雪降り積もる廃村では理久兎達によるガサ入れが始まっていた。
ガサガサガサガサ
理 「う~ん何か良い物はないかな……」
理久兎は亜狛と耶狛と離れて廃村の一軒家の中をガサ入れしていた。
理 「使える物が何にもないな此方は外れか……
ハックシュン!」
理久兎は何も見つからなかったそれどころか何故かくしゃみをした。
理 「風邪……じゃないな……ん?何だあれ?」
理久兎は、玄関の外を見るとさっきまでなかった物があったのだった。ここで亜狛の視点に移そう。
亜 狛何にも見つからないなぁ」
理久兎が一軒家を探索している同時刻……亜狛が探しているのは理久兎が探索しているよりもちょっと大きな家だ。
亜狛「う~ん何かないか……」
亜狛は何を思ったのかふと後ろを振り向くと、
亜狛「ん?これは?」
そこにあったのは自分に合いそうな物だった。
亜狛「これは手甲!」
そう亜狛が探していた手甲が飾られていた。
亜狛「俺はマスターや耶狛とは違って盗みを自ら
働いていないこれは探索だ!そう探索なん
だ!だから持っていっても大丈夫だ!」
亜狛は自分にそう言い聞かせた。この時が丁度、理久兎がくしゃみをした時間だ。
亜狛「よし!持っていこう!」
亜狛は迷わずその手甲を持っていく。
亜狛「耶狛は何か見つけたかな……とりあえず
合流しよう!」
そう言って耶狛がいるであろう廃神社に向かうのであった。そして視点は耶狛へと変わる。
耶狛「探索~♪探索~♪」
耶狛は1人、廃神社の中を探索をしていた。
耶狛「何か……ハックシュン!!ズズ…うぅん
寒い……」
この時に亜狛が2人のことを愚痴ったのと同時刻だ。
耶狛「う~ん何かないかな……」
耶狛は探し続けていた。すると、
耶狛「何にも……あれは?」
耶狛は押し入れらしきものを見つける。
耶狛「あの中からは良い物が出そうな予感がビン
ビンする!!」(*$∇$*)
耶狛は迷わずその押し入れに近づき、
耶狛「そぉ~~い!!」
ガタン!
扉を勢いよく開ける。そこにあったのは、
耶狛「これは?なんだろ??」
耶狛が見つけたのは杖みたいな形で先が丸くなっていてその円形にまた円形がくっついていた。それは錫杖《しゃくじょう》だった。
ジャラン♪ジャラン♪
と、音をたてる。
耶狛「面白いから持っていこう!後は……」
耶狛が更に押し入れを探してみると、
耶狛「おぉ箱だ!」
箱があった。それを、
耶狛「ゴマだれ~♪」
と、言いながら開けた。そしてその中身は、
耶狛「これ可愛い~」(ノ≧▽≦)ノ!!
耶狛が見つけたのは巫女服だ。敢えて言っておくがこれの原作の1Pカラーの脇巫女様と2Pカラーの脇巫女様の服とも違う普通の巫女服だ。色は黄色と白色を中心とした物だった。
耶狛「う~んでも少し穴が空いてるな~」
何年か放置され虫食いによって穴などが空いていた……
耶狛「そうだ!マスターに直してもらお!」
直してもらおうと決心して呟く。そんなことを呟いていると、
亜狛「お~い!耶狛……」
耶狛「あっ!お兄ちゃん!!」
亜狛が能力を使って耶狛のもとまでやって来た。
亜狛「いたいた♪そろそろマスターと合流するぞ」
耶 「あっ!もうそんな時間か……お兄ちゃん
この服持って~」
亜 「ん?その服かいいぞ……」
そう言って亜狛は耶狛に頼まれた服を持った。
亜 「んじゃ行くぞ……」
耶 「分かった!」
そう言って2人は、お互いの能力を使ってマスターもとい理久兎のもとに向かうのであった。そして理久兎の視点にまた戻る理久兎が玄関の外で見つけたのは、
理 「確かあれは地蔵?」
地蔵だそれもさっきまで何もないはずの玄関の外の前にだ。そして突然……
地蔵「貴方は何をしに来たのですか!」
理 「あれ?しゃべった……?」
そう地蔵が喋ったのである。どうして分かるのかそれはここには理久兎以外に誰も居ないしそれでいて地蔵の方から声が聞こえるくるからだ。
地蔵「良いから答えなさい何をしにここに来た
のですか!」
ここで嘘をついてもばれないだろうが理久兎は嘘をつくのはあまり好きではない。そのため正直に答えた。
理 「この村のガサ入れをしに来た♪」
地蔵「貴方それは泥棒です!!」
理 「えっ?だってここ誰も住んでないよ?」
地蔵「っ!それでも犯罪です!」
理 「ふぅ~んじゃ何で俺が犯罪者って言いきれ
るの?」
と、言いきれるのかと聞くと地蔵はただつぶやく。
地蔵「私には黒か白かが分かります!貴方が黒か
白かも例外ではなくともです!」
理 「そんなに自信有りげに言うなら俺は?」
地蔵「貴方は……白です!……えっ?!」
理 「白なら良くない?」
地蔵「いえだって……え?!」
そう理久兎は昔に制定した理がある。それが有る限り相手からの能力の干渉は受けない。しかもそういうサーチ系統の能力は最悪の場合誤誘導を引き起こす。
地蔵「何故ですか……!?」
そんな事を地蔵が呟いていると、
ドスン!
