理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第47話 都へ

理久兎が紫を助けてから翌日の朝。

 

カタン!カタン!

 

理 「ふぅ………薪を切るのも疲れるな」

 

台所の火を起こすために薪を割っていた。すると、

 

紫 「フワ~~何の音?」

 

あくびをしながら紫が此方を覗いてきた。

 

理 「ふぅ~~………ん?何見てるんだ紫?」

 

此方を見ている紫に聞くと紫は此方を見ながら、

 

紫 「………あの理久兎さん斧は使わないん

   ですか?」

 

と、聞いてきた。元々修行の一貫として手刀で行ってきたため斧など必要はなくなっていたのだ。そした紫は自分に、常識的な事を言ってくると、

 

理 「いや何時も使ってないよ?」

 

理久兎は非常識的な事を述べる。それを聞いた紫は黙ってしまう。

 

紫 「………………………」

 

理 「とりあえず飯を作るから待ってて」

 

紫 「はい…………」

 

紫の顔がありえないという顔になったのは言うまでもない。そして割った薪を回収して小屋へと入る。数時間後には温かい朝食が出来上がる。

 

理 「いただきます………」

 

紫 「いっいただきます」

 

今日の朝食は、御飯に魚の塩焼きそして、ほうれん草のおひたしといったシンプルな朝食だ。

 

紫 「本当に理久兎さんは料理上手ですね……」

 

理 「それは嬉しいこと言ってくれるね♪」

 

そんな会話しながら朝食を食べた。

 

紫 「ご馳走さまでした………」

 

理 「お粗末さまでした」

 

紫 「でも本当にこんなにお腹一杯に食べれる

   のは本当に幸せです………」

 

この時、紫の見に何が起きたのかと聞きたくなった。だが彼女の心の傷を無意識に抉る程、自分も鬼ではない。だから聞かないことにした。

 

理 「ハハハ♪そうか………なぁ紫ちゃん♪」

 

紫 「何ですか?」

 

理 「少し外出するから準備してくれる?」

 

紫 「えっ!?」

 

何故、理久兎が外出するのかそれには理由がある。主に調味料の買い出し()だ。だが紫は、

 

紫 「でも理久兎さんが1人で行けば………」

 

と、言うがどうしても紫を連れていかねばならない秘密の理由があるためはぐらかしながら、

 

理 「もしがあるからね♪ついでに紫ちゃん

   にも関係しているのもあるから………」

 

と、言うと紫は若干迷いながらも、

 

紫 「分かりました………」

 

承諾するのだった。そうしてそんなこんなで準備し終わり、

 

理 「じゃ~行くよ♪」

 

紫 「はい………」

 

そ理久兎と紫は出発した。

 

神様 少女移動中………

 

そして理久兎と紫は目的地に辿り着いた。

 

紫 「理久兎さんまさかここですか!?」

 

理 「うんそうだよ♪」

 

理久兎が、向かったのはなんと、

 

紫 「絶対アウトですよ!ここは都ですよ!」

 

そう都だ。しかも一番妖怪達にとっては手厳しく警備の厳しい場所でもある。妖怪達も入りたくても入れない何故か。今現在妖怪狩り専門の連中もいるからだ。もっと分かりやすく書けば現代でいう陰陽師みたいな連中だ。

 

理 「大丈夫だよ♪紫ちゃんおでこだして♪」

 

紫 「え?はい………」

 

そう言うと紫はおでこを出した。

 

理 「今からおまじないをかけてあげるから♪」

 

理久兎は、そう言って紫のおでこに指を筆代わりにしてルーン文字でおまじないを書く。

 

理 「これで大丈夫♪」

 

紫 「不安しかないんですけど………」

 

理 「問題ないから行くよ♪」

 

理久兎が、やったのは魔道の1つルーン文字を紫ちゃんのおでこに書いた。その魔法の内容は、『パワーミラージュプロテクト』簡単にいうと外部からの力のサーチ効果をジャミングする魔法だ。これを使えば妖怪達の妖力も隠せるから意外に便利なのだ。勿論少しの魔力だから紫にも気づかれてもいない。お手軽な魔法だ。

 

理 「俺もこうしてっと……」

 

理久兎は妖力から霊力に変換した。

 

紫 「あれ?理久兎さんの力の質が変わった?」

 

理 「俺は少し特異体質でね霊力と妖力を

   どっちも使えるんだよ♪」

 

それを聞いた紫は少し驚いた表情をした。

 

紫 「凄いですね……」

 

理 「じゃ行くよ!大丈夫信じろって♪」

 

紫 「分かりました……」

 

紫は不安を抱きつつもそう言い2人は都に入った。そして紫はこれまで都に来たことがないからか色々と初めて見るものも多かった。

 

紫 「凄い……」

 

理 「紫ちゃんこっちにおいで!」

 

紫 「はい!」

 

紫は返事をして理久兎についていく。まず紫を連れて行った場所は、

 

店員「いらっしゃいませ!」

 

紫 「………えっと何のお店ですか?」

 

紫が理久兎に訊ねると、

 

理 「ここは服屋だよ♪」

 

そう理久兎が何故、紫を連れてきたかというとまずその服を変えようと思ったからだ。理由はボロボロの服だと目立つしみすぼらしくて可哀想に見えてくるからだ。

 

店 「何をお探しですか?」

 

理 「この子に合う服を頼む♪」

 

紫 「えっ!?」

 

突然の理久兎の発言に紫は驚いた。

 

店員「かしこまりました」(≡^∇^≡)

 

