわい」
亜狛「そうですか♪」
まさかそんな台詞がマミゾウから出てくるとは。耶狛の話だと自分達を毛嫌いしていると聞いていたがそうでもなさそうだな。
マミ「しかしあやつ達は何時になったら戻ってくる
のか‥‥」
亜狛「多分そろそろだと思いますが‥‥」
そう言いながら待つこと数分後、
耶狛「ただいま~♪」
華扇「遅れました‥‥」
2人が戻ってきた。それも耶狛は最初の時みたいに元気いっぱいになってだ。見た感じからしてどうやら仲直りは出来たみたいだな。
亜狛「お帰り耶狛♪」
耶狛「うん♪」
頭を撫でてニコリと微笑む。本当に元気になってくれて良かったよ。もし元気になってなかったらその時は無駄な血が流れてたかもしれないからな。そんな事が起きなくて良かった。
マミ「何処に行っておったんじゃ?」
華扇「まぁその少し‥‥」
マミ「そうかまぁ良いわいそれでそなた達は準備は
大丈夫なのか?」
大丈夫かと聞かれたため撫でるのを止めてマミゾウの顔を見て、
亜狛「えぇこっちは何時でも」
耶狛「こっちも何時でもOK!」
と、返事をするとマミゾウは頷く。そして華扇の方を向くと、
マミ「とりあえず任すぞ」
華扇「えぇとりあえずそろそろ蓮さんが何かしらの
トラブルに巻き込まれてそうだから収拾をし
てくるわ」
マミ「うむ」
そう言い華扇は去ろうとすると耶狛は前へと出て、
耶狛「華扇ちゃん」
華扇「何ですか?」
耶狛「またね♪」
そう言い手を振る。それを見た華扇は微笑み、
華扇「えぇさようなら♪」
そう言って華扇は夜空へと飛び上がり博麗神社がある方角へと向かって飛んでいったのだった。
マミ「さてとそれでは行くかの」
亜狛「えぇそれじゃ送りましょうか」
そう言い裂け目を出そうとするとマミゾウは首を横に振る。
マミ「そんなものは不要じゃよ」
耶狛「えっそうなの?」
マミ「うむ‥‥そらっ!」
マミゾウは地面に思いっきり手をつくと大きな陣が現れる。
亜狛「なっ!」
耶狛「わぉ!」
マミ「これでいっきにオカルトボールごと外界へと
送るからの!」
自分達は光に包まれていく。その時、耶狛は手を差し出してきた。
耶狛「お兄ちゃん」
亜狛「‥‥‥‥あぁ」
不安なのかもな耶狛も自分もお互いに。差し出された手を握り頷くと耶狛は楽しそうに微笑んだ。そうして亜狛と耶狛そしてマミゾウは光の中へと飲まれその場から跡形もなく消えたのだった。そしてその同時刻、地霊殿の一室では理久兎は突然立ち上がる。
理 「‥‥‥‥っ!?」
突然、亜狛と耶狛の2人の気の反応が幻想郷からロストして驚いた。あの2人にいったい何があったんだ。
黒 「主よどうかしたのか?」
さと「理久兎さん?」
理 「えっあっあぁ大丈夫だ‥‥」
とりあえず目立つため座り考える。死ぬことはないとは絶対にない筈の2人の反応のロストは何かあったのか。
理 「亜狛‥‥耶狛‥‥頼むから無茶はするなよ」
信じて送り出したんだ最後まで信じなければな。地底の空を眺めそう呟き理久兎は2人を心配するのだった。
怠惰「ではでは今回はここまで」
千 「もうワシはツッコまん‥‥それで次回はつい
に黒幕の登場か?」
怠惰「はいそうです次回ついに黒幕が登場です」
千 「因みにその黒幕を一言で表すなら」
怠惰「ボッチなオカルトっ子ちゃん」
千 「止めんか!?」
怠惰「なら公式が認めた眼鏡っ子(ボッチ)」
千 「じゃから止めんか!?」
怠惰「とまぁ黒幕は正直な話でボッチです今のと
ころはね」
千 「お主はいい加減にせんとファンから色々と
苦情が来るぞ」
怠惰「その時は怒られます‥‥でも千ちゃんボッチ
には2つのパターンがあるんだよ?」
千 「何じゃいきなり語りだして」
怠惰「1つはいつの間にかボッチになっている例
2つ目は自分からボッチになる例の2つの
パターンがあるんだ今回の黒幕とリアルの
怠惰さんは後者の方のボッチタイプだね」
千 「止めんか!?」
怠惰「ただ辛いのは学生時代の「はいペア組んで
ねぇ~」の一言が拷問だったけどね」
千 「こっ心が抉られるのぉ」
怠惰「ハハハ‥‥高校が一番楽しかったな中学時代
は裏切りが多かったから」
千 「何があったんじゃ‥‥怠惰よ泣いて‥‥良いん
じゃぞ?」
怠惰「うるせぇやい、とりあえず時間も時間だし
今回はここまで」
千 「うむまた次回もよろしく頼むぞ!」
怠惰「それでは読者様」
千 「さらばじゃ!」