第48話 弟子が出来ました
山賊達の襲撃から翌朝の事。
理 「ズズ……うん!良い出汁だ!」
味見をしつつそう呟く。因みに味噌汁を作っているが具材はシンプルに魚のつみれ団子だ。
紫 「良い香りですね♪」
理 「おはよう紫ちゃん♪」
紫 「おはようございます理久兎さん!」
理 「もうすぐ出来るから待っててね……」
紫 「わかりました!」
理久兎の言葉を聞いた紫は鍋をかき混ぜる理久兎をジーと居間から見続けていた。そして数分後………
理 「はいお待ちどうさま」
紫 「今日も美味しそう!」
メニュー、御飯、味噌汁、目玉焼き、菜の花のおひたし、でとてもバランスの良い食事だ。
2人「いただきます!!」
紫 「理久兎さん後でお話ししたいことが
あるんですが……」
理 「ん?」
紫 「食べ終わったらで良いので聞いてくれ
ませんか?」
理 「いいよ…」
と、言うと紫は真剣な顔になって朝食を食べ始めるのを確認し何かあるなと悟った。そして食べ終わり、
紫 「ご馳走さまでした………」
理 「お粗末さま………で?話は?」
紫 「実は………その………」
理 「うん」(・_・?)?
紫 「図々しいとは思いますでも言わせてくだ
さい!!」
理 「だから何が?」
紫 「私を理久兎さんの弟子にしてください!」
理 「…………え?は~ーー!?」
理久兎は唐突すぎて本気で驚いた。だからこそ弟子になりたい理由を聞かずる得なかった。
理 「なんでまた?」
紫 「私は昨日の理久兎さんの戦いを見ました
それで私もあそこまではいかなくても
自分のことは自分で守れることは出来る
ようになりたいんです!!だから弟子に
してください!!」
理 「うむ………………」
理久兎は考えた確かに自分の戦い方を見てそれで弟子になりたいそれは良い。だけど弟子をとったことが1度もないそれどころか彼女に対してしっかり教えられるか責任はとれるのかなどを考えた。
紫 「お願いいたします!!」
紫は座って頭を下げた……
理 「おいおい紫ちゃんお願いだから頭を
あげてくれ」
紫 「お願いいたします!!」
紫の決死の願いが届いたのか理久兎は紫に、
理 「紫ちゃん1つ言わせてほしい……」
紫 (・_・?)?
理 「俺は、これまで弟子を取ったことは
1度もない……それでも良いのか?」
理久兎は確認のために自分は弟子を1回も取ったことがないと言うと紫は、
紫 「もちろんです!なら私と学びましょう!
理久兎さん!!」
理 「紫ちゃんには負けたよ……いいよ弟子に
なって……」
紫 「ありがとうございます理久兎さん!!
いえ御師匠様!!」
理 「無理することはないんだよ紫ちゃん?」
急に言い方を変えるなんてのは難しいため無理のない範囲でいうが紫は、
紫 「いえ大丈夫です!!」
と、強くいった。
理 「そうか……まぁ良いかとりあえず本格的な
修行の方は明日からね♪」
紫 「分かりました!」
理 「そうだな~……なら紫ちゃん」
紫 「はい?」
理 「紫ちゃん文字とか読み書きは分かる?」
紫に文字の読み書きが出来るかを訊ねると紫は首を横に振り、
紫 「いえ分かりません……」
そう言うと理久兎は笑顔で、
理 「なら今日は修行の代わりに文字や読み
書きを少し教えてあげるよ♪」
紫 「ありがとうございます御師匠様!」
理 「じゃ~そうだな……」
そんなこんなで紫ちゃんに文字や読み書きを教えて今日は終わった。
翌日、理久兎と紫は滝のある森の中に来ていた。
理 「紫ちゃんまず滝行から始めようか?」
紫 「何が目的ですか?」
理 「紫ちゃんの力の質は妖怪だから妖力なの
は分かるよね?」
紫 「それは分かります!」
理 「その妖力をできるだけ限界まで出し続けて
それを維持するんだよ…そうするとやがて
は妖力を今よりもっとコントロールできる
し自分が使える妖力の量も増えるこいう事
なんだよね♪」
紫 「つまり、滝に打たれながら心を無にして妖
力を出し続ければいいと言うことですね?」
理 「そうだね♪これをまず数時間してみようか
紫?」
紫 「分かりました!」
紫の返事を聞くと理久兎はある事を思いつき紫に提案する。
理 「あぁ少し俺はここを空けるよ」
紫 (・_・?)?
理 「この場所で取れる山菜や動物をダッシュ
で狩りに行くから紫ちゃんが終わる頃に
は帰るよ♪」
紫 「わかりました!」
理久兎は、そう言ってこの場所から少し離れた……
紫 「さ~て頑張るぞ!」
だが理久兎は本当は離れるべきではなかったのだ……
妖怪「見つけたぜ小娘!」
紫 「え!!!」
ガン!
紫は突然後ろから後頭部に鈍器で殴られ不意討ちを仕掛けられた……
紫 「うっ………」
バタン!
突然だったそれに対応できず紫は気絶してしまったそしてその拍子で帽子も落ちた。
妖怪「散々手こずらせやがって」
妖怪「行こうぜ親方が待ってる!」
妖怪「てかよ…俺のこん棒今ので折れちまったよ」
妖怪「もうだいぶ使ってたしな……」
妖怪「とりあえずよこいつ運ぶか……」
妖怪「それさっき俺が……も~いいや……」
そんな会話をしながら妖怪は紫を担いで彼らの拠点に帰っていった。そこから数分後、
理 「お~い紫ちゃん♪」
紫を呼ぶのだが紫どころか誰も返事をしない。
理 「あれ?」
不信に思いすぐに紫ちゃんがいた場所に駆けつけた。
理 「これは…………」
理久兎が見つけたのは紫が着けていたドアキャップみたいな帽子にそして更に紫ちゃんの手掛かりになりそうな物を見つける。
理 「この折れたこん棒は……」
そうこの折れたこん棒を理久兎は脳裏を過りそれを見たことがあった。それは紫を追っていた妖怪が持っていた武器と同じ物だった。つまり紫はまた拉致られたというのが分かった。
理 「良い度胸しているじゃねえか……」
このせいで堪忍袋もぶちギレを通りこした。殺気を制御するのを忘れて殺気は駄々漏れしかもそのせいなのか、
鳥 「ギャーギャーギャー」
動物「キャン!キャン!」
周囲の動物達もその感で危機を察知して逃げている。しかもそれだけではない。
ゴーーンゴロゴロ!!!!!
理久兎の能力のせいで天気も急に悪くなり始めしまいには雷が鳴り後少しで雨も降りそうだ。
理 「俺の身内に手を出したこと後悔させてや
るよ……あのゴミ屑共が!!」
そう言って理久兎は走り出す紫ちゃんいや自分の弟子を見つけるために。