地蔵「ガフっ!!?」
耶狛「もうお兄ちゃん座標がずれてるよ……」
亜狛「悪い片手が服で封じられてて力の加減を
ミスった……」
突然、裂け目が出来たかと思うと亜狛と耶狛が上からダイブしてきて地蔵を下敷きにして着地した。
亜狛「あっマスター!!」
耶狛「ただいまんす!!」
と、元気良く言ってくれるのは良いのだが、
理 「お~い2人共……」
亜狛「何ですか?」
耶狛「どうしたの?」
理 「下見ろ下を……」( ´Д`)=3
亜狛「ん?下?」
耶狛「なんだろ??」
と、亜狛と耶狛は聞くこととなる。
地蔵「どうしてこんな目に」(TДT)
地蔵が泣く声を。そして亜狛と耶狛は倒した地蔵を起き上がらせそこから数分後……
地蔵「ひぐっ」(つд;)
地蔵は未だに泣いていた。
亜 「いや本当に悪かった……」
耶 「ごめんね下敷きにしちゃって……」
地蔵から涙は出ていないが聞いていると結構泣いていた。
理 「いや本当に俺の神使が迷惑をかけた
すまなかったな……」
地蔵「ひぐっ……神使……え?!貴方神様?」
理 「ん?あぁ俺の名前は深常理久兎だ♪」
それを聞くと地蔵は黙りみるみると声を張り上げていく。
地蔵「理久兎……まさか……深常理久兎乃大能
神様!」
理 「あぁやっぱり知ってたか……」
地蔵「それはもう有名ですから…まさか太古の
神に出会えるなんて……」
どうやら神達の中だと自分の存在は知られているらしい。しかも地蔵にまで知られていた。諏訪の国で偽名を使って本当に良かったと思えた。
理 「とりあえず神使が迷惑をかけたからね
だからこれでチャラにしてくれよ…♪」
地蔵「えっ!なっ何を!?」
理 「せいや!!」
地蔵の額に顔面に向かって霊力を纏わせた拳で殴って軽く吹っ飛ばす。
地蔵?「ぐふ!」
そして地蔵は木に激突し地面に着地した。すると突然光だして、
バーーン!!
地蔵が爆発した。この光景には亜狛と耶狛も顔が真っ青になった。
亜狛「マスタ~~~!!!?」
耶狛「うっそ……!?」( ; ゜Д゜)
もう驚いていた。だが心配はない。
理 「大丈夫さよく見ててみなよ♪」
と、言ったと同時に爆発したと同時に出た煙から、
地蔵「痛てて……何するんですか!」
亜&耶 (; Д)゚ ゚
亜狛と耶狛は目が飛び出てくるぐらいびっくりしていた。その理由は、
地蔵「あれ?体が……手が…それに足も!」
理 「ハハハ♪計画通り……いや少し焦った」
3人の目の前には緑髪の小さい女の子がいたのだ。それは紛れもなく先程の地蔵だ。だが失敗したと思い正直焦ったが気にしないでおく。
理 「君にはお詫びにその体をあげるよ♪」
地蔵「凄い……良いのですか!」
理 「良いよ気にするな……♪」
地蔵「ありがとうございます!!」
元地蔵は頭を90度に下げる。そこまでする必要はないと思った。だがこの元地蔵の能力を思い出しある事を思い付く。
理 「そうだ…君地獄に行ってみたら?」
地蔵「何故ですか?」
理 「地獄なら君の能力がとても役にたつ筈だよ
それにここに居ても何にもないからね」
地蔵「そう…ですね……」
元地蔵は少し悲しそうだ。恐らくこの廃村で何かが起きたのだろうが敢えて聞かないでおくことにした。
理 「あっそうだ!少し待ってて♪」
地蔵「えっ?…わかりました……」
理久兎は亜狛と耶狛を見ると、
理 「亜狛ペンある?」
亜狛「いやないですね……」
理 「ならば耶狛!」
耶狛「持ってないよマスター……」
理 「しょうがないか……」
そう言って自分は断罪神書を取り出しそのページを漁ってペンと紙を出した。これを見た3人からは何故かジーと睨まれる。恐らく心の中では「なら聞くな!」と3人の言葉が重なっているだろうと予測した。だがそんな事は気にせずペンで紙に書きそして、
プチ!!
自身の人差し指をペンで刺す、するとそこから血があふれでてそしてその血を紙に押し付けそれを離すと自身の血印が押された何かが出来る。
理 「はいこれ持っていって♪」
理久兎はそれを元地蔵に渡す。
地蔵「これは?」
理 「俺から推薦状♪それを持っていけばすぐに
試験を受けれるよ♪」
そう渡したのは閻魔の推薦状だ。大方これを見せればすぐに受けれるだろう。何せ自分の血印が押してあるのだから。
地蔵「本当に何から何まで……」
理 「ハハ♪亜狛ゲートを開いて♪」
亜 「行き先は聞くまでもないですよね……」
そう言うと裂け目が開く。
理 「お入りなさいな♪」
地蔵「ありがとうございました理久兎様!」
そう言うと元地蔵は裂け目の中に入っていった。そして理久兎は亜狛と耶狛に、
理 「とりあえずお前らも次は気をつけろよ……」
と、注意する。それに対して亜狛と耶狛は、
亜狛「面目ない……」
耶狛「ごめんなさい……」
と、謝罪をしたのだった。そんなこんなで廃村のガサ入れは終わったのだった。だが心で思った。
理 (次からは神使じゃなくて式神とかで通そっと
いや~言葉は難しいな……)
次からはそんな失敗がないようにと理久兎は心に思いながら亜狛と耶狛と共に歩き出すのだった。