理 「紫、自分が好きな服を選びなさい」

 

理久兎が紫に服を選ぶように言うと、

 

紫 「良いんですか……?」

 

理 「構わないよ♪行ってらっしゃい♪」

 

紫 「わかりました!」

 

そう言って紫は服を選びに行った。

 

理 「クスクス♪」(o^-^o)

 

理久兎から見て紫ちゃんは楽しそうに服を選んでいたそこはとても女の子らしいところだった。紫が服を選ぶこと数分後、

 

紫 「理久兎さんこれがいいです!」

 

紫ちゃんが持ってきたのは紫色でフリルのついたこの辺では見ない珍しい服だ。

 

理 「珍しい服だね……」

 

店員「はい!ここ最近、異国の方で見られた服

   なんですよ!」

 

理 「紫ちゃんそれで良いの?」

 

紫 「はい!」

 

と、大きな返事をしてくれた。財布を出すと、

 

理 「お値段は?」

 

店の人に服のお値段を聞くと、

 

店 「え~と2万円です」

 

と、結構お値段が張る服だった。買えないこともないが、

 

理 「結構なお値段だねじゃこれで……」

 

そう言い理久兎は財布から二万円を出すと、

 

店 「丁度ですね毎度ありがとうございました!

   後お客さん!お高めの服を買ってくれたので

   少しサービスしてこの帽子もあげますよ」

 

店の人から渡されたのはドアのキャップみたいな帽子だ

 

理 「ありがとうね♪後ここで着替えても

   大丈夫?」

 

そう聞くと店の人は大喜びで、

 

店 「問題ございませんよ!!」

 

と、言うので理久兎はお言葉に甘えて、

 

理 「せっかくだから着替えて来なよ♪」

 

紫 「ありがとう理久兎さん!」

 

更に数分後……

 

紫 「どうですか………」(///__///)

 

紫はモジモジしながら理久兎に感想を聞くと、

 

理 「よく似合ってるよ♪」

 

幼さはある。だがそれでも少し大人びた感じにまとまりなおかつ先程のボロ切れの服よりはとてもマシだ。

 

紫 「ありがとうございます………」

 

理 「じゃありがとうね」

 

店 「こちらこそありがとうございました!」

 

そんなこんなで店を出て他の調味料などを買って帰路についた。しかも丁度よく紫ちゃんにかけた魔法も効果切れだ。

 

紫 「理久兎さん!今日はありがとうござい

   ました!」

 

理 「良いよ気にするな………」

 

紫 「でも気になったんですけど……」

 

理 「ん?」

 

紫 「理久兎さんあのお金ってどこから……」

 

紫にお金の事を聞かれた。それは少し説明に困ってしまう。

 

理 「あ~~~あれねぇ………」

 

何て言うかと悩んでいると、

 

山賊「おいそこの奴ら金とその衣服おいて

   いきな!」

 

山賊「ひゃひゃひゃ」

 

山賊「おいてけ!おいてけ!」

 

武器を持った明らかにもTheモブという山賊が出てきた。ついでに見た目がダサいし蝿が数匹周りをブンブンと飛んでいた。。

 

紫 「山賊!?」

 

理 「そうだ紫ちゃん少し見ててね♪仙術十八式

   瞬雷……」

 

仙術を唱える。その次の瞬間、

 

シュン!

 

紫 「えっ消えた?!」

 

突然紫の目の前から理久兎の姿が消えた。

 

山賊「さ~おい………ギャフ!」

 

何が起こったのか山賊の1名がいきなり倒された。

 

山賊「何が起こっ……アベシ!」

 

また1人倒れ、

 

山賊「何がどうなって……アヒュン!」

 

そして最後の1名も倒れた。そんな光景を間近で見た紫は驚いていた。

 

紫  ( ̄□ ̄;)

 

シュン!

 

そして姿を消した理久兎が突如現れた。

 

理 「よ~しこいつらから剥ぎ取るか♪」

 

理久兎は山賊達から財布と服などを剥ぎ取った。なおふんどしは残してあげた。流石に男として可愛そうになったため。

 

理 「意外に入ってるな多分俺らの前に誰からか

   金を剥ぎ取ったな………まぁちょっと余分に

   ゲット出来たから良しとするか………」

 

紫 「まさか殺したんですか!?」

 

理 「いや殺してないよ!?こいつらなんて

   殺しても何の得もないしね……」

 

理久兎が、やったのはあくまで相手を気絶させる程度の攻撃(グーパン手加減)だ殺戮的な技は使っていない。

 

紫 「そうですか…」

 

理 「あ~そうそう話の続きだけどお金の稼ぎ

   方は今みたいな感じだよ♪」

 

紫 「何時もこんなことを?」

 

紫が理久兎に聞くと、

 

理 「はっきり言うとこいつらから挑まれたら

   勝負しているだけだよ♪ついでに人から

   盗みを働いているからねこういう奴らの

   この結果は自業自得なんだよね♪」

 

紫 「そうですか……」

 

理 「だから気にすることはないよ」

 

紫 「そうですね…理久兎さんみたいに強くなりた

   いな……

 

紫は理久兎の圧倒的な強さを初めて見てその強さに憧れた瞬間だったが、

 

理 「何か言った?」

 

紫 「いっいえ!」

 

理 「まぁいっか紫ちゃん早く帰って御飯を食べ

   ようか?」

 

紫 「はい!!……(理久兎さんに頼んでみようかな)

 

そんなこんなで理久兎と紫は小屋へと帰って行ったのだった。

 